ラグビー部
2017.10.08
関東大学ジュニア選手権 対日大B 10月8日 日大稲城グラウンド
ハイテンポなアタックで日大Bに勝利するも、後半に課題
10月8日、日大グラウンドで早大Bは日大Bとの一戦に臨んだ。前半はハイテンポな攻めで相手を圧倒し、38-7と大量リードで折り返した早大Bだったが、後半は安定感を欠き点差を広げることはできず。57-26で勝利を収めたものの、課題の残る結果となった。
双方の出方をうかがうようにキックゲームで始まった前半。敵陣でのラインアウトの好機を得ると、WTB桑山淳生(スポ2=鹿児島実)の鋭いランで一気にゴール前へ。最後は中央にCTBフリン勝音(スポ3=福岡・筑紫丘)が飛び込み、幸先良く先制点を奪取した。この後も「速いテンポでやっていこうという練習を、ずっと1週間やってきた」とSH吉岡航太郎(スポ4=国学院栃木)が語るようにハイテンポなアタックで追加点を重ねていく。しかし、相手も黙っていない。前半終盤、ピッチ中央付近でのマイボールスクラムでペナルティーを犯し、自陣深くで相手ボールラインアウトの危機に。なんとか無失点で切り抜け後半に弾みをつけたい早大Bだったが、サイドをあっさりこじ開けられ失トライ。38-7で前半を折り返す。
積極的に抜け出す場面が見られた吉岡
迎えた後半。「後半の入りテンポを上げていこうと言ったのですが、そこで引っかかってしまった」とロック中山匠ゲームキャプテン(教2=東京・成城学園)の言葉通り、前半の失点からの悪い流れを断ち切れない。15分には、ゴール前で相手ボールスクラムのピンチにFW陣が耐え切れず。ペナルティーを繰り返し、組み直すこと3回、屈辱の認定トライを奪われてしまった。早大Bもフレッシュなメンバーを投入し、なんとか打開策を探るも前半のようなハイテンポな攻めは鳴りを潜め、個人技が目立つ格好に。結局、最後まで安定感を欠いた早大Bは57-26でノーサイドを迎えた。
スクラムは終始相手に制圧されてしまった
31点リードでの勝利となったこの試合。しかし、後半に限れば19-19と拮抗したスコアとなった。「(前半のテンポを)80分間やり続けられる精度と体力がないとAチームでは通用しない」との吉岡の言葉通り、後半では攻守において精彩を欠いていた早大B。次戦の筑波大B戦はカテゴリー1復帰のためにも大きなヤマ場なだけに、後半での一層のハードワークに期待したい。
(記事 浅野純輝 写真 本田理奈、新開滉倫)
関東大学ジュニア選手権 | ||||
---|---|---|---|---|
早大B | スコア | 日大B | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
6 | 3 | T | 1 | 3 |
4 | 2 | G | 1 | 1 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
38 | 19 | 計 | 7 | 19 |
57 | 合計 | 26 | ||
【得点】▽トライ 峨家、西田、増原、フリン、平井、桑山淳3 ▽ゴール フリン(5G)、高橋 | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大メンバー | |||
---|---|---|---|
背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 千野 健斗 | 人3 | 東京・成蹊 |
後半25分交代→16井上 | |||
2 | 峨家 直也 | 商3 | 兵庫・報徳学園 |
後半17分→17鷲野 | |||
3 | 土田 彬洋 | スポ1 | 茨城・茗渓学園 |
後半30分交代→18柴田雄 | |||
4 | ◎中山 匠 | 教2 | 東京・成城学園 |
5 | 松井 丈典 | スポ3 | 愛知・旭野 |
後半25分交代→19中野幸 | |||
6 | 西田 強平 | スポ3 | 神奈川・桐蔭学園 |
7 | 埜田 啓太 | 基理4 | 東京・早実 |
8 | 増原 龍之介 | 教2 | 広島・崇徳 |
後半39分交代→20佐藤 | |||
9 | 吉岡 航太郎 | スポ4 | 国学院栃木 |
後半39分交代→21杉本 | |||
10 | 加藤 皓己 | 創理2 | 北海道・函館ラサール |
11 | 桑山 淳生 | スポ2 | 鹿児島実 |
12 | フリン 勝音 | スポ3 | 福岡・筑紫丘 |
後半33分交代→22高橋 | |||
13 | 平井 亮佑 | スポ1 | 福岡・修猷館 |
14 | 中野 厳 | 社4 | 東京・早大学院 |
15 | 桑山 聖生 | スポ3 | 鹿児島実 |
後半17分交代→23作田 | |||
リザーブ | |||
16 | 井上 大二郎 | スポ3 | 愛知・千種 |
17 | 鷲野 孝成 | 基理3 | 神奈川・桐蔭学園 |
18 | 柴田 雄基 | 文4 | 愛知・千種 |
19 | 中野 幸英 | 文構2 | 東京・本郷 |
20 | 佐藤 健 | 商3 | 東京・早大学院 |
21 | 杉本 頼亮 | スポ4 | 京都・桂 |
22 | 高橋 吾郎 | スポ4 | 福岡・修猷館 |
23 | 作田 蓮太郎 | 教4 | 東京・早実 |
※◎はゲームキャプテン、監督は山下大悟(平15人卒=神奈川・桐蔭学園) |
コメント
ロック中山匠ゲームキャプテン(教2=東京・成城学園)
――前回の法大戦から時間も空き、A戦もありました。どのような部分を修正してきましたか
引き続きハードワークの部分はやっていこうということと、プラスしてアタックのところでレッグドライブの部分にフォーカスしました。
―前半は順調に得点を積み重ねていきましたが、あの時間帯はレッグドライブできていたということでしょうか
完璧ではないですけど、できていたシーンもありました。
――前半の終盤に相手に流れが渡ってからなかなかうまくいかない時間帯が続きました
僕自身が全然まとめられていなかった部分もありました。FWはゲームを通してセットプレーが安定していなくて、後半の入りテンポを上げていこうと言ったのですが、そこで引っかかってしまってしまいました。いつもの練習通りやれば自ずとテンポは出てくるはずなのですが、そこの形に戻せなかったのが大きかったかなと思います。
――今セットプレーのお話が出ましたが、スクラムの主導権を相手に終始握られました。原因はどこにあると考えていますか
チームでやっていると相手が同じなので、組み方に偏りが出てしまって、きょうの日大さんの組み方にうまくアジャスト出来なかったというのが大きいです。
――改善していくためにはどのようなことが必要になってくると思いますか
練習だと相手は変わらないのでその中で一本一本のミスであったり、良かったところに対してしっかり全員でコミュニケーションを取って、8人全員で組むことが大事かなと思います。
――次戦はAB共に筑波大戦があります。そこへ向けて意気込みをお願いします
きょうも勝ったとはいえ内容が良くありませんでした。かと言ってやることが変わるわけではないので、自分たちがいつもやっていることを見つめ直して、強固なものにして挑むだけだと思います。
フランカー埜田啓太(基理4=東京・早実)
――C戦での起用が続いたなかでのB戦でのスタメンでした。どのような心境で臨みましたか
B戦自体は何回かリザーブ入って経験していたので緊張とかはなかったんですけど、Aに上がるためにはBで何かを見せないといけないって思って臨みました。
―持ち味のタックルもいいタックルがありましたが、ご自身のディフェンスを振り返っていかがでしょうか
アピールできるところがタックルしかないので、そこをアピールしなければならないんですけどできなかったので、Aに上がるために目立つプレーをしたいなと思います。
――目立つプレーとは、具体的にはどのようなプレーですか
チームが目指しているドミネートタックルの部分で、そこでターンオーバーを起こすというところがあるので、フランカーである僕とかがターンオーバーを起こせるように、いいタックルを決めたいと思います。
――後半相手に主導権を握られてしまう展開となりましたが、チームの中でどういう声掛けなどを行いましたか
スクラムで相手のチームとあまり合っていなくて、FW自体が食い込まれてしまったので、FWに前に出ようと声を掛けたのですが、あまり修正できませんでした。
――次週は筑波大戦になりますが、意気込みをお願いします
筑波大戦が正念場になるので、勝てるように僕自身もしっかり準備したいと思います。
NO・8増原龍之介(教2=広島・崇徳)
――この試合を振り返っていかがでしたか
前半はボールキャリーなどもできていてかなり良い感じでしたが、後半はテンポが悪くなってしまい、修正もできなかったので結果としては悪かったかなと思います。
――前半は早いテンポでのアタックができていました
一人一人の強いレッグドライブとブレイクダウンでしっかりボールを確保できていた点と、全員がハイテンポでやるという意思統一ができていたのが良かったと思います。
――後半には逆にテンポが落ちてしまったように見受けられました。何か原因はありますか
一人一人がやるべきことを全うし切れなかったことやフィットネス、後半の入りで上げていこうと言っていたのにできなかった点といった意識の問題だと思います。
――スクラムからの失点が多かったように見受けられました
練習では組み方などを修正できていたのですが、試合中の短い時間での修正点の話し合いでは明確な修正点を出し切ることができず、最後までうまく組み切れなかったことが大きかったです。
――セットプレーに関してハーフタイムでは何か指示はありましたか
前半、スクラムで崩されてしまうことが多かったので、スクラムでの駆け引きやレフェリーとの話し合いという点での指示はコーチからありました。ラインアウトに関しては良いチョイスができていたので、その点については後半も継続していこうと言われました。
――次戦に向けた意気込みをお願いします
次の試合でアピールしないとAの試合に出してもらえないんで、自分の持ち味であるタックル、ジャッカルを前面に出していきたいと思います。
SH吉岡航太郎(スポ4=国学院栃木)
――前半はアタックのテンポが良かったと思いますが、振り返っていかがですか
自陣からでもキックを蹴らずに速いテンポでやっていこうという練習を、ずっと1週間やってきたので、練習してきたことができたのは本当に良かったです。
――ゲームプランとして、キックは蹴らないということだったのですか
指示もありましたし、自陣から継続してハイテンポでやっていこうというのも練習してきたことなので、それを出しました。
――一方で後半は回せなくなった印象を受けましたがいかがですか
ハイテンポは僕だけではなくて、キャリアーのレッグドライブだったりスクラムの安定だったり色々なところから生まれてきます。色々なところから少しずつズレが出てきて、その結果チーム全体でもテンポが出せなくなってしまったという印象です。
――ブレイクダウンのFWコントロールに関してはいかがでしたか
オフェンスは、僕がやっているというよりは基本が決まっています。ディフェンスに関しては、フォーピッドを意識していて、流れを変える良いタックルがあればターンオーバーしにみんなで勢いをかけていくのですが、きょうは流れを変えるようなビッグタックルがあまりなくて、それで後手後手に回ってしまったと思います。
――裏へのキックからゲインを許し失点という場面もありましたが、キック処理に関してはいかがでしょうか
キック処理はWTBとFBとSHがコミュニケーションを取って、誰かしらが下がってやるべきだったのですが、相手の蹴るタイミングもうまくて対応できなかったというかんじです。
――この試合での収穫は何ですか
総じてあまり良い内容ではなかったという印象をですが、前半最初の20分は良いテンポで、トライも何本か取れて、良いイメージは植え付けられたと思います。それを80分間やり続けられる精度と体力がないとAチームでは通用しないということを痛感しました。
WTB中野厳(社4=東京・早大学院)
――ゲームプランはどのように考えていましたか
今は早いテンポでやるというのを目標にして、きょうも自分たちのテンポを自分たちで作り出すというのを目標にゲームに挑みました。
――前半は良いテンポでアタックできていたと思います
前半は比較的に自分たちのテンポを出せたので、オフェンスもやりたいように継続できて、ひとりひとりレッグドライブしてというのが良いかたちで出せたかな、という印象です。
――ご自身のアタックを振り返っていかがですか
前半はキャリアーは比較的前に出ることができたので、そこはよかったと思います。後半は一対一だったりスピードがでなくて追い上げができなかったりというのがあったので、そこは駄目でしたね。
――後半に攻められなかった原因は何だと考えていますか
セットプレーもありますが、そこは前半でもそんなに勝っていたわけではないです。自分たちでボールを簡単にノックオンしてしまったり、アタックする機会でテンポを出せなかったりで、相手のペースで試合をしてしまったのが原因かなと思います。
――テンポが悪くなった原因で具体的に何かありますか
テンポを出す方法の一つとして順目順目に回すというのがあるんですけど、そこで自分たちのセットが遅くて、相手のセットより早く攻めるというのができませんでした。自分たちのセットやリロードの部分が遅くてテンポが出なかったです。
――スタミナやコミュニケーションに問題があったのですか
全部ですかね。考えてみないと分からないです。
――相手のキックで裏を取られ失点につながるシーンがありましたが、原因は何でしょうか
バックスリーのコミュニケーションミスです。FBが上がったときに本当はどっちか下がらなければいけないんですけど、自分が逆側の淳生(桑山、スポ2=鹿児島実)が下がっていると思っていても下がっていなかったり。そこのコミュニケーションミスですね。
――次戦に向けて意気込みをお願いします
次戦は筑波大でジュニア選手権ということではヤマ場になってくるし、AもBも筑波大戦でチームとしてもカギになってくる週です。まずは自分たちのかたちを出すことです。相手のことももちろんありますが、自分たちに勝ってどれだけハードワークできるかというのに尽きますね。