ア式蹴球部

2017.10.22

第91回関東大学リーグ戦 10月21日 早大東伏見グラウンド

熊本、復活の一撃!逆転優勝へ望みをつなぐ

 冷たい雨が降りしきる中、関東大学リーグ戦(リーグ戦)第18節が行われた。60分にFW岡田優希(スポ3=川崎フロンターレU-18)の3試合連続ゴールで先制した早大だったが、その5分後に追い付かれてしまう。1-1のまま迎えた90+4分、約7カ月ぶりの公式戦出場となったDF熊本雄太(スポ4=東福岡)が値千金の決勝ゴール。『復活の一撃』でチームを劇的勝利に導いた。

 序盤から東海大の5バックに苦戦し、得点はおろかシュートにすら持ち込めない時間が続いた。早大のファーストシュートは28分、DF安田壱成(スポ4=ベガルタ仙台ユース)からのグラウンダーのクロスに、2試合ぶりの先発となった岡田が左足で合わせる。しかし、枠を捉えることはできず、先制とはならない。その後は攻撃にリズムが生まれ、迎えた38分、前半最大の決定機が訪れる。岡田のスルーパスに抜け出したFW石川大貴(スポ4=名古屋グランパスU-18)が相手GKと一対一に。しかし、ループシュートはゴール左に逸れてしまい、得点には至らず。ゴールネットを揺らすことができないまま、前半をスコアレスで折り返した。

チャンスで決め切れず、思わず天を仰いだ石川

 徐々に雨脚が強まる中、後半もこう着状態が続いていく。迎えた60分、先にスコアを動かしたのは早大だった。安田の縦パスをボックス内で受けた岡田が、右に流れながら右足を一閃。角度の狭いところから、低い弾道のシュートをゴール左サイドネットに突き刺した。しかし、リードしたのも束の間。CKからすぐさま試合を振り出しに戻されてしまう。65分、GK小島亨介(スポ3=名古屋グランパスU-18)がファインセーブをみせるも、そのこぼれ球を若林涼太(4年)に押し込まれた。引き分けでは3位転落の可能性もある早大は、懸命に勝ち越しゴールを目指す。だが、次のビッグチャンスをつかんだのは東海大だった。80分、自陣左からのクロスがファーサイドまで流れ、走り込んできた面矢行斗(1年)にフリーでシュートを打たれてしまう。これを小島が見事な飛び出しでセーブし、ゴールを死守。守護神が絶体絶命のピンチを救った。その後も得点を奪えないまま、時計の針は進んでいく。引き分けに終わるかと思われた試合終了間際、待っていたのはあまりに劇的な結末だった。90+4分、相馬が蹴った右CKは一度相手に跳ね返されるも、ボールを拾った相馬が、再びゴール前にクロスを供給。途中出場の熊本が頭で合わせ、代名詞ともいえる豪快なヘディングシュートを叩き込んだ。

決勝弾の熊本(写真右)とアシストした相馬

 まるでドラマのシナリオのような展開だ。熊本は昨季、レギュラーとしてほぼ全ての公式戦に先発出場。最上級生となった今季もチームの中心を担う存在になるはずだった。しかし3月に負った足首の脱臼骨折による長期離脱の影響もあり、今季はわずか1試合の出場にとどまっていた。「ずっとピッチの外から見てきて、早く自分もあの場に立ちたいという思いでやってきました」。ようやくつかみ取った、今季リーグ戦初出場のチャンス。「絶対に俺が点を取るんだ」という一心から生まれた決勝ゴールで、見事に復活を印象付けた。

 チームとしては、2週間後に3位・中大との直接対決が待ち受けている。しかし、まずは次節で8位・立正大相手にしっかりと勝ち点3を積み上げることが重要だ。劇的勝利の勢いそのままに、1部昇格、そして逆転優勝に向けたラストスパートをみせて欲しい。

スターティングイレブン

 

(記事=栗村智弘 写真=守屋郁宏/大山遼佳)

 

 

関東大学リーグ戦
早大 0-0
2-1
東海大
【早大得点者】60岡田,90+4熊本
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 小島亨介 スポ3 名古屋グランパスU−18
RB 安田壱成 スポ4 ベガルタ仙台ユース
CB ◎鈴木準弥 スポ4 清水エスパルスユース
CB 20 杉山耕二 スポ1 三菱養和SCユース
DF →84分 熊本雄太 スポ4 東福岡
LB 17 冨田康平 スポ3 埼玉・市浦和
CMF 32 栗島健太 社2 千葉・流通経大柏
FW →81分 武田太一 スポ2 ガンバ大阪ユース
CMF 10 秋山陽介 スポ4 千葉・流通経大柏
RMF 14 鈴木裕也 スポ4 埼玉・武南
LMF 相馬勇紀 スポ3 三菱養和SCユース
CF 石川大貴 スポ4 名古屋グランパスU-18
CF 19 岡田優希 スポ3 川崎フロンターレU−18
FW →67分 武颯 スポ4 横浜F・マリノスユース
◎=キャプテン
監督:古賀聡(平4教卒=東京・早実)
関東大学リーグ戦2部リーグ順位表
順位 校名 勝点 試合数 得点 失点 得失差
国士舘大 45 18 14 39 15 +24
早大 37 18 11 51 24 +27
中大 36 18 11 39 28 +11
拓大 28 18 31 19 +12
東京学芸大 24 18 29 27 +2
東農大 24 18 25 23 +2
青学大 22 18 33 36 −3
立正大 21 18 23 37 -14
神奈川大 19 18 30 34 −4
10 東海大 17 18 21 37 -16
11 日大 15 18 15 26 -11
12 朝鮮大学校 18 14 15 45 -30

※第18節終了時点

※上位2チームが自動昇格

コメント

MF鈴木裕也副将(スポ4=埼玉・武南)

――劇的な勝利で2位をキープしました。結果についてはいかがですか

「1部昇格、優勝と目指していくためには、残り5試合で全勝するしかない」ということは、この試合が始まる前にもチーム全員で話していたことで、その中でこういう苦しい試合をものにできて、チームに勢いを与えてくれる結果になったと思います。

――4年生のDF熊本雄太選手(スポ4=東福岡)のゴールがチームを救いました

くま自身もこれまで試合に出れず、すごく悔しい思いをしてきたはずです。それでも毎日できることを積み重ねているくまの姿を見てきましたし、それが結果につながって、やっぱり仲間としてもうれしいです。4年生がこういう苦しい試合で活躍することは、チームにとってもいいことだと思います。

――先制直後に追い付かれるなど、苦しい展開となりました

きょうはピッチコンディションも悪くて、ある程度苦しい試合になることは想定できていました。その中でチームとしてぶれることなく、「例え追い付かれようと絶対に勝つ」という気持ちを全員が強く持っていたと思いますし、それが勝利につながったと思います。

――やはり雨がプレーに与える影響も大きかったですか

そうですね。水たまりがあるところもありましたし、パスやドリブルに関してはボールが足元に入りすぎてしまうということもありました。

――予定では次節が最後のホーム開催となります。意気込みをお願いします

4年生として、この4年間で積み上げてきたものを全て出し尽くしたいという気持ちですし、一人ひとりそれができれば、自然と勝利も近づいてくると思うので、勝つことだけに集中して、しっかり準備していきたいと思います。

DF熊本雄太(スポ4=東福岡)

――今季はケガに苦しんできましたが、きょうはリーグ戦初のベンチ入りでした

ずっと外から見てきて、早くピッチに立ちたいという思いが一番にありました。そういう強い思いが、きょうの得点につながったと思います。

――ベンチスタートでしたが、戦況をどう見つめていましたか

攻める時間が長かったんですけど、得点が入らずに前半が終わってしまって。ただ、後半は決めてくれるだろうなと思っていましたし、そこで1点入ってちょっと安堵しました。それからセットプレーでやられて1-1になってという展開で、自分が出るとしたら杉山(DF耕二、スポ1=三菱養和SCユース)と代わって、セットプレーで点をとるんだということしか頭になかったです。

――どんな言葉をかけられてピッチに向かいましたか

相手が蹴り込んできていたのでそれを弾き返すということと、攻撃に関しては「セットプレー一本で試合を決めてこい」と言われたので、そういったイメージで入っていきました。

――その通りにセットプレーで試合を決めました。あのシーンを振り返っていただけますか

一度相手に弾き返されて、これはやばいなと思ったんですけど、その瞬間に相手のマークが外れました。相馬(MF勇紀、スポ3=三菱養和SCユース)がニアに蹴ってくれるだろうなというのは感じていたので、信じてそこに入ったらボールが来たので、あとは頭に当てるだけでした。

――練習でも相馬選手とああいったかたちは試していたのですか

そうですね。勇紀とは結構話していて、僕が出たらセットプレーで狙ってくれると言っていましたし、そういった話はいつもしています。

――ゴール直後、応援席の方に向かっていったのが印象的でした

ことし1年間、あっち側で見ていることが多かったので。仲間の方に行きたいという思いも強かったですし、思わず走っていきました(笑)。

――今後に向けて

国士と勝ち点差は離れていますけど、ここから僕たちが連勝をしていけば優勝という可能性は全然あるし、1部昇格という目標も達成できると思うので、自分ができることを精一杯やって、チームを勝利に導ける存在になっていけたらと思っています。

MF相馬勇紀(スポ3=三菱養和SCユース)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

厳しい試合でしたが、勝つことができて良かったです。得点の時間帯でも分かるように、諦めなかった姿勢と最後までゴールを狙い続けたことが勝利につながったと思います。

――ご自身のプレーを振り返って

何度かあったチャンスで決め切れませんでした。クロスの精度は高くて良かったのですが、自分で得点を取るためのプレーの質も、これからもっと高めていきたいです。

――決勝ゴールのアシストについては

練習でもそうですけど、くまくん(DF熊本雄太選手、スポ4=東福岡)がいるときは、セットプレーも含めて常に(熊本選手を)狙ってクロスを上げるようにしています。でも、あのゴールは自分のボールの精度というよりは、くまくんの強さがあったからこそのゴールだと思っています。

――終盤は右サイドにポジションを移しました。左サイドにFW岡田優希選手、ツートップにFW武田太一選手(スポ2=ガンバ大阪ユース)とFW武颯選手(スポ4=横浜F・マリノスユース)という陣形にもなりましたが、全体を通してどういったことを意識してプレーしましたか

きょうは相手が5バックということもあって、中で関わりながらプレーする意識は強く持っていました。岡田が前線にいることによってためがつくれますし、それを生かそうという意識もありました。終盤に入った武田やくまくんみたいに強さと大きさがある選手が出ているときは、スペースに蹴ってそこに突っ込んでこれるようなボールを蹴ることを意識します。チームとして、それぞれの特徴を生かしていければと思っています。

――次節に向けて

次は累積警告で出場できないので、一週間でチームメートにどれだけの危機感を与えられるかが大事になると思います。その次に控えている中大戦で、またスタメンで使ってもらえるように努力していきたいです。