野球部

2017.08.20

全早慶戦西条大会 8月19日 愛媛・西条市ひうち球場

懸命な追い上げを見せるも雪辱ならず

TEAM
全早大
全慶大 x
(早)●小島、藤井寛、早川、柳澤-小藤
◇(本塁打)小藤、三倉(三塁打)八木(二塁打)三倉2、宇都口

 早大野球部を率いる髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)の出身地でもある愛媛県で行われた今年度の全早慶戦。昨年中止の影響で、今年開催された全早慶戦熊本大会に続き、2週間ぶりに全早大と全慶大がぶつかった。出身地での開催となった髙橋監督に花を持たせようと、選手たちは奮闘する。特に愛媛県松山市生まれの三倉進(スポ4=愛知・東邦)が本塁打を含む3安打の大活躍。しかし、序盤の大量失点を取り返すことはできず。熊本大会に続き、全早慶戦では二連敗となった。

 先発・小島和哉(スポ3=埼玉・浦和学院)は立ち上がりこそ三者三振と、絶好のスタートを切ったかと思われたが、2回以降慶大打線につかまると、4回途中4失点で降板。2番手・藤井寛之(法2=福岡・東筑)は慶大打線を抑えられず、1-7と大きく点差を付けられてしまう。この悪い流れを断ち切るべくマウンドに上がったのは早川隆久(スポ1=千葉・木更津総合)。走者を背負った状態での登板となった4回は、2本の安打を許し併殺崩れの間に1点を失ったが、その後の5、6回を三者凡退に切って取り攻撃につないだ。「熊本で1死しか取れずに交代したので、やり返してやろうという気持ちで投げた」と語った左腕。その言葉の通りの好投を見せた。しかし、投手陣全体で言えば序盤の8失点は明らかに取られすぎ。全早慶戦熊本大会とこの日を合わせると2試合で計22失点を喫したこととなる。東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)開幕を3週間前に控え、投手陣には大きな不安が残る結果となった。

先発した小島は早々と慶大打線につかまってしまった

 打線は3回、小藤翼(スポ2=東京・日大三)の中越えソロ本塁打で初めての得点を刻んだものの、打線がつながりを欠き序盤はこの1点のみに留まった。しかし、中盤に守備からリズムをつかむと一気に追い上げを始める。5回には八木健太郎(スポ4=東京・早実)が右越え三塁打を放つと、OBの河原右京(平成28スポ卒=現トヨタ自動車)が中前適時打でしっかりと八木を還す。6、7回には三倉の左越えソロ本塁打と右中間適時二塁打など長打も飛び出し2点ずつを追加。7点差を逆転することはできなかったが、最後まで慶大に食らい付き、2点差まで点差を縮めた。

ゆかりの地で1本塁打を含む3安打2打点の活躍を見せた三倉

 指揮官の地元での勝利とはならず、また投手陣には不安が残ったが、春にはケガの影響で不完全燃焼に終わった三倉の復調や、中盤以降の追い上げなどこの夏の成果も伺える試合となった。次に早慶がぶつかる試合は秋季リーグ戦の最終戦、早慶戦。それまでの2カ月間で攻守ともに課題を克服し、今度こそ宿敵撃破としたいところだ。

(記事 中村朋子、写真 三浦遥、久野映)

黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前
(右) 八木健太郎 .500 四球    二邪    右三 四球         
  宮崎廉太 0 .000                   遊ゴ      
(三) 福岡高輝 0 .000 三振    三振    三振            
  打三 岡大起 0 .000                四球    右飛   
(遊) 河原右京 .666 遊ゴ    右安    右安            
  檜村篤史 .000                右邪    三飛   
(左) 加藤雅樹 .250 一ゴ    二安    三ゴ 三振         
  長谷川寛 .000                      三飛   
(指) 宇高幸治 .000    右飛 右飛    三ゴ            
  打指 米田圭佑 0 .000                   死球    右飛
(中) 三倉進 .600    右二    三振    左本 中二    中失
(二) 宇都口滉 .666    中飛    中安    左二         
  西岡寿祥 .000                   投犠    三振
(一) 山岡仁実 .333    左飛    三ゴ    三振         
  打一 岸本朋也 .500                   右飛    左安
(捕) 小藤翼 .600       中本 三振    左安 左安    右直
早大投手成績
名前
小島和哉 3 0/3 15.00
藤井寛之 1/3 81.00
早川隆久 2 2/3 0.00
柳澤一輝 0.00
コメント

髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)

――髙橋監督にとって地元開催の全早慶戦となりました。お気持ちはいかがですか

感激はしてますけどね。でも熊本と2試合続けてワセダの卒業生には申し訳ない内容の試合になったのでね。非常に悔いが残りますね。

――試合の方を振り返っていかがでしょうか

ちょっとピッチャーが崩れて、中盤にお客さんが帰るような試合だったんで情けないですね。

――熊本大会での大敗を受けて、今回の西条大会に向けて期するものもあったのではないですか

2試合合わせて22失点ですからね。もちろんそういう気持ちはあったんですけど、投手継投もあったかも分かりませんけど、慶大は小刻みに代えてきたんでね。ちょっとワセダもそこらへんを期待しすぎるというか。試している部分はあるんですけど、難しいですね。早慶戦まで2カ月ありますから。って言ったって、慶大はこれだけ打てば自信持ちますよね。

――その慶大打線、かなり振れている印象でした

いいですよね。いい。よくつながるしね。それで、きょう岩見(雅紀、4年)がいませんよね。郡司(裕也、2年)も最初から使ってないし。ちょっと飛車角落としみたいな。ワセダは目いっぱい使ってますから。ましてや河原右京(平28スポ卒=現トヨタ自動車)なんて2安打も打って活躍してくれてますから。OBがいなかったらもっとかもしれませんね。

――問題の投手陣ですが、先発・小島和哉投手(スポ3=埼玉・浦和学院)が4回途中4失点という内容でした

悪すぎますね。3点までと決めていても、回が浅かったからもう少しと思ったんですけど。何というか、傷が大きくなるとダラダラっといきますね。

――2番手で起用した藤井寛之投手(法2=福岡・東筑)については

熊本でまあまあ良かったんで、もう一回使ってみようと。

――早川隆久投手(スポ1=千葉・木更津総合)は熊本大会に続いて走者を置いた場面での救援登板でしたが

ランナーを置いた状態だと良くないですね。ランナーいない時はピシャっと抑えたでしょ。柳澤(一輝、スポ=広島・広陵)もそうですけど、傾向と対策としては回の頭からじゃないとというのがちょっと見受けられますね。それじゃ困るんですけどね。ランナー置いた状況で誰が投げるのと。慶大はパッパパッパと代えて抑えましたよね。

――東京六大学秋季リーグ戦開幕まで3週間ですが、春の課題であった投手力の整備、また秋の起用法についてはどうお考えですか

ちょっと厳しいですね。現状では。その中でも、大竹(耕太郎、スポ4=熊本・濟々黌)は熊本から回復して状態は良くなってますね。だから、現状だと大竹がトップですかね。ただ、早川も頭から行けばまた違うんで、先発かなと。

――打つ方では、序盤に大きく点差を離された後にジリジリと追い上げていきました

そうですね。6回の2死満塁で加藤(雅樹、社2=東京・早実)に一本出ていれば勝負になったんですけどね。彼も熊本で三宮(舜、明治安田生命)に揺さぶられてから調子悪いですね。

――打線の中でも特に三倉進選手(スポ4=愛知・東邦)の状態の良さが伺えましたね

良かったですね。春もケガする前、台湾では良かったですから。リーグ戦入ってからは故障の影響もありましたけど、秋は十分やってくれるんじゃないですかね。

宇都口滉(人4=兵庫・滝川)

――きょうは2安打と打撃が好調でしたが、打撃に関して意識していたことはありますか

いつものように真っすぐ狙いでいました。きょうはちゃんと狙った球を仕留められたので良かったです。

――2打席目を振り返って

相手が真っすぐが早いピッチャーだったのですが、真っすぐのタイミングに合わせて、そこから変化球や緩急に合わせようと思っていたのですが、真っすぐがきて、甘めだったのでそのチャンスをきちんと結果につなげることができました。

――その後は盗塁も成功しました

あれはサインはヒットエンドランだったんですけれど、バッターが打てなかったのでああいうかたちになりました。たまたまセーフだったんですけれど、自分としてもいいスタートが切れてたと思うので良かったです。

――3打席目は本塁打で1点返した直後の場面でした

ホームランで勢いに乗って、まあ点差はありましたけどここから盛り上げていこうというタイミングだったので、とにかく出塁しようと思って打席に立ちました。

――守備では河原右京選手(平28スポ卒=現トヨタ自動車)と二遊間を組んでいかがでしたか

これまで試合で組んだことがなかったので新鮮だったというか、少し緊張しましたね(笑)。たくさん話したという訳ではないですか、守備で連携取ったりしていました。

――2年生までずっと同じ内野として関わりのあった先輩ではないでしょうか

自分が一番目標にしていた選手で憧れていたので、きょうは一緒にプレーできてうれしかったです。

――終盤に大きく点差が開いてしまった熊本大会と比較して、一時は開いた点差を最後まで追い上げることができました。チームとしてきょうの試合を振り返っていかがですか

熊本の反省も生かして、一点一点取りにいこうという雰囲気がつくれていました。負けてはしまったのですが、みんな声も出ていたしいい雰囲気の中で攻撃できていました。

――きょうの試合内容を踏まえて秋に向けてチームとして意識していきたいことは

チームの状態はあんまり良くないのですが、目標としては東京六大学秋季リーグ戦優勝を目指しているので、オープン戦では全勝したいです。学生相手には負けないというチームにしていきたいです。

三倉進(スポ4=愛知・東邦)

――きょうの試合、打撃面を振り返って

最近振れていたので、そのイメージのまま特に何も考えずに。いつも考えているんですけど、考えずに体が動いてくれたって感じでした。

――きょうは特に何のテーマもなく、という感じですか

いや、とにかくファーストストライクから振るというのと、強く振るというのを心掛けていたので、それができるような準備をして打席に入っていました。

――1打席目から二塁打を放ちました。打ったのは真っすぐですか

そうです。

――2打席目は左翼にソロ本塁打を放ちましたが、あの打席を振り返って

別に狙っていたわけではないんですけど、コースに逆らわず強く振った結果があの角度にいったので、やっていることがゲームで出せたかなという感じです。

――5打席目の当たりは、結果は中堅手の失策となりましたが芯を捉えた当たりのように感じられました

そうですね。インコースが絶対にくると思っていたので返せたのは良かったのですが、どうせならヒットにしたかったなと。

――きょうのご自身の打撃に点数をつけるなら

60点ぐらいです。

――かなり低いですね

まだちょっと課題があったので。

――納得のいかなかった部分は

低めの変化球の見極めがまだ甘くて、そこを見極められればもっとピッチャーからの甘い球も来ると思うので。

――春季リーグ戦はケガで出場できず悔しい思いをされたと思いますが、きょうは秋に向けて手応えを感じる試合となったのではないでしょうか

まだ継続しなければならないので・・・。でもその中で自信というか、感覚的にイメージはつけられたので良かったです。

――2015年度の主将である河原右京選手(平28スポ卒=現トヨタ自動車)とは何か話されましたか

はい。プライベートの話や、野球な話も。

――三倉選手は愛媛県出身ですが、西条市開催の今大会にはやはり特別な思いがありましたか

親戚の方も応援に来てくれたりしたので、「結果を残さなければいけない」という思いはやはり強かったです。

小藤翼(スポ2=東京・日大三)

――きょうの結果を振り返っていかがですか

監督(髙橋広、昭52教卒=愛媛・西条)さんの地元ということで勝ちたかったんですけど、負けてしまったので、申し訳ない気持ちです。

――きょうは打球を広角に飛ばしました

きょうはたまたまいいところに飛んだというのはあるんですけど、結果がヒットになっているので、そこらへんはいい感じになっているのかな、というのはありますね。

――慶大OBの山形晃平投手(日本生命)から本塁打を放ちました

狙ってはいなかったんですけど、思い切り良くということを心掛けた結果がホームランということで、それは素直にうれしかったですね。

――不安定な打撃が課題だとおっしゃっていましたが、それについて意識することはありますか

ボール球を振らないということを意識しています。2打席目はボール球に手を出してしまったんですが、その辺を意識してやっていますね。

――捕手として、守備面やリード面についてどう感じますか

13安打で8点も取られているので、完全に配球というか、ピッチャーとのコミュニケーションが取れていなかったなと思います。

――好調の慶大打線を相手に、どのように配球しようと考えていましたか

慶大は思いっきり振ってくるので、高さとコースを意識して配球は考えていました。

――連打を浴びた要因は

ピッチャーとのコミュニケ―ション、意思疎通ができていなかったなと。外すときは外す、入れるときは入れる、という気持ちが合っていなかったなと思います。

――投手陣の状態についてはどう感じましたか

調子自体は一人ひとり悪くないと思うので、あとはキャッチャーがリードしてあげないと、という感じですね。ピッチャーの調子自体はそんなに悪くないです。

――最後に今後への意気込みを一言お願いします。

もうすぐリーグ戦も始まるんですが、今のままでは勝てないと思うので、さらにレベルアップしてリーグ戦に臨んで、優勝することと、早慶戦で今回の雪辱を果たしたいと思います。

早川隆久(スポ1=千葉・木更津総合)

――熊本(全早慶戦熊本大会)に引き続き、2回目の全早慶戦でした。振り返っていかがでしたか

熊本で、自分は1死しか取れずに交代したので、その雪辱ではないですけど、やり返してやろうという気持ちで投げさせてもらいました。

――どちらも走者を背負っての登板となりましたが、心境などはいかがでしたか

監督さん(髙橋広、昭和52年教卒=愛媛・西条)からはランナー返すなと言われたのですが、1点は仕方ないという気持ちで、自分の中で割り切って抑えられたので、自分の中ではよかったかなと思います。

――熊本の時から、うまく立て直しができていたと感じましたが、何か修正した点は

熊本の時と違って、コントロール重視で低め低めに投げようという丁寧な気持ちで投げられたので、その分、長打とかではなく、単打、単打だったので、失点は多くならなくて済んだのかなと思います。

――本日のピッチングは何点でしょう

まあ、だいぶ戻ってきたので、50点くらいです。半分くらいは戻ってきたのかなというのはあって。0(点)で抑えていればまた違う点数だったのかなと思います。

――無失点の投球から、攻撃へといい流れが繋げたのではないでしょうか

監督さんの出身地ということもあって。やっぱりここで勝たせてあげたいという気持ちもあったので、そういう面では、流れを変えるピッチングをしようという気持ちでマウンドには上がりました。

――早慶戦は、東京六大学春季リーグ戦では悔しい思いもしたと思われますが、全早慶戦に対して、どのように意気込んで挑まれましたか

リーグ戦を終わって、慶大に対する苦手意識というのがあったのですが、そのあと大竹さん(耕太郎、スポ4=熊本・済々黌)に「苦手意識をつけてしまうとこれからずっと慶大に負けていくから、意識を消すようなピッチングをしていけ」と言われたので、そういう面では自分は変えていこうかなと思いました。

――慶大の選手の中で特に意識している選手は

クリーンアップに本当にいい打者がそろっているので。今日は岩見選手(雅紀、4年)はいないのですけど、清水翔太選手(4年)とか、そういう要注意人物が切れ目なくいる打線なので、しっかり一つずつアウトを取るというのを意識してピッチングしています。

――きょうの試合、惜しくも敗戦となりましたが、敗因はなんだと思われますか

前半の失点が大きく響いだなというのは感じたので。監督も言っていたのですが、ピッチャー陣がしっかり踏ん張れないとこういう試合になってしまうので、これから3週間しかないのですが、リーグ戦(東京六大学秋季リーグ戦)に向けて頑張っていければなと思います。

――OBの方と全早慶戦ではプレーされましたが、何かお話しされましたか

そうですね。やはりピッチャーがしっかりしないとこういう風にチームも連敗してしまうので、ピッチャーがどうにかしろというわけではないですけれど、ピッチャーを中心に打撃陣がしっかり打ってという風にしていければ、という話をしたので。そういう面では、ピッチャーがまずは軸にならないといけないなと思います。

――夏の間は、どのような練習を中心に行なっていましたか

そうですね。走り込みと投げ込みと両方やっていました。

――夏が終わるまでに修正したい課題などはありますか

コントロールを重心に投げていければいいかなと思います。

――経験豊富なOBの方と試合をされましたが、何か得たものはありますか

そうですね。熊本の時は道端さん(俊輔、平28スポ卒=現明治安田生命)だったり、佐竹さん(功年、平18年人卒=現トヨタ自動車)がたくさん話してくれて、自分の中の収穫になったかなと思います。