ハンドボール部

2017.09.03

関東学生秋季リーグ 9月2日 東京・日女体大体育館

強豪筑波大に真っ向勝負、黒星スタートも収穫あり

 9月2日、いよいよ女子の秋の戦いが開幕した。関東学生春季リーグ(春季リーグ)では7位と振るわなかった早大。最後のリーグとなる4年生が次々とケガからの完全復活を遂げたこの試合は、春季リーグ準優勝の筑波大との対戦だった。「自分たちのやってきたことに自信を持っている」とCB安藤万衣子主将(教4=東京・文化学園大杉並)は春からの成長を確信して試合に臨んだが、体格差で勝る筑波大をなかなか封じきれず。秋季リーグ(関東学生秋季リーグ)は黒星発進となった。

 春季リーグでは立ち上がりに不安があった早大。この日も開始後にミスを続け、先制点を奪われてしまう。主導権を握られたくない早大はエースLB芳村優花副将(教4=愛知・星城)を中心に得点を重ねてなんとか食らい付く。しかし、点差を3点に広げられたところでたまらずタイムアウトを要求。一呼吸置いたオフェンスで、ルーキーLB吉田瑞萌(スポ1=東京・佼成学園女)がシュートを決めると、前半19分には昨秋この地でケガをしたPV今井季穂里(教4=千葉・昭和学院)が復帰後初ゴール。空いたポストをうまく絡めたオフェンスで得点を奪い、10-12と逆転可能なスコアで前半を終えた。

復帰戦で3得点を挙げた今井。今後も攻守に期待が高まる

 後半なんとか先取点を奪って逆転体制を整えたいところであったが、速攻で簡単に2点を奪われ、リードを広げられてしまう。それでもRW川上智菜美副将(スポ4=東京・佼成学園女)のサイドシュートやPV島崎愛(社3=熊本国府)のポストシュートが決まり、早大も再び逆転ムードとなる。しかしその勢いに乗り始めた矢先、ケガから復帰しディフェンス専門で出場していた橋本澪(スポ4=東京・佼成学園女)に2分間退場が与えられると、再び点差を広げられる。その後も立て続けに退場者を出し、後半15分、2人が退場してついにコート上には4人の選手だけとなってしまった。圧倒的に不利な状況に置かれた早大だったが、「逆に踏ん切りがついた」という安藤の言葉通り、無欲で動き回った選手たちは大量失点を防ぎ、またオフェンスでは相手の裏をかいた動きで川上がノーマークシュートを決める。2人少ない危機的状況を最小限の失点で切り抜けた早大は、GK大沢アビ直美(スポ2=東京・佼成学園女)の安定したキーピングでリズムをつくり、得点を重ねていく。しかし要所でシュートを決めてくる筑波大との点差は大きく縮まることはなく、4点差となったところで試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

要所でシュートを決めた島崎

 点差こそ春季リーグでの敗戦(16-20)と同じ4点であるが、川上が「春ほど攻められないとか守れないというのはなかった」と語るように、同じ敗戦でも手応えを感じているようだ。また、選手たちがこれまで夏に取り組んできたことに自信を持って、試合に臨んでいる。戦術面だけでなく、メンタル面での充実が、秋季リーグで勝ち星を重ねていく重要な要因となるだろう。4年生にとっては最後のリーグ戦。最後に笑って終われるような、そんな戦いを期待したい。

(記事、写真 佐藤慎太郎)


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関東学生秋季リーグ
早大 22 10−12
12−14
26 筑波大
GK 大沢アビ直美(スポ2=東京・佼成学園女)
LW 内海菜保(スポ4=香川・高松商)
LB 芳村優花(教4=愛知・星城)
CB 安藤万衣子(教4=東京・文化学園大杉並)
PV 楯如美(スポ2=岐阜・飛騨高山)
RB 富永穂香(スポ3=東京・佼成学園女)
RW 川上智菜美(スポ4=東京・佼成学園女)
対筑波大 得点表
選手名 前半 後半 合計
芳村優花
今井季穂里
川上智菜美
富永穂香
島崎愛
安藤万衣子
内海菜保
久保涼子 0(1)
楯如美
吉田瑞萌
合計 9(1) 12 22

※()は7メートルスローによる得点

コメント

小林佑弥学生コーチ(スポ3=茨城・藤代紫水)

――コーチの目線から見てきょうの試合前のチームの雰囲気はいかがでしたか

きのう話していたのは、みんなやれるという自信あると思うから、あとはゲームの中でコミュニケーションをとってやるべきことをやって行けば、運は転がってくるよっていう話をしました。だからきょう試合をやっていて誰かがパニックになっているという風にも取れなかったし、やるべきことは見えてるけどうまくいかないっていう勝ち慣れてない部分が出たのかなと思いました。

――前半を振り返っていかがでしたか

前半は新しい戦術を試したんですがやりながら慣らしていく感じになってしまって、あのレベルの相手になかなか試すことができていなくて、試しながら徐々に慣れてきたのが前半の終盤ごろだったので、展開としてはそこがもう少し早ければ変わったのかなという感じですね。

――春に負けた筑波大が相手でしたが、前半のスコアについてはいかがでしたか

ディフェンスはキーパーにも助けられていますが、失点数は問題ないと思います。だからハーフに入ってネガティブになっている選手はいなかったので、やれるというイメージはあったんですけど、こういうことになりましたね。

――後半の最初に相手に気持ちよく点を取られてしまいましたが、その要因はどこにあると思いますか

相手があと一歩押せばいけるという自信がついてしまっていた部分があるかもしれなくて、そこであと一歩をこっちが出せれば。その分で少し受けに回っていたのかなと思います。

――退場者が多い時間を大崩れせずに乗り切りましたが、コーチの方から何か声かけはされていましたか

きょうというよりはきのう、ホワイトボードにみんな集めてディスカッションしたんですよ。試合において想定外の事態と相手の戦術的アクションという項目を、みんな例を挙げてくれて話をしました。想定外の事態って何があるのか、僕からは例えばエースがペナルティーで(GKの)顔に当てちゃってレッドカードで失格になっちゃったということもありえるよという話をしたら、じゃあ監督が退場するとか、大沢(アビ直美、スポ2=東京・佼成学園女)が言ってくれたのは、ペナルティーで替わるのが遅すぎて退場になったことがありますと。「そんなのあるの」と僕もつい突っ込んじゃったんですけど、そういう話を事前にして良かったのかなと思います。ゲームではこういうこともあるよというのを理解した上で試合に臨めたので、パニックしている様子はあんまりなかったと思います。

――最終的には4点差になりましたが、きょうは何をできていれば勝てたと思いますか

なんだかんだで退場の時間かな。セットオフェンスで点も取れていたし、ディフェンスも最少失点で守れていたけど、負けている状況なのに速攻で押せなかった。速攻でフィニッシュまで持っていける回数自体が少なかったんで、その辺かなと思います。あとは押し込まれて押し込まれてっていうところも、体をしっかり当てて。これがあれば勝てたかなと思います。だからそれも普段あの強度の試合ができていればいいんですけどなかなかそうもいかないんで、きょう慣れてあしたはもっと強烈なのがくるんで、弾けるようにしたいですね。

――あしたは王者・東女体大との対戦ですが、チームに言いたいことはありますか

チームに言いたいのは、やることを絞ってひたすらついていくだけだっていうことですね。僕はもうチャンスしか転がってないと思っているので、こうやれば勝てるっていうのを今から映像で見せてあとは背中を押してあげるだけなんで。あとコミュニケーションですね。コートの中で誰も1人にしちゃいけない。1人で考えさせたり、1人で悩ませたりしたらいけないということを伝えたいです。

CB安藤万衣子主将(教4=東京・文化学園大杉並)

――きょうは開幕戦ということでしたが、試合前の雰囲気はいかがでしたか

自分たちがやってきたことに自信もあったし、やってきたことを出せれば全然大丈夫という感じで、弱気な雰囲気はなかったと思います。

――前半の振り返りをお願いします

最初は私自身が固いところもあってミスを出してしまったり、相手の大きいプレーヤーに対して自分らの歩幅が合わせていけなかったりとか。そういう相手に合わないだとか、環境に飲まれたミスはあったかなと思います。

――試合展開はいかがでしたか

試合展開的には、上からのロングヒッターの優花(芳村副将、教4=愛知・星城)とか瑞萌(吉田、スポ1=東京・佼成学園女)のシュートも決まってたし、あとポストシュートとかサイドシュートも点取れてましたね。フローターの私と富永(穂香、スポ3=東京・佼成学園女)のカットインが決まらなかったんでんけど、その分上からやサイドで打てたり点取れてたなとは思いますね。

――相手の攻めに対する自分たちのディフェンスはいかがでしたか

最初前半の時に相手のやりたいことを読めていて、それに対して対応するように自分らで話して、そこは分数を重ねるごとに対応できてったと思います。逆に、自分たちがオフェンスして決まらなかった時速攻で早く持っていかれちゃって、戻りきれなくて決められる展開が多かったかなと思いますね。自分らのミスっていうところもあったと思うし、自分らのシュート力が無くてちゃんとキーパーに落とされて。逆にこっちはアビ(大沢アビ直美、スポ2=東京・佼成学園女)が止めてるんですけど、向こうにシュート力があるから弾いてすぐに速攻に行ける位置に落とせなかったり。それでやられた感はあります。

――後半スタートで相手に気持ちよく点を取られてしまったことに関してはいかがですか

わたしが最初にミスを出してしまったところが痛かったなと思います。でも、焦りはなかったです。自分たちがやってきたことを出せば、全然攻めあぐねることもないと思っていたので、あそこで離されたけどもう一回詰めて。でも最初の2点、2分間が最後まで続いちゃいましたね、あれをなくせば同点ゲームだと思えば良くなかったかなと思います。

――退場者が多く出てもそこまで大きく崩れなかった要因はどこにあると思いますか

逆に踏ん切りがついたというか。状況的に負けてますし、もう動けばいいやという気持ちで動いたらズレちゃったみたいな(笑)。

――4人の時に得点しましたね

4人の時に得点したのは、あれは盛り上がって良かったですけど退場続いちゃったのは大変だったなって思います。

――4年生が完全復帰した試合でしたが、ご覧になっていていかがでしたか

それは結構嬉しいですし、4年間頑張ってきて季穂里(今井、教4=千葉・昭和学院)、澪(橋本、スポ4=東京・佼成学園女)、優花とか春にいい思いできなかった3人が活躍できたのでそこは良かったなと思います。その反面、3年生とかその間に頑張ってくれていたけど外れてしまったメンバーもいるので、そういう子を思うと自分でメンバーを決めるときは苦しいし。本当に拮抗(きっこう)していて、別に4年生だから入れてるわけじゃないし、このリーグ中に落とされることもあると思うし。選手層が厚くなっていいですね、4年生が戻ってきてくれて嬉しいです(笑)。

――あしたも東女体大との対戦で強敵が続きますが、勝つためには何をするのが1番いいと思いますか

まず春と変わったなと思うことは、自分らの何がダメで、どういうところがすぐ改善できるのか、自分らが今やらなきゃいけないこととか冷静になっていて、負けちゃったのを引きずる雰囲気がないのはいいことだと思うので、きょうの反省をしっかり生かしてやれば全然戦える相手だと思うので、そこを詰めていきたいなと思います。

RW川上智菜美副将(スポ4=東京・佼成学園女)

――前半振り返っていかがですか

ディフェンスなんですけど、私が2枚目をやっていて、相手のエースがすごくガタイも良くて、小柄な私はあんまり当たれていなくて強くいかれて。前半の途中から私が少し高めに出て、フォローもしっかりというので守れたので、試合中に修正できたのは良かったかなって思いました。オフェンスは…ディフェンスでいっぱいいっぱいで、サイドで待ってただけってのは少しありました(笑)。ポストががら空きになるシーンが結構あって、今井(季穂里、教4=千葉・昭和学院)さんが決めたときは私も飛び跳ねてガッツポーズしました(笑)。やったーって思って(笑)。でも全体でいうと万衣子(安藤主将、教4=東京・文化学園大杉並)が体格で結構押されていて、小さいのでがっちり守られていたんですけど、春ほど攻められないとか守れないっていうのはなかったですね。でも後半の押したいところでの退場が痛くて、リスタートもいくにいけず、って感じでしたね。

――後半始めにテンポ良く速攻で得点されてしまった原因はどこにあると思いますか

前半から速攻はやられていました。体格差で、相手がスピードに乗っているのに対して私たちが守ろうとしても、警告とか退場になってしまっていて。前半は無理に押そうとか守ろうっていうのはなかったんですけど、後半はやっぱり体格差でごりごりいかれて、戻りもあんまり守れている感じではなくて。後半はみんなが足が止まって味方がシュートを打つのを見ちゃって戻るのが遅れて、ワンマンとか二次速攻をやられたりっていうのがあったので。とにかく戻りが遅かったですね。

――見ていてもミスからの速攻が多かったように思いました

戻れないミスもあったんですけど、シュートをみんなが見ちゃって、戻り遅れて、そのうえ当たれなくて、無理やり押して退場みたいな。あと得点してもリスタートとかでみんな振り返るのが遅くて強くいかれて退場とかが出てしまったので、もうちょっと振り返りを早くするとか、あしたとかはさらに速攻とかが早いチームなので、フローターが早く戻ってサイドが上でちょっかいかけるとかをできたらいいなって思います。

――退場者が連発した時に大崩れせず、またご自身も得点されましたが、どこが良かったと思いますか

4人対6人の場面で、万衣子と優花(芳村副将、教4=愛知・星城)にマンツーつかれて、私と穂香(富永、スポ3=東京・佼成学園女)で2人対4人くらいで回してましたよね(笑)。そういう時はとりあえず時間を使いたいのでフリースローを取られに行くっていうのもあるんですけど、とりあえずちょこちょこボールを回してました。でも。あの得点はディフェンスのミスですよね(笑)。あれは普通に守れるけど、なんか裏取れた、って(笑)。そこでしっかりつないで、1点取れたら儲けもんくらいの感じで、早打ちしないってことだけ徹底して攻めていました。ディフェンスは…守れてなかったですよね?向こうが突っ込んできてくれたっていう感じでそんな丁寧にずらされるっていうよりはパワーでいってる感じでしたよね。失点は2点まで、って感じですかね。4回退場、8分、大きいですね。たまたま点が取れたから良かったものの、退場は大きいですね。体格差で負けちゃうのもあるし、後半になると足がついていかなくて手だけで守ろうとして取られていたので、最後まで足で追っていかないとだめですね。最近コバ(小林佑弥学生コーチ、スポ3=茨城・藤代紫水)の練習で、どの場面で速攻を押すとか、リスタートをするのかっていうのをやっていたんですけど、退場になるとそれもできなくなるので、粗いプレーはやめたいです。

――夏に強化してきたオフェンスは実践できましたか

実践できていた場面もありました。後半は3枚目につかまっちゃってたりしたけど。それに対して相手も最後まで対処法がわかってなかったような気がしたので、あれは有効かなと思います。

――今回で最後のリーグとなります。意気込みをお願いします

春は気負いすぎてて何も楽しめてなかったので、秋はケガから復帰してきた4年生が多いっていうのもあるし、本当に最後なので、自分自身楽しんでやろうっていう気持ちで挑んでいます、いま(笑)。私はマイナス思考なので…自分で勝手に落ちていっちゃうんですよ。なのでとにかく楽しもうってプラス思考で頑張りたいなって思います。

LB(RB)芳村優花副将(教4=愛知・星城)

――前半振り返っていかがですか

私は、前半の方が練習してきたことを意識してやれていたと思います。後半は勢い勝負みたいな。攻めれてはいたんですけど、細かいところが詰めきれてなかったかなと思うので、冷静になれたら良かったと思います。

――前半は2点ビハインドで折り返しました。攻守それぞれいかがでしたか

10点取れていれば、そんなに悪くないと思います。でも私は個人的にシュートを外しましたし。スタートにみんなが最初の2、3本外しちゃったので、それが決まっていればもっと波がきたと思います。ディフェンスは…修正してやっとトントンだったかな。どっちもあんまり良くなかったです。

――後半開始直後、相手に気持ち良く点数を与えてしまいましたが良くなかったところはどこだと思いますか

1試合を通して、相手に押され負けてて退場とかもあったし、全体的に押され負けていたと思います。またそれ以前の問題でオフェンスのミスだったりが多かったですね。オフェンスのハンドリングがすごい重要だなって思います。サイド飛ばしをするにも、1枚目にキャッチされてたらそれは(速攻に)いかれちゃうので、空いてるところにどう(パスを)出すとか、そういう部分が甘かったと思います。

――退場者が連発した時、大きな失点もなく耐えましたが良かったところはありますか

私が思う筑波大の特徴が、正しい、きれいなハンドボールをしていて、他の変則的なハンドボールよりもやりやすいので、ボール回せたり得点したりできたのかなって思います。

――セオリー通りということですか

セオリー通りの筑波大に対して小柄な私たちがセオリー通りにハンドボールをしても勝てないと思うので、力を合わせてやりました。その方が相手も苦手だろうなっていうイメージはあります。

――後半途中で相手に離されましたが、どこが原因だと思いますか

ミスだと思います。戻りを頑張ったけど無理だったみたいなのが多かったと思いますね。あと、1-2-3DFにするタイミングですね。前半に間を抜かれたりしてやらないってなったんですけど、後半にもうちょっと早い段階で1回やってみて、というのもありだったかなって思います。

――ご自身も含めて4年生のリーグ完全復帰試合となりましたが、いまの気持ちはいかがですか

季穂里(今井、教4=千葉・昭和学院)が決めたのがうれしかったです(笑)。私はあんまり…うん、頑張ろうっていう感じでした。すごいいま層が厚くて、練習中からメンバーが決まってしまっていて、メンバー落ちしている選手もいるので、責任をもって決めにいかなきゃなと思います。

――4年生にとっては最後のリーグとなります。意気込みをお願いします

もう筑波大とは終わっちゃったんですけど、関東のチームも最後になるかもしれないので…。個人的に筑波大が好きなので、最後だったかもと考えると悔いなくやりたかったです。このあとはしっかり悔いなくやりたいです。