スケート部

2017.10.30

第43回東日本選手権 10月29日 山梨・小瀬スポーツ公園アイスアリーナ

永井、復活のV!松嶋は惜しくも全日本に届かず

 全日本選手権(全日本)への切符は6枚。ことしもまた、運命の日がやってきた。東日本選手権(東日本)最終日、シニア女子のフリースケーティング(FS)は近年まれに見るハイレベルな争いに。そんな中、永井優香(社1=東京・駒場学園)が2位に約10点差をつけ貫録の優勝。一方、松嶋那奈主将(スポ4=東京・駒場学園)はFSで順位を9つ上げたものの、惜しくも全日本に駒を進めることはできなかった。

 スケート人生最後の東日本。ショートプログラム(SP)はまさかの17位に沈んだ松嶋だったが、表情は晴れやかだった。会場の誰もが固唾(かたず)をのんで見つめた最初のジャンプ。「絶対に跳ぶ」(松嶋)。SPでは二本目をつけることのできなかったトリプルトーループートリプルトーループを、完璧に決める。出来栄え点1.26を獲得し、これが松嶋の代名詞であることを改めて証明してみせた。しかし続くループは抜け、予定していたコンビネーションジャンプは入らず。フィニッシュへ向けジャンプで勢いづくことはできなかった。しかし松嶋の真骨頂はここから。後半の2本のダブルアクセルをきれいに降りると、ラストイヤーで伸びた表現力がこの日も光る。一つ一つの表情、動きに磨きをかけ、演技構成点は42点台をキープした。だが合計で90点に乗せることはできず、結果は8位。あと一歩大舞台に届かなかった。

松嶋は美しい演技で観客を魅了した

 昨季の全日本、思うようにジャンプを跳べず、悔し涙が止まらなかった。もう一度、あの舞台で笑うためーー。永井の大学1年目シーズンは正念場を迎えた。各選手が高得点をたたき出す中、最終滑走で登場。冒頭、プレッシャーをはねのけるかのように、高さ、幅のあるトリプルルッツを決める。昨季は苦しんだこのジャンプ、2大会連続の成功は今後の自信につながるはずだ。続くダブルアクセルートリプルトーループも降りると、中盤のスピンでも集中力を切らさずレベル4を獲得。さらに後半最初のジャンプであるトリプルループからのコンビネーションを決め、全日本が大きく近づいた。終盤はジャンプが乱れたが、表現面でも高評価を受けFSは100点超え。SP、FS共に1位で文句なしの東日本女王に輝いた。「もう一生跳べないかもと思ったところから、今スケートを楽しんでできています」(永井)。演技後、安堵(あんど)の笑顔がはじけた永井。まだまだ伸びしろはあるだけに、全日本までにどこまで完成度を高められるか注目だ。

初めて東日本選手権を制した永井

 今季の東日本、シニア女子からは大学1年生4人と高校生2人が全日本への進出を決めた。若き精鋭を代表し、永井が初めて早大の名を背負い大舞台に挑む。そしてもちろん、全日本への切符こそ得られなかったが、大人のスケーティングを貫いた松嶋の勇姿を忘れる者は誰一人としていないはずだ。次に二人が共演するのは1月の日本学生氷上競技選手権。迎える冬のかたちは違えど、そこに向けた大切な季節が始まることは確かだ。

(記事 川浪康太郎、写真 糸賀日向子)

結果

▽選手権女子

永井優香 1位 161.39点(SP 1位 58.55点、FS 1位 102.84点)

松嶋那奈  8位  124.92点(SP  17位  40.17点、FS  8位84.75点)

コメント

松嶋那奈主将(スポ4=東京・駒場学園)

――試合を終えての感想をお願いします

ミスがちょっとずつ出てしまったので、悔いは残っているんですけど、滑りとかは良かったかなと思います。

――トリプルトーループ-トリプルトーループはどんな気持ちで跳びましたか

おととい失敗したのもあってちょっと不安もあったんですけど、今まで練習してきて失敗したことが無かったので絶対に跳ぶという気持ちでやりました。

――ループが抜けてしまったところはいかがでしたか

六分間練習の時にすごく良かったので、きょうはいけるかなと思いました。でも気持ちが強くなって焦ってしまったかなと思いました。

――二回のダブルアクセルはいかがでしたか

最近調子が良い感じだったので、いくら疲れていてもそこだけは落ち着いていつものフィーリングでいこうと思いました。

――表現面はいかがでしたか

一週間でまだ全然伸びていないです。先生にも「みんなが変だと思うくらい大きく動いてきなさい」と言われました。でもやっぱり動きが小さくなってしまったなというところがありました。来週また試合があるので、一週間ですけどそこまでには体力をつけて大きく動けるようにしていきたいと思います。

――先ほど悔いが残ったとおっしゃっていましたが具体的にはどういうところでしょうか

やっぱりジャンプにミスが出たという部分もありますし、もう少しできたところはできたんじゃないかなと思うので、ちょっと悔いが残っています。

――来週の試合に向けての意気込みをお願いします

国体(国民体育大会)予選になってくるので、そこも集中していきたいです。一週間という短い間ですけど、表現面やジャンプ、あとスピンもレベルを落としたりしていたので取りこぼさないようにしていきたいと思います。

永井優香(社1=東京・駒場学園)

――きょうの演技を振り返っていかがでしたか

最初の二つのジャンプはすごく上手くいったので、緊張しているなかで二本決められたのは良かったかなと思います。でも後半で何度かミスをしてしまったのでまだ練習不足かなと思いました。

――ショートプログラム(SP)の結果が良かったですが、フリースケーティング(FS)に向けてどのような気持ちで臨みましたか

きのう一日は特に緊張しなかったです。きょうは朝から気持ちが出なかったりとか一日空くと難しいのかなとか思いながら本番のリンクに来ました。でもその中で良い緊張状態に持っていけたかなという感じがしています。

――着実に(調子が)戻ってきているなという感じがしているのですが、今回の一番の収穫は何ですか

まず全日本選手権(全日本)に行けるチケットをいただいたのはすごく嬉しいです。

――全日本ではどのような演技をしたいですか

FSまで進んで自分が笑顔で終われるような演技がしたいです。

――ジャンプで悩まれたと思うのですが、そのときに得たものは

今振り返ってみると昨年は本当に苦しかったんですけど、すごく収穫のある一年だったなと思っています。すごく悪かったときに、悪くても支えてくださる方たちのありがたみを再確認できました。それにもう一生跳べないかもと思ったところから今スケートを楽しんでできています。今わがままにスケートをしているかもしれないなと思うこともあるんですけど、自分がやりたいことやこれが一番良い道だと思うほうにこれからも進んでいきたいなと最近は思うようになりました。

――五輪シーズンの全日本となりますが、どのように戦いたいですか

何年か前だったらもしかしたら五輪に行きたいってピリピリしていたかもしれません。でも今は五輪ではなくてできることを着実にやっていきたいなと思っています。それを五輪がかかる特別な舞台で滑らせていただけるのは光栄なことだなという風に思っています。

――新しいスタートですね

そうですね。周りの方からはもう少し欲を出しても良いんだよとかよく言われて、自分でもそうやって思うこともあります。でも自分は自分らしく滑って自分のスケートをこれからもしていけたら良いなと思います。

――緊張していたということでしたが、とてもそうとは思えないくらい堂々としていました。緊張しながらも手応えを感じて滑っていましたか

すごく緊張していて呼吸するのも苦しいというか、緊張すると皆そうなると思うんですけど、先生に直前に「息を吐けば吸えるよ」って言われて「そうですね」って言って(笑)。ところどころで当たり前だけど忘れていたこととかをアドバイスしてくださいます。それにちょっと面白かったです(笑)。あと、自分でなんかいつもこのへん(頬のあたり)とかほぐしたりして、笑ったほうがリラックスできるのでなるべくそういう状態に持っていけるようにと意識してやりました。

――演技には緊張はあまり影響はなかったですか

いや、すごく緊張しました。ジャンプの前に一発一発違うことを考えて滑っていました。例えば一発目のルッツの前はここで縮こまっても思いっきり跳んでも、どうせコケるんだったら思いっきり跳んでコケたいなと思ったので、一か八かじゃないですけど、そういうイメージで跳びました。

――エレメンツ一つ一つに対策を考えながら滑っていた感じでしょうか

そうですね。

――トーループ、サルコーが抜けたのは体力の問題ですか

きょうは体力ではなくて、トーループは想定外じゃないですけどあれは決められたなと思っています。サルコーは最近の練習でちょっと調子が悪いので、そこは改善していかないといけないなと思いました。

――今は楽しくスケートに臨めるようになってきたということですが

はい。ジャンプが怖かったりとかいろんな気持ちがあって滑りたくない時とかもあったんですけど、いまはそういう気持ちにはならないです。今回もここで滑ることができることがすごく嬉しいなと思って滑ることができたのでその心の変化は大きいかなと思っています。

――変わったのはいつぐらいでしょうか

今年の一月中は休んでいたんですけど、二月から少しずつ始めていきました。今でもできなくてうーっ、となっているときはあるんですけど、毎日滑るなかでできることが少しずつ戻って行ったときに嬉しかったです。あと、今は同期のスケーターもすごく多いのでスケート以外の面ですごく充実していて心に余裕ができたかなという感じがしています。

――夏に、まだ大学デビューできていないというお話をしていましたが、変化はありましたか

今学期に入ってからまだジャージで学校に行っていないのでそこは大きいです(笑)。でも最近だとおしゃれしてスカートとか履くと脚が寒かったりして練習に影響が出てしまうので、もうジーパンしか履いていないです。それで可愛い感じの靴とか服は最近は着ていないです。夏も一日中ヒールを履いた後に練習に行ったらすごく調子が悪かったりとかありました。それで自分はスポーツをしている以上仕方がないかなと思って、そこは諦めました。そこまで興味がなかったので良かったんですけど、あまり大学デビュー感はまだ無いです。

――東京選手権でまだ表情が作ることができなかったというお話がありましたがきょうはいかがでしたか

きょうも途中で緊張してたぶん作りきれていなかったかなと思うんですけど、あまり覚えていないです。

――得点についてはいかがでしたか

得点は特に何も思わなかったです。後半のジャンプ二つ大きいミスをしたのと前半のループがちょっと回転が足りなかったかなというのが自分のなかでわかっていました。それにステップもちょっとミスしたりとかスケーティングでちょっと重くつかないときとかもあったのでそれにしては出たかもしれないとは思いました。