ア式蹴球部

2017.11.05

第39回皇后杯全日本女子選手権 11月4日 福井・丸岡スポーツランドサッカー場

1点を守り切ったア女、見事INAC神戸への挑戦権を獲得!

 初戦からはやくも1週間がたち、迎えた全日本女子選手権(皇后杯)2回戦。この日も天候には恵まれず、雨と暴風の中での試合となった。相手はなでしこリーグ2部で3位となった強豪・愛媛FCレディース(愛媛FC)。前半、風下側にエンドを取ったア女は相手の猛攻に遭うも全員が体を張り、ゴールを割らせない。狙い通り無失点で折り返すことに成功すると、追い風を受ける有利な状況となった後半21分のMF村上真帆(スポ1=東京・十文字)のゴールでついに先制する。結果、この1点を守り切り見事3回戦進決めた。

 「自分たちのプレーをするというよりは、まずは失点をしないということを心がけていた」(MF松原有沙主将、スポ4=大阪・大商学園)。向かい風の影響もあり、開始直後から相手のワンサイドな試合となるも、粘り強く守り続けたア女。テンポの速いサッカーにもしっかり対応し、攻め込まれてもフィニッシュまではいかせず、愛媛FCのシュートを前半はわずか1本に抑えた。終盤にはMF中村みづき副将(スポ4=浦和レッズレディース)やFW河野朱里(スポ3=静岡・藤枝順心)が前線へ飛び出し、一気にカウンターを仕掛けて好機を演出。得点の匂いを漂わせて前半を終えた。

決勝点を決めた村上、監督もさらなる期待を寄せる

 エンドが代わった後半、強い追い風に後押しされるようにア女が怒涛の攻撃を見せる。49分、FKで村上が競り合い、続けてCKを獲得。これにDF三浦紗津紀(スポ3=浦和レッズレディースユース)が頭で合わせ、MF高瀬はな(スポ2=ジェフ千葉レディースユース)がシュート。そのこぼれ球を再び三浦がオーバーヘッドで狙うもこれは惜しくも枠の上となった。その後も高い位置でボールを奪う回数が増え、相手陣内でのプレーが続く。55分にはボールを奪った中村が河野の前へパス。しかし、狙い澄ました河野のゴールは相手GKのファインプレーに阻まれた。その直後のCKでも松原が合わせたがこれも枠を外れてゴールとはならず。何度も迎えていたチャンスがついに実を結んだのは66分のことだった。右サイドから中村、MF平國瑞希(スポ4=宮城・常盤木学園)とつなぎ、センタリング。それに反応したMF熊谷汐華(スポ3=東京・十文字)がゴール前にうまく落としたところを詰めていたのは村上。右足から放たれた鋭いミドルシュートは愛媛FCのゴールネットに突き刺さった。待望のリードを手にしたア女だったが、相手はなでしこリーグ2部所属のチーム。そう簡単に勝たせてはもらえなかった。3バックということもあり、サイドを大きく使った攻撃を展開してくる愛媛FCにサイドから再三センタリングを上げられてしまうが、全員で耐え忍んだ。アディショナルタイムにはゴール前で混戦となりあわやという場面。しかしこれもなんとか搔き出し、最後は三浦が大きくクリア。最大のピンチを乗り越えた。そしてここで試合終了のホイッスル。1点を守り切り、見事3回戦進出を決めたア女の選手たちは安堵の表情を浮かべていた。

試合後笑顔を見せる選手たち、全員でゴールを守り切った

 暴風という悪条件の中行われた今試合だったが、「戦う気持ちがあるということ、これを出せたことが大きな成果」(福島廣樹監督、昭45教卒=東京・独協)。河野などが見せた前線からしつこく相手を追いかけ回し続けるひたむきなプレーや、ゴール前での体を張った守備。1つ1つのプレーに選手たちの勝利への執念が込められていた。自分たちらしいサッカーを展開することが難しい状況であっても、今できることを確実にこなしていく。泥くさく勝利をつかみとるア女の底力を見た試合となった。続く3回戦の相手は今季なでしこリーグ1部で準優勝の名門・INAC神戸レオネッサ。ア女は過去に何度もこのチームに皇后杯でのベスト8進出を阻まれている。言うまでもなく強敵だが、「高いレベルのチームに挑戦できるというのは嬉しい」と福島監督が笑顔で語るように、チームはトップレベルのクラブとの対戦を心待ちにしている。今のア女の実力がどこまで通用するのか、運命の3回戦は広島にて12日にキックオフだ。

(記事・写真 篠原希沙)

スターティングメンバー

皇后杯全日本女子選手権 2回戦
早大 0-0
1-0
愛媛FCレディース
【早大 得点者】66村上
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 木付優衣 スポ3 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
DF 三浦紗津紀 スポ3 浦和レッズレディースユース
DF 奥川千沙 スポ4 静岡・藤枝順心
DF 20 高瀬はな スポ2 ジェフ千葉レディースユース
MF →69分 中井仁美 スポ4 兵庫・日ノ本学園
DF 渡部那月 社3 兵庫・日ノ本学園
MF ◎5 松原有紗 スポ4 大阪・大商学園
MF 27 村上真帆 スポ1 東京・十文字
MF 平國瑞希 スポ4 宮城・常盤木学園
MF →81分 松本茉奈加 スポ1 東京・十文字
MF 10 中村みづき スポ4 浦和レッズレディース
MF 17 大井美波 社3 大阪・大商学園
MF →46分 熊谷汐華 スポ3 東京・十文字
FW 河野朱里 スポ3 静岡・藤枝順心
◎はゲームキャプテン
監督:福島廣樹(昭45教卒=東京・独協)
コメント

福島廣樹監督(昭45教卒=東京・独協)

――2回戦突破となりました、おめでとうございます

ありがとうございます。なでしこリーグ所属のチームに勝って、また上のレベルのチームに挑戦できるというのはとても嬉しいです。

――試合に臨むにあたって、どのような対策をたてていましたか

戦術面でも考えてはいたんですけど、強風で思うようにはできなかったですし、たぶん愛媛FCさんもできなかったんじゃないかなとは思います。

――選手にはどのような言葉をかけましたか

実力を出し切れば十分戦える、勝てるだろうと。だから気持ちの面で負けないようにしようと言っていました。

――村上選手が決勝点をあげました

いいシュート力を持っていて、ハードワークもしますし、非常に戦力になっていると思います。得点を決めてもくれましたし、期待しています。

――きょうの収穫は

やはり戦う気持ちがあるということがおおきな要素だと思います。相手に走り負けないということですね。最後河野があれだけ動き回ってディフェンスをしているということ、それが大きな成果だと思います。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

(なでしこ1部リーグのチームには)これまで2回ほどの対戦で負けてしまっているので、今回は勝ちたいと思います。

MF松原有沙主将(スポ4=大阪・大商学園)

――試合全体を振り返って

きょうも天候が悪い中(笑)。前半は風下ということもあって、自分たちのプレーをするというよりは失点をしないということと、大きくサッカーをするということを心がけていました。しっかり無失点に抑えることができたのは良かったです。逆に後半はちょっと風は弱くなっていたんですけど、自分たちの方が有利な状況で。前半抑えられたら絶対後半は攻めることができると思っていたので、全員で点を取るような気持ちで臨んだ結果、いいかたちで点を取ることができました。そのあとも結構危ないシーンがあったんですけど、守備の部分で集中していて、勝つことができたので良かったと思います。

――どのような対策をしていたのか

相手が3バックということでサイドを大きく使ってくるので、そこをどうはめていくか、ということと、結構回すチームだったのでそこもどうはめていくかというところだったと思います。ただ、風の影響とかもあって結構後ろに引いてしまって自由にさせていた部分はあったんですけど、後半に点を取ってからはしっかり前からいけていたので、そこは試合の中で変えていけたところかなと思います。

――勝因は何だったと考えていますか

厳しい中、前半を無失点に抑えることができたというのと、後半は自分たちの良さというか、勢いを持ってプレーできたことが良かったかなと思います。

――MF村上真帆選手(スポ1=東京・十文字)の得点が決勝点となりました

GKからのボールで、早い攻撃だったんですけどしっかりシュートしてくれて。真帆(村上)はあのような場面でしっかり決めてくれる選手なので、1年生ですけど頼りにしていますし、そういう選手を生かせるようにもっと上級生とかも工夫していけたらいいなと思います。

――チームの雰囲気も良いでしょうか

トーナメントということで、勝つのが最大の目標なんですけど、それを2回達成できているので、みんなの気持ちはとても高いと思います。

――次に向けて改善していきたい点は

なでしこリーグ所属のチームとの試合が続いてさらに厳しい戦いにはなると思うんですけど、大学生ならではというか、自分たちの良さをしっかり出していきたいと思います。改善すべきなのは、きょうだと球際の部分だったり、マークの受け渡しとかがうまくいっていない部分があって、そういうのをしっかりやらないと簡単に崩されてしまうと思うので、そこは改善していきたいです。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

ベスト8に進出するという目標に向かって、1週間チームでしっかり合わせていきたいです。

MF村上真帆(スポ1=東京・十文字)

――2回戦突破となりました

とりあえず接戦だったので、勝ててほっとしています。

――ご自身の得点が決勝点となりましたね

汐さん(MF熊谷汐華、スポ3=東京・十文字)からボールを落としてもらった時、これは絶対に決めないとって強い気持ちでシュートを打つことができて、それが点につながったので良かったです。

――前半と後半それぞれを振り返って

前半は向かい風だったので、とりあえずクリアを大きくしようということは言っていたんですけど、個人的には小さいプレーが多くなってしまったかなと思います。でも後半は追い風を生かしたプレーをしたり、自分の特徴である前線から追いかけ回したディフェンスとかはできたかなと思います。

――後半、チーム全体がさらに積極的に動いているように見えました

前半を0-0で折り返していたので、後半は絶対に点を取るという気持ちが前へ前へと現れていたのかなと思います。

――戦ってみて相手の印象は

前で収まるので、まずは蹴らせないというのと、収まったところか、その次では潰すということを意識してやっていました。

――改善したい部分は

天候に応じたプレーができていなかったので、試合始まったらすぐにできるようにしたいなというところです。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

なでしこ1部リーグのチームと自分は試合をしたことがないので、チャレンジャーの気持ちを忘れずに、また勝てるようにがんばります。