レスリング部

2017.08.30

全日本学生選手権 8月29日 東京・駒沢体育館

香山が2年ぶりの優勝!松本が昨年から大躍進の3位に

 男子グレコローマンスタイル(グレコローマン)の学生王者を決めるインカレ(全日本学生選手権)2日目。66キロ級の優勝候補に挙げられていた宇井大和(スポ2=和歌山・新宮)は対戦相手のペースにのまれベスト16止まりとなった。75キロ級に出場した齋藤隼佑(スポ3=群馬・館林)は準決勝で惜しくも敗れ3位に。98キロ級の松本直毅(スポ2=神奈川・横浜清陵総合)は昨年の1回戦敗退から大きく成績を伸ばす3位入賞を果たした。

 4回戦、宇井は試合開始45秒で投げ技を決められ、そのまま相手ペースで試合は進んでしまう。第2ピリオド(P)でもその流れを断ち切ることはできず、追加点を許してしまい0-9でテクニカルフォール負けを喫した。また、前日第1シードを破る金星を挙げた齋藤は準々決勝、相手選手とお互いに組み合いながらも投げられてしまい先制点を献上してしまう。「大きな技をしっかりとかけようと思っていた」という齋藤は第2ピリオドで投げ技を決め同点に追いつくと、その後バックポイントを追加し、逆転勝ちで準決勝へと駒を進める。その準決勝では試合開始33秒に組み合った状態で相手選手が先にアクションを起こし、スコアは1-2となる。その後、何度も技を決めるタイミングをうかがうが、得点は奪えず。3位に終わった。

惜しくも3位に終わった齋藤。頂点まであと一歩だ

 昨年のインカレで初戦敗退に終わった松本は、3回戦で積極的に前に出て2-1で勝利を収める。続く準々決勝では第1シードの選手と対戦。試合開始早々、押し負けてしまうが、第1P後半からは「日ごろやっていた差しの展開から前に出ることができた」と練習してきた成果を発揮し、2-1と逆転勝利した。迎えた準決勝ではバックポイントを許してしまうと、その後も背後に2度回られ0-6と完敗してしまう。全日本レベルの技術力を痛感する試合となったが、初めて天皇杯全日本選手権の出場権を手に入れる3位となった。

快進撃を見せた松本。地道な練習が身を結んだ

 「いかに早くいいかたちに持っていって、早い展開に持ってくるのかが課題」(太田拓弥監督)。先にアクションを起こせなかったのが敗因として挙げられた試合も多い。10月に行われる全日本大学グレコローマン選手権で優勝するためにも、課題改善が必要だ。またあしたからは男子フリースタイルが行われる。昨年優勝した米澤圭(スポ3=秋田商)、山﨑弥十朗(スポ2=埼玉栄)らに注目が集まる。

(記事 杉野利恵、写真 平松史帆、皆川真仁)

★両親喜ぶ、香山2年ぶりの優勝

表彰台で笑顔を見せる香山

 インカレ2日目、男子グレコローマンスタイルと並行して女子フリースタイルの試合も行われた。48キロ級の須崎麻衣(スポ4=千葉・鎌ヶ谷)は足を取られてテークダウンを奪われ、0-8と1回戦で姿を消してしまう。55キロ級の臼池優月(スポ1=茨城・鹿島学園)も1-11とテクニカルフォールで1回戦敗退となった。一方、58キロ級の小林奏音(スポ3=長野・佐久長聖)は1回戦をテクニカルフォール勝ちで決める。しかし準々決勝では、先制点を奪うものの隙を突かれて足を取られ、同点に追いつかれてしまった。その後取り返すことはできず、ラストポイントを奪われたため敗北を喫した。

「優勝しなきゃいけない」という気持ちで今大会に臨んだ香山芳美(スポ4=東京・安部学院)はやや苦しみながらも初戦を突破する。準決勝ではローリングを決め、テクニカルフォールで勝利を収めた。決勝では力が強い相手との対戦になったが「パワーなら負けていない」とグラウンドで返すなど力の差を見せつける。第2Pでは疲れもあり、やや苦戦するが9-4で優勝を決めた。「一番応援してくれていた両親がすごく喜んでいたのでうれしかった」と振り返った香山。残す目標は、以前から掲げている女子全員でのメダル獲得のみだ。

(記事 杉野利恵、写真 皆川真仁)

※フリースタイルは10点差、グレコローマンスタイルは8点差がついたらテクニカルフォールで試合終了となる

結果

男子グレコローマンスタイル

▽66キロ級

宇井 4回戦敗退

▽75キロ級

齋藤 3位

▽98キロ級

松本 3位

女子フリースタイル

▽48キロ級
 
須崎 1回戦敗退

▽55キロ級
 
臼池 1回戦敗退

▽58キロ級
 
小林 ベスト8

▽60キロ級
 
香山 優勝 

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コメント

太田拓弥監督

――まず、香山選手(芳美、スポ4=東京・安部学院)が2年ぶりの優勝となりました。初戦はやや苦戦したように見えましたが

そうですね。ちょっとコーションも2回つけられたりして、内容もいま一つだったんですけども。それでも決勝は手堅く勝って、良かったなと思います。

――初戦の後、何か声を掛けられたりはしましたか

やっぱり自分でやってきたことを徹底するっていうところと、あとくっついてからの展開が強い選手なので、もっと距離を置かず、手を出すんじゃなくて自分の距離で縮めて、距離の近いレスリングをもっとしたらどうだっていう話はしました。

――昨日完勝した宇井選手(大和、スポ2=和歌山・新宮)がテクニカルフォールで敗れてしまいましたが

ちょっと出会い頭で最初にボーンとこうやられたのが、まあ敗因の1つでもあったと思うんですけど。隼佑(齋藤、スポ3=群馬・館林)もそうですけど、一番最初の一番お互いチャンスがある中で、先にアクションを起こしてないのが敗因でもあると思うんで、いかに早くいいかたちになって、早い展開にもってくるのかが課題として出たかなと思いますね。

――松本選手(直毅、スポ2=神奈川・横浜清陵総合)は去年初戦敗退から3位と躍進しました

この大会で3番以内入って、全日本選手権(天皇杯全日本選手権)に出るっていうのが、チーム全体としての目標でもあったんで。1人でも多く表彰台に立って全日本へ出る、優勝してる者は連覇するというような目標だったんで、それについても良かったと思います。あと自分の勝つかたちっていうのが少しずつ見えてきた結果、3位になったんじゃないかなと思いますね。

――勝つかたちというのは

とにかく前に出て、差してって自分の展開に持っていくっていうところでしょうね。

――齋藤選手は準々決勝で逆転勝ちしましたが、その試合はいかがでしたか(

そこの試合も先に投げられちゃったんですよね。やっぱり隼佑の場合は本当に思い切りがいいので、いいかたちになったら先にアクションを起こして、もっと楽に勝ってれば、準決勝も違うようなかたちで勝ててたかもしれないですね。そこがまだまだチャンピオンになれないところなんじゃないかなと思います。

――香山選手以外の女子選手については

昨日の(男子グレコローマンスタイルの)試合でもそうですけど、やっぱり自分で(ポイントを)取るっていう絶対的なかたちっていうのがまだまだつくれてないかなっていうところと、体幹も含めて体力っていうものが、なさすぎるんで。またもう1回しっかりフィジカルを鍛えないといけないっていうのは問題として出たかなと思いますね。

――小林選手(奏音スポ3=長野・佐久長聖)は4-0から隙を突かれたような感じでしたが

そうですね。その後もポイント取るチャンス再三あったんですけども、やっぱりタックルの処理のところとか、ポイント取れるところでポイント取り切れなかったりとかっていう。やっぱり強い選手は取れるチャンスにしっかり取り切るかたちってあるんで、まあそこが課題かなと思いますね。

――男子グレコローマンスタイルについて、次は全日本大学グレコローマン選手権(グレコ選手権)もありますが、それに向けた全体的な課題は

フリースタイルのメンバー、弥十朗(山﨑、スポ2=埼玉栄)もそうですし、吉村拓海(スポ2=埼玉栄)。このあたりもグレコ(グレコローマンスタイル)の方に使って、まだ団体優勝してないんで、十分団体優勝狙えるメンバーだと僕は思ってるんで。グレコ選手権に向けて、今回出た反省を次に生かせればいいかなと思いますね。

――あしたからの男子フリースタイルに向けて、期待することは

練習でやってきたことをどんどん試して、米澤圭(スポ3=秋田商)と弥十朗は優勝してますし、その者に関しては連覇をして、それ以外の者も3番以内に入って、全日本への出場権を取れるように頑張らせたいですね。

香山芳美(スポ4=東京・安部学院)

――きょうは久しぶりの優勝となりましたが、いかがでしたか

2年生の時のインカレ(全日本学生選手権)で優勝して以来の優勝だと思います。あんまりここ最近優勝したいとか勝ちたいとか試合の時に思わなくて、結果が良いときはレスリングがきょうは楽しいなみたいな感じで、楽しくないと負けるというパターンだったんですけど、長い期間優勝していないことも自分で分かっていて、それでも頑張れと言ってくれる人がたくさん今回もいて、4年生で一番最後でワセダとして出る試合も最後なので勝ちたいというよりは優勝しなきゃいけないだろうなとは思っていたので、優勝できたことは良かったですね。

――あんまり勝ちたいだとか考えなくなったのはなぜでしょうか

あんまり気負ってプレッシャーがあって試合をすると良くないパターンが多くて、逆に天皇杯(天皇杯全日本選手権)だったり調子が良かった時は負けてもいいやと思って試合をしていたときの方が結果が良かったので、そこから勝ちたいとか考えなくなりました。

――初戦の試合を振り返っていかがですか

初戦はいつも動きが悪いので、自分が取ったテクニカルポイントで点差があったので、相手からテクニカルポイントは取られていないので内容は別として勝負にこだわったという点では良いかなと思います。

――準決勝はいかがでしたか

準決勝はちびっこの時に一緒に練習してた相手なので、これで最後で負けられないなという気持ちと、お互いにたぶん大学で引退するので大学で試合ができて良かったです。

――決勝戦の相手は今まで戦ったことのある相手でしたか

相手は上の階級にいて、去年のインカレでも決勝には絶対に上がっている子で強いなとは思っていたんですけど、練習とかも含めてやったことが一切なかったので、少しびびってましたね。相手の準決勝を見ていて無理やり投げてくる感じで力が強いなとは思っていて、でもパワーでは負けていないなと思ってあとグラウンドでいったら確実に返せたので。もう点差が開いた時点でなんとなく大丈夫だなと思いました。

――決勝の後半ではかなり疲れているように見えたのですが、どうだったのでしょうか

2ピリオド目はいつもパワー的にも息も上がる感じになってきてやはりしんどくて、正直9ー2と点差がついた時に得点と時間を見て、まだこんなに時間あんのか、とは思って、大丈夫かなとは思っていたんですけど、気付いたら終わっていました。最後もクラッチを組んでラスト5秒というのが見えて、本当あとラスト5秒なんだと思いました。

――きょうは全体的には良かったのでしょうか

いや、調子的にはたぶんめちゃくちゃ悪い方だと思います。天皇杯の時とか本当に調子が良くて楽しくてしょうがなかったんですけど、きょうは初戦の試合を見ても調子が悪いなとは思っていて、準決勝も決勝も厳しいかなというふうには思っていたんですけど、やっぱ勝たなきゃいけないというのはありました。調子が悪い中勝てたのは良かったかなというのはありますね。最後だというのと、らいねん女子は強い子たちが入ってくるので、男子ばかり目立って女子弱いとなったら嫌なので、最近成績がなかったのでちょっとでも意地を見せなきゃなと思っていましたね。

――気持ちが今回の結果につながったのでしょうか。

そうですね。あと入学した時に他の大学に入った方が良かったのではないかと聞かれることも多かったので、4年生で最後インカレ優勝したら十分とは言ってはいけないんですけども、大学選びは間違っていなかったでしょと言えるし、一番応援してくれた両親がすごく喜んでくれたので本当に良かったです。

――今後の試合の予定は決まっていますか

女子オープンと社会人オープンとあと団体戦がことしできるらしくて、ちょっと階級の関係で天皇杯の前にケガするのも良くないので出るか出ないかは相談します。それで天皇杯ですね。

――今後の意気込みをお願い致します

ずっと言ってるんですけど、女子全員メダルというのを試合してまだ達成できてないので、優月(臼池、社1=茨城・鹿島学園)と奏音(小林、スポ3=長野・佐久長聖)と麻衣ちゃん(須崎、スポ4=千葉・鎌ヶ谷)と全員で女子オープンと社会人オープン、団体戦含めて全員でメダルを取れれば4年間悔いはないなと思います。

齋藤隼佑(スポ3=群馬・館林)

――今大会の目標はどのように設定していましたか

まあ、優勝目指していました。準決勝で負けてしまったのは残念です。

――昨日の試合では第1シードの選手が相手でした

正直、そこが一番の山場でした。そこを勝っちゃって安心して気が抜けてしまったのも敗因の一つだと思っています。

――その試合で勝ってガッツポーズされていました

あれはしない方がよかったですね(笑)。あれで気が抜けてしまったのかなと(笑)。

――きょうの準々決勝は逆転勝ちを収めました

(きょうの)初戦だったので正直足もふわついていて。やっぱり普段の練習を信じて後半勝負したので勝てて良かったです。

――自分の中で意識していたことはありますか

あれ以上ポイントを取られたら負けてしまうので、腰をしっかり落として。でもやっぱり点数は取らないと勝てないので大きな技をしっかり決めようという意識でいました。

――準決勝では1-2と僅差で負けてしまいました

相手もそういうレスリングをしてくるというのは分かっていたので、相手の方が一枚、二枚上手だったのでそこは素直に認めたいなと思います。

――敗因はありますか

戦略不足もありますし、体力不足、レスリングがあっちの方がグレコで上手かったかなと思います。

――あす以降のフリーでは97キロ級での戦いとなりますが

次の大会で97キロ級で戦うのでその予行演習というかたちです。

――ベスト4ということで天皇杯(天皇杯全日本選手権)の出場が決まりました

きょう負けた相手も来ると思うのでそこでリベンジできるように頑張りたいと思います。

松本直毅(スポ2=神奈川・横浜清陵総合)

――去年のインカレ(全日本学生選手権)初戦敗退からことしは3位という結果でしたが、ことしの大会を振り返っていかがですか

1年前は力も足りなかったし、体力面でも全然敵わなかったんですけど、この1年間やってきたことが、出せたかなという感じですね。

――攻め続ける姿勢が見られましたが、やはり体力が上がったことによるものでしょうか

そうですね。僕はやっぱりスタミナで戦うしかもう武器がないので、もうそこの部分を徹底的にやることで、多分このような結果になったんじゃないかなと思います。

――初戦から接戦をものにしましたが、勝負強さというものは出てきましたか

やっぱり普段走り込みとか結構、軽量級とかとも一緒にやるんで、それが結構出せたんじゃないかなって思います。

――準々決勝は第1シードの選手を破りましたが、あの試合を振り返っていただけますか

あの試合が多分1番きつい試合だったと思うんですけど、やっぱり日頃やってた差しの展開から前に出ることができて、前半は押し負けてたんですけど、後半普段練習してることが出せて、とても良かったなって思います。

――準決勝は惜しくも敗れてしまいましたが敗因はどのあたりでしょうか

すべてにおいて相手が勝ってましたね、あれは。体力でもスタミナでも技術でも、多分相手の方が上だったと思うんで。まだまだ体力ももちろんそうなんですけど、やっぱり技術。技で展開を起こして、ポイントを取るっていう技術力も必要なのかなって感じました。

――全日本大学グレコローマン選手権に向けた課題は

やはり今言ったように、技の展開ですね。普通に押して勝てるような選手だったらいいと思うんですけど、ああやって自分よりも格上の選手とやる際には自分からポイント取んないと、なかなか勝機はないと思うので、そこのところを課題にして頑張っていきたいと思います。

――あしたからフリー(フリースタイル)が始まりますが、目標をお願いします

まずはあした1日目勝ち残ること。1回戦ですね。1回戦をまずは勝って、まあテクニカルポイント取りたいですね。フリーでは。グレコではなかなか難しかったんですけど、練習してることを出せればなと思います。