応援部

2018.01.06

第94回東京箱根間往復大学駅伝 1月2・3日 東京・富国生命ビル前、DNタワー21前、神奈川・箱根駅伝記念碑前

その一瞬に掛ける思い 密着!箱根応援

 お正月といえば。東京箱根間往復大学駅伝(箱根)と答える人も多いだろう。毎年ファンを増やしていく人気のお正月コンテンツであり、大学陸上界でもひと際注目される一大イベントだ。早大は第1回から出場する伝統校であり、古豪である。ところで、箱根に参加するのは競走部だけだと思ってはいないだろうか。箱根に不可欠なもの、それは選手たちへの応援であるといっても過言ではない。早大応援部は1、5、6、10区の4地点で選手たちにエールを送った。

 まだ薄暗い午前6時20分。内幸町駅からすぐの富国生命ビル前に部員は集まっていた。この箱根は、渡邊友希代表委員主将(政経3=静岡・沼津東)の代、つまり新体制になってからの初めての舞台である。最初は人がまばらだった沿道も、応援が始まる頃にはたくさんの早大ファンが集っていた。箱根バージョンにアレンジされた応援曲メドレーやことしから新しく始めたカラーアクションパネルを使っての応援、ユーモアの溢れる企画等で場は盛り上がる。いよいよ選手がスタートすると、早大を代表する応援曲『コンバットマーチ』が始まり、その後『紺碧の空』の1番を選手に届くよう何度も繰り返し、1区を走る藤原滋記(スポ4=兵庫・西脇工)の背中を後押しした。

「早稲田」のパネルを掲げるチアリーダーズ

 藤原が力強く駆け抜けた後、今度は急いで往路ゴールから約200メートル地点の箱根駅伝記念碑の前へ向かった。日中とはいえ、さすがに天下の険は寒い。到着し次第念入りに練習を始めた。選手通過の約1時間前になると、同じ場所で応援を行う日大や大東大に負けない元気な声が響きだした。箱根用の応援歌『大地を踏みて』を披露したり、企画中に箱根のおすすめグルメを紹介したりと箱根ならではの特別感のある内容で、早大ファンを飽きさせることなく熱中させた。応援を受けた安井雄一駅伝主将(スポ4=千葉・市船橋)は区間2位の好走。部員からも笑顔があふれる。その後、箱根ホテルの前で伝統である日本酒贈呈式が行われ、安井駅伝主将、相良豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)、鈴木皐平主務(教4=愛知・時習館)を激励した。

 翌朝6時過ぎ。6区は5区と同じ場所での応援だ。辺りは真っ暗で、空にはまだ大きな月が輝いていた。極寒の中にも関わらず、部員はてきぱきと準備をして応援を始める。復路がスタートすると、チアリーダーズはスタンツ(※1)を組み『早稲田』のパネルを掲げ、6区を走る渕田拓臣(スポ1=京都・桂)にエールを送った。6区での応援が終わり次第バスに乗り、10区の応援場所である日比谷のDNタワー21前へ。9区で区間賞を獲得した清水歓太(スポ3=群馬・中央中教校)からタスキを受け取った谷口耕一郎(スポ4=福岡大大濠)は、残り1.8キロ地点で応援部一丸となって送った『紺碧の空』を聞くと、なんとその後約300メートルの間に前を走る東海大を抜き去り3位に。そのままゴールし早大の箱根は笑顔と共に幕を閉じた。

10区「谷口待ってた」と共に「紺碧の空」を披露した

 「選手が応援部を見ること、聞くことが出来るのはほんの一瞬」(若松佑副将・吹奏楽団責任者、教3=埼玉・川越)。その一瞬のために、多くの時間を費やしてきた。渡邊代表委員主将は「自分たちが応援した選手が結果を残してくださることが自分たちにとって一番嬉しい瞬間」だという。ことし早大は下馬評を覆す大健闘の走りを見せた。今回の箱根は新体制となり初の舞台であった応援部にとっても、好調なスタートとなったわけである。今年度の強みは「例年にも増した人数の多さ」(渡邊代表委員主将)だそうだ。これから約1年間、迫力のある応援がエンジの戦士たちの背中を押していく。

※1 チアリーディング演技における組体操のようなものを示す

(記事 今山和々子、写真 今山和々子、中山茉優)


コメント

渡邊友希代表委員主将(政経3=静岡・沼津東)

――2日間の応援が終わった感想はいかがですか

ことしの応援場所が例年よりも環境が悪い場所が多かったのですが、それでも例年よりも人数が多かったので、環境が悪くてもクオリティの高いものを仕上げるということに関しては自分たちの納得のいくものが出来たんじゃないかと思います。

――早大の総合3位という結果についてはいかがですか

3位に入ってくれたおかげで、全日本(全日本大学駅伝対校選手権)のシードも獲得してくださって、応援みょうりに尽きるといいますか、自分たちが応援した選手が結果を残してくださることが自分たちにとって一番嬉しい瞬間なので、この経験を糧にして今後も活動を頑張っていこうと思いました。

――1日目が終わった後にリーダー内で何か話はしましたか

箱根駅伝の応援は応援の時間がすごく長いので、いかにお客さんを楽しませるかということが他の応援よりも難しくて、それをリーダー内でどうするかということを話しました。メドレーでは全員でいっぺんに出ることが出来るので、その分全員がしっかり合うようにきのう宿舎で練習しました。箱根だからこその応援をしていました。

――新体制となりましたが、ことしの抱負をお願いします

先ほども申しましたが、私どもの強みは例年にも増した人数の多さだと思っていますので、その強さを生かして今までよりもずっと大きい最大規模の応援をして、選手たちに元気を与えられるようにことし1年頑張って参ります。ぜひともよろしくお願いします。

若松佑副将・吹奏楽団責任者(教3=埼玉・川越)

――2日間の応援を終えての感想をお願いします

箱根駅伝は寒かったり風が強かったり色々と応援するには環境が悪い中だったのですが、部員一同一丸となって応援となってその(悪い環境の)中でも最高の応援を作れたかなと思います。

――駅伝の応援は野球等と違い選手が一瞬で過ぎてしまいますが、それを考えて工夫した点はありますか

選手が応援部を見ること、聞くことが出来るのはほんの一瞬なので、その一瞬に一番の盛り上がりを持ってくることが出来るようにメドレーを繋げて、その(選手が来る)タイミングで紺碧の空が流れるように、選手が(それまでに)通る道に部員を配置して、それまでのボルテージを一番高くするのも部員の仕事なので、そこを一番工夫しました。

――1日目の夜、吹奏楽団は夜遅くまでミーティングをしていましたが、どんなことを話されたのですか

先月12月に代替わりをしたばかりなので、ことしの1年間の方針について話をしていました。

――新体制になりましたが、ことしの抱負をお願いします

今年度は様々な演奏をすることであったり応援することだったり多岐に活動をするのですが、全ての活動に全力に取り組み、一人一人が練習を疎かにせずにしっかり目の前のことに取り組める、そんな団体にしたいと思っています。

鈴木凜チアリーダーズ責任者(文構3=東京・頌栄)

――2日間の応援が終わった感想はいかがですか

箱根駅伝は応援部の中で2017年が終わって一発目の応援ということで、関係者の方だったり一般のお客様だったりたくさんの方にお越しいただけました。年度始め一発目の応援、同時に代交代して一発目の応援なので、この応援がこの年がどんな年なのかなっていうのを見せるようなものになっています。ことしらしさ(を見せるもの)というか。年度の挨拶という意味もあるので、とりあえずは無事に終えることができてホッとしているのと、後やっぱり箱根駅伝は選手の方々のストーリーというか、感動が本当に大きいなっていうのを実感したのと、それを箱根でも大手町でも応援できたことを誇りに、幸せに思っています。

――5、6区では狭いスペースでの演技になりましたが、工夫された点はありますか

狭いスペースでも早稲田は特有の、他の学校に比べてスタンツを重視しているので、『○○(選手名)待ってた』というパネルをあげられなかったのですが、何かしらのパネルはあげたいと思って『早稲田』とパネルをあげられたのは良かったなと思います。それと、お客様にハリセンを持って沿道側を向いていただいて、全員でエンジに囲まれた中で選手の方をお迎えできたことが良かったなと。狭い中ではあったのですが、たくさんの方に見て、一緒に参加していただけて(良かったです)。

――今回2日間通しての演技に点数をつけるとしたら何点ですか

うーん。難しいですね。(笑)点数…。でも80点くらいですかね。年始めということで満点をつけるのも微妙なので。今回は例年よりも狭いところで応援して、でもそれでも狭いなりに工夫して応援できたのは良かったなと思うのと、カラーアクションパネルを今回から新しく導入して、野球応援とかでも今後使っていきたいなと思っているのですが、それを使ってお客さんが一緒に応援してくれたりするので、他の大学とは違ってお客様も一緒に巻き込んだ応援というのを新しい趣旨で試すことができた点で良かったなと思ってのこの点数です。

――課題点は何かありましたか

そうですね。一番大きいのはやはり、工夫はしたのですが場所の狭さゆえに混雑してしまって、最後の方にいらっしゃったお客様には見ていただくことができなかったことです。後から来た方にも見ていただきたいと思っているので、今後は車道を挟んだ反対側の沿道で応援部員が呼びかけるとか、応援もなかなか規制があって自由にはできないのですが、もう少し狭い場所でも多くの方に見ていただけるように工夫をしたいなと思います。

――新体制を迎えての今後の抱負をお願いします

何度も言及しているのですが、今体制は3学年で既に部員数70人越えとなっていて、とても人数が多いので一人ひとりがもう少し責任感等それぞれで問い詰めていかないと人数が多いだけの団体になってしまうので、大所帯になっても一人ひとりが今この瞬間に、一瞬一瞬に懸けて取り組んでいくことで次の結果に結びついていけばと思います。