庭球部

2017.10.16

全日本大学対抗王座決定試合 10月13日 神奈川・慶大日吉蝮谷コート

苦境乗り越え、12年連続日本一の快挙!

 「ことしは出場すら危ういのでは」、「ついに連覇が途絶えてしまうのか」――。そんな周囲の声を吹き飛ばす、圧巻の優勝だった。全日本大学対抗王座決定試合(王座)もついに決勝戦を迎え、早大は筑波大と対戦。リーグでは辛くも勝利を収めた相手だが、シングルスの本数が3本になる今大会では厳しい戦いが予想されていた。しかし終わってみればダブルス2-0、シングルス3-0の完全勝利。前人未到の王座12連覇を果たした。

 「すべてはこの日のために」――。オーダー交換後の円陣でチーム全員が思いを託し、選手たちを送り出した。それに応えるかのように、細沼千紗女子主将(スポ4=東京・富士見丘)・清水映里(スポ1=埼玉・山村学園)組がすぐさまチームに最初の勝ち星を持ち帰る。息の合ったコンビネーションで相手を寄せつけず、チームを勢いづける活躍を見せた。王座優勝において重要となってくるのが、『ダブルス全勝』。その大きな役割は、上唯希(スポ3=兵庫・園田学園)・大矢希(スポ3=愛知・名古屋経大高蔵)組に託された。相手は全日本学生選手権チャンピオンの米原美令・森崎可南子組。試合は、開始直後の第1ゲームで10回続いたジュースの末にブレークに失敗。そのまま相手を流れに乗らせてしまい、一方的な展開でファーストセットを落としてしまった。セカンドセットも途中まで2-4とリードを許す展開に。このまま勝ち星献上かと思われたが、ここから早大ペアが息を吹き返す。「思い切ってプレーできて、その後の自信になった」(大矢)とミスを恐れぬ積極的なプレーでポイントを重ね、4ゲームを連取して一気に流れを引き戻した。勢いに乗った上・大矢組はもう止められない。ファイナルセットは相手に付け入る隙を与えず、6-1でゲームセット。全国屈指の強豪ペア相手に、価値のある勝利となった。これでダブルスは2-0。優勝に大きく近づいた状態で、シングルスの試合を迎えた。

値千金の勝利を持ち帰りダブルス全勝に持ち込んだ上(左)・大矢組

 日本一まであと1勝。その大きな1勝を挙げたのは、細沼だった。主将として迎えたラストイヤーは個人戦でなかなか結果が出ず、「落ちるところまで落ちた」(細沼)と振り返るほど。それでも団体戦では持ち前の勝負強さを発揮し、チームに貢献してきた。この日は高校の1学年下の後輩である森崎と激突。試合は序盤から強烈なストロークの応酬となるが、「しつこくプレーしていれば大丈夫」(細沼)と冷静に対応し、6-1でファーストセットを奪った。このまま流れに乗りたいところだったが、森崎もそう簡単には屈しない。セカンドセットからは徐々に相手のショットに押され始め、1-4とリードを奪われてしまう。この場面で細沼を支えたのが、チームの応援だった。この1年間、苦しい時期でもめげずにチームをけん引してきた主将の最後の試合を、チームメートはかたずを飲んで見守り、声をかけ続ける。細沼も1ポイント1ポイント声を出して自分を奮い立たせ、劣勢をはねのけた。6-5とリードを奪い、迎えたマッチポイント。森崎のショットがアウトとコールされると、細沼はその場にしゃがみ込み、喜びをかみしめた。コートはあふれんばかりの拍手と大歓声に包まれる。一人ではなくチーム全員で、最後は気迫でつかみ取った1勝だった。今大会では単複合計6勝を挙げ、2年連続で王座MVPを受賞した細沼。4年間で団体戦ではほぼ負けなしと、まさに『団体戦の女』ぶりを見せつけた。

チームの勝利を決め、コートにしゃがみ込んだ細沼

 早大の優勝が決定した後も、まだ試合は残っている。上は昨年の王座決勝と同じくシングルス3で起用され、リベンジに臨んだ。試合は流れが行ったり来たりのシーソーゲームに。それでも、「意地で勝ち切れた」(上)と最後は上の粘りが相手を上回り、フルセットの激闘の末、見事勝利を挙げた。シングルス1にはことしのエース清水が登場。リーグでは敗れた牛島里咲との再戦となったが、「勝てるイメージはできていた」(清水)と立ち上がりから力強いフォアハンドで相手を翻弄(ほんろう)。終始主導権を握り、ストレート勝ちで今大会最後の試合を終えた。ダブルスに続いてシングルスでも全勝。計5-0で筑波大を下した。

清水が相手エースを撃破し全勝で優勝が決定

 「正直夏の時点で本当に優勝できないと思っていたので、本当にこうやって優勝できてうれしく思う」(細沼)、「優勝することができて、とにかくホッとしている」(大矢)。下馬評を覆し、女王の系譜をつなぐことに成功した女子部。「ことしは厳しいかもしれない」という危機感がチームの意識を一つにし、この結果へ導いたのだろう。それでも、この王座優勝の瞬間から、来年の連覇へ向けての挑戦は始まっている。1年後、愛媛の地で再び栄光をつかむために。早大は今、また新たなスタートラインに立った。

(記事 松澤勇人、写真 新津利征、平松史帆、熊木玲佳)

王座12連覇を果たした女子部

結果

○早大5-0筑波大

ダブルス1
○上唯希・大矢希1-6、6-4、6-1森崎可南子・米原実令
ダブルス2
○細沼千紗・清水映里6-4、6-2牛島里咲・並木友花

シングルス1
○清水映里6-4、6-2牛島里咲
シングルス2
○細沼千紗6-1、7-5森崎可南子
シングルス3
○上唯希3-6、6-3、6-2米原実令

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チャンピオンスピーチ

団体戦では気迫のプレーを見せ、大会MVPにも輝いた細沼女子主将

細沼 まずはじめに、この大会を運営してくださった全日本学生テニス連盟の皆さま、本当にありがとうございました。各スポンサーの方々、ありがとうございました。ことしの夏のインカレで私たちは清水以外1、2回戦敗退という状況の中で王座にもいけないのではないかと思われたのですが、こうやって25人で12連覇をつかみ取れて本当にうれしく思っています。来年からも後輩が連覇を続けてくれると思うので、これからも早稲田大学庭球部の応援をよろしくお願いします。

MVP受賞スピーチ

細沼 かぶってしまうのですが、全日本学生テニス連盟の皆さま、本当にありがとうございました。去年に引き続きMVPをもらえて本当にうれしく思っています。4年生で一年間テニスだけじゃなくてつらい時期も続いたのですが、こうして去年と同じく最優秀選手賞をもらえて本当にうれしいです。来週からも全日本選手権が始まるので、そこでも頑張っていきたいと思います。

※コーチと出場選手、4年生のコメントはこちらから