漕艇部

2017.10.26

全日本選手権 10月26日 埼玉・戸田ボートコース

現体制最後にして最難関のレース、全日本が開幕!

 全国の強豪が一堂に会し覇権を争う全日本選手権(全日本)が開幕した。初日となったこの日は終始穏やかな気候の中、一部種目を除いた予選が行われる。早大からは男女合わせて9艇が出漕し、その内2年ぶりの優勝を目指す女子舵手なしクォドルプルを含む4艇が予選を1着で抜け準決勝もしくは決勝進出を決めた。

 気温20度前後、風がやや逆に流れるも波は終始穏やかと好コンディションの中、全日本はスタートした。早大の先陣を切ったのは女子シングルスカルの松井友理乃(スポ1=愛媛・今治西)。今月初旬に行われた国民体育大会に出場した影響で練習期間は2週間と限られたが、一本を強く押す漕ぎで中盤から他艇を大きく突き放す。最後までスピードを緩めず漕ぎ進め、2着と30秒近い差をつけてゴールした。タイムは全体8位に落ち着いたが、「少し、思ったよりも悪かった」と振り返ったスタートを改善し、厳しい組み合わせが予想される準決勝に備える。女子部でもう1艇予選を通過したのが、ベストメンバーをそろえた舵手なしクォドルプル。今大会は、昨年の決勝で完璧なレースプランを敷かれ完敗を喫した明治安田生命と予選からぶつかる厳しい組み合わせとなった。しかし、「今年は逆に私たちがスタートから出て(出足を)抑えて、(相手を)見て焦げるリズムで行こう」(木下美奈女子副将、スポ4=山梨・富士河口湖)と決定したプランをしっかりと遂行し、序盤から他艇に半艇身先行。その後もじわじわと差を広げ、1着で決勝進出を決めた。勢いに乗り、2年ぶりの覇権奪回といきたい。このクルーに乗る4年生三人はエイト種目とのダブルエントリーとなり、明日のエイト予選に臨む。予選で2着に終わったダブルスカルは、敗者復活戦からの準決勝進出を期す。

予選を1着で抜けた松井。初の大舞台にも物怖じしない

 女子に引き続いて行われた男子種目の予選には、5艇がエントリー。まず最初に準決勝進出を決めたのは、全日本大学選手権で対校艇のエイトに乗った石橋広陸(スポ4=愛知・豊田北)と得居亮太(法4=東京・早大学院)の二人を擁する舵手なしフォアだ。スタートをうまく入り、序盤の500メートルで1艇身のリードを得ると、1000メートルまでに勝負を決めた。「しっかり頭500(メートル)を取ってそこから逃げていくというスタンス」とストロークの田中海靖(スポ1=愛媛・今治西)が述べたように、準決勝でも出足の鋭いスタートで他艇に先行したい。さらに1艇、出色の出来を見せたのが、舵手付きクォドルプルだ。大きく長い漕ぎが売りのストロークペア(ストロークと3番)と、経験に優れたバウペア(2番とバウ)という漕手四人で構成されたこのクルーは、「急にカチッとハマった時期があった」(高山格、スポ2=神奈川・横浜商)と本番前に急成長。未だ伸びしろを残す中、この日の予選で有力クルーの仙台大や東工大を退け準決勝に駒を進めた。その他、エイト、舵手なしクォドルプル、ダブルスカルの三艇は敗者復活に回り、準決勝進出を目指す。

4年生二人が乗る舵手なしフォア

 どこのチームも、今季現体制での最後の大会となるため、完成度の高いクルーを用意している。予選ながら激しく拮抗(きっこう)するレースも見られ、翌日以降のハイレベルな競り合いが予想される一日となった。わずかなミスも命とりになる中、悔いを残さず最後に笑うために、二日目以降も会心のレースを期待したい。

(記事 喜田村廉人、 写真 石塚ひなの、加藤佑紀乃)

 

結果

【予選】

▽男子部

【エイト】

C:佐藤修平(文4=秋田)

S:中川大誠(スポ1=東京・小松川)

7:内田達大主将(スポ4=山梨・吉田)

6:石田良知副将(スポ4=滋賀・彦根東)

5:坂本英晧(スポ2=静岡・浜松北)

4:鈴木大雅(スポ3=埼玉・県浦和)

3:伊藤大生(スポ3=埼玉・南稜)

2:東駿佑副将(政経4=東京・早大学院)


B:飯尾健太郎(教3=愛媛・今治西)

6分17秒75【2着 敗者復活戦へ】

【舵手つきフォア】

S:徐銘辰(政経2=カナダ・St.Andrew‘s highschool)

S:高山格(スポ2=神奈川・横浜商)

3:堀内一輝(スポ2=山梨・富士河口湖)

2:金子怜生(社3=東京・早大学院)

B:有田雄太郎(法4=東京・早大学院)

7分01秒13 【1着 準決勝進出】

【舵手なしクォドルプル】

S:尾崎光(スポ3=愛媛・今治西)

3:菅原諒馬(商2=東京・早大学院)

2:鈴木利駆(スポ1=静岡・浜松西)

B:伊藤光(文構3=東京・神代)

6分49秒35 【3着 敗者復活戦へ】

【舵手なしフォア】

S:田中海靖(スポ1=愛媛・今治西)

3:石橋広陸(スポ4=愛知・豊田北)

2:藤井拓弥(スポ2=山梨・吉田)

B:得居亮太(法4=東京・早大学院)

6分45秒54 【1着 準決勝へ】

【舵手なしペア】

S:井踏直隆(文構3=東京・早大学院)

B:土屋夏彦(スポ2=山梨・吉田)

7分44秒52 【4着 敗者復活戦へ】

【ダブルスカル】

S:富田剣志(スポ4=愛媛・今治西)

B:川田翔悟(基理2=東京・早大学院)

7分32秒78 【5着 敗者復活戦へ】

▽女子部

【舵手なしクォドルプル】

S:木野田沙帆子女子主将(スポ4=青森)

3:米川志保(スポ3=愛知・旭丘)

2:石上璃奈(スポ4=長野・下諏訪向陽)

B:木下美奈女子副将(スポ4=山梨・富士河口湖)

6分57秒71 【1着 決勝進出】

【ダブルスカル】

S:安井咲智(スポ1=東京・小松川)

B:藤田彩也香(スポ1=東京・小松川)

7分44秒14 【2着 敗者復活戦へ】

【シングルスカル】

松井友理乃(スポ1=愛媛・今治西)

8分15秒96 【1着 準決勝進出】

コメント

【男子エイト】

東駿佑副将(政経4=東京・早大学院)

――きょうのレースプランを教えてください

まあベーシックなもので、スタート1クオーターで出て、そこから2・3クオーターでタイムを刻んでラストに上げるというシンプルなプランでした。

――実際にレースはいかがでしたか

結果的に言えば2位で中大に7秒開けられて、いい内容とは言えないかなという感じですね。

――全日本大学選手権(インカレ)からクルー編成が大きく変わりましたが意図はどこにありますか

全体的なクルーのバランスとか、ストロークサイドとバウサイドのサイド間の調整とか、相性とかを全て見てこのクルーになりました。

――クルーの安定感はいかがですか

安定感に関してはインカレよりも確実に良くなっていて、本当にここまでかなりいい成長度を見せていますし、毎回の練習もかなり安定していました。

――クルーの下級生についていかがですか

全体的に下級生が多くなっている状況でそれはインカレのときと全然違うんですが、みんな成長しようという意思も見えますし、本当に良くついてきてくれたなという感じです。

――部全体的には

正直に言えば1年前とかはあまり頼りないと言ったらおかしいですけど、まだまだ高校生のようなところもあったりしていましたが、ここにきてみんな実力もつけてきて、練習に対する態度とかも確実に良くなっているので、かなり成長しているのではないかと個人的には思っています。

――明日の敗者復活戦までに改善したい点はありますか

9人でまとまり続けるというところが一番大事になってくると思うので、そこを徹底的にやっていければいいかなと思います。

――最後に改めて意気込みをお願いします

明日負けてしまったら4年生にとってはもう引退になってしまうという中で、そうなったらそうなったで仕方がないかなとは思うんですけど、確実にいけるところに自分たちはいますし、3日目、4日目に残れる自信はあるので、そうなれるように準備していければいいかなと思います。

【男子舵手付きフォア】

S:高山格(スポ2=神奈川・横浜商)

――きょうは序盤から飛び出す展開になりましたがいかがでしたか

思っていた以上のところもありますが、良い出だしをつくれたことは良かったと思います。

――想定より良いスタートになりましたか

スタートから出ようとはしていました。なので、そういった意味では想定通りという面もあります。

――何か足りないと感じている部分があるのですか

いくらでも良くはなると思っているので、一つ一つの精度を全て上げていかなきゃいけないなというのはありますね。

――強豪の仙台大に先着したことについてはどう感じますか

向こうの調子とかもよく分からないということはありますが、自信にはつながると思いますね。

――クルーの長所と課題を教えて下さい

結構身長差のあるクルーなので、長さを合わせて漕げたときはいいんですけど、合わなくなった途端に駄目になってしまうので、合わせ方は課題です。いいところは、雰囲気が悪くないので、楽しく漕げているというところですね。

――漕ぎの長さを合わせるということは意識して練習されていましたか

そうですね。急にカチッとハマった時期があって、そこからは本当にいい漕ぎ、長さを意識した漕ぎというのが続けられていると思います。

――具体的にはいつ頃ですか

割と最近ですね。

――合わずに焦るということはありませんでしたか

最初らへんはみんなで漕ぎ方を手探りで探していました。その期間は結構かかってしまいましたね。

――漕手の4人は漕ぎのタイプが近いというわけではないですか

意識の中では同じものを目指していても、実際ではズレがあって、それがあった期間は少し長かったなと思います。

――クルーの完成度はどのくらいと感じていますか

かなり良くなっていると思います。ただ、もう少し上がると思っていますね。

――具体的に「上がる」と感じる部分はどこになりますか

時々出る癖をみんなで抑える、ということが必要ですね。

――準決勝への意気込みを一言お願いします

全力でやってみるだけだと思います、チャレンジャーとして。楽しみつつ、本気で。気持ちが一番大事にして、全員が全力でいけるようにしたいです。

【男子舵手なしフォア】

S:田中海靖(スポ1=愛媛・今治西)

――きょうのレースを振り返っていかがですか

まず、きょう上がれて良かったとすごくほっとしています。4年生2人と2年生1人と僕で、1年生1人なんですけど、ここまで仕上げてこられていい結果が出たので、準決勝、決勝にもつなげていけたらいいなと思っています。

――クルーとしてはこれまでどういった練習されていましたか

僕がまだあまり(スイープで)漕いだことがなかったので、まずスイープという競技に慣れることと、クルー4人としてはパワーでは勝てないクルーだと思ったので、しっかり頭500メートルを取ってそこから逃げていくというスタンスで行こうと、4人で(意識を)統一していました。

――500メートルを取るということでしたが、きょうのレースでも序盤からスピードを出していくということは意識されていましたか

そうですね。取れたことは良かったと思います。

――ストロークのポジションですが、ご自身としてはうまくできていると感じていますか

きょうはまず最初500メートルは取れたんですけど、まだまだその後の1000メートル、1500メートルは崩れたりするときがあるので、そこはまだ課題かなと思っています。

――4年生の二人人と組まれていますが、どのようなことを教えてもらっていますか

僕は基本的なことを4年生二人から教えをいただいて、優しく接していただいてるので、僕もすごくやりやすいです。

――4年生にとっては最後のレースですが、一緒に乗っていてそういった思いを感じることはありますか

そこを感じつつ、4年生二人は僕たち下級生二人に対してそこまでプレッシャーを感じさせることがなくて、僕たちのために最後のレースをしっかり漕ぐとおっしゃっていたので、そこはリラックスして漕げているかなと感じています。

――このクルーでの今大会の目標は

僕たちは表彰台に上がることを目標としていて、最大の目標は優勝することです。

――準決勝に向けて意気込みをお願いします

予選の反省を生かして、準決勝でしっかり1位を取れるように頑張りたいと思います。

【女子舵手なしクォドプル】

B:木下美奈女子副将(スポ4=山梨・富士河口湖)

――きょうのレースを振り返っていかがですか

ことしのこのクォド(クォドルプル)のメンバーなのですが、去年のリベンジということで予選から明治安田生命さんとトヨタさんという実業団が多くいる中で、私たちがいきなりうまくなるとということはないので、この1年間積み上げてきたことを出そうということで、それがきょうはスタートから表現できたかなと思っています。

――昨年決勝で敗れた明治安田生命を抑えられたことについて、今どのように感じていますか

昨年は、スタートはやや向こうに出られてしまって、第2クオーターでかなり離されてしまったというところがあって。その後のタイム落ちはそんなに変わっていなかったので、今年度は逆に私たちがスタートから出て抑えて、(相手を)見て漕げるリズムでいこうというふうに作戦を立てていました。

――その作戦がきょうはうまくはまったと

そうですね。ですけど、これから決勝に行くにつれてどこも調整してスタート取りに来ると思うので、油断せずにまたやっていきたいかなと思います。

――現在のクルーの安定感や完成度については、どのように感じていますか

乗り始めからパワーのあるメンバーが揃っていて、期間としては2カ月くらいになるのですが、ダブルエントリーの関係で結構練習時間は取れなかったです。一回一回のモーションを大事にしただけあって、粗いところも削れてきたかなというところはあります。ただ、まだレースをして課題が残るところもあるので、まだまだ合わせていけるかなと思っています。

――女子部のクルー編成の全体的な意図は

最初に掲げていた今年度の目標がなしクォドとエイトのどっちも優勝ということでした。それに見合って、ダブルエントリーするしないではなくて、エイトが勝てる、クォドが勝てるクルーというのを布陣としています。そして他のクルーも、ダブルもペアもスカルもですが、表彰台、そしてメレビに映ったりするので優勝を目指せるクルーということで組みました。

――全日本大学選手権(インカレ)以降、女子部として全体的にやってきたことはありますか

インカレで私たちは唯一1つも優勝がなかったので、一人一人危機感を持ってこの2カ月取り組んで来たかなと思います。その中でも1回1回のトレーニングに集中していることや、クルーボートになってきますと気持ちを一つにすることが大事だったので、ミーティングなどで気持ちを一つにできたかなとは感じています。

――先ほども舵手なしクォドルプル、女子エイトの練習をされていたとのことですが、それぞれどういった調整をされていましたか

朝クォド乗って、午後エイト乗ってというように、1日の中で交互に乗るということが多かったです。この週に入ってからは極力広めないといけなかったので、少しその辺りはメニューの量を調整してもらって。ダブルエントリーしない人に関しては、陸など他のところで調整してもらって、という感じでなんとかこの日を迎えられました。

――大学最後のレースとなりますが、どのようなレースにしたいですか

やはりインカレを経てなのですが、悔しさも残ってます。私はクォドとエイトに乗るのですが、メダルの数が多くなるということがすごくいいことだと思っていて。かつ、やはり私たちだけではなくて、頼もしい後輩がたくさんいるなと思っていて、クォドの米川(志保、スポ3=愛知・旭丘)もそうですし、エイトに乗っている子たちも、かなりパワーも積極性もあるので、そういった人たちが来年度以降波に乗れるように、まずここで4年生が引っ張って、全員で金メダルを取りたいと思っています。

――舵手なしクォドルプルは次は決勝となります。意気込みをお願いします

きょうのレースでまずは1勝して、決勝に駒を進めることができたのですが、まだ社会人チームは調整してきて、決勝にピークを合わせてくると思うので、そこでもきょうのようにまずスタートで落ち着いて出て、出られなくてもそこから勝負をかけて。私はバウなので、きょうも結構コール多めに入れたのですが、それにも全員で反応した時ってすごい進むので、全員信じて決勝では優勝を目指して頑張りたいかなと思います。

【女子舵手付きクォドルプル】

松井友理乃(スポ1=愛媛・今治西)

――きょうのレースプランを教えてください

きょうは予選ということでしっかり自分の目標タイムに沿って淡々とリズムを刻んで漕ぐという感じです。

――実際のレースはいかがでしたか

スタートが少し思ったよりも悪かったなと思ったんですけど、改善点はありますがいい意味で普段通りの漕ぎができたかなと思います。

――レース後に練習をされたと伺いましたが、何をされましたか

疲れを取ることを兼ねてゆっくり漕いで、後はやっぱりレースになったら漕ぎが短くなってしまったりすることもあるので、丁寧に大きく漕ぐということの確認をしました。

――レースは独走状態でしたが、気持ち的に余裕はありましたか

気持ちは楽に漕げたんですけど、相手どうこうというよりは自分の漕ぎができるかというところを意識していたので、予定通りといえば予定通りだったかなと思います。

――シングルについて得意・不得意はありますか

シングルは好きなので…不得意ではないです。

――練習はどのくらいされましたか

自分は10月の初めに国体(国民体育大会)があって、それが終わってからシングルの練習があったので2週間くらいしかなかったです。

――焦りとかは感じませんでしたか

焦りはあまりなかったですね。

――あさってまでに修正したいことはありますか

あさってのレースはたぶんきょうよりも厳しくなると思うので、しっかりスタートを速いレートで漕ぐというところをもう少し詰めて、あとはもう少し粘るところは粘ろうと思います。

――最後に改めて意気込みをお願いします

あさってはきょうより全然厳しくなると思うので、しっかり攻める漕ぎを最初からして、絶対に勝ち上がりたいと思います。