ヨット部

2017.11.22

全日本スナイプ級選手権 11月16~19日 神奈川・葉山沖

全日本インカレでの悔しさをバネに、永松・神宮組が悲願の日本一!

 福井の地で涙をのんだ全日本学生選手権(全日本インカレ)から2週間、全日本スナイプ級選手権(全日本スナイプ)が神奈川・葉山沖で開催された。社会人を含め日本一のスナイプセーラーを決める戦いに、早大からは4組が出場。4日間合計10レースで順位が決定した。昨年に続いてペアを組んだ永松礼(スポ4=大分・別府青山)・神宮泰祐(政経3=東京・早大学院)組は初日から安定したスコアで上位につける。終始安定感を崩すことなく、3位で迎えた最終日に逆転で優勝を果たした。また、松尾虎太郎(スポ1=山口・光)・原潤太郎(商2=埼玉・早大本庄)組が7位入賞。早大勢の活躍が光る大会となった。

 全日本インカレ後最初の大会となった全日本スナイプ。新体制の「スタートダッシュを決めるためにもこの大会で結果を残さないといけない」(神宮)と意気込んで臨んだ。レースは初日から風が吹かず、フィニッシュできない艇が続出したが、永松・神宮組、松尾・原組の2艇は共に安定したスコアでまとめる。ここから、「心の余裕が持てた」(神宮)と語る永松・神宮組は2日目も安定した走りを披露し、全レースで1桁順位を獲得。5位で大会を折り返した。続く3日目は強風となったが、ここでは学生セーラーたちが社会人セーラーたちとの練習量の差を見せつけ、上位でフィニッシュ。永松。神宮組は3位、松尾・原組は8位で最終日を迎えた。

松尾(左)・原組は1、2年生ペアながら7位入賞を果たした

 残り3レースを残して3位ではあるものの、1、2位との差は大きく、「正直厳しいと思っていた」(永松)という。それでも、4日間通して安定したスコアを取り続けたことが、最後に報われる結果となった。永松・神宮組はこの日最初のレースで1位となり、さらには1、2位だった艇にそれぞれ反則、トラブルが発生。これで一気に点差を縮めることに成功し、優勝も狙える位置につけた。そして迎えた最終レース。スタートで出遅れ、第1上マークでは20位台に。上位を争っていた艇は上位につけていただけに、このときを永松も「絶望した」と振り返るが、ここから福井では吹かなかった『勝利の風』がワセダに吹いた。陸から吹く不安定な風を予測し、思い切ったコース取りを選択。これが功を奏し、一気に順位を上げることに成功した。「気付いたらトップにいた」(永松)。最後のフィニッシュラインを越え、トップフィニッシュを告げるホーンが鳴り響く。終始安定した実力を見せ、そして最後は運にも味方された永松・神宮組が、全日本チャンピオンに輝いた瞬間だった。

優勝杯を手にする永松(左)・神宮組

 「日本一のスナイプ乗りになる」。今シーズン開幕時に永松が抱負として語ってくれた言葉だ。永松はそれを見事、実現してみせた。自身のミスからチームが優勝を逃し、悔し涙を流した全日本インカレから2週間。あの悔しさをバネに、日本一のスナイプ乗りになった永松は、「自分でも引くほどうれしい」と喜びを爆発させた。また、来季は最上級生となる神宮は、「チャンピオンとして恥じないようこれからより一層努力していきたい。僕は口下手なので、その姿勢でみんなを引っ張ってく」と気を引き締めた。また一から全日本インカレ連覇を積み上げていくべく、すぐに新チームが始動する。今大会の結果は確実に新チームにとって追い風となったであろう。「絶対に負けないチームになって帰ってくる」――この目標へ向け、エンジのセーラーたちの新たなる航海が、今再び始まろうとしているのだ。

(記事 松澤勇人、写真 早大ヨット部提供)

★創部史上初の快挙!470級、スナイプ級共に現役早大生が日本チャンピオンに!

 全日本スナイプで学生が優勝するのは11年ぶり。また、8月の全日本470級選手権では岡田奎樹主将(スポ4=佐賀・唐津西)が社会人選手とのペアで優勝しており、470級、スナイプ級のチャンピオンが共に現役早大生となった。これは創部史上初の快挙だ。1年時からレギュラーとして活躍し、4年間で早大を全国屈指の強豪へと押し上げた二人。悲願の全日本インカレ4連覇はかなわなかったが、その活躍は確実に早大ヨット部の歴史に刻まれただろう。

(記事 松澤勇人)

結果

永松・神宮組 42点(1位)

松尾・原組 82点(7位)

岩月大空(スポ3=愛知・碧南工)・三宅功輔(商3=東京・早大学院)組 167点(19位)

入江裕太(スポ2=神奈川・逗子開成)・高橋康太(商2=埼玉・早大本庄)組 191点(24位)

コメント

スナイプ級スキッパー永松礼(スポ4=大分・別府青山)

――優勝おめでとうございます!今の率直なお気持ちはいかがですか

自分でも引くほどうれしいです。また、数多くのベテラン社会人選手や、海外招待選手もいる中で優勝できたことに驚いています。

――全日本学生選手権(全日本インカレ)で優勝を逃してから2週間で迎えた今大会でしたが、どのように気持ちを切り替えましたか

全日本インカレと違ってプレッシャーのないレースなので、ただただ『良いレース』をしようと思いながら臨みました。

――初日から順にレースを振り返って

レース全体を通して非常にスコアが安定していたことが勝因だと思っています。初日、2日目は大きく崩すことなくシングルや10位台前半でスコアをまとめ、諦めていく選手を含め、全体の雰囲気とやる気が落ち着くのを待っていました。その中でも第6レースは風速が落ち着いてきて社会人チームと比べて軽量である学生が走りやすい状況になったので、そこで勝負をかけました。3日目の強風コンディションでは体力面や、舵のハンドリング等、練習量で勝っていたので楽な展開ができたと思います。いずれにしろ、安定した順位を取れていたおかげで自分が悪い順位をとってもカットされるので、すごく楽な気持ちで進められたと思います。

――3位で迎えた最終日はどのような心境でしたか

正直1位と2位の選手とは得点差が大きかったので、厳しいと思っていました。それらの選手が崩せばチャンスはあるのは分かっていましたが、自分でコントロールできることではないので3位を維持したいと思っていました。結果的に1位の選手はリコール、2位の選手は艇のトラブルでチャンスが回ってきて、自分たちも3レース中2レースでトップを取れて逆転できました。スコアの推移自体はかなり自分の中では理想的だったと思います。

――最終日のレースを振り返って

細かい得点計算はしていませんでしたが、優勝争いをしている選手にこのレースで勝てば優勝かなという状況の中で、第1上マークは自分たちが20位、相手は1位で回航してたので、正直絶望していました。しかしコース自体は長く、陸から吹く不安定な風で逆転チャンスがあったので、しっかり風を見て、思い切ったコースを取ろうと心掛けました。そしたらいつの間にか、トップになってました。おそらく今までのヨット人生で2番目に神がかってましたね(笑)。

――ペアの神宮泰祐選手(政経3=東京・早大学院)は来年最上級生となります。なにかエールやアドバイスなどはありますか

今回のレースで彼自身大きく成長しました。そしてこれからより成長するための課題がたくさん見つかったと思います。結果に慢心することなく、努力を続けていってほしいと思います。また、それをしっかり後輩に教えていってほしいです。

――今後も競技を続けていく予定ですか

続けたいとは思っています。何だかんだヨットは好きなので。しかし、就職後の配属先と金銭的な余裕ができるまではしばらくいろんな艇に乗ろうと思っています。

――最後に、今後のヨット人生への意気込みをお願いします

スナイプ級は生涯現役の艇種なので、世界一を取るまでは続けたいと思います。また、現役の全日本インカレ王座奪還に向けた支援を競技面でできるように、自身もレベルアップして行こうと思います。

スナイプ級クルー神宮泰祐(政経3=東京・早大学院)

――優勝おめでとうございます!今の率直なお気持ちをお願いします

優勝できるとは思ってもいなかったので、率直にびっくりしていて、夢なのではないかと未だに思います。いろんな方からお祝いのメッセージを頂くうちに優勝したんだとじわじわと実感が出てきました。

――全日本学生選手権(全日本インカレ)で優勝を逃してから2週間で迎えた今大会でしたが、どのように気持ちを切り替えましたか

全日本インカレではまさかの負けで、心の整理をつけるのは難しかったですが、4年生と監督が涙を流したのを見て絶対にリベンジしてやると強く思いました。そのスタートダッシュを決めるためにもこの大会で結果を残さないといけないなと思っていました。また礼さん(永松)と一緒に乗れる最後の機会だったので、たくさん吸収するぞという気持ちで挑みました。

――初日から順にレースを振り返って

初日はレース途中に風がなくなってフィニッシュできない艇が続出したり、風の変化も大きかったりしてスコアをまとめるのが難しかったのですが、そこで自分たちはスコアをまとめることができたので心の余裕は持てました。そのおかげで2日目からは気楽にのびのびとレースができたと思います。

――3位で迎えた最終日はどのような心境でしたか

1位との点差が開いていたので、3位をキープできたら上出来だなという気持ちで挑みました。礼さんと乗れる最後の日なので楽しもうという気持ちでした。

――最終日のレースを振り返って

最終日の1レース目でトップフィニッシュを決めることができて、さらに他の上位の方々が崩したのでもしかして優勝あるなと2人で話しました。残りの2レースはスタートから攻めていって優勝を狙おうと決めていて、スタートが失敗したレースもあったのですが、落ち着いて順位をコツコツ上げていけたので良かったと思います。

――永松礼選手(スポ4=大分・別府青山)とのペアで日本一となりました。永松選手にはどのような思いがありますか

去年の全日本スナイプも一緒に出させて頂いたのですが、その頃は僕も下手で足を引っ張ってばかりで成績も振るわなかったです。今回はそのリベンジということで最高の結果を残せて本当に良かったと思います。礼さんには1年の時からずっとお世話になっていて、僕があまり成長していなくても見捨てずにチャンスを与えてくれて、たくさん教えてくださったので本当に感謝しています。

――来年は最上級生となります。今後はどのようにチームを引っ張っていきたいですか

僕はチャンピオンとして恥じないようこれからより一層努力していきます。僕は口下手なので、その姿勢でみんなを引っ張っていけたらなと思います。