ハンドボール部
2017.09.10
関東学生秋季リーグ 9月9日 神奈川・桐蔭横浜大学体育館
まさかのドローで今季初白星を逃す…
関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)1週目で関東学生春季リーグ(春季リーグ)上位2校相手に2連敗を喫したものの、夏の成果を実感した早大女子ハンドボール部。この日の第3戦では春季リーグで引き分けた桐蔭横浜大と対戦、何が何でも今季初勝利を手にしたい一戦だったが叶わず。23-23でまたも引き分けという結果に終わった。
試合開始早々、LB芳村優花副将(教4=愛知・星城)のゴール右上への豪快なロングシュートで早大が先制点を奪う。その後も「相手を惑わすというかびっくりさせるということが意図でした」(PV楯如美、スポ2=岐阜・飛騨高山)と今季初めて採用した3-3ディフェンスが的中し、速攻とカットインを中心に芳村、RW川上智菜美副将(スポ4=東京・佼成学園女)、RB富永穂香(スポ3=東京・佼成学園女)が得点を重ねると、最大6点差まで突き放した。しかし、「私が入り込みすぎていたり、冷静さを欠いていた」とCB安藤万衣子主将(教4=東京・文化学園大杉並)がパスカットを狙われ、速攻で押される場面が目立ちはじめる。4連続得点を許すと、再び突き放すことは出来ず、13-11と2点差で前半を折り返した。
きょうも10得点とエースの役割を果たした芳村
後半も芳村を中心にオフェンスを組み立てていく早大は、1点差、同点と差を詰められても負けじと得点を奪いリードは許さない。芳村が多彩なシュートで得点を量産すると、LW内海菜保(スポ4=香川・高松商)がサイドシュートを決め、PV島崎愛(社3=熊本国府)も活躍を見せる。GK大沢アビ直美(スポ2=東京・佼成学園女)も、ノーマークシュートを止めて同点を阻止するなど、好セーブで流れを相手に渡さない。そのまま一進一退のシーソーゲームが続き、22-22の同点でラスト30秒を迎えた。何としても勝利を決める1点が欲しい早大は、ラスト12秒で安藤がペナルティスローを獲得。ここを芳村が確実に決めて、虎の子の1点を手にした早大は勝利を手中に収めたかと思われた。しかし、残り5秒、桐蔭横浜大も春季リーグ上位チームの意地を見せる。低めに下がった早大ディフェンスの上から放たれたロングシュートは無情にもゴール左上隅へ。喉から手が出るほど欲しい今季初勝利はまたもお預けとなった。
目前で勝利を逃し呆然とする選手たち
この試合は後半の猛追で何とか追いついた春の引き分けとは違い、終始リードを保って試合を進めた。それだけに選手たちの中には、大きな悔しさがあるだろう。次の東海大との対戦は秋季リーグの折り返し地点であり、上位進出への分岐点となる。いままでとは違う姿を見せている今季、次戦こそは結果で新生早大の強さを示したい。
(記事 佐々木一款、写真 宅森咲子)
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関東学生秋季リーグ | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 23 | 13−11 10−12 |
23 | 桐蔭横浜大 |
GK 大沢アビ直美(スポ2=東京・佼成学園女) LW 内海菜保(スポ4=香川・高松商) LB 芳村優花(教4=愛知・星城) CB 安藤万衣子(教4=東京・文化学園大杉並) PV 楯如美(スポ2=岐阜・飛騨高山) RB 富永穂香(スポ3=東京・佼成学園女) RW 川上智菜美(スポ4=東京・佼成学園女) |
対桐蔭横浜大 得点表 | ||||
---|---|---|---|---|
選手名 | 前半 | 後半 | 合計 | |
芳村優花 | 6 | 4(1) | 10(1) | |
川上智菜美 | 2 | 1 | 3 | |
内海菜保 | 0 | 3 | 3 | |
安藤万衣子 | 1(1) | 1(1) | 2(2) | |
富永穂香 | 2 | 0 | 2 | |
今井季穂里 | 1 | 0 | 1 | 島崎愛 | 0 | 1 | 1 | 吉田瑞萌 | 1(1) | 0 | 1(1) |
合計 | 13(2) | 10(2) | 23(4) |
※()は7メートルスローによる得点
コメント
CB安藤万衣子主将(教4=東京・文化学園大杉並)
――きょうは春に引き分けた桐蔭横浜大との対戦でしたが、どのように勝ちにいこうと考えていましたか
オフェンスに関しては相手に合わせるつもりもなかったので、自分たちのやって来たスタイルを変えずにやることをやる。ディフェンスだけちょっと特徴のあるチームなので、そこだけ重点的に練習はしました。
――前半の最初で相手の得点を抑えて突き放しましたが、何が要因だったと思いますか
いままで3-3ディフェンスをワセダがひいたことはなかったんですけど、出だしで結構マンツーマン気味の3-3をひいたら、相手がうまくハマって動かなくなって、そこは作戦通りでした。あそこで高めのディフェンスがハマっていたので、最後ももう一回1-2-3とか試せばよかったなと思います。スタッフも選手たちも、そういうところに頭が回らないのがダメだなと思います。
――一線ディフェンスとの併用になりましたね
体力的にもですし、攻略されてきてあんまり点を取られてから戻すのも違うので。3-3は粗が見えたら空き放題で、最初のまさかという(相手に対する)精神的な影響を狙っただけなので、一線に戻そうという話はしていました。
――追い上げられた場面ではどういった原因があったと思いますか
逆にあっちがディフェンス体系を変えて、1-5やマンツーマンを仕掛けてきたことに対応できなかったり、こちらの退場者が相次いで、5人になったときにマンツーつけられたり。よく守ってる時間もあったんですけど、ああいう時間帯が長いことが波に乗れない、引き離せない原因だと思いますね。
――パスカットから得点されるシーンが目立ちました
それはわたしが入り込みすぎていたり、冷静さを欠いていたことが1番ですかね。空くものだと思って投げて空いてないとか、感覚でやっちゃってたので。精神的にダメでしたね、追い込まれてました。
――最後の攻防について振り返ってください
まずあたしがペナルティは取れてるけど、(シュートを)決めきれないところが個人的には弱いですね。6対6でも割れるところを、ペナルティとって他の人が決めてくれるんですけど。あのシーンでわたしが決めていればあっちにものを考えさせる時間を与えなかったと思いますし、わたしが決めて(相手選手が)退場になったかもしれないので、そこが弱いなと思いましたね。優花(芳村副将、教4=愛知・星城)がそこで冷静に決めてくれたんですけど、その後のディフェンスでの(ディフェンスラインを)上げるか下げるかの判断ミスがありましたね。さっきみんなで話したときは上げればよかったねって言うんですけど、試合中に上げようという声を誰も出せなくて。上げることによってリスクも上がるからミドル打たせでもよかったんですけど、結果キーパーに取らせてあげられるシュートを、ディフェンスが打たせることができなかったので、あれは判断ミスですね。悔しいです。
――あしたの東海大も力の近い相手になりますが、勝ち切るには何が必要だと思いますか
もちろん自分たちのやっていることは通用しているし自信は持ってやります。ただ個々の甘さというか、きょうは25本くらいミスがあって、先週の東女体大戦のときは15本くらいだったので。布陣を変えられたときのわたしのサインミスだったり、5対5のときに確実に1点取れなかったりとか、そういう部分ですかね。1回ミスしてからじゃないと修正できないので、このディフェンスこうだからこうしようということをわたしも言えるといいかなと思います。勝ちます。
PV楯如美(スポ2=岐阜・飛騨高山)
――桐蔭横浜大とは春の試合で引き分けでしたが、今回はどういう気持ちで臨みましたか
春は10点差くらいつけられて相手のペースにされて、そこからやっとで追い付いたという感じだったのですが、今回はオフェンスでは点が取れないとかいう不安とかも無くて、自分たちはいけるという強気で勝ちにいこうという感じでやっていました。
――先週と違い、高めのディフェンスシステムでしたがその意図と出来はどうでしたか
今回スタートを3ー3ディフェンスでやったんですけど、今までワセダは一線か1ー2ー3しかひいたことがなくて3ー3は無かったので、相手を惑わすというかびっくりさせるということが意図でした。出だしは5点差くらいまで離せたし、ワセダのペースで試合運びが出来たのかなと思います。
――出だしで突き放せた部分を振り返っていかがでしたか
桐蔭横浜大は裏のスペースを突いたり、視野外から切ったりするプレーが上手かったので、ボールとマークを離さないようにして、カットとかもして走ったり、智菜美さん(川上副将、スポ4=東京・佼成学園女)に私から出したりしました。そういう風に簡単に点取れるところもあったので、楽に点をとれた面は良かったし、前半で声も出せたし足も動かせたので波に乗れたのかなと思います。
――追い上げられた原因はなんだと思いますか
相手は走れるので自分たちのミスを拾われて速攻されたりとか、そういう自分たちのツケが回ってきたのだと思います。
――後半を振り返っていかがでしたか
ディフェンスとかで相手の特徴に合わせてプレーしたり、反則を誘うような動きを出来たのは良かったと思うのですが退場も多かったので自分自身の反省でもあると思います。いらない反則をしてしまうと結局退場という形でチームに響くので行くべきかやめるべきかという判断をしっかりしていかないといけないなと思います。
――最後勝ち切るためには何が必要だったと思いますか
ことしのワセダっていままでとは違うなと思われているし、自分たちも感じているのですが、最後勝ち切れないというのは自分たちの弱さだと思います。それは最後の集合でも言われたのですが、中盤のミスとか自分たちのツケが回ってきていると思っていて。きょう出だしは良かったので、あしたの試合では中盤のミスなどを相手より速く修正して、攻めも守りも出来たら最後まで自分たちのペースで試合を運べるかなと思います。
――あすの東海大戦に向けて意気込みをお願いします
勝てない相手では無いし、勝たなきゃいけない相手だと思っているので、きょうのように出だしからワセダの良さを出して最後まで優位に立って試合を運べるようにしたいと思います。頑張ります。