弓道部

2017.10.25

平成30年度東京都学生連盟リーグ戦・1部2部入れ替え戦 10月22日 東京・日大弓道場

強いワセダへ、逆転勝利で来季につながる1部残留

 勝利が決まり、選手たちはホッとした表情を浮かべた。22日に行われた東京都学生連盟リーグ戦1部2部入れ替え戦。去年この試合を制し、1部昇格を手にした早大。あれから1年、対戦相手はまたしても慶大であった。4年連続同一カードとなったこの日の試合は、序盤から慶大にリードを許す展開。このまま2部降格か、とも思われたが部員たちは諦めていなかった。後半から調子は右肩上がりになり、最終的中は132対129の逆転勝ち。1部残留を決めた。

 雨が降りしきる中始まった一戦。入れ替え戦独特の緊張感からか早大がなかなか的中を伸ばすことができない一方、慶大は順調に的中を重ねていく。選手を交代して状況の改善を図るもなかなかうまくいかない。気づけば3立目の壱ノ立を終えた時点で的中は9本差。負けたら即2部降格という絶対に負けられない試合であるだけに、倉持洵主将(スポ4=東京・国学院久我山)の顔は険しくなっていった。

20射19中と高的中を出した幸明

 しかし、このままで終わる早大ではなかった。3立目の弐ノ立が16射皆中を出したことで追い上げを開始。続く4立目の壱ノ立が何とか慶大と同じ13中でつなぐと、弐ノ立が慶大よりも2本多い14中を出し、差を縮める。両校の実力が拮抗(きっこう)しているだけに、息もできないような緊迫感の中、3本差で最終立へ。先攻の早大は勢いそのままに16射15中。高的中をみせるも、唯一外した鈴木智貴(法4=東京・早実)の悔しげな表情が接戦の様子を物語っていた。しかし、この状況に緊張するのは慶大の選手もまた同様。ここまで一本も抜いていなかった慶大の落の選手が崩れたことで、的中数は2本差に詰め寄った。そして勝負の行方は、弐ノ立へ委ねられる。勝利のために何としても皆中が欲しいこの場面で、弐ノ立の4人はその思いに応えるように、2回目の16射皆中をたたき出す。祈るような思いで部員全員が慶大の立を見守る中、慶大選手が3本目を外した時点で早大の逆転勝利、ならびに悲願の1部残留が決定した。

憧れの場で、憧れを抱かれる存在を目指した鈴木

 ことし9年ぶりに1部校として1年を過ごした早大。他の1部校との実力や選手層の差を痛感したこともあっただろう。牧山千莉(スポ2=千葉)は「140中という的中をコンスタントに試合で出していけるように」とリーグ戦を振り返った。的中数『140』、これは1部校として目指すべき目安のひとつであり、ことし早大が出すことのできなかった数字である。来季この数字を達成するためにも、見つかった課題を一つ一つ克服していくことが重要だろう。しかし、大貫真央(教3=東京・帝京大高)が倉持主将の言葉で「(気持ちを)切り替える事ができた」と話したように、精神的支柱であった4年生が抜ける穴は、残される後輩にとって予想以上に大きいはずだ。下級生次から早大を支えてきた幸明千尋(スポ3=東京・城北)や志岐伊織(スポ3=群馬・前橋西)には技術面に加え、精神面でも早大を引っ張ってもらいたい。来年は王座、いつかは日本一を狙えるように。古豪復活へ、この試合が新たなスタートだ。

(記事 金澤麻由、写真 秦絵里香)

※平成30年度リーグ戦は平成29年度に行われます。

結果

初立
大前  牧山                  20射19中
弐的  大貫                  20射15中
落前  西原剛志(スポ2=東京・城北)      8射 5中
    中谷透(基理3=東京・早実)       4射 2中
    関口優祟(先理1=東京・早大学院)    8射 7中
落   鈴木                  20射15中

弐ノ立

大前  幸明                  20射19中
弐的  長谷川翔平(法2=神奈川・山手学院)  20射18中
落前  合田裕哉(法1=東京・早実)       8射 4中
    栗原健太(文構2=東京・国学院久我山) 12射11中
落   志岐                  20射17中


○早大132-129慶大

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コメント

鈴木智貴(法4=東京・早実)

――1部残留おめでとうございます

ありがとうございます。本当にうれしいという気持ち以外ないですね。

――今季は「落」として出場なさっていましたが、どのような思いでしたか

目の前の(大前から落前までの)3人が本当に頼もしい3人だったので、自分としては落だからどうするというわけではなく、自分の射に集中することができました。

――今季の早大を振り返って

前半、全関(全関東学生選手権)だったり選抜(全国大学選抜)だったりインカレ(全日本学生選手権)だったりで振るわない結果が続いていたので、リーグ戦はどうなるのかなと心配していたのですが、いざこうして終わってみると普通に急だったなという感じで。後半に向けてチームのみんなの士気も高まっていって、チームとしてちゃんとひとつになれたな、と思います。

――きょうは唯一の4年生としての出場でしたが

4年間この部活で引かせてくれて本当にありがとうという感謝の気持ちで臨みました。

――早実中の頃から早大弓道部を見てこられたと思いますが

自分が中学生や高校生の時は、大学生たちというのは本当に憧れで、雲の上の存在で。今もその思いは変わっていないのですが、自分たちもその姿に少しでも近づけたのなら良かったなと思います。願望なんですけどね。

――きょうで引退ですがこれまでの弓道人生を振り返っていかがでしたか

10年間という人生の約半分の間続けてきた競技が幕を閉じるということでちょっと寂しい気持ちもあるんですけど、10年間の弓道人生で得られたものは本当にたくさんあるので、それを今後の人生に生かしていけたらいいなと思います。

――来年以降の早大弓道部に一言お願いします

言い方が良くないんですけど、(自分たち4年生が抜けることで)たいして戦力がダウンするわけではなく、また新しい1年生が入ってくると思うので、ことしよりも強いワセダになるんじゃないかな、と思います。なので来季は1部残留とかではなく本格的に王座、日本一を目指していってほしいと思います。

大貫真央(教3=東京・帝京大高)

――1部残留おめでとうございます。今のお気持ちはいかがですか

本当に、素直にうれしいですね。自分が15中という結果で、全体としては足を引っ張ってしまった中で、弐ノ立のみんながよく頑張ってくれたので、そのおかげで勝てたと思います。

――きょうの試合を振り返って

一立目でいきなり1中を出してしまって、この先ちゃんと的中を積み重ねられるかすごい不安だったんですけど、なんとか気持ちを切り替えて、その後は皆中を出すことができたので良かったです。

――リーグ戦初戦に行ったインタビューでは、弓道を大学から始めて苦悩の時期を聞いた際に、今がその時期であると答えられていました。リーグ戦を振り返っていかがですか

リーグ戦に対しては、去年割とうまくいっていたので、すごくいいイメージを持っていたのですが、初戦からあまり去年のようにはいかなくて、自分でも不安になった時期もありました。それでも、今自分にできることは1本1本的中を積み重ねていくことだけだと思ったので、とにかく集中しようと思いました。

――勝利が決まった瞬間涙を流されていましたが

去年も同じことを聞かれたような気がします。去年1部に上がって、最低限の結果ではありますけれど、ことし残留できたというのはすごく嬉しいですし、自分自身15中だったので、みんなに支えられて安心して思わず涙が出てしまいました。

――3立目からの巻き返しが印象的な試合でしたが、引退となる4年生から何か掛けられた言葉はありましたか

倉持さん(洵主将、スポ4=東京・国学院久我山)が「切り替えていこう」というような言葉を、巻き藁を調整している間からかけてくださったので、すごくありがたかったですし、自分の中でも切り替えられる要因になりました。

――4年生が引退し最上級生という立場になりますが、どんな思いで戦っていきたいですか

来年は教育実習とかがあって、シーズンを通して部の戦力になれるかはわからないですが、それでもこれまでの3年間で身につけたものなどを後輩たちに伝えていくことはできると思うので、そういった点でも4年生としてできることをよく考えて、来年はより良い結果でシーズンを終われるように頑張ります。

幸明千尋(スポ3=東京・城北)

――1部残留おめでとうございます。今のお気持ちはいかがですか

一安心というか、ホッとしている気持ちです。

――今日の試合を振り返って

結構今まで緊張でやられていた部分があったので、いつも通りに引こうかなという思いで臨んだので自分の射を引くことができたと思います。

――3立目からの巻き返しが印象的な試合でしたが、引退となる4年生から何か掛けられた言葉はありましたか

僕のことを思ってか、特に言葉はなかったです。

――20射19中と皆中賞を獲得することができませんでしたが、原因は何だと思いますか

まだやっぱり自分に甘いのかなって思います。僕の射は早いので、その早さが原因で1本逃している場面がリーグ戦のみならず、インカレ(全日本学生選手権)でも全関(全関東学生選手権)でもあったので、それが原因だと思います。なので来年はそれを無くすように、しっかり伸び合いを取って、見ている人が安心できるような射をしていきたいと思います。

――今期の前半の試合はあまり満足な結果が出せず、リーグ戦ではなんとか1部残留を決めましたが、1年間の試合を振り返っていかがでしたか

去年の方が内容的にはひどいもので、結局終わり良ければすべて良し、でよかった年で。まあことしも同じような感じで、もう割り切るしかないかなっていう気持ちでリーグ戦に挑んでいた気がします。

――4年生が引退し最上級生という立場になりますが、どんな思いで部を引っ張っていきたいですか

来年また1部で戦うということになるんですけど、1部にいて何が変わるかって考えたら、何も変わることはないと思うので、着実に一つ一つ課題を克服していきたいと思います。

牧山千莉(スポ2=千葉)

――きょうの試合を振り返って

まずは、試合に勝って1部残留をすることができて良かったと思います。結構序盤に崩れてしまって、厳しい戦いになってしまったのですが、最後は今までやってきたことを出すことができ、いい試合になったと思います。

――初めての1部校との対戦だったと思うのですが、今季の早大を振り返っていかがでしょうか

個人的には1部(校)ということは考えずに引いていたのですが、(早大を)全体的に見て的中が全然出ていない状況だったのでそこは来年からも1部校としてやっていく中で、しっかり140という的中をコンスタントに試合で出していけるようにしなければいけないと思いました。

――今の早大の課題はなんだとお考えでしょうか

1試合、(1人)20射、(チームとして)160射をする中でどこか途中で崩れてしまう部分があるので、そこを改善して平均して高的中を出せるようにしていくことが課題だと思います。

――来年は3年生になり、いよいよ部の中核を担う選手になっていかれると思いますが

そうですね、ことしは上級生がチームを引っ張っていってくださったので、来年自分たちが上級生になった時にはそれを継続して、後輩には背中でチームを引っ張っていく姿を見せたいと思います。