アーチェリー部

2018.04.10

関東学生リーグ戦 男子第3戦 4月8日 埼玉・東洋大レンジ

またも接戦を制し3連勝!チーム力を増しリーグ戦後半戦へ

 先週の関東学生リーグ戦(リーグ戦)第2戦で強敵・立大を接戦の末に破った早大。第3戦は拓大との対戦となった。拓大は昨年の全日本学生王座決定戦(王座)で敗れた因縁の相手。この日も戦前の予想通り接戦が展開される。後半あわや逆転というほどにまで点差が詰まったが、遠藤宏之監督(平4政経卒=東京・早大学院)の声掛けで息を吹き返した早大は、見事拓大を振り切った。

 実力の肉薄した相手との対戦に、緊張感のある試合が続いているリーグ戦。その中でも斜線に立つ8人が気持ちよく射てるよう、サポートメンバーも含めた全部員が一丸となって戦い抜くのが早大のスタイルだ。しかしこの日はいい流れがうまく生み出せていなかった。各選手ともエンドごとに得点のばらつきが出てしまい、同じように苦戦する拓大を突き放すことができない。本来の力が出せればもっと楽に勝つことができるはずなのに――。そんな葛藤を抱えたまま試合は進む。「まだまだ余力が残っているんじゃないでしょうか」。50メートル終了後、野村翼主将(スポ4=愛知・岡崎北)が円陣でそう声を掛けチームを鼓舞するが、もどかしい状況は変わらないままだった。

リーグ戦初出場を果たした有村俊祐(文3=東京・国際)

 徐々に差を詰められ、30メートル第3エンド終了時点での点差は16点。このまま悪い流れを打破できなければ逆転されかねない。そんな状況で迎えた点数報告後の声掛けの担当に名乗り出たのは、遠藤監督だった。「もっとできるはず。目の前の一射一射が勝利につながります」。輪をつくる部員一人一人に視線を向けながら語る。全員での声出し時には「絶対勝つ!」と5回繰り返した。監督の熱意に応えるように全部員が大きな声を出す。笑顔と活気を取り戻した早大勢はここから再び差を広げ、紙一重の戦いをものにした。

チームを鼓舞する遠藤監督

 遠藤監督の心強い声掛けで九死に一生を得た早大。試合前後の円陣では毎回選手にアドバイスを送っているが、試合中に監督自ら声を掛けるという場面はほとんどない。試合後、監督にその心中を伺うと「本人たちが自律的に気付くのが理想」とした上で、『個人戦と団体戦の違い』を語ってくれた。「アーチェリーはメンタルのスポーツですが、団体戦ではコミュニケーションでメンタルを保つことができる。きょうはそれが不十分だったという印象でした」。学生たちが悩んでいる様子が手にとって分かったからこそ、自らそのヒントを与えたのだ。実際にその後は応援の声量もひと際増し、息を吹き返したかのようだった。この雰囲気を保つことができれば、見違えるほどの点数が出るかもしれない。そんな予感をさせたラスト3エンドだった。

 いよいよリーグ戦は終盤に向かっていく。もちろん3連勝しているチームの状態は決して悪くない。ただ、「彼らはもっとできる」。遠藤監督がそう語ったように、さらに点数を伸ばすための課題はこれまでの3戦で見つかったはずだ。ブロック優勝、そして王座での飛躍に向けて、まずは次週どんな試合を見せてくれるのか、注目だ。

(記事、写真 吉田優)

結果

○早大3860-3825拓大

コメント

遠藤宏之監督(平4政経卒=東京・早大学院)

――きょうでリーグ戦が折り返しとなりました。ここまで3戦を振り返っていただけますか

まずは我々の目標としては全勝でブロックを勝ち上がることです。第5戦で早慶戦が予定されておりますが男子は去年の秋に慶大さんに負けていますので、4戦全勝で最終戦を迎えて秋のリベンジを果たすことが大きなプランとしてあります。そういう意味では順調にきているなと思います。ただこれまでの点差を見ても分かるとおり、慶大以外弱いかというとそうではありません。例えばきょうの拓大さんも多分実力を出し切れていないです。我々の点数も若干不本意なレベルではありますが、ギリギリの勝利というのが率直なところです。先週の立大戦にしても本当に僅差でした。内容的には先週の方がお互いに実力を出したいい勝負だったと思いますが、いずれにしても決して余裕ということではなくて、幸いワセダに運があってというのが正直なところだと思います。

――そこを勝ち切れている要因はどこにあるとお考えですか

一番大きいのは幹部代のチームの雰囲気づくりです。それも去年の秋の早慶戦の敗戦はいろんな教訓があって、メンタルのスポーツですので流れの悪い選手にどういう声を掛けるかなどでちょっとした試合の流れが変わります。地味に同じようなことを繰り返しているようでも一人一人へのサポートの作り方が変わってきます。そういったことを早慶戦敗戦をきっかけに巻き直してきたと思います。特に立大戦はこの半年間準備してきたことが機能してきたなというふうに感じています。

――30メートル第3エンド後に監督自ら声出しをする場面がありました。あそこはどういった意味合いで行ったのでしょうか

立大さんが実力的には一番厳しい試合が予想されていましたので、それを乗り切っての変な落ち着き、慣れのようなものを途中で感じました。基本的にはなるべく学生たちだけで流れを作りながら勝ち切るというのが私は理想だと思っているのですが、あの時は点差がちょっと縮まっていました。あそこで崩れていたら数点差できょう負けててもおかしくないところです。幹部代も野村くんを中心によく考えて声を出してたと思いますが、空気感を変えるという意味ですね。

――そのきっかけを与えるといったことでしょうか

単純に私が出したいから出してるっていうのもあります(笑)。どう振れるか分からない危うい空気感の中で、残りの射を最高のパフォーマンスでできるか。本人たちが自律的に気付くのが理想です。ただ悪い状況を打開していくっていうのは難しくもあるので、周りから声を掛けて力強く選手をサポートしてあげる。それが個人戦と団体戦の違いなんですよね。後ろで見守っている人が選手の2倍、3倍はいるわけです。アーチェリーはメンタルのスポーツですが、団体戦ではコミュニケーションでメンタルを保つことができると私は思っています。そこを部員たちが自律的に気付いていければいいのですが、きょうはそれが不十分だったっていうのが僕の見た印象です。

――その中でも3連勝。状態が悪いわけではないでしょうか

3連勝できていますので、客観的に見ればいい雰囲気だと思います。非常にいいかたちで3戦できていますし、早慶戦についても私は本気で勝つと思ってやっておりますが、もっとできます。最後の円陣でも変にバイアスをかけたことを言ったとも思っていなくて、彼らはもっとできる。きょうの試合運びも特に幹部代からすると不本意だったと思います。もっと突き放して勝てたはず。そういう意味で言うともう一段の改善余地があると思います。王座出場は見えたと思うんですが、王座で日体大や近大に勝たないといけませんので、残りの2戦でもっと高めていく必要があると思います。

――最後に残り試合で選手たちに期待していることをお願いします

とにかく残り2戦を納得できるパフォーマンスで勝ち切ってほしい、それを王座に向けていくことですね。さらに下級生に関しては今年度の勝利だけでなく次の代、その次の代につながっていくような成長をしていってほしいなと思います。

有村俊祐(文3=東京・国際)

――きょうはリーグ戦は初めてでしたか

初めてでした

――緊張している様子でした

緊張していました。今もしています(笑)。緊張しすぎてテンパっているのが自分でも分かるくらいでした。でも周りの先輩に助けてもらってなんとかできました。

――きょうの自分の行射を振り返ってみていかがですか

緊張のせいかミスも多かったんですけどその後の切り替えはうまくいっていたかなという感じです。

――きょうは途中監督が声を出される場面もありました。雰囲気としてはいつもと少し違った部分もありましたか

僕は選手側からその雰囲気を感じ取ったことがなかったので、普段と違ってどうだったかってところはいまいち気付けなかったです。僕はとにかく初めてだったので力になっていました。

――応援の力はやはり感じますか

そうですね。同期に話し掛けられると結構緊張もほぐれました。

――今後も試合が続きます。どのよう練習を積んでいきたいですか

授業期間に入って練習時間もなかなか取れなくなると思うんですが、きょうだけで終わりにしないでまた出られるように、とにかく本数をこなしていけたらいいなと思います。