庭球部

2017.10.28

三菱全日本選手権 10月27日 東京・有明テニスの森

早大勢の全日本での挑戦は終了。今後へつながる大会に

 連日熱戦が繰り広げられてきた三菱全日本選手権(全日本)も本選5日目を迎えた。女子ダブルス準々決勝には上唯希(スポ3=兵庫・園田学園)・大矢希(スポ3=愛知・名古屋経大高蔵)組が登場。1、2回戦をストレートで勝利し、勢いに乗って臨んだが、相手のプロ選手ペアに終始圧倒され、2セット合計1ゲームしか奪えず。悔しいベスト8という結果で大会を去った。混合ダブルス準決勝には田中優之介(スポ1=埼玉・秀明英光)が清水綾乃(Club MASA)とのペアで出場。1回戦と同じく逆転を狙ったが、フルセットの接戦の末、惜しくも敗戦。決勝進出はならなかった。

★上・大矢組はベスト8で大会終える

試合終了後悔しそうな表情を見せる上(右)・大矢組

 早大が誇るエースペア上・大矢組は、準々決勝で今大会第2シードの藤原里華(北日本物産)・岡村恭香(ストライプインターナショナル)組と対戦した。藤原は2月に行われた島津全日本室内選手権の決勝で敗れた相手であり、リベンジを期して試合に臨んだ。しかし、いきなり最初の上のサービスゲームでブレークを許すと、その後もなかなか流れに乗れない。「大差をつけられて試合を運ばせてしまって、相手に安心感というか、気持ち的に余裕を持たせてしまった」(大矢)と振り返るように、なかなか自分たちのプレーをさせてもらえず、1-6でファーストセットを落とした。切り替えて挽回(ばんかい)したい上・大矢組だったが、「どうすれば相手のミスを誘えるのか思い浮かばなかった中で試合が進んでいってしまった」(上)と力強いストロークで押してくる相手に、なかなか得意のネットプレーに展開できず。セカンドセットでは1ゲームも奪えないまま、ストレート負けを喫した。

 これまで学生大会では無類の強さを誇っていた上・大矢組ですら、プロ相手には完敗。上には上がいることを実感したと同時に、「学生という狭い枠の中だけじゃなく、もっとプロとか、世界のレベルを感じて日頃練習していかないといけない」(大矢)と新たな意識の向上にもつながったようだ。全日本をベスト8で終え、次なる戦いは約1カ月後に控える全日本学生室内選手権(インカレインドア)だ。全日本大学対抗王座決定試合、全日本と大舞台を経験し、一層円熟味を増している早大ペアは、次は大阪の地で頂点を狙う。

(記事 松澤勇人、写真 熊木玲佳)

★強豪相手に熱戦!手応えつかむ

田中(右)は混合ダブルスを、「楽しかった」と笑顔で振り返った

 男子ダブルスでは無念の2回戦敗退となった田中が、この日は清水とのペアで混合ダブルス準決勝に挑んだ。相手は上杉海斗(慶大)と慶大卒の西本恵(島津製作所)の慶大コンビ。ファーストセットでは第1ゲームでブレークを許してしまうと、上杉の強烈なサービスエースやボレーにも苦しめられ流れをつかめず、5−7で接戦を落としてしまう。しかしもう後がないセカンドセットでは、「狙っていた」(田中)という西本選手のサービスゲームで田中のネット際を攻めるストロークと清水のボレーが次々に決まり、ブレークに成功。そのまま逃げ切り6−3とこのセットを制した。そして迎えたスーパータイブレーク。開始早々田中のミスも目立ち一気に4連続失点。しかし清水のサービスゲームではしっかりとキープ、すぐに4得点を返し試合はイーブンに。その後も3連続得点を決めるなど勝利まであと1歩に迫ったが、やはり壁は厚く、10−12と惜敗。田中・清水ペアは2回戦敗退となった。それでも、「すごく楽しかった」(田中)とこぼすように、あまり経験のない混合ダブルスで戦えたことは田中にとってもいい経験になったはずだ。また、前衛で目立ったミスなど新たな課題も見えてきた。得た収穫を糧に、次なる大舞台ではより成長した姿を見せてくれるだろう。

(記事 松本一葉、写真 田中佑茉)

★全日本プレーバック

 この日の試合で早大勢は全選手の敗退が決まり、全日本での早大の挑戦は幕を閉じた。

 男子シングルスには7名が本選に出場したものの、1回戦を突破したのは3名。その3名も2回戦で敗れるなど、古田伊蕗(スポ3=静岡・浜松市立)がベスト16入りした昨年と比べるとやや物足りない印象だ。今季の学生大会では『無双』ともいえるほどの結果を残してきた男子シングルス。それでも、慶大の上杉海斗がベスト4、中大の望月勇希がベスト8進出を果たすなど、早大もうかうかしていられない状況だ。層の厚さは飛び抜けているだけに、それぞれのレベルアップが覇者・早大の威厳誇示につながるだろう。

 男子ダブルスでは本選初日からジャイアントキリングが発生。河野優平(スポ4=福岡・柳川)・坂井勇仁(スポ3=大阪・清風)組が昨年度優勝ペアを破り、その後も勝ち進んでベスト8で大会を終えた。最後の王座出場がかなわなかった河野にとっては、そのうっぷんを晴らすことができたと言えるだろう。その他にも2ペアが初戦を突破。今後はペアの組み換えの可能性もあるが、それぞれが実力を示し、こちらも戦力の充実をアピールする結果となった。

 女子シングルスはプロ選手相手には大差で敗れる試合が多かったが、唯一食らい付いたと言えるのが、ルーキーながら全日本学生選手権を制した清水映里(スポ1=埼玉・山村学園)だ。第2シード相手にストロークでは清水が押す場面もあり、観客を驚かせた。今後もエースとして、学生大会を飛び越えた活躍が期待されるだろう。

 女子ダブルスは早大ペアで出場したのは2ペアのみ。上・大矢組はベスト8入りを果たしたが、試合後、「正直、悔しい気持ちの方が大きい」(上)と口にした。ハイレベルな相手との試合を体感し、刺激を受けたエースペア。これからもその向上心を忘れなければ、より高みを目指せるに違いない。

 「テニスを志した者なら、誰もが手にしたい栄冠」、三菱全日本選手権――。日本テニスの聖地・有明で1週間かけて行われるこの大会で、早大庭球部もまた栄冠を目指して戦った。部が掲げている「全日本で勝つ」という目標を達成すべく、今後も庭球部の『挑戦』は続いていくだろう。全日本という大きな舞台で得た経験を生かし、新チーム発足後も日々の練習に励んでいく。そしてまた来年、この舞台で早大勢が躍進することを期待したい。

(記事 松澤勇人)

結果

▽女子ダブルス準々決勝

●上・大矢(1-6、0-6)岡村恭香(ストライプインターナショナル)・藤原里華(北日本物産)


▽混合ダブルス準決勝

●田中・清水綾乃(Club MASA)(5-7、6-3、10-12)上杉海斗(慶大)・西本恵(島津製作所)


最終結果(※早大選手のみ)

▽男子シングルス

2回戦敗退

坂井勇仁
島袋将
千頭昇平

1回戦敗退

三好健太
古田伊蕗
小林雅哉
田中優之介

▽男子ダブルス

ベスト8

河野・坂井

ベスト16

齋藤・千頭
島袋・田中

1回戦敗退

小林雅・髙村

▽女子シングルス

2回戦敗退

細沼千紗
上唯希
清水映里

1回戦敗退

大矢希
大河真由

▽女子ダブルス

ベスト8

上・大矢

1回戦敗退

金井・清水
細沼・西郷幸奈(プロ・フリー)
下地・宮村美紀(プロ・フリー)

▽混合ダブルス

ベスト4

田中・清水綾乃

コメント

上唯希(スポ3=兵庫・園田学園)

――きょうの試合にはどのような意気込みで臨みましたか

藤原さん(里華、北日本物産)とは島津全日本(島津全日本室内選手権)で当たって負けているので、ペアは違うんですけど、そのリベンジをしたいなと思って臨みました。

――対戦経験のある相手でしたが、対策はありましたか

ストローク力では相手の方が一枚上手なので、陣形を崩していきたいなとは思っていました。きのうの(藤原・岡村恭香(ストライプインターナショナル)組の)試合を見ていろいろ大矢(希、スポ3=愛知・名古屋経大高蔵)とも考えていたのですが、正直きのうよりきょうの方が全然強かったですね。

――第1セットはいきなりブレークを許し、そこから流れを渡してしまった印象です

私の最初のサービスゲームをキープできなかったことが最初の出だしの悪さにつながったかなと思います。でもその後の大矢のサービスゲームはしっかりキープしてワンブレの状態にできて、1-2から2-2にするチャンスがあったのにそこでロブなどで逃げてしまったので、逃げに回ってしまったというか、守りに入ってしまった部分はありましたね。

――第2セットはどう振り返りますか

第1セット終わって岡村さんの方がミスが多いというのは分かっていたのですが、私たちがなんかして岡村さんがミスしているというよりは、本当にただ岡村さんがミスをしているって感じだったので、どうすればポイントが取れるかというパターンが自分たちの中で生まれた来なかったです。どうすれば相手のミスを誘えるのか思い浮かばなかった中で試合が進んでいってしまったので、自分たちのプレーの引き出しがもう少しあれば試合内容も変わってきたのかなと思います。

――ベスト8という結果についてはどう評価しますか

ここまで勝ち上がれてうれしいという気持ちもあるんですが、今回ベスト8に学生がたくさん入っているので、もう学生が勝つのも不思議じゃないなと思いました。正直、悔しい気持ちの方が大きいです。

――今大会を通して見つかった課題は

単複共に思ったのが、プロの方は大事なところでミスをしないな、ということで。ストロークとかの技術うんぬんではなく、ストロークで逃げない、相手よりも1歩深い球を打つということが自分には足りないと思いました。安定したメンタルで安定したショットを打てるように、体作りなどの部分も含めて鍛え直して、またこの舞台で戦いたいと思います。

――プロ相手にも通用すると感じたところは

私と大矢はネットプレーが好きなタイプで、ネットプレーでのポイントも少なからずあったので、それをもっと増やせればいいなと思いました。きょうの相手だとストロークが強くてツーボレーのかたちにさせてもらえなかったので、どうやってボレーに持っていけるかが課題ですし、そのうまく持っていければ自分たちの得意なパターンでポイントが取れるなと感じました。

――次に控える学生大会は全日本学生室内選手権(インカレインドア)です。それに向けた意気込みをお願いします

インカレインドアはきょねんは単複準優勝という結果に終わってしまって、シングルスはおととしベスト4、きょねん準優勝で、一歩ずつ成長できれば今年は優勝のはずなので、大口をたたくことになるかもしれませんが(笑)、優勝目指して頑張ります。ダブルスはまた大矢とくませてもらうので、今年こそは単複(共にタイトルを)取れるように、頑張ります!

大矢希(スポ3=愛知・名古屋経大高蔵)

――きょうの試合へはどのような意気込みで臨みましたか

島津(島津全日本室内選手権)で負けていて、そのときは2-6、4-6だったんですけど、手応えもあったので、次こそは、という思いで臨みました。

――対戦経験のある選手でしたが、なにか対策はありましたか

特に対策というか、きのうの(藤原・岡村組の)試合を見ていて、藤原さんの方が主体になって試合を進めているなと感じていたので、そこをうまく崩していこうとは上と話していました。

――ファーストセットは振り返っていかがですか

30-30とかデュースまではいったんですけど、そこから取り切れなかったというのも相手に流れがいってしまった原因だと思われますし、大差をつけられて試合を運ばせてしまって、相手に安心感というか、気持ち的に余裕を持たせてしまったと思います。

――セカンドセットは悪い流れを断ち切れないまま敗れてしまいましたが、どう振り返りますか

20分くらいで終わりましたよね(笑)。取れそうなゲームも何回かあったのですが、そこで取り切れなかったですね。ストレートアタックとか1、2回戦の相手では効いていたボールがきょうは全く効かなくて、私たちがセカンドセットからはこうしていこうと話していたことが全て相手に封じられてしまったので、そこでもっと相手を圧倒できる力があればよかったなと思います。

――昨年と同じくベスト8という結果でしたが、自分ではどう評価しますか

きょねんは初めての全日本で、ベスト8って結構すごいじゃん!って思ったのですが、今年はまだまだだめだなというか、もっといけたなというのが率直な感想です。

――今大会を通して見つかった課題はありますか

上とのおエアでは学生相手にはほとんど負けなしだったんですが、プロの方と当たったときに簡単なスコアで負けてしまったので、学生という狭い枠の中だけじゃなく、もっとプロとか、世界のレベルを感じて日頃練習していかないといけないと感じました。

――プロにも通用すると感じたところはなにかありますか

上と組んでいるときはダブルスらしい動き、コンビネーションがすごくうまくいていると思っていて、プロの方はそんなにダブルスの練習をしていないと思うので、そこは通用するかなと思いました。でもストローク力は劣っているなと思います。

――次の学生大会は全日本学生室内選手権(インカレインドア)です。それに向けた意気込みをお願いします

私はこれまで全国大会であまり結果を出せていないので、次のインカレインドアでは上位を狙えるように頑張りたいです。

――来季からは主将に就任するとのことですが、次期主将としての来季への意気込みをお願いします

そうですね・・・私は今年から団体戦でシングルスで出るようになったくらいですし、ワセダの中でのトップの選手とは言えない立場なので、プレーで引っ張っていくのは難しいのかなと感じています。これまでの主将さんたちは自分が引っ張るっていう気持ちが強かったんですけど、私は私なりに、チームの真ん中に立ってチームをまとめることができるような存在になりたいなと思います。

田中優之介(スポ1=秀明英光)・清水綾乃(Club MASA)

――きょうの試合にはどのような意気込みで臨まれましたか

田中 もう相手が強いとわかっていたので楽しむだけだなと思ってました。

清水 初めて組んだし、始めは出れるとも思ってなかったし(笑)。楽しもうと思いました。

――ミックスダブルスではどのようなことを心掛けてポイントを狙っていかれるのですか

田中 綾乃(清水)のコーチに言われてたのは(相手のペアの)女子を狙えってことだったんですけど、そんなことできるわけもなくて(笑)。最初の1戦目とかは全然練習もしてなくて(自分は)ダメだったんですけど、(清水選手が)強すぎて何もしなくても大丈夫でした。普通に(プレー)しとけばいいんで強かったです。

清水 男子は普段やってるのとは違うのでちょっと難しいと思うんですけど、女子は普段より(ペアが)強いから思いっきりやるだけだったので普段とあまり変わらずにできて楽しかったです。

――お二人組まれてみていかがでしたか

田中 すごい楽しかったです、僕は。

清水 私も楽しかったです。

田中 機会があればまた組んでもらいたいなと思います。

――では試合を振り返って。まずファーストセットでは接戦を落としてしまいました

田中 こんなに競れるとは思ってなくて、ね(笑)。競ってる、みたいな。満足ではないんですけどなんか思ったよりいけたので最初から勝つ気でいけば、と思いました。あ、もちろん勝つ気はあったんですよ、そういうことです(笑)。

清水 やっぱり相手が強かったんで。でもその中でも女子の西本(恵選手、島津製作所)の方のサーブをブレイクできてたら(結果は)違ったと思うんですけど、まあしょうがないかなって感じですね。

――セカンドセットでは一転、流れをつかみましたね

田中 キープキープ4−3で、一回もブレイクできてなかった西本さんのサーブを、なんかよくわからないんですけど、僕これいけるっしょ、っていうそういうノリでいってたら本当にいけちゃって(笑)。で僕サービスゲーム緊張しちゃってたんですけど(清水選手の)ボレーがすばらしかったんで(セットを)取れました。

清水 セカンドは結構40−40でブレイクされそうになることが多かったんですけどそこ(西本選手のサービス)で取れたのがよかったと思います。自分すごくサービス遅いんですけど、(田中選手が)前衛で助けてくれたんで。

田中 いやいやいや(笑)。

清水 助けてもらいました。

田中 いつでも任せろ(笑)。

――スーパータイブレークは

田中 最初の4ポイント全部僕がミスって点を落としたのでそこをもっと2−2とかでいければもしかしたら(次に)いけてたんじゃないかなって思って。まあ0−4から追い上げられたのはよかったんですけど、まあ出だしが悪かったです。

清水 私は悪かったけど・・・。

田中 綾乃は強すぎた(笑)。

清水 いやでも楽しかったです(笑)。

――相手は慶大ペアでしたがいかがでしたか

田中 まあ上杉(海斗さん、慶大)はユニバのミックスダブルスとかでも優勝してて、絶対やり方わかってるなって感じだったんですけど、ほんとにその通りにバンって。強かったです(笑)。

清水 向こうは組み慣れてる感というか、まあ同じ学校だし(笑)。やり方もわかってて、多分作戦もいっぱいあったと思うんですけど。

田中 俺ら何の作戦もなかったよね(笑)。

清水 でもまあまあ頑張ってた(笑)。

――今回で得た課題や収穫などはありましたか

田中 シングルスはもっと全部を強化しないとここでは勝てないとわかったので強化していくのと、ダブルスは前衛の動きがダメダメだったのでもっと強化していきたいと思います。

――では今後のインカレ、インドアに向けての意気込みをお願いします

田中 まだペアとかも決まってないんでよくわからないんですけど、シングルスでは本当に優勝目指して頑張りたいと思います。ダブルスはペアが決まり次第その人と頑張ろうと思います。