ハンドボール部
2017.11.05
全日本学生選手権 11月4日 石川・いしかわ総合スポーツセンター
実力伯仲の大熱戦!立命大を下し2回戦突破
2日目を迎えた全日本学生選手権大会(インカレ)。相手は前日、日女体大との接戦を制し、勢いに乗る立命大。60分間、終始一歩も譲らぬ死闘を制し、創部初のインカレ2勝、そして3回戦進出を決めた。
エース芳村優花副将(スポ4=愛知・星城)の連続得点で、決戦の幕が切って落とされた。幸先の良いスタートを切ったと思われたが、相手エースを警戒した高めの3−3ディフェンスが機能せず。楯如美(スポ2=岐阜・飛騨高山)が「今までであんなに遠くからシュートを打ってくるチームはなかった。前半のスタートで早く対応すべきだった」と言うように、ミドルレンジから強烈なシュートを簡単に打たせてしまい、立て続けに失点を許すかたちに。オフェンスの面でもセットオフェンスで攻撃を組み立て、好機をつくりながらも、シュートミスや相手GKの好セーブもあり勢いの乗ることができない。それでも、パスカットからの速攻や7メートルスローなど、苦しみながらも相手の隙を突き、得点を重ねていく。12−12。全くの互角で激しい打ち合いとなった前半を終えた。
体を張ったディフェンスでチームに勢いを引き寄せた橋本澪
後半に入ると、ワセダのディフェンス陣は試行錯誤を繰り返しながら、「体を張れるところは張って、絶対にボールをキープしてやろうと思ってプレーしていました」という橋本澪(スポ4=東京・佼成学園女)の気迫あふれるプレーも目立ち、立命大の攻撃に対応していく。するとディフェンス陣の奮闘に呼応するように、内海菜保(スポ4=香川・高松商)、富永穂香(スポ3=東京・佼成学園女)の速攻などで4点差まで突き放す。完全に勢いに乗ったかに思えたが、7メートルスローを立て続けにセーブされると、その後橋本が2分間の退場を命じられ、徐々に流れは立命大に。試合終了間際には1点差にまで追い上げられたが、守護神GK大沢アビ直美(スポ2=東京・佼成学園女)のファインセーブが飛び出すなど、最後まで主導権は渡さず。実力伯仲の大熱戦は、最終スコア21−20でワセダが勝利をつかみ取った。
4得点でチームに勢いをもたらした内海
一進一退の攻防のなか、苦しむ場面も見られた。しかし、この日の選手たちからは心なしか、『勝てる』という自信が伺えた。安藤万衣子主将(教4=東京・文化学園大杉並)が「秋リーグで自分たちは絶対に粘り勝ちできると思っていた」と述べるように、それは間違いなく、春からの成長、そして秋で接戦を勝ち切ってきた経験が成果として現れたと言えるだろう。主将の安藤は司令塔としてチームをコントロールするだけでなく、ポイントゲッターとしても機能し、チームの大黒柱としてこの上ない輝きを放って見せた。また、楯をはじめとするポストの選手たちも各々が与えられた役割を果たし、攻守に渡って貢献を果たした。あすはいよいよ、昨年、この舞台で苦杯を舐めさせられている大体大との決戦だ。インカレ4連覇中の学生女王はそう簡単には勝たせてはくれないだろう。しかし、今のワセダは学生女王・大体大に「食ってかかることのできるチームになっている」(安藤)。創部初のベスト4進出、そして悲願のメダル獲得へ——。今こそ雪辱を果たす時だ。
(記事 林大貴、写真 佐々木一款、中村朋子)
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全日本学生選手権 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 21 | 12−12 9−8 |
20 | 立命大 |
GK 大沢アビ直美(スポ2=東京・佼成学園女) LW 内海菜保(スポ4=香川・高松商) LB 芳村優花(教4=愛知・星城) CB 安藤万衣子(教4=東京・文化学園大杉並) PV 楯如美(スポ2=岐阜・飛騨高山) RB 富永穂香(スポ3=東京・佼成学園女) RW 川上智菜美(スポ4=東京・佼成学園女) |
対立命大 | ||||
---|---|---|---|---|
選手名 | 前半 | 後半 | 合計 | |
#9 芳村優花 | 5 | 1 | 6 | |
#10 内海菜保 | 1 | 3 | 4 | |
#2 安藤万衣子 | 2 | 1 | 3 | |
#8 楯如美 | 1 | 1 | 2 | |
#11 富永穂香 | 1 | 1 | 2 | |
#3 今井季穂里 | 0 | 1 | 1 | |
#4 川上智菜美 | 1 | 0 | 1 | |
#6 橋本澪 | 0 | 1 | 1 | |
#17 久保涼子 | 1(1) | 0 | 1(1) | |
合計 | 12(1) | 9 | 21 |
コメント
CB安藤万衣子主将(教4=東京・文化学園大杉並)
――きょうの勝利で大体大との試合が決まりましたが、今の気持ちを教えてください
うれしいですね。でも、勝てると思って準備してきたのでやっと来たなという感じです。
――立命館大への対策はいかがでしたか
練習試合をしたことがあるのでイメージは出来ていて、昨日の日女体大の子に聞いて、コバ(小林佑弥コーチ、スポ3=茨城・藤代紫水)も分析をしてくれて対策はしていました。
――競る展開になりましたが、試合中はどういう心境でしたか
そんなに焦りはなくて、秋リーグ(関東学生秋季リーグ)で自分たちは絶対に粘り勝ちできると思っていたので、この試合も前半は粘って同点まで持ち込んで終わらせて、後半もいけるっていう感じでした。あとはもうみんな「いけるいける!」としか言ってなかったですね。
――相手のキーパーが上手でした
ずっと練習試合の時から苦手意識があって、きょうもやられちゃいましたね。当てにいってしまいました。
――サインプレーを使う場面があるありましたね
どうしても1点取りたかったので、サインプレーも使っていました。誰がどう点を取るのかは考えていましたね。
――勝利の要因はなんでしょうか
後半の出だしに速攻でノれて、それで勢いをつけられたというのもあるかなと思います。
――大体大戦への意気込みをお願いします!
4年生にとっては3回目だし、それ以前にもなんども負けている相手なのでそのリベンジをしっかり果たしたいです。(自分たちは大体大に)食ってかかることのできるチームになっていると思うので、自分を信じてやるしかないですね。頑張ります。
橋本澪(スポ4=東京・佼成学園女)
――体を張ってボールキープしていましたが、どういうことを意識していましたか
オフェンス陣のシュートがなかなか決まらなくてもどかしい展開が続いていたので、自分はDFしかしていないから体を張れるところは張って、絶対にボールキープをしてやろうと思ってプレーしていました。
――パスカットから速攻につなげる場面を振り返ってみていかがでしたか
きのうも同じような展開で外してしまったので、きょうは絶対に決めるしかないと思ってシュートを打ちました。得点につながって本当に良かったです。
――あしたの大体大戦に向けて一言お願いします
相手は強いと思いますが、自分たちがやってきたことをしっかりできれば叶わない相手ではないと思います。持っているもの全てを出してぶつかっていきます。
LW内海菜保(スポ4=香川・高松商)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
女子ハンド部として、(インカレで)2勝したのが初めてらしいんですよ。目標達成はまだですけど、そういう結果を残せたのはとりあえず良かったと思います。競り勝てたのも良かったと思うけど、内容はまだまだ課題があると思います。
――相手キーパーに止められていたのを含め、前半からシュートミスがありましたが全体を見ていかがですか
その通りです。序盤からも外してたし、終盤の競った場面であと1点ほしいときにずっと取れず、最後の苦しい時間帯につながってしまいました。最終的には勝てましたけど、最後オールマンツーつかれたからわからなかったし、決めきれてたらもっと楽になってたから、そこを決めきれないと勝てないだろうと思います。
――個人としてはいかがですか
きょうは1本くらいしか外してないかな。きのうちょっとやっちゃったから(笑)。
――きのうからの切り替えの部分はいかがでしたか
私は案外ずるずる引っ張るタイプだったので…良かったです、切り替え(笑)。きのうのままいかずにできたのは良かったです。
――川上選手(智菜美副将、スポ4=東京・佼成学園女)の調子があまり上がってないように見えました
智菜美とまだシュートの話をしてないんですけど、きょうは3回目とかで決めていたと思うんですけど、しっかりキーパーを見て3本目で決めてたから、その分についてはきょうの夜コバ(小林佑弥コーチ、スポ3=茨城・藤代紫水)の分析とかを見ながら話したいと思います。大丈夫だと思う、智菜美は!
――接戦を勝てた要因は何だと思いますか
競ってるとき、私たちも19点からずっと動かなかったけど、アビもよく止めてて、相手も16点からあんまり動かなかったじゃないですか。最後は何本か決められちゃったんですけど、私たちが外しているときにしっかり守れたのは良かったと思います。外しだしたときに守りもできなくなったらずるずるいっちゃうから、(シュートが)入らなくてもしっかり守ることは大きいと思います。あしたも続けていきます。
――あした勝てば目標達成となります。内海選手にとっても高校の同期が多くいる大体大との対戦には特別な思いがあると思います。意気込みをお願いします!
本当に特別な思いしかないです。やってきたことを全部出しきって、勝ちにいきます!
GK大沢アビ直美(スポ2=東京・佼成学園女)
相手チームのエースへどのようなディフェンスの対策をされましたか
ミーティングでは両サイドの引っ張りが得意ということで、流しを潰すようにとディフェンスには言っていて、私は引っ張りを取りに行くと話していました。しかし、前半はそれがうまく機能していない部分があって、私もそれに対してもっと厳しく言っていかなければいけなかったかなと思っています。
相手のキーパーもよく止めていましたが、それを受けて意識したことはありますか
あまり向こうのキーパーに関してはそこまで意識していませんでした。きょうの自分の動きがいつもと違くて、うまくいっていなかったので、それのどこを修正したら良いかというのを考えていました。
きょうの試合全体を振り返って、ご自身のプレーはいかがでしたか
100パーセントのうちでいうと、40から50パーセントの間くらいで、全然まだ自分の実力を発揮できていないです。インカレという観客がたくさんいる舞台でもっと自分の実力を発揮したいので、明日はもっと頑張っていきたいと思っています。
オフェンスについて、きょうの速攻の調子はどうでしたか
前半からもっと押せたかなと思っていて、結構後半の方で左側が空いているよと菜保さん(内海、スポ4=香川・高松商)に言われたので、それにもっと早く気づいて、菜保さんにもっと出せていたら、そっちの展開からシュートまで持っていけたのかなと思います。
明日は大阪体育大学との試合になりますが、意気込みをお願いします
相手も日本一を狙っているチームで、ちょっとしたミスが命取りになってくると思うので、きょうみたいな試合はしないようにして絶対に勝ちたいと思います。
PV楯如美(スポ2=岐阜・飛騨高山)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
結果的に勝てて良かったんですけど自分のやるべきことを果たせなかったのでそこはあしたちゃんと出来るように頑張りたいなと思います。
――やるべきことというのは
シュートを決めきることだったり、ディフェンスで守ることだったり。きのうビデオを見てミーティングして、きょうの朝も見てきて、相手がやってくることはわかってたんですけどそれが実際コートの中でイメージしてきたことが出来なかったので。それが自分の役割でもあるので出せるように頑張ります。
――立命館大への対策は何かしてきましたか
10メートル以上、12メートルでも打って入ってしまうシューターだったりするのでそれを手前で当たる、シュートを打たせないようにという。2枚目が高く当たってなるべくアビ(大沢アビ直美、スポ2=東京・佼成学園女)に楽なシュートを捕ってもらうというようにする予定だったんですけど、思った以上に遠くからも打ってくるし入るし、詰めきれなかったです。前半のスタートで早く対応すべきだったなという反省があります。
――前半、相手に簡単にシュートを打たれていましたが原因はなんでしょうか
今までやってきたチームにあんな遠くからシュートを打ってくるチームはなかったので。あっちのチームのカラーが「打って打って」という感じなのでそこは早く対応しなきゃいけないなと思います。
――後半ディフェンスシステムを変更されましたがその意図は
1ー2ー3は自分たちの流れを作るためにひいたのもあるので1線でもできるか、どっちがいいか試す感じでした。
――オフェンスでは速攻でパスを繋いでいる場面が多く見られました
今までの立命館大のビデオを見ていて、戻りが薄い感じがあったので。今までの試合だったら速攻回数を減らして無理に行かずに確実に点を獲れるようにやっていたんですけど、立命館大は逆に推せばシュートまで行けるのでなるべく止めないで繋げていこうと決めていました。
――ポストの3人の出来はいかがでしたか
私が結構ミスしちゃったので(笑)。でも、お互い気付いたことを言い合ったり交代になっても「ここ空いてるよ」と言ったり3人の連携はすごい良くて。試合終わった後も3人で「きょう良かったよね」と言う感じでした。3人で60分間試合を割っていくので自分が出る時間帯で自分が出来ることをもうちょっと出来るようにしたいなと思います。
――あすはいよいよ大体大戦ですが意気込みをお願いします
2勝で満足するんじゃなくて大体大に勝ってもう1日4年生と出来るように頑張ります。