ラグビー部
2017.08.25
夏季オープン戦 対東海大 8月24日 長野・早大菅平グラウンド
夏の成果出し切れず。東海大に大敗
夏季オープン戦最後の相手は、関東大学春季大会にて29-69で敗れた東海大。最終戦を白星で飾り、秋へと弾みをつけたいところだった。しかし帝京大戦後フランカー加藤広人主将(スポ4=秋田工)が課題に挙げたハンドリングエラーがこの日も目立ち、なかなか攻撃を得点までつなげることができない。5-52という大差で黒星を喫し、課題が残る内容になった。
開始早々に早大がペナルティーを犯し、いきなりピンチに見舞われた。自陣深くでの相手ボールスクラムを何とか切り抜けたが、6分にも再び攻撃の機会を与えてしまう。早大のディフェンスが手薄になっていた左に大きく展開され、最初のトライを許した。その後も自陣内での苦しいプレーが続く。相手のミスに救われるなどして何とかこらえていった早大。しかしオフロードパスを使ったスムーズなボール運びで前進してくる東海大を抑え切れず、2トライ目を奪われる。この後も突破されて大きくゲインされる場面が見られ、攻撃のチャンスも生かせない。さらに2トライを献上し、0-24で折り返した。
追加得点を許し、肩を落とす選手たち
後半5分、トライライン近くでのラインアウトに成功しモールに持ち込む。このままトライへとこぎ着けたいところだったが、前進できずに外へとパス。さらにタックルされてターンオーバー許すと、キックで大きく陣地を広げられてしまった。そのまま攻撃の流れも奪われ、追加点を挙げられた。20分に東海大がメンバーを大幅に変更した後も、チームで強化しているスクラムでの制圧はかなわず、夏の練習の成果が出し切れない。しかし27分、敵陣5mでのラインアウトから再びモールにつなげて押し込み、ようやくフッカー宮里侑樹(スポ3=沖縄・名護商工)がインゴールを割った。その後1トライを奪われ、42分にも攻撃のチャンスの中ターンオーバーされると、ダメ押しのトライを決められる。5-52。厳しい現実を突き付けられた。
宮里のトライが早大唯一の得点となった
対抗戦開幕は、もうすぐそこに迫っている。大東大戦では合宿の成果を出し勝利した早大。しかし帝京大と東海大の前では、チームの「強み」を出させてもらえなかった。「しっかりもう一度立て直したい」(CTB黒木健人副将、教4=宮崎・高鍋)。強豪相手にも互角に渡りあう力を備え、秋のシーズンを迎えたい。
(記事 橋本望、写真 新開滉倫)
夏季オープン戦 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | スコア | 東海大 | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
0 | 1 | T | 4 | 4 |
0 | 0 | G | 2 | 4 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
0 | 5 | 計 | 24 | 28 |
5 | 合計 | 52 | ||
【得点】▽トライ 宮里 | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大メンバー | |||
---|---|---|---|
背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 鶴川 達彦 | 文構4 | 神奈川・桐蔭学園中教校 |
後半17分交代→16千野 | |||
2 | 鷲野 孝成 | 基理3 | 神奈川・桐蔭学園 |
後半13分交代→17宮里 | |||
3 | 久保 優 | スポ1 | 福岡・筑紫 |
後半17分交代→18土田 | |||
4 | 三浦 駿平 | スポ2 | 秋田中央 |
5 | 松井 丈典 | スポ3 | 愛知・旭野 |
6 | ◎加藤 広人 | スポ4 | 秋田工 |
後半33分交代→23丸尾崇 | |||
7 | 柴田 徹 | 社2 | 神奈川・桐蔭学園 |
後半0分交代→21西田 | |||
8 | 下川 甲嗣 | スポ1 | 福岡・修猷館 |
9 | 杉本 頼亮 | スポ4 | 京都・桂 |
10 | 高橋 吾郎 | スポ4 | 福岡・修猷館 |
後半26分交代→25武田誠 | |||
11 | 佐々木 尚 | 社3 | 神奈川・桐蔭学園 |
12 | フリン 勝音 | スポ3 | 福岡・筑紫丘 |
後半26分交代→27吉田 | |||
13 | 黒木 健人 | 教4 | 宮崎・高鍋 |
後半17分交代→28平井 | |||
14 | 緒形 岳 | スポ3 | 新潟・新発田 |
15 | 梅津 友喜 | スポ2 | 岩手・黒沢尻北 |
リザーブ | |||
16 | 千野 健斗 | 人3 | 東京・成蹊 |
17 | 宮里 侑樹 | スポ3 | 沖縄・名護商工 |
18 | 土田 彬洋 | スポ1 | 茨城・茗溪学園 |
19 | 中山 匠 | 教2 | 東京・成城学園 |
20 | 中野 幸英 | 文構2 | 東京・本郷 |
21 | 西田 強平 | スポ3 | 神奈川・桐蔭学園 |
22 | 幸重 天 | 文構2 | 大分舞鶴 |
23 | 丸尾 崇真 | 文構1 | 東京・早実 |
24 | 吉岡 航太郎 | スポ4 | 国学院栃木 |
25 | 武田 誠太郎 | 社2 | 島根・石見智翠館 |
26 | 加藤 皓己 | 創理2 | 北海道・函館ラサール |
27 | 吉田 重治 | スポ3 | 富山・高岡第一 |
28 | 平井 亮佑 | スポ1 | 福岡・修猷館 |
29 | 中野 厳 | 社4 | 東京・早大学院 |
30 | 伊藤 大貴 | スポ3 | 愛知・春日丘 |
※◎は主将、監督は山下大悟(平15人卒=神奈川・桐蔭学園) |
コメント
CTB黒木健人(教4=宮崎・高鍋)
――大敗という結果をどのように受け止めていますか
帝京大にあんな試合をしてしまってチームを立て直す意味でもAチームが見せないといけないのに不甲斐ない、情けない結果だったと思います。
――帝京大戦後はどのような反省をしましたか
根本的な部分で自分たちはリロードできていない、動けていない、ハードワークできていない。もう本当に初めから早大がやろうとしているハードワークの部分が全くできていなかったので、そこを意識してきょう臨みました。
――きょうの試合内容については振り返っていかがですか
結果は結果ですけど前より良くなった部分もあるので、そこを良く捉えて次に行きたいなと思います。
――前より良くなった部分とは具体的にどのようなところですか
僕自身の話になるんですけど、ディフェンスで積極的に前に出られたことは、少しはポジティブに捉えていいかなと思える部分です。
――帝京大戦で内側にいる選手との連携がうまくいかなかったと言っていましたが、きょうはいかがでしたか
内側のプレイヤーにはまだまだ来てほしいところなんですけど、頑張ってまくってきてもらったんでその分助かりました。
――両校ミスが多く見られた試合でした
相手のミスはもっと僕らがチャンスにしないといけない場面ですし、僕らのミスは本当に精度が低いプレーばかりで反省しています。反省するばかりで、次、次と言っていてももう対抗戦(関東大学対抗戦)まで時間がないので、本当に9月の期間でしっかりもう一度立て直したいと思います。
――試合中の声掛けでは、どのようなことを共有していたのですか
あっさりトライを取られてしまって気持ちが落ちる部分だったなと思うので、落ちないようにしっかりもう一回ハードワークだということをみんなに意識づけるようにしました。あとはAチームのプライドとして僕らがやらないと示しがつかないので、やっていけるように声を掛けていました。
フッカー鷲野孝成(基理3=神奈川・桐蔭学園)
――今日の試合はどのような目標を設定していたのですか
第1としては勝つということが大事だと思っていて、勝つことが目標でした。あと、前回できなかったディフェンスの部分でしっかり前に出て止めること、個人としてはセットプレーで毎回100%ボールを供給するということを目標にやっていました。
――帝京大戦後、監督や主将からはチームに対してどのような声かけがあったのですか
帝京戦では自分たちのやってきたことが全くできなくて、自分たちで作っているルールを破ってしまった場面が多かったので、そこをしっかり徹底しないと振り返りもできないということで、そこを突き詰めようということを言われました。ハードワークもできていなかったので、そこも話がありました。
――そのディフェンスに関して振り返っていかがですか
最初から受けに回ってしまって前に出れず、前で止めることができなくてこういう結果になってしまったと思います。
――両校ミスが多い試合となりましたが、ハンドリングエラーやパスミスについてはどのような反省がありますか
自分たちは東海大よりフィットネスの部分で劣っていて疲れてきてしまって、パスが取れなかったことも多かったですし、しっかりパスを取る準備をすることが大事かなと思います。
――モールではなかなか得点まで結びつけることができませんでしたが、振り返っていかがですか
モールを組むところまではできていたのですが、まっすぐ押していって止まったときに左右どちらかに動かすという部分ができていませんでした。際のプレーヤーを含め、全体的に高くなってしまったのが1番の原因かなと思います。
――スクラムの感触はいかがでしたか
最初の1発目は受けに回ってしまったのですが、2発目からはしっかり自分たちのスクラムができました。敵を制圧することはできなかったのですが、マイボールは供給できたので、50点くらいですね。
――網走合宿と菅平合宿を終えて、どのような夏でしたか
結果が残せなかったので、夏合宿で練習してきた成果がうまく発揮できなかったというのが1番大きな印象です。でも落ち込んでいる暇はないので、自分たちにできることをどんどんやって、秋には結果を残したいと思います。
――夏合宿を終えて、チームにどのようなところが足りないと思いましたか
ハードワークの部分が1番足りていなかったかなと思います。最初のプレーでディフェンスで前に出れなかったり、そういうところからどんどん崩れてきてしまうので、そこが1番大事かなと思います。
――個人的にはどのような反省点がありますか
セットプレーではそこそこの結果を出せたと思うのですが、フィールドの部分で前に出れなかったり、帝京戦に関してはチームのルールを破ったプレーが出てしまいました。これからはセットプレーだけではなくフィールドプレーでも活躍できる選手を目指して、チームのルールもしっかり守るということを目標にやっていきたいです。
――逆にどのような収穫がありましたか
網走合宿でラインアウトモールをやったのですが、大東大戦でもスコアできたのでそこは大きかったかなと思います。まだ武器と言うほどではないですが、これから武器になると思います。
――秋に向けて意気込みをお願いします
ライバルはたくさんいるのですが、自分の強みはセットプレーだと思うので、フィールドプレーも頑張るのですが、ラインアウトとスクラムにこだわって、その部分でライバルに勝つこと、そして絶対に優勝したいです。