ヨット部

2017.10.12

関東学生選手権 10月7~9日 神奈川・葉山沖

圧巻の完全優勝

 圧巻の総合優勝だった。神奈川・葉山沖で7日〜9日にかけて関東学生選手権が行われた。関口功志監督(平18人卒=愛知・半田)が「ここまでの1年間のプロセスの集大成を一回ここで見せる」場であると位置付けるこの大会で早大は470級、スナイプ級の両階級で優勝し、2位慶大に177点の大差をつけての総合優勝。2年ぶりの総合優勝は完全優勝となり、ライバル校に早大の強さを見せつけた。

 470級は初日から最終日まで一度も首位を譲ることなく優勝を果たした。1番艇の岡田奎樹主将(スポ4=佐賀・唐津西)・秦和也(基理2=東京・早大学院)組と、2番艇の田中美紗樹(スポ2=大阪・関大第一)・岩井俊樹(基理4=東京・早大学院)組はほぼ全てのレースをシングル(※1)を獲得。3番艇は初日に元津志緒(スポ3=長崎工)・深田龍介(政経4=東京・早大学院)組が出場するも20番台という不本意な順位で終わってしまう。しかし初日の強風から軽風に変わった2日目は深田に代わり須賀偉大(教4=大阪・高槻)が出場。得意の風域で安定した走りを見せ、最終レースでトップフィニッシュ。関口監督が、「このシリーズを通じてそれぞれが成長した」と評価するように、課題とされていた3番艇の成長が見られる結果となった。

元津・須賀(右)組は安定した走りを見せた

 スナイプ級は3番艇として先発出場した岩月大空(スポ3=愛知・碧南工)・三宅功輔(商3=東京・早大学院)組が思うような結果が出せなかったことで初日は2位に甘んじる。しかし2日目から入江裕太(スポ2=神奈川・逗子開成)・神宮泰祐(政経3=東京・早大学院)組が代わって出場すると、結果は向上。1番艇、2番艇の結果に比べると見劣りするが、最終レースで入江・松岡嶺実(先理3=東京・国学院久我山)組がトップフィニッシュをするなど、チームとしての底上げに成功していると言えるだろう。永松礼(スポ4=大分・別府青山)・川上健太(創理4=東京・早大学院)組と松尾虎太郎(スポ1=山口・光)・坂上宗輝(政経4=東京・早大学院)組の1、2番艇は470級と同じくほぼ全てのレースをシングル(※1)でまとめるという圧巻の出来。特に永松・川上組は今回のワーストが11着という圧倒的な強さであった。

今季好調を維持するスナイプチーム

 「両クラス共通で言うと、3番艇がどれだけ走れるかが課題だったのですが、このシリーズを通じてそれぞれが成長して、成績も安定してきて、非常に収穫の多いレガッタだった」(関口監督)。ことしの早大の課題として挙げられている3番艇の存在。今大会でも良くない結果のレースが見られ決して解決したとはいえないものの、部内の激しいレギュラー争いの結果として3番艇のレベルは向上。さらにはチーム全体のレベルも上がっているという。「今メンバーを決めるのではなく今後も4番艇まで競い合って、直前で一番走れる6人を送り出したい」(永松)。「(3番艇については)いい所も悪いところもあるので、あとは悪い所を削っていくだけ。特に問題視はしてない」(岡田奎主将)。層の厚さが強みである早大。不安要素である3番艇の問題を解決することが出来ればその強さにより磨きがかかるだろう。次なる戦いは11月に福井で行われる全日本学生選手権(全日本インカレ)。創部史上初の4連覇へ、大きな期待が寄せられる。

(記事 金澤麻由、写真 松澤勇人、佐藤萌)

(※1)10位以内の順位を取ること。

集合写真


結果

▽470級

早大(田中・岩井組、岡田奎・秦組/佐香将太(スポ1=岩手・宮古)・永島慶也(政経3=神奈川・逗子開成)組、元津・深田/須賀組) 264点(1位)

▽スナイプ級

早大(永松・川上組、岩月・三宅組/入江・神宮/松岡組、松尾・坂上組) 162点(1位)

▽総合

早大 426点(1位)

コメント

関口功志監督(平18人卒=愛知・半田)

――関東学生選手権はチームにとってどういった位置付けの大会だと考えていますか

毎年そうなんですが、全日本インカレのちょうど1カ月前に行われる大会で、かつ全日本インカレでもライバルとなる大学とまとまったレースができる機会なので、ここまでの1年間のプロセスの集大成を一回ここで見せる、という位置付けです。

――大きく点差が開いて迎えた最終日でしたが、試合前は選手たちにどのような言葉を掛けましたか

きのうから変わらず、点差は開いてはいるけれども1レース1レース集中して戦う、また、結果的に点差は開いたものの内容面では課題がいくつかあったので、それぞれの課題を克服できるようにしようという話をしました。いずれにしても毎日毎日を全日本インカレの初日だと思って最初のスタートに臨むように、と言っていました。

――470級、スナイプ級それぞれのレースを振り返っていかがですか

両クラス共通で言うと、3番艇がどれだけ走れるかが課題だったのですが、このシリーズを通じてそれぞれが成長して、成績も安定してきて、非常に収穫の多いレガッタだったと思います。470級に関しては、岡田奎、田中という絶対的な存在が2人いるので、それにうまく引っ張られて、今大会はいろんなコンディションがありましたけど、いいパフォーマンスが出せたと思います。スナイプ級ではレギュラーを争っている4艇が非常に高いレベルで競い合えていて、確かに永松、松尾は力量が高いですが、岩月、入江も練習では同じレベルでやれているので、その競争環境はとても頼もしいですし、ここ3、4カ月でかなり全体の力が上がってきたと実感しました。

――スナイプ級3番艇争いは今後も続くということでしょうか

はい、そうですね。

――全日本インカレに向けてのチームの課題は

課題で言うと、両クラス共に2艇が良くても1艇崩す、というのがありました。トップレベルのパフォーマンスが出せれば全員全国でも上位に入れると思うのですが、やはり崩してしまうと全国の舞台では間により多くの艇が入ってしまうので、大きく崩さないというのが一番の課題ですね。特に3艇目が大きく崩さないこと、これができれば全日本インカレ優勝も大きく近づいてくると思います。

470級スキッパー岡田奎樹主将(スポ4=佐賀・唐津西)

――優勝おめでとうございます!今のお気持ちをお聞かせください

ありがとうございます!実力をしっかり出せたかなと思います。うれしいですね。

――3日間のご自身のレース振り返って

僕自身のレースはすごく安定していて、まあこんなもんかなって感じです(笑)。これ以上よくなることよりも、この状態を続けていければいいなと思います。

――470級はクラス優勝も果たしました。チーム全体の走りはどう振り返りますか

470級チームだけで見ると、しょうもない取りこぼすが結構ありましたし、どうしても順位に一喜一憂してしまうことが多くて、そこは怪しいなと思っていました。最終レースでは優勝が確実だったので、経験のために行かせてやれと思って、「やれることをやってこい」と言って(佐香・永島組を)送り出したのですが、若干浮き足立っていて、それが英語という結果につながってしまったのかなと思います。

――課題とされていた3番艇についてはどう評価しますか

いい所も悪いところもあるので、あとは悪い所を削っていくだけですね。特に問題視はしてないです。

――全日本インカレへ向けてチームの課題は

課題はたくさんあるのですが、やはりやれることをやっていくというのが一番だと思うので、ここから飛躍的に技術が向上するとは思えないですし、気持ちの整理の仕方、勝負所での出方というのを覚えてくれたらいいですね。

――最後に、全日本インカレに向けた意気込みをお願いします

もちろん総合優勝します。そのために全力で戦う、それだけです。

スナイプ級スキッパー永松礼(スポ4=大分・別府青山)

――優勝おめでとうございます!今の率直なお気持ちをお聞かせください

ありがとうございます。全体的にスナイプチームはずっと前を走っていたので、比較的落ち着いてレースを展開できたと思います。470級も2艇が前を走っている状況が多かったので、2枚の赤いスピンが見えて安心するみたいなこともあって、すごくやりやすかったです。

――3日間のご自身のレースを振り返って

春と比べてスタートがすごく安定してきたと思います。ラインが低い所からでもしっかり前に出してスタートできて、真っ直ぐの走りで自分たちのトップパフォーマンスができたので、スタートから前に出る、低い所を狙って自分の風下のルームをキープする、という練習でできたことがそのままできてよかったですね。

――スナイプ級チームはクラス優勝を果たしましたが、チーム全体の走りを振り返って

全体的に見ると、前半は2艇が前を走っていて1艇が後ろを走っている状況が多かったです。そういう状況で3艇が前を走っているチームに点数では負けている、みたいなことが最近の大会でもあったので、そういう3番艇の強化がネックになっていました。前半は3番艇がなかなか走らず、焦りもあったんですが、自分がスタートが安定していていい順位でフィニッシュできているというのをチーム全体にフィードバックして、それもあって後半はスタートが安定してきたので、かなり順位も上がってきたと思います。

――今大会の結果を受けて、3番艇争いについては入江選手が一歩リードということでしょうか

全日本インカレでどちらが走るかはまだ全く決めていないです。今回は入江がいい走りをしましたが、岩月も実力はありますし、今回はその実力をレースで発揮できなかったという所があるので、そういった部分を修正していけば今回の入江と同じような走りはできると思います。今メンバーを決めるのではなく今後も4番艇まで競い合って、直前で一番走れる6人を送り出したいと思います。

――クルーの交代も有り得るということでしょうか

そうですね。風が弱いときは軽いクルーの方がボートスピードが格段に速いので、そういう所は使い分けていきます。軽風クルーは普段練習時間が少ないですし、動作練習などやるべきことはたくさんあるので、今後もできる限り入れ替えながら、いつ乗っても大丈夫なように、様々なコンディションで選択肢が増えるようにこれからもやっていきたいと思います。

――最後に、全日本インカレへの意気込みをお願いします

ここで勝ったことで今かなり士気が上がっていると同時に、安心しています。でも2位だった慶大といった他大はここからもうワンステップレベルを上げてくると思います。4連覇ということで守る気持ちになっているかもしれないのですが、そこは新たに4連覇に挑戦する気持ちで、これから自分のできることを見つけてそれに挑戦していくことが大事だと思うので、残り1カ月弱、よりレベルアップできるように頑張っていきます。