フェンシング部

2017.12.19

第70回全日本選手権 12月16、17日 福井・武生中央公園総合体育館

男子フルーレ、絶対王者法大相手に健闘。男子サーブルはあと2点に泣く

 3日間にわたって行われた全日本選手権(全日本)団体。2日目には男子フルーレ団体、最終日である3日目には男子サーブル団体が行われた。男子フルーレ団体は準々決勝、男子サーブル団体は2回戦で熱戦を繰り広げたが、惜しくも敗北するかたちとなった。

☆絶対王者法大に食らいつく!今後につながる結果に(男子フルーレ団体)

 「今回この試合で後輩たちの成長を見ることができて、あんなにいい試合ができたので、満足しています」。今回が早大生として挑む最後の試合となった松山大助(スポ5=東京・東亜学園)は、試合後笑顔でそう語った。結果としては準々決勝で敗北するかたちになったものの、今後につながる試合内容で今シーズン最終戦を終えた。

 早大は関東学生選手権(関カレ)では惨敗を喫し、全日本学生選手権(インカレ)では再戦することすらかなわなかった法大と、準々決勝で対決。相手は手首のケガのため敷根崇裕(法大)が不在という状況であったが、それでも圧倒的な実力を誇るのは間違いない。そこで今回は、普段最後回りを務める松山恭助(スポ3=東京・東亜学園)を中回りに、最後回りを松山大にして、最終セットまでに得点を稼ぐ作戦を敢行。さらに、上り調子だったという中埜匡貴(創理2=東京・早大学院)を団体戦で初起用。この作戦がうまくはまった。まず松山大が全日本個人プール戦で対戦した際の反省を生かし、鈴村健太(法大)からリードを奪った状態で第1セットを終える。続く中埜も格上相手に善戦。2点をもぎ取り、エース松山恭へとつないだ。第4セット以降は相手に先行される状態が続くが、それでもチーム全員で必死に食らいつき、大きく点差を離されないように意識。最終的には38−45で敗戦となったが、出場チームの中で最も法大を追い詰めることに成功した。

これが大学生最後の試合となった松山大

 結果としてはベスト8に終わったが、ことし最後の試合でこの一年のうち最も法大に肉薄できたのは、大きな収穫であろう。特に今回団体戦初出場だったにもかかわらず、格上相手に脅威の粘りを見せた中埜の活躍は、来季での覚醒が期待できると言っても過言ではない。早大を巣立つ松山大から後輩へ。未来へのバトンは託された。

☆勝利まであと2点…悔しいベスト16(男子サーブル団体)

 早慶対抗定期戦にて竹下昇輝主将(スポ4=静岡・袋井)が引退し、新体制で挑んだ全日本団体戦。早大は初戦で地元・武生高に快勝すると、2回戦で日体大と対戦した。実力はほぼ互角。試合展開も接戦となり、1点リードした状態で9セット目を迎えた。最後回りを務めるのは、小山桂史(スポ1=東京・クラーク)。1点取られては取り返し、という展開が続き、スコアは43−42。しかし僅差で迎える最終セットの重圧は大きかった。「余裕がなくなってしまった」(小山)と、そこから相手に3連取を奪われる。ベスト8まであと2点。一時は勝利が見えた試合だっただけに、その悔しさはあまりにも大きかった。

敗北が決まった直後、うなだれる小山

 関東学生リーグ戦(リーグ戦)は5位。関カレ、インカレはベスト8。そして今回全日本団体はベスト16。男子サーブル陣はこの一年、なかなか思うような結果が残せずもがき苦しんだ。しかし数々の接戦を戦い抜いたことで得たものはたくさんあるだろう。来年はエース茂木雄大(スポ3=神奈川・法政二)が帰還し、高校総体でベスト8の実力を持つ青木貴雅(沼津西高)が早大フェンシング部に仲間入りを果たす。目指すはリーグ戦、全日本学生王座決定戦優勝。男子サーブル陣の新たな戦いが始まる。

(記事、写真 藤岡小雪)

※フェンシングの団体戦は3人、または4人の選手が交代で出場し、1試合当たり3分という持ち時間内で争う。あるいは3分以内にどちらかが先に5得点先取すると、そこで次の選手に交替となる。最終的には9試合戦い、45点を先取、または持ち時間が終了した場合は得点が高い方が勝ちとなる。

※フルーレ:頭・両足・両腕を除いた胴体部への突きのみが得点となる。 両者がほぼ同時に突いた場合は、どちらの攻撃が有効だったかを主審が判定する。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は攻撃を防御してから攻撃しなければならない。

※サーブル:両腕も含む上半身への突きと切り(剣先ではなく剣の胴部分で相手の体に触れること)が得点となる。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は相手の攻撃を防御してから攻撃しなければならない。この攻撃権の奪い合いにより、両選手はピスト上を常に前後に往復し合うため、サーブルは3種目の中で最も全身運動が激しい種目だと言える。

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結果

▽男子フルーレ団体
早大〔松山大助(スポ5=東京・東亜学園)、松山恭助(スポ3=東京・東亜学園)、中埜匡貴(創理2=東京・早大学院)、奥武大輔(スポ1=大分豊府)〕 ベスト8

1回戦:○45-37 OFS

2回戦:○45-28 拓大

準々決勝:●38-45 法大

▽男子サーブル団体
早大〔武山達(創理3=東京・早大学院)、高木良輔(スポ2=埼玉・立教新座)、小山桂史(スポ1=東京・クラーク)、岸本大輝(社1=東京・早実)〕 ベスト16

1回戦:○45−18 武生高

2回戦:●43-45 日体大

コメント

松山大助(スポ5=東京・東亜学園)

――今の率直なお気持ちを伺ってもいいでしょうか

法大には勝つつもりでやっていたので、負けてしまったというのは悔しいですね。ただ今回は今までと違い下級生をどんどん使って、その若いチームであそこまで追い詰められたので、希望が見えたかなあと思いました。

――下級生をたくさん使うというのは前々から決めていたのですか

もちろん勝つつもりではありましたが、今回の試合は下級生にたくさん経験値を積ませて、次の年に向けてつなげられたらなあという思いがありました。恭助(松山恭助、スポ3=東京・東亜学園)と相談して、そういう采配になりました。

――法大戦では松山大選手が最後回りを務めましたが、下級生をどう使うかに加えてその辺についても松山恭選手と考えて決めたのですか

ほぽ恭助が決めましたね。1、2回戦は下の回りで、法大戦ももし下が取れたらいつも通り恭助がアンカーでやろうと思っていました。もし上だった場合は、恭助が2番手になって点数をガンガン取って最後僕につなげるという、今までやっていなかった戦略でいくのがいいんじゃないかいうことになったんです。
今回すごくいい戦いができたので、ハマったかなという感じです。

――きょうそれを取り入れようと思った理由としては

まあ僕が決めたわけではないんですけど(笑)。恭助がいっぱい点数を取って、僕も手堅く5点取って、下級生が粘ってくれれば、いい流れになって勝てるのではないかと思って。今までと同じやり方では勝てないので、こういうかたちになりました。

――個人としては、法大戦の最初をプラスで回せたのは流れとして大きかったと思いますが

絶対に勝ってくるというのは考えていました。あと最初にやった鈴村くん(鈴村健太、法大)は全日本(全日本選手権)個人のプール戦で当たっていて、その時は負けてしまったんですけど、そこで戦い方がちょっと分かって。あとは恭助にいろいろアドバイスをもらって、いかに相手を自分のフェンシングに巻き込めるかを意識しました。

――関東学生選手権で法大と当たった時よりも、チーム全体のムードも良かったと感じたのですが

今までと違うオーダーに変えたり、若い力をすごく使ったりして。今回3番手として出た中埜くん(匡貴、創理2=東京・早大学院)は、今まで公式の団体戦に出たことがなくて。それでもめげずにずっと一生懸命練習していて調子が良くなったので、今回使ったら結果を出してくれて。あとは絶対に元気を出すこと、「相手はここが弱点だから、こういう風にしたほうがいい」という戦略面。精神面と戦略面をうまく融合するということを考えてやっていました。

――今回中埜選手の調子がかなり良かったように見受けられたのですが、先輩としてこの一年見てきて、成長を感じることはありましたか

あります!彼はいいアタックを持っていたのに、今まではそれがうまく生かせていない印象があって。でも最近の練習では、自分の戦い方がわかってきたのか自分の長所を生かせるようになっていて。彼を連れていくというのはギリギリに決めたんです。調子も良かったし、絶対に試合に出たいという気持ちが強くて、今戦えるレベルになったし、精神力もあるので使って。あと、勝ちたいという気持ちがすごく強くなったなあと思いましたね。来年からあいつも上級生になるので、その自覚が出てきたのかなと思いますね。

――今回弟さんと臨む最後の団体戦となりましたが、実際終えてみて思うところはありますか

「これであいつと一緒に戦うのは最後なのか」、「これで学生の試合は最後なのか」という気持ちはやっぱりありますね。でもフェンシングを辞めるわけではないので、寂しさみたいなものはいまだにそんなに無くて。

――終わった今でも無いんですね

あまり無いですね。負けてしまったのは悔しいんですけど、いい試合ができたことでの満足感の方が強いですかね。

――早大でのフェンシング生活を振り返っていただいてもよろしいでしょうか

正直に言いますと、1年の頃はとにかくつらかったです。団体戦にも出られませんでしたし、グレそうになったこともあって(笑)。2年になって少しずつ使われるようになって、頑張らないと、という思いがだんだん出てきて。3年では恭助が入学して、「また一緒に戦えるな」といううれしい気持ちがあって。最後は今回この試合で後輩たちの成長を見ることができて、あんなにいい試合ができたので、満足しています。一言で言うと楽しかったですね。

――最後に、後輩へのメッセージをお願いします

第一に、フェンシングを楽しんでください。あと日頃から勝つためには何をやったらいいのかというのをしっかりと理論的に考えるようにしてください。そうすれば今うまくいかなくても、最後必ず自分のやるべきことが見えてくると思うので、そういうことを心掛けてください!

男子サーブル陣試合後対談〔武山達(創理3=東京・早大学院)、高木良輔(スポ2=埼玉・立教新座)、小山桂史(スポ1=東京・クラーク)、岸本大輝(社1=東京・早実)〕

――試合を終えた率直なお気持ちをお聞かせください

武山 チームとしてはベスト16で終わってしまったので悔しいですし、個人としても後輩二人がすごく頑張ってくれて、自分は正直流れを悪くしてしまったので、最上級生としてこれじゃ駄目だなという気持ちがすごく強いです。

高木 勝ちが見えた試合だったので、素直に悔しい気持ちでいっぱいですね。

岸本 あとちょっとで勝てたところで負けてしまったので、その反省を次の大会に生かします。

小山 最後回りでどうしても余裕がなくなってしまったところがあって。そこで(点を)取りきれなかったのは、反省ですね。

――高木さんは全日本学生選手権前に足をケガしていましたが、今の調子はいかがですか

高木 きょうもアップからすごく痛くて…。やばいと思っていたんですけど、試合が始まったらそんなことはなくて。でも今は痛いですね(笑)。

――最後は残念なかたちに終わりましたが、具体的に反省すべき点は

小山 11月からの課題をここで克服することを意識していたのですが、最後は勝ち急いでしまった部分があって。チーム全体の流れはすごく良かったんですけど、その中で自分がどうすべきか分からなくなってしまいました。

――今後の目標をそれぞれ教えてください

武山 来年はまずリーグ戦(関東学生リーグ戦)があるので、リーグ戦優勝、王座(全日本学生王座決定戦)優勝できるように。戦力的には十分いけると思うので、チーム一丸となって、全員で頑張りたいです。

高木 留学に行っているエースの茂木先輩(雄大、スポ3=神奈川・法政二)が帰ってきて、新戦力である1年生も入ってくるので、練習から高い意識を持ってリーグ戦、王座優勝を目指したいと思います。

岸本 リーグ戦、王座、どちらとも優勝できるように頑張りたいと思います。

小山 春学期は韓国でフェンシングをしに留学に行く予定で。帰ってきて学んだことを秋の団体戦で生かしていきたいです。