ヨット部

2017.11.02

全日本学生選手権 11月2~5日 福井・若狭和田マリーナ

全日本インカレ展望

 ついに本日、全日本学生選手権(全日本インカレ)が、福井・若狭湾にて開幕する。創部史上初の4連覇を目指す早大だが、4連覇と聞いて思い出されるのが、2011年、江ノ島での苦い記憶だ。当時全日本インカレ3連覇中だった早大は、自信を持って4連覇を目指したが、小さなミスが重なり、結果はまさかの3位。王者であり続けることの難しさを痛感した。あれから6年。再び4連覇への挑戦権を得た早大は、ここまで充実したシーズンを送ってきた。悲願の4年連続日本一へ――満を持して臨むリベンジの舞台で、エンジのセーラーたちはどんな戦いぶりを見せてくれるのだろうか。

 470級の中心となってくるのはもちろん、早大が、いや日本ヨット界が誇るスーパースター岡田奎樹主将(スポ4=佐賀・唐津西)だ。岡田奎は1年時からレギュラーとして全日本インカレに出場しており、経験、実績共に申し分ない。今季からは主将としてチームを率いており、強いリーダーシップも兼ね備えた。MVPも当然射程圏内だが、個人の成績については「どうでもいい」と一蹴。最後の大舞台では主将自ら身を粉にし、チームに尽力する覚悟だ。その絶対的な1番艇にも引けを取らぬ実力を持つのが、2番艇の田中美紗樹(スポ2=大阪・関大第一)・岩井俊樹(基理4=東京・早大学院)組だ。先日の秋季東京六大学戦では岡田奎・秦和也(基理2=東京・早大学院)組を抑え、個人成績1位を獲得。田中自身も、「マックス調子がいい」と自信をのぞかせている。この1、2番艇と比べると、やや見劣りするのが3番艇だ。3番艇スキッパーの元津志緒(スポ3=長崎工)は春先からメンタル面が課題とされ、好不調の波が激しく安定感に欠けるレースが続いた。それでも秋以降はその課題を克服し、関東学生選手権ではトップフィニッシュを決める場面も見せるなど、徐々に安定感が増してきている。クルーは風域によって深田龍介(政経4=東京・早大学院)、須賀偉大(教4=大阪・高槻)の併用が予想されるだろう。1、2番艇が前を走り、3番艇は大きく崩さない。この鉄則を貫くことができれば、クラス優勝、そして総合優勝に大きく近づくはずだ。

 470級で最大のライバルとなるのは、日大だろう。全日本インカレでは、世界の舞台で活躍している高山大智(2年)、木村直矢(4年)の二人が加わり、大幅な戦力アップは確実。昨年はMVP、そしてクラス優勝も日大に奪われているだけに、今年は意地でもリベンジを果たしたいところだ。他にも全日本学生個人選手権(全日本個選)優勝ペアを擁する関学大、早慶戦では大差で敗れた慶大などは要注意。クラス優勝を狙うに当たっても、全く油断はできない。

クラス優勝奪還に燃える470級チーム

 早大スナイプチームは、今季圧倒的な力を見せつけてきた。エースの永松礼(スポ4=大分・別府青山)・川上健太(創理4=東京・早大学院)組は8月の全日本個選で優勝、関東インカレでも個人成績1位を獲得するなど、まさに『敵なし』の状態。スーパールーキー松尾虎太郎(スポ1=山口・光)と坂上宗輝(政経4=東京・早大学院)の2番艇も春から抜群の安定感を披露し、チームに貢献している。全日本個選でもワンツーフィニッシュを飾ったように、早大が誇る1、2番艇は、全日本インカレの舞台でも安定して前を走ってくれるはずだ。それに続く3番艇は、今季その座をめぐって激しい争いが行われてきた。昨年の全日本インカレで優勝に大きく貢献した岩月大空(スポ3=愛知・碧南工)と昨年は岩月とのレギュラー争いに敗れた入江裕太(スポ2=神奈川・逗子開成)は、共に全国トップレベルの実力の持ち主で、「練習から4艇がほぼ同じ高いレベルでやれている」(永松)とそれぞれが競争関係の中でレベルアップに成功。現時点では、関東インカレでトップフィニッシュを決めるなど活躍を見せた入江・神宮泰祐(政経3=東京・早大学院)組の起用が有力だが、3、4番艇の差はほとんどなく、風域、調子によって交代も考えられる。全国トップクラスを4艇揃える早大スナイプチームは、若狭湾でも他大を圧倒することができるか。

 スナイプ級では昨年と同様に慶大がライバルとなってくるだろう。全日本インカレ出場の経験がある4年生主体のチームで、関東学生春季選手権(春関東インカレ)ではクラス優勝を奪うなど、実力は十分。早大は他大の走りに気を取られず、自分たちの走りができるかがカギとなってきそうだ。

スナイプチームは全日本インカレでも他大を圧倒できるか

 今季の早大は春関東インカレで3年ぶりに優勝し、夏の個人戦でも結果を残した。関東インカレも2位に大差をつけて制し、まさに『波に乗っている』状態で全日本インカレを迎える。ここまで順調なシーズンを送ってきた早大だが、チームに油断、おごりは全く感じられない。「(どんなカベでも)越えられるだけの準備、練習は1年間やってきた」(堀田芽ノ世、法4=東京・早大学院)。チーム全員で自信を深め、福井に乗り込んだエンジのセーラーたち。狙うはただ一つ、完全優勝での4連覇。必ずや早大ヨット部の歴史に名を刻み、若狭湾に『紺碧の空』を響かせてみせる。

(記事、写真 松澤勇人)

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