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ラグビー部

2017.11.03

関東大学対抗戦 対成蹊大 11月5日 神奈川・相模原ギオンスタジアム

成蹊大戦展望

 関東大学対抗戦(対抗戦)は7試合中4試合を消化し、いよいよ後半戦を迎える。現在3勝1敗で明大と並んで3位につける早大。第5戦で対峙(たいじ)するのは、ここまで4戦全敗、最下位に沈む成蹊大だ。上位を争う慶大、明大との直接対決を残す早大にとって、今節は絶対に取りこぼしの許されない試合となる。

 就任2年目を迎えた山下大悟監督(平15人卒=神奈川・桐蔭学園)の下、チームの成熟度は確実に高まってきている。それを証明してみせたのは、対抗戦4連覇中の王者・帝京大と相まみえた前節。21―40と敗れはしたものの、0-82で大敗した約2カ月前の夏季オープン戦と比べ、試合内容は飛躍的に向上した。「これからさらに成長できると感じた」と、指揮官もこの結果に対し、少なからずポジティブな印象を抱いているようだ。「キャラクターを生かしたアタックを継続していけば、帝京大とも十分戦える」とロック加藤広人主将(スポ4=秋田工)が手応えを口にしたように、特に攻めの部分で成長が感じられたこの試合。最も存在感を発揮したのは、WTB佐々木尚(社3=神奈川・桐蔭学園)だろう。フランカー佐藤真吾(スポ3=東京・本郷)のトライを華麗なオフロードパスでアシストし、自らもトライを奪った。「一次、二次と速いテンポで(ディフェンスのギャップを)突いていって、相手を置き去りにするのが狙い」(SO岸岡智樹、教2=大阪・東海大仰星)という今季の戦術において、堅牢(けんろう)な守備でもこじ開けることができる佐々木の突破力は、チームとして大きな武器になるはずだ。そしてもう一人、忘れてはならないのが、筑波大戦(第3戦:〇33-10)でMOMも獲得したSH齋藤直人(スポ2=神奈川・桐蔭学園)の存在。帝京大戦後、齋藤本人は「チャンスでミスが出てしまった」と悔しさをにじませたが、前半7分のラインブレイク時に見せたキックパスなど、瞬時に見せる好判断はさすがの一言。岸岡とともに、FWとBKのコンダクターとしてのさらなる活躍に期待したい。

フィニッシャーとして覚醒しつつある佐々木

 帝京大戦を経て浮き彫りになった課題もある。選手たちが口をそろえたのはセットプレーについてだ。ラインアウトの成功率は前の試合に比べ改善されたが、スクラムでは思うように主導権を握ることができなかった。「まずはセットプレーを修正したい」とはプロップ久保優(スポ1=福岡・筑紫)の言葉。セットピースからもいい流れをつかめるよう、実戦をこなしながら修正を急ぎたい。また、肝心な場面でのハンドリングエラーも散見された。失点の多くは、自分たちのミスから生まれたチャンスを、確実にフィニッシュまで持ち込まれたものが多い。もちろん、帝京大のプレースピードや強度が、これまでの相手と桁違いであったことは否めない。だが、「自分たちのミスで相手に流れがいってしまった」(ロック三浦駿平、スポ2=秋田中央)という言葉通り、決定機でのボールロストは、致命症になることがしばしばある。成蹊大戦では、イージーなミスを最小限にとどめたいところだ。

早慶戦・早明戦に向けてもセットプレーの改善が必須だ

 ライバルの帝京大と明大は今季、成蹊大にそれぞれ70-0、87-0と圧勝。加えて早大にとっては、昨季の対戦で71-0と完封勝利を収めている相手である。勝利という結果だけでなく、どのようなスコアで勝つかという内容も重視される一戦になるだろう。早慶戦と早明戦へ、弾みのつく試合にしなければならない。「(帝京大戦は)全然満足できる結果ではない。止まることなく、行きます」(CTB黒木健人副将、教4=宮崎・高鍋)。7年ぶりの対抗戦優勝、そして9年ぶりの全国大学選手権制覇を目指し、早大フィフティーンは突き進む。

(記事 栗村智弘、写真 大庭開)

関東大学対抗戦Aグループ星取表(11月3日現在)
  帝京大 早大 明大 慶大 筑波大 青学大 日体大 成蹊大
帝京大 〇40-21

11/18 14:00

三ツ沢

11/5 14:00

相模原

11/26 11:30

秩父宮

〇89-5

〇70-3

〇70-0

早大 ●21-40

12/3 14:00

秩父宮

11/23 14:00

秩父宮

〇33-10 〇94-24 〇54-20

11/5 11:30

相模原

明大

11/8 14:00

三ツ沢

12/3 14:00

秩父宮

●26-28 〇68-28 〇108-7

11/5 14:00

明大G

〇87-0
慶大

11/5 14:00

相模原

11/23 14:00

秩父宮

〇28-26 〇43-26

12/3 14:00

東京ガスG

〇49-22 〇61-7
筑波大

11/26 11:30

秩父宮

●10-33 ●28-68 ●26-43

11/5 14:00

NECG

〇41-10

11/12 14:00

敷島

青学大

●5-89

●24-94 ●7-108

12/3 14:00

東京ガスG

11/5 14:00

NECG

11/18 11:30

三ツ沢

〇26-19

日体大

●3-70

●20-54

11/5 14:00

明大G

●22-49

●10-41

11/18 11:30

三ツ沢

11/25 11:30

江戸川

成蹊大

●0-70

11/5 11:30

相模原

●0-87 ●7-61

11/12 14:00

敷島

●19-26

11/25 11:30

江戸川

※秩父宮は秩父宮ラグビー場、三ツ沢はニッパツ三ツ沢球技場、相模原は相模原ギオンスタジアム、帝京大Gは帝京大学百草園グラウンド、足利は足利市総合運動公園陸上競技場、海老名は海老名運動公園陸上競技場、秋葉台は秋葉台公園球技場、明大Gは明大八幡山グラウンド、浜川は高崎市浜川陸上競技場、キヤノンGはキヤノンスポーツパーク、東京ガスGは東京ガス大森グラウンド、敷島は群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場、NECGはNEC我孫子グラウンド、江戸川は江戸川区陸上競技場。
関東大学対抗戦Aグループ順位表(11月3日現在)
順位 チーム 試合 得点 失点 得失 トライ
帝京大 269 29 240 39
慶大 181 81 100 27
明大 289 63 226 42
早大 202 94 108 30
筑波大 105 154 -49 16
青学大 62 310 -248 10
日体大 55 214 -159 6
成蹊大 26 244 -218 4
勝ち数の多い大学を上位とし、勝ち数が並んだ場合は同順位とする。