フェンシング部

2017.11.15

全日本学生選手権 11月14日 東京・駒沢オリンピック公園屋内球技場

インカレ開幕!松山恭の銀を始め3人が入賞

 1年に1度、学生日本一を決める全日本学生選手権(インカレ)が幕を開けた。近年フェンシング界は大学生世代の活躍も目覚ましく、今大会もハイレベルな争いが繰り広げられた。大会1日目には男女フルーレ個人が行われ、男子は松山恭助(スポ3=東京・東亜学園)が2位、女子は溝口礼菜(スポ1=千葉・柏陵)が4位、遠藤里菜(スポ1=群馬・高崎商大付)が5位と、三名が入賞した。

☆疲労に耐えて松山恭が銀!「最低限の結果は残せた」(男子フルーレ個人)

 男子フルーレ個人には5人が出場したが、3回戦まで残ったのは松山恭のみ。その松山恭は先週末に高円宮杯W杯に出場し、中1日でインカレを迎えた。ハードスケジュールに「精神的にも肉体的にもきつかった」というが、勝機を逃さず銀メダル獲得につなげた。

 疲労が溜まっていれば、一つのミスを機に崩れることも少なくない。そのような状況で勝つために、松山恭は「欲を出さずに練習だと思ってやる」ことを意識した。2、3回戦は体力がもたず後半に失点を許したものの、準決勝では9連取して突き放すと流れを引き渡さずに勝利。「いい流れのまま終われたのは一つの収穫」と、苦しい中でも理想に近い展開を実現した。しかし、決勝では1-6と序盤で後れを取ると巻き返すことができないまま、8-15で敗れた。「練習のようにやっているだけだと、勝ちたいという欲がなくなる。最後の試合も勝ちたいという思いが相手の方が上回っていた」。コンディションを念頭に置いた作戦であったが、それが最後に少し裏目に出てしまった。

決勝終了後、相手選手と抱擁を交わす松山恭

 大会3日目には団体戦を控える。松山恭は「僕にとっては個人戦でのタイトルは団体戦への勢い付けに過ぎない」ときっぱり。実は、松山恭はこれまで何度も「団体戦で勝つ」と口にしている。小さい頃からお世話になっている早大に恩返しをしたいという気持ちがあるからだ。「早大に対して団体戦で勝つことが一番の貢献」。悲願の団体優勝へ闘志を燃やす。

☆溝口がベスト4 「考えるフェンシング」の成果実感(女子フルーレ個人)

 女子フルーレ個人には1年生5人が出場。溝口がベスト4に入るほか、遠藤が関カレに引き続きベスト8、登尾早奈(スポ1=愛媛・三島)と千葉朱夏(スポ1=一関一)がベスト16に入り、早大の層の厚さを見せつけた。

 溝口がたった1カ月で成長を見せた。関カレでは一本勝負に敗れベスト16止まりと、悔しさを味わった。そこでなぜ負けたのかということを突き詰めたら、1つの答えにたどり着く。「考えてフェンシングしていなくて、感覚でフェンシングをしていた」。関カレ以降、分からなかったことは先輩に聞くことを心掛け、また練習後には反省点をノートに書き連ねるなど、練習から考えることを徹底。これがインカレで生き、順調に準決勝まで勝ち上がった。「やった分だけ身になるんだ」。

「考えるフェンシング」を実践する溝口

 ただ課題となったのは体力だ。準決勝では体力のきつさから考える余裕もなくなるという悪循環に陥り完敗。3位決定戦では、頭を下げてしまい2度イエローカードを出された(※)。その結果、相手に15点目を献上するという後味の悪い幕切れに。いずれもスタミナ不足が招いた結果であり、「そこがまだ優勝まで足りないのかな」と振り返った。女子も男子と同じく3日目に団体戦が行われる。総力を結集し、関カレの悔しさを晴らしたい。

(記事 加藤佑紀乃、写真 藤岡小雪)

※フルーレ:頭・両足・両腕を除いた胴体部への突きのみが得点となる。 両者がほぼ同時に突いた場合は、どちらの攻撃が有効だったかを主審が判定する。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は攻撃を防御してから攻撃しなければならない。

※イエローカード2枚でレッドカードとなり、相手に1ポイント与えられる

結果

▽男子フルーレ

松山恭助(スポ3=東京・東亜学園) 2位

2回戦:○15-8 原野隼輔(大市大)

3回戦:○15―10 池畑亮太(明大)

準々決勝:○15―10永野雄大(中大)

準決勝:〇15-5 伊藤大輝(日大)

決勝:●8-15 西藤俊哉(法大)

松山大助(スポ5=東京・東亜学園)22位

1回戦:○15-0 中村豪(中大)

2回戦:●10―15 田中健人(慶大)

奥武大輔(スポ1=大分豊府)34位

1回戦:●12-15 北島慎也(慶大)

北原達也(スポ4=長野・伊那北)37位

1回戦:●11-15 大崎雄貴(朝日大)

山根周佑(スポ4=埼玉栄)56位

▽女子フルーレ

溝口礼菜(スポ1=千葉・柏陵)4位

2回戦:○15-6 田村佳奈恵(関学大)

3回戦:○15-9 千葉朱夏(早大)

準々決勝:○15-6 岡部麻衣(日大)

準決勝:●5—15 西岡真穂(日女体大)

3位決定戦:●12—15 梅津春香(法大)

遠藤里菜(スポ1=群馬・高崎商大付)5位

2回戦:○15-12 矢ヶ部みずほ(朝日大)

3回戦:○15-8 山根令(岡大)

準々決勝:●9-15 梅津春香(法大)

登尾早奈(スポ1=愛媛・三島)12位

2回戦:○15-6 伊藤理那(法大)

3回戦:●13-15 伊藤真希(日大)

千葉朱夏(スポ1=岩手・一関第一)15位

2回戦:○15-11 大杉琴音(関学大)

3回戦:●9-15 溝口礼菜(早大)

仙葉楓佳(社1=秋田・聖霊女短大付)29位

1回戦:○15-9 中嶋真実(朝日大)

2回戦:●9-15 森千綾(日大)

コメント

松山恭助(スポ3=東京・東亜学園)

――2位となりましたが、率直に今のお気持ちはいかがでしょうか

先週の金土日にあった高円宮杯(高円宮杯W杯)の疲れがやはりあって、精神的にも肉体的にもきつくて。そんな中できょうを迎えたのですが、最低限の結果は残せたと思うので、そこについては満足しています。試合内容はあまり良くなかったのですが、コンディションがコンディションですし、それについては自分の中で消化していきたいです。

――疲れている中で、どのように試合を展開していこうと考えていましたか

あまり欲を出さずに、練習だと思ってやっていました。そうすると変なプレッシャーも感じなかったです。ただきょうそれをやって1つ思ったのは、練習のようにやっているだけだと、勝ちたいという欲がなくなるということです。最後の試合も勝ちたいという思いが相手の方が上回っていたし、そういう面がきょうは欠けていたかなと思います。

――その決勝での敗因は

今言ったように、練習通りやりすぎたことですね。コンディションが良くないということで、きょうはケガに気を付けながらやっていたので、勝ちたいという思いが足りなかったのが敗因かなと思います。

――それまでの試合では、後半で相手に失点を許す展開が見られましたが

15分きっちり良い流れでいきたかったのですが、完全に体力がありませんでした。2回戦、3回戦はそこが良くなかったと思います。準決勝に関してはいい流れのまま終われたので、それは1つの収穫だと思います。

――1日おいて団体戦になりますが、その意気込みをお願いします

ワセダに対して団体戦で勝つことが一番の貢献だとずっと思っています。個人戦では昨年の関カレ(関東学生選手権)、インカレ(全日本学生選手権)、ことしの関カレで優勝して、きょうの2位という結果もそんなに悪くないと思っているのですが、僕の中ではあくまで個人戦でのタイトルは(団体戦への)勢いづけに過ぎないと思っていて。団体戦でのタイトルが一番重要だと思っています。中1日でコンディションがどれくらい回復するか分かりませんが、しっかり回復させてチームに貢献できたら良いなと思います。

――優勝を目標にということで

そうですね、もちろん。優勝しか見ていないです。

溝口礼菜(スポ1=千葉・柏陵)

――ベスト4という結果をどのように受け止めていますか

関カレ(関東学生選手権)ではベスト16で終わってしまったので、それ以上に行くのは最低ラインだと思っていました。優勝したかったんですけど、やはり最後体力が追い付かなくて、そういうところがまだ優勝まで足りないのかなと思いました。そんなにうれしさというのはないです。

――3回戦では千葉朱夏選手(スポ1=岩手・一関一)と当たりましたが、やりにくさはありましたか

かなり。一番嫌でした。

――中盤まで競っていましたが、後半に突き放しました。どのように点を取ろうと考えていましたか

審判が私の得意な技を(有効と)取ってくれなくて。そこで全部勝負をしてしまっていたので、途中で勝負するんじゃなくて最後の最後まで待って、相手が崩れたところを狙おうと考えていました。

――それがうまくいったと

はい。うまくはまってくれて良かったです。

――準決勝では最初に点差を離されてしまったのが痛かったですか

真帆先輩(西岡、日女体大)の時は、体力がなくて…。もうそこで駄目でした。あと頭が1つのことしか考えられていなくて。そこで1つのことだけじゃなくて、「これが駄目だったらどうしよう」ともっと考えられていたら、結果は変わっていたかもしれないです。後ろ(のベンチ)から愛巳先輩(狩野、スポ3=宮城・仙台三)に言われていたんですけど、でもできなくて。そこが悔しいです。

――3位決定戦は序盤に点差を付けられましたが、最後まくりました

この前一本勝負で負けた相手だったので勝ちたかったんですけど、最初に離されてしまったのが大きかったです。それと1回イエロー(カード)をもらってしまって、最後レッドカードで1点取られて。それも体力なくて、最後もうしんどいみたいな感じで頭を下げちゃったら、あんな結果になってしまって。なので、体力がやはり課題かなと思いました。

――逆に収穫はありますか

(関カレでは)ベスト16で終わっていた分、(インカレでは)ベスト4に入れて、練習が結果に結び付いているというのは分かったので、そこは収穫かなと思います。やった分だけ身になるなぁと思いました。

――関カレの時は感覚でやっていたから、考えてフェンシングをしたいとお話しされていました。考えるということは、今回の方ができましたか

はい。毎日練習が終わって、家に帰って何が駄目だったのかなと考えて、ノートに書いて反省していた分、考えてフェンシングをするというのはちょっとできたかなと思います。

――次は団体戦があります。意気込みをお願いします

同期が強いので、自分一人の力だけじゃなくて同期に頼って勝ちたいです。みんなで勝ちたいなと思いました、改めて。千葉ちゃんとか、試合で自分が勝ったのにその後ベンチに入ってくれて。そういうのを実感してみて、ライバル視しているとは思うんですけど、そこで対抗視するんじゃなくて、みんなで一丸となって団体戦勝ちたいな、と強く思いました。

――心強いですか

はい。心強いです。お母さんみたいです(笑)。