漕艇部

2017.10.29

第95回全日本選手権 10月27日 埼玉・戸田ボートコース

男子部無念の決勝進出ゼロ、おのおのが課題を踏まえいざラストレースへ

 全日本選手権(全日本)3日目であるこの日は準決勝が行われ、早大からは4艇が出場した。女子ダブルスカルが決勝を決めたものの、男子種目はまさかの決勝進出ゼロ。いかに今大会が厳しい舞台であるかを知り、辛酸をなめた。

 早大から最初に出漕したのは女子シングルスカルの松井友理乃(スポ1=愛媛・今治西)。瀧本日向子(明大3年)など強力な選手が揃う組み合わせとなったが2位と健闘した。前半は3位でレースを進め、得意とする後半で一気に相手を差そうと図る。しかし必死の追い上げもかなわず、瀧本との差は縮まることなくそのままフィニッシュ。「決勝に行きたかった」と悔しさをにじませた。だが最終日もレベルの高い選手が揃う組み合わせとなる。会心の漕ぎを期待したい。続いて女子部からはきのう敗者復活戦を勝ち上がった女子ダブルスカルが出場。予選で敗れた日体大との再戦となった。スタートは横一列に並び、じりじりと前に出る機会をうかがう。だが500メートル手前で日体大が飛び出る。そのまま日体大との差は縮まることなく、独走態勢を許すかたちとなった。2着で決勝に進むことになり、決勝で3度日体大と激突することになる。クルー結成当初から意識している相手だけに抱く気持ちは大きい。「着々と日体大への対策や気持ちの持っていき方はできてきている」と安井咲智(スポ1=東京・小松川)は打倒日体大への気持ちを強めた。

激戦の女子シングルスカルで最終日まで残った松井

 午後の部の男子種目では2艇がエントリー。きのう引退となった4年生の思いも背負い、決勝進出を決めたいところだ。しかしその思いもむなしく破られる結果となった。男子舵手なしフォアは最初から攻めの漕ぎを見せ、1000メートル地点まで他艇と一艇身以上離してトップを守る。だがオーバーペースの疲れが出てしまい、順位を3位に落としてのゴールとなった。「前半はNTT東日本や立大よりも速いということを証明できた」と石橋広陸(スポ4=愛知・豊田北)は手応えを感じ、後半以降の刻み方をあすの順位決定戦への課題に挙げた。男子舵手付きフォアは「前半で前に出て他艇を見ながら余裕を持った状態で残りの1500メートルを漕いでいきたい」(金子怜生、社3=東京・早大学院)というレースプラン通り、スタートに成功する。しかし第2クオーターで日体大、第3クオーターで明大に次々と逆転を許す。それでもラスト200メートルで一気に追い上げ、明大を差したかのように見えた。だがその差0.3秒――決勝にはわずかに届かず、順位決定戦へと回った。

わずかの差で決勝進出を逃した舵手付きフォア

 学生、社会人問わずハイレベルな選手が集う今大会。結果に満足している選手は少ないだろう。だが「自分がやることをやればちゃんと戦える相手だと思う」(松井)とそれぞれが課題を見つめ収穫のあるレースとなった。正真正銘最後のレースとなる最終日。女子クォドルプル、女子エイトでの優勝という女子部の目標の達成をはじめ、それぞれの納得する成果を残せるか。

(記事 茂呂紗英香、 写真 喜田村廉人、石井尚紀)

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結果

【準決勝】

▽男子部

【舵手つきフォア】

C:徐銘辰(政経2=カナダ・St.Andrew‘s highschool)

S:高山格(スポ2=神奈川・横浜商)

3:堀内一輝(スポ2=山梨・富士河口湖)

2:金子怜生(社3=東京・早大学院)

B:有田雄太郎(法4=東京・早大学院)

6分44秒57 【3着 順位決定戦へ】

【舵手なしフォア】

S:田中海靖(スポ1=愛媛・今治西)

3:石橋広陸(スポ4=愛知・豊田北)

2:藤井拓弥(スポ2=山梨・吉田)

B:得居亮太(法4=東京・早大学院)

6分32秒15 【3着 順位決定戦へ】

▽女子部

【ダブルスカル】

S:安井咲智(スポ1=東京・小松川)

B:藤田彩也香(スポ1=東京・小松川)

7分34秒18 【2着 決勝進出】

【シングルスカル】

松井友理乃(スポ1=愛媛・今治西)

8分11秒93 【2着 順位決定戦へ】

コメント

【男子舵手付きフォア】

3:石橋広陸(スポ4=愛知・豊田北)

――きょうのレースを振り返って、今のお気持ちはいかがですか

Aファイナル(決勝)に行けなかったのはすごく悔しいですが、やろうとしていたレースプランで前半から攻めることができたので、そこは満足していますし、後輩2人が頑張ってくれたなというふうに思っています。

――序盤から飛ばしていたのはレースプランだったのですね

そうですね。もともと500メートルで半艇身、1000メートルで1艇身を奪って、そのリードをしっかりとキープしていこうと決めていて、逆にそこが良すぎてしまって、1艇身以上離すことができたのですが、オーバーペースだったのかなという反省点がありますが、やろうと決めていたことはやり切ったので、後悔はないです。

――オーバーペースになってしまったことについてはいかがですか

それはやった後の結果論なので、攻める気持ちはなくて、(後輩の)2人がそのようになってしまったことを経験として生かしてくれればいいかなと思います。

――あしたのレースに向けて修正していきたい点はありますか

前半はNTT東日本や立大より速いということを証明できたので、その前半は変えずに、第3クオーターでいかにもっと長く淡々と刻むことができるのかがあしたに向けての課題です。

――最後にあしたのレースへの意気込みをお願いします

多分これがボート人生で最後の2000メートルになりますが、結果、結果というよりは、一本を楽しんでやりたいなと思いますし、いいメンバーに恵まれて、楽しく練習ができたので、その成果を最後に出して、順位決定戦で1番で上がってくることができればなと思っています。

【男子舵手なしフォア】

金子怜生(社3=東京・早大学院)

――3着で順位決定戦に回りました。結果を受けていかがですか

悔しいの一言に尽きてしまいますね。0.3秒の僅差で負けてしまったことも、悔しさの要因ですね。

――予選タイムの速い明大、日体大との当たりを見ていかがでしたか

予選のタイムはコンディションなり環境なりが違うのであまり気にしてはいないですね。相手を意識するというよりは、自分たちが理想として掲げてきた漕ぎをどれだけレースに実現するかということにフォーカスして挑んだ準決勝でした。

――序盤を飛ばして1位で入りました。その意図はどのようなところにありますか

思い描いていたものは、前半で前に出て他艇を見ながら余裕を持った状態で残りの1500メートルを漕いでいきたいというものでした。前半からしっかり前に出ていくということが必然になっていて、その結果ということです。予選では(序盤)500メートルのタイムが他艇に負けていたので、予選以上のものを、とクルーで意識して体現した結果でした。

――第3クオーターで粘り切れず順位を落としました

予選の反省を生かしてレースに臨んだという点については、それを生かすことができたんですけど、第3クオーターだけではなくて第2クオーターの部分でも一つにまとまれた部分があって、その結果が第3クオーターに来てしまったと思います。

――ミスらしいミスはありませんでしたか

大きなミスはなくて、予選の反省を生かして「こういうレースをしよう」と話していたものが出せたレースではありました。

――あすに向けて修正したいこと、足りないものはどこになりますか

やはり予選でも準決勝でも、第2クオーター、第3クオーターのタイム落ちについては他のクルーより大きくなっているので、そこを修正していくことに限るのかなと。予選と準決勝の2レースを終えても、まだ自分たちの思い描いているスピードの推移は実現できていないので、そこを実現できるように第2クオーター、第3クオーターをタイトに行くということに限るのかなと思います。

――具体的にはどのように第2クオーター、第3クオーターを修正していきますか

コックスのコールへの反応というか、漕手四人の集中、反応具合というものをもっと意識します。自分の艇のことだけに集中して、コックスのコールに集中して耳を傾けて漕いでいくことが必要かなと思います。

――あすがクルーで最後のレースになりますが、思うところはありますか

レース直後のミーティングでもあったんですけど、唯一乗っている4年生の有田さんが、もちろん決勝に行けなかったことは悔しいと思うんですけど、今まで順位決定戦でも1位を取ったことがないということだったので、自分たちの漕ぎを正すためにも、4年生のためにも、気持ちよく今シーズンを終わらせたいと思います。

【女子ダブルスカル】

安井咲智(スポ1=東京・小松川)

――きょうのレースプランは

きょうのレースプランはスタートで飛び出し、勝ちたいなと思っている日体大に第2クオーターからすぐに離されてしまうところがあったので第2クオーターを粘ってついていって、もしくは追い越されないようにする展開を考えていました。第3(クオーター)もその流れのまま行きたいなと思っていました。

――ゴール後に喜ばれている姿が印象的でしたが、今回の結果をどのように受け止めていらっしゃいますか

プランしていたものをできるかできないかわからず、半信半疑のところがあったのですが、500メートルごとのタイムが思った以上に狙った通りに進んで良かったなと思っています。しかし日体大ともう少し近づけて第3クオーターまで行くべきだったかなという印象があるのでまだ行けるかなというのが終わったときの印象です。

――第2、3クオーターで余力を残してしまったという感じでしょうか

そうですね。

――予選で敗れた日体大との再戦となりましたが、その点については意識されましたか

2人でクルーを組んだときから日体大のお二方を意識していたので、予選で戦ってどういう戦術で来るのかというのがだいたい分かってそれへの対策をして今回準決勝も挑みました。タイム差は自分たちの中で日体大と縮まって良くなってきているなという印象はあるのですが勝つためにはもう一度対策を練らなければいけないのでしっかりやりたいなという気持ちでいます。

――対策の具体的なイメージはありますか

私たちは体格的に日体大のお二方より劣っている部分があるので、体が小さくてもピッチ
を早く回してもう少し回転数を多くしていけたらと思います。

――きのうと変わった点はありますか

きのうより余力があったことと、第2クオーターがきのうよりもハイペースで500メートルを漕ぎ切れたかなという印象です。

――その原因として考えられることは何でしょうか

気持ちの問題ではなく、自分たちで具体的に数値を出して、数値の中で自分たちが漕ぐということを今回は意識しました。予選と敗者復活戦は気持ちで行こうということが結構あったのですが、具体的に数値を出すことでそこに絶対に2人で向かっていく意識でやっていました。

――あしたに向けての修正点は何でしょうか

スタートスパートが終わった後から日体大の伸びがすごいので、スタートスパートが終わってからもその勢いや伸びをもう少し出していかないといけないかなというのが次回に向けての改善点だと思います。

――決勝への意気込みをお願いします

三度目の正直ではないですが、着々と日体大への対策や気持ちの持っていき方はできてきていると思っているので、インカレでのワセ女としての悔しさもありますし、同郷の先輩が(日体大のダブルスカルに)乗っているので絶対に先輩に勝ちたいというところで意気込んでいます。そして相方の藤田(彩也香、スポ1=東京・小松川)も高校生のときから一緒に乗ってきたメンバーなので絆や無意識なところで息を合わせて2人で漕ぎ切りたいなと思っています。

【女子シングルスカル】

松井友理乃(スポ1=愛媛・今治西)

――きょうの準決勝は明大の瀧本日向子(3年)選手などの有力選手と当たる難しい組み合わせになりました。どのようにレースに入りましたか

瀧本選手は前半が速いということは分かっていたので、そこでしっかり付いていって後半差せるようなレースを考えていたんですけど、前半で思ったよりも離されてそのまま負い付けなかったという展開になりました。そこは悔しかったなと思います。

――2着で順位決定戦に進んだという結果についてはいかがですか

自分は決勝に行きたかったので、順位決定戦に行くというのは悔いがあるんですけど、順位決定戦もすごいメンバーがいるので、しっかり勝負していきたいと思います。

――予選で「悪かった」とおっしゃっていたスタートについてはいかがでしたか

予選よりは改善できたんですけど、自分は前半が得意ではないのであしたは気持ちで上げていきたいと思います。

――後半が得意ですか

そうですね、前半と後半だと後半の方が得意だと思います。

――きょうはそれが出たという感じはありますか

(前半で遅れをとっていた)今治造船の選手をしっかりと捉えられたということは良かったんですけど、やっぱり最初に(瀧本選手に)離されすぎて後半見えなくて追い付けなくて負けたので、前半が課題かなと思います。

――あすの順位決定戦も有力な選手と競うことになります。組み合わせを見てどう感じていますか

そういうメンバーの中で自分がレースできるということはすごく楽しいと感じていますし、自分がやることをやればちゃんと戦える選手だと思うので、しっかり1着で戻ってきたいと思っています。