空手部

2017.11.23

全日本大学選手権 11月19日 日本武道館

強豪校との差を痛感、悔しい全日本に

 大学日本一を決める全日本大学選手権(全日本)が武道の聖地、日本武道館で行われた。早大からは予選を勝ち上がった3種目がこの大舞台に出場。女子団体形は予選敗退。女子団体組手、男子団体組手も早々とトーナメントから姿を消し、全国の舞台で躍動することはできなかった。今季はあと早慶戦を残すのみ。今大会の悔しさをバネに最終戦では集大成を見せたいところだ。

★全国の舞台で課題が浮き彫りに/女子団体形

点数が伸び悩んだ女子団体形

 実に3年ぶりとなる全日本出場となった女子形。今回披露したのは、伝統の『慈恩(ジオン)』に代え今夏から新たに取り組んできた『観空小(カンクウショウ)』だ。思うように点数が伸びず、消化不良に終わった関東の分も「やり切る」と意気込んだが、結果は21.5点。関東の21.2点こそ上回ったが、全体で7位に沈み、上位4校による決勝トーナメントに駒を進めることはできなかった。石川みらい(社3=群馬・前橋工)は高得点をたたき出した上位進出校と形を目の当たりにし、形の完成度以前の問題を痛感。「いくら練習しても体つきがものを言う。力強さに特化したものをやらないと強くならない」と表情を曇らせた。練習で積み上げてきた形は披露しても、評価が頭打ちとなっているのが現状だ。昨年から同じメンバーで臨む女子形も来年度はいよいよ3年目。最後のシーズンとなる。有終の美を飾るべく、新たに向き合うべき課題は『体つき』。力強さの増した形を引っさげ、もう一度武道館に戻ってきてみせる。

(記事 郡司幸耀、写真 萩原大勝)

★3人で挑む最後の公式戦/女子団体組手

 楽しむことを心がけたが最後には涙がこぼれた

 関東大学選手権の敗者復活戦で今大会への出場権を得た女子団体組手。4年生の越間菜乃(教4=島根・石見智翠館)、3年生の中村朱里(スポ3=愛知・旭丘)と渡邉仁美(社3=東京・雙葉)の3人で臨む最後の大会となった。1回戦の相手は愛知学泉大。先鋒の中村が開始30秒に上段突きで1ポイントを先取しそのまま逃げ切る。中堅の渡邉が惜敗したが、大将の越間がテンポよくポイントを奪い3−0で快勝。2回戦進出を決めた。2回戦は大阪産業大と対戦。先鋒中村が立て続けに上段突きを決められ0−4で完敗するも、中堅越間が粘り引き分けに持ち込む。勝負は大将渡邉までもつれ込んだが、前半1分で6ポイントを奪われ、2回戦敗退となった。試合後、越間の目には涙が光っていた。越間の上の代では女子団体組手の出場はなく、越間が2年生の時にこの3人で出場して以来、誰も欠けることなくずっと3人でやってきた。試合後のインタビューで、3年生2人に向けて「楽しんでほしい」と顔をほころばせながら語ってくれた。来年、女子団体組手が出場できるかはまだ分からない。しかし、越間の残したものはきっと受け継がれるはずだ。

(記事 石名遥、写真 萩原大勝)

★3回戦で優勝校京産大に敗れる/男子団体組手

自身の組手を取り戻しつつある末廣

 昨年のベスト8に引き続き、ことしもその目標、またはそれ以上を目指した男子団体組手は1回戦で名桜大と対戦。先鋒の芝本航矢(スポ1=東京・世田谷学園)が中段蹴りで2ポイント先取すると、その後も2本の突きを加えて快勝。早大はその後も勝ち星をあげ、中堅までで3勝、勝利を決定づけた。しかし、末廣祥彦主将(スポ4=東京・世田谷学園)が3−1でまさかの敗戦。「久しぶりにひどい試合をした」。しかし2回戦の中堅戦では接戦をものにした末廣、早大は3-0で同大を下し、3回戦でヤマ場、昨年の優勝校である京産大と対戦した。2回戦で勢いづいていた早大であったが、先鋒を落とし、次鋒で登場したエースの今尾光(スポ4=大阪・浪速)も引き分けに終わる。末廣も奮闘はするものの、1本を取られ3-6で敗北した。勝負の行方は澤入迅人(スポ3=静岡・常葉菊川)に託されたが、2本の上段蹴り決められ完敗。早大は3回戦は姿を消すこととなった。しかし、まだ早慶戦が残っている。「ここで終わりという感覚はない(末廣)」。早慶戦で勝ち、有終の美を飾りたい。

(記事 江藤華、写真 石名遥)

結果

▽男子団体組手

早大 3回戦敗退

▽女子団体組手

早大 2回戦敗退

▽女子団体形

早大 予選敗退 7位(得点 21.5)

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コメント

末廣祥彦主将(スポ4=東京・世田谷学園)

――最後の公式戦でしたが、どのような意気込みで臨みましたか

早慶戦と全日本戦は早稲田として大事な試合なので、この1ヶ月くらいは関東で負けてからは、優勝というよりは、強いところを全部倒すという意気込みで、もちろん早慶戦も見越して、チーム全員で準備ができたという1週間だったので優勝というよりは強豪校を倒そうという意気込みで臨みました。

――個人としても最後の公式戦でしたが、心境はいかがですか

昨年がベスト8でそれがもう10何年ぶりだったので、ことしもベスト8とは言わず、もう1つ上までと思っていたのですが、組み合わせで京産大と3回戦で当たるのを見て、とりあえず、そこを超えないとベスト8はないので、そこを目標としてはならないなと思っていました。王者に挑むという強い意気込みを持って臨もうと思ったので、戦えたことには満足しています。強いところと戦えたことには感謝しています

――1回戦目は負けてしまいました

1回戦目は緊張というよりは、ワクワクしていました。それが高まりすぎて、それでトレーナーの方にアップ会場でほぐしてもらっていたのですが、緊張もあって、筋肉が結構固まっていると言われました。1回戦はガチガチのままでやってて、相手は名前も知っている子だったのですが、ただ、自分としてはひどい試合をしたなと思いました。久しぶりにあのようなひどい試合をしたので、そのあと、どうにか修正できてよかったです。

――緊張はする方ですか

いえ、普段は全く。大舞台の時ほど、緊張しないので。普段の全日本とかは緊張しないのですが、きょうはちょっと意気込みが強すぎたというか。

――2回戦目では逆転で勝ちましたが、気持ち的に楽になりましたか

そうですね。でも試合中は全く焦りませんでした。そこは1回戦目があんなに悪かったので、自分的にもバタバタしやすい感じなのかなと思ったのですが、心のどこかで落ち着いて、試合には勝てると。自分が負けても信頼できるメンバーがいたので、確実に一個一個取って行けばどうにか、勝てるだろうと思いがあったので、すごく冷静に試合は運べて、焦りはなかったですね。

――3回戦目は1ポイント先取されたあと、同点に追いつきましたが、1本を取られてしまいました。あの時はどのような気持ちでしたか

相手も同じような組手のスタイルでやってて、久しぶりに楽しかった試合だと思いました。すごくスピードがあって、あんまり、点数とか、反則も結構していたのですが、そういうのもあまり考えないで、無我夢中でお互いを殴り合っていたなと思います。あまり試合としては良くないのかもしれませんが、また、チームのことを考えていないように捉えられるかもしれませんが。ただ、自分の中で、急にエンジンがかかって。先輩たちにもお前らしい組手だったと言っていただいたので、楽しめていたのかなと。そういう意味では、周りが見えていないというよりは、無我夢中で組み込んでやっていたので、ポイントはどうとか、とりあえずおいて、追いつかないと、とは思っていたのですが、あまり反則がたまっているとかは意識しなかったですね。

――チーム全体としてはいかがでしたか

1回戦の他のメンバーの動きを見たときに、もう安心できるなと感じました。自分がだめでも、という気持ちで今まで試合をしたことがなくて、自分が勝たないと勝たないと、という気持ちが先行していたのですが、この大会は安心できるなとすごく感じたので、そういう意味ではチームの成長をすごく感じた1試合目。2試合目も3試合目もですが、強く感じました。

――1週間後に控えた早慶戦への意気込みを

やはりここでどうしても他の学校は引退だと思うのですが、ここで終わりという感覚はなくて。早慶戦があるから当たり前なんですが、ただ、そういう意味で、きょう負けたのですが、来週いい形で終われるとしたら、有終の美が飾れると思うので。10人いる幹部で臨める最後の大会なので気持ちよく終われるように、自分の主将としての役目をあと一週間で全力で果たしたいと思います。もちろん慶応に勝っていい形で終わりたいと思います。

越間菜乃(教4=島根・石見智翠館)

――きょうは最後の公式戦となりましたが、どのような気持ちで臨まれましたか

何と言っても3年生2人とできる最後の試合だったので、3年間一緒にやってきた2人への感謝の気持ちと1試合でも多く試合をしていたいという思いでやっていました。

――1回戦では3-0で2回戦進出を決めました。そのときの気持ちをお聞かせください

1勝1敗で回ってきて、自分が決めれば次にいけるっていう展開だったので、調子よく1点目を取ったときが一番嬉しくて。その気持ちのまま2点目、3点目と取れて、最後にブザーが鳴って勝った時はひと安心というか、嬉しかったですね。

――2回戦で引き分けたときの気持ちは

先鋒の中村が負けてしまったので、自分が勝って後ろに回したかったんですけど、結局点が取れなかったので本当に申し訳なかったです。勝てない相手じゃなかったと思いますし、自分が勝てば流れも変わったと思うので、本当に悔しいですね。でも最後の渡邊まで回せたので、最後の試合を3人で戦えたのは良かったかなと思います。

――渡辺選手の試合を見ていた時の心境は

自分が勝てなくて申し訳なかったなという思いがありました。でも渡邊も気持ちが乗って前へ前へと頑張ってましたし、中村も声を出して応援していたので、結果は残念でしたけど、2人にとって来年につながる試合になったのではないかなと思います。

――試合後には涙ぐむ場面が見られました

1か月前くらいまでは早く引退したいなんて思ってたんですけど(笑)。いざ大将戦が終わって、これで本当に終わりなんだと思うと、もう1試合ぐらいやりたかったですね。

――試合後に2人にはどのような声をかけられましたか

私の上の代では3人揃って団体戦が組めるっていうことがなくて、私はすごくラッキーで恵まれていたと思うので、2人には「ありがとう。試合楽しかったね」ということを伝えました。きょうの試合は楽しむということも目標にしていたので。

――3人でやってきた3年間を振り返っていかがですか

私は学年が一つ上ですけど、頼りになる先輩ではなかったですし、試合でも勝てないことが多かったので、迷惑をたくさんかけてしまって申し訳ないという気持ちがずっとありました。でもずっと3人で練習して、最後まで誰も欠けることなくずっと3人でやってきたので…。2人のことはすごく大好きです。

――2人に伝えたいことはありますか

どうしよう。ちゃんと考えてくれば良かったですね(笑)。実力で引っ張る中村がいて努力ができる渡邊がいてとてもいいコンビだと思うので、二人で助け合って、ことしの結果なんか軽く超えて、楽しんでほしいと思います。

石川みらい(社3=群馬・前橋工)

――きょうの形を振り返っていかがですか

別に悪くはなかったかなと思って。練習で良かった形と同じように打てたというのは実感としてあったんですけど、点数が伸びなかったです。

――21.5という点数はやはり不本意ですか

そうですね。自分たちで分かっていたんですけど、他の大学に比べたら軽いというか、大きさがないなと思いました。自分たち3人だけで細々してるなと感じて・・・形としてもそんなに大きいものではないから難しいんですけど、その辺がまだまだ足りなかったかなと思いますね。

――きょうの審判の見方はいかがでしたか

全体的に見て低めだったかな。帝京あたりが跳ね上がっていたくらいであとはそんなに。団子だったなと思うんですけど、結果としては出なかったので、締めくくりとしては良くないかなと思います。体つきは足りてなかったし、自分の弱みややらなくてはいけないことを思い知ったなと。いくら練習しても体つきがものを言うのかなと思ったので、オフに入るんですけど、筋トレもしっかりやっていこうかなと思いました。

――そこが今後目指すところでしょうか

まずは形がどうより、力強さに特化したものをやらないと強くならないと思うので。

――来年はこの女子形も3年目、石川選手としても最後の一年となります

できるだけ反省の少ない大会にしたいと思います。

――演武のある早慶戦に向けては

組手だけじゃなくて全員で戦うというのが早慶戦の醍醐味だと思うので、直で戦うわけじゃないんですけど、そういうところでワセダの強さを出そうと、強気で臨みます。