ラグビー部

2017.08.21

夏季オープン戦 対帝京大 8月20日 長野・菅平サニアパーク

チーム力で上回れず、王者帝京大相手に完敗

 
 ラグビー合宿の聖地として名高い長野県・菅平高原。ことしもその菅平の地で、帝京大との練習試合が行われた。お互いにミスの多い立ち上がりであったが、帝京大の素早い攻撃にディフェンスが間に合わず苦戦を強いられる。力を入れているスクラムでも押し勝つことができず、結局0-82と無得点で試合終了。完敗であった。

 スクラムで圧倒し、ボールを得ることに注力している早大。前半開始直後、早大のファーストスクラムの機会が訪れた。しかし力を入れているはずのスクラムで押し切ることができず、試合を有利に運べない。その直後、早大のペナルティーでボールを蹴り出されると、ラインアウトからモールを組まれる。ここでも押し返せない早大。インゴールになだれ込まれ、トライを献上してしまう。取り返したい早大は、帝京大のハンドリングの乱れにつけ込みFB梅津友喜(スポ2=岩手・黒沢尻北)などが敵陣深くまで切り込むが、ゴールライン直前で食い止められ得点には結びつけられない。逆にボールを奪われ、回復した陣地をまたも返される――。序盤はそのような展開が続いた。しかしゲーム中盤、帝京大のボール回しのミスが目に見えて減ってくると、相手の外に振っていくオフェンスに早大FWの戻りが間に合わず、失点を重ねてしまう。途中帝京大のキックパスを早大陣のインゴール内でグラウンディングし、ノートライにするなど意地も見せたが、結局前半を通して相手に6本のトライを奪われ、0-40と大差で折り返すこととなった。

梅津は攻守で好プレーを見せた

 迎えた後半、開始2分で帝京大のラインアウトが行われる。前半戦で散々苦しめられたモールに持ち込まれるセットプレーを警戒する早大であったが、その隙を突く脇からの飛び出しに反応できず、インゴールを明け渡してしまう。さらに自ゴール付近でのハイパントキックが読まれ、チャージされるとそのまま失トライ。その後はターンオーバーのし合いになるが、要所で帝京大にボールを奪われ、なかなか悪い流れが断ち切れない。0-68と大差がついたそんな折、帝京大に動きがあった。出場選手全員が交代し、リザーブメンバーが出場してきたのだ。そこまで走り通しの早大選手たちにこれを止めきるスタミナは無かった。結局その後2本のトライを許し、0-82でホイッスルが吹かれ、試合終了。無得点という厳しい結果を突き付けられたのであった。

帝京大ディフェンスに阻まれ終始自陣でのプレーを強いられた

 やはり王者のカベは厚かった。NO・8の下川甲嗣(スポ1=福岡・修猷館)はきょうの結果について、「あぜんとするところでもあったが、試合後に冷静になって考えてみたら努力が足りなかった」と振り返る。7月はどの大学よりも追い込んだという自負をもっている選手たちだったが、個人としてでなくチームとして戦えていなかったという。2週間後に控えた関東大学対抗戦(対抗戦)に向けてチーム力を上げていかなくてはならない。この菅平でチームとしてさらなる成長を遂げられるか。対抗戦開幕はもうすぐだ。

(記事 坂巻晃乃介、写真 榎本透子、橋本望)

夏季オープン戦
早大 スコア 帝京大
前半 後半 得点 前半 後半
40 42
合計 82
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
鶴川 達彦 文構4 神奈川・桐蔭学園中教校
鷲野 孝成 基理3 神奈川・桐蔭学園
  前半25分交代→17宮里    
柴田 雄基 文4 愛知・千種
  後半13分交代→18久保    
三浦 駿平 スポ2 秋田中央
  後半34分交代→21中野幸    
◎加藤 広人 スポ4 秋田工
丸尾 崇真 文構1 東京・早実
  前半23分交代→22柴田徹    
幸重 天 文構2 大分舞鶴
  後半0分交代→22中山    
  後半22分交代→20松井    
下川 甲嗣 スポ1 福岡・修猷館
吉岡 航太郎 スポ4 国学院栃木
10 高橋 吾郎 スポ4 福岡・修猷館
  後半19分交代→27フリン    
11 佐々木 尚 社2 神奈川・桐蔭学園
12 野口 祐樹 人4 群馬・太田
  後半22分交代→25高木    
13 黒木 健人 教4 宮崎・高鍋
14 中野 厳 社4 東京・早大学院
  後半0分交代→29緒形    
15 梅津 友喜 スポ2 岩手・黒沢尻北
  後半0分交代→26桑山聖    
リザーブ
16 千野 健斗 人3 東京・成蹊
17 宮里 侑樹 スポ3 沖縄・名護商工
18 久保 優 スポ1 福岡・筑紫
19 中山 匠 教2 東京・成城学園
20 松井 丈典 スポ3 愛知・旭野
21 中野 幸英 文構2 東京・本郷
22 柴田 徹 社2 神奈川・桐蔭学園
23 増原 龍之介 教2 広島・崇徳
24 貝塚 陸 スポ3 東京・本郷
25 高木 樹 法1 大阪・早稲田摂陵
26 桑山 聖生 スポ3 鹿児島実
27 フリン 勝音 スポ3 福岡・筑紫丘
28 平井 亮佑 スポ1 福岡・修猷館
29 緒形 岳 スポ3 新潟・新発田
30 伊藤 大貴 スポ3 愛知・春日丘
※◎は主将、監督は山下大悟(平15人卒=神奈川・桐蔭学園)
コメント

山下大悟監督(平15人卒=神奈川・桐蔭学園)

――加藤広人選手をロックとして起用した理由を教えてください

帝京大戦に関して言えば、1番真ん中で体を張ってもらうためです。特にディフェンスの部分ですね。また加藤はスクラムも強いので、今回はロックとして起用しました。今後に向けて言うと、メンバーの変遷があるので加藤をロックとして起用するのは視野に入れていました。そこできょうの試合で試してみました。

――きょうの帝京大戦はチームとしてどのような位置付けとなりますか

夏で伸びていくということで、勝利して自信を得たかったですね。しかし、それは結果でしか示せないので、今回は残念でした。

――序盤で深めにアタックラインを引いている場面がありました

帝京大のディフェンスラインが出てくるので、それに対して捕まらないようにしていました。後はしっかりと走り込んでアタックするためですね。

――試合が進むにつれてアタックラインが浅くなりました

スキル不足の面もありますし、疲れてしまい、しっかり下がってアタックラインをセットすることができなってしまいました。

――帝京大のキックカウンターで抜かれてしまう場面がありました

元々、帝京大はキックカウンターが得意なチームですので、早大は精度の高いキックをする必要がありました。この部分ができなかったのが1つの原因です。また正確なキックができなかった時に、前でファイトしているFWとBKのつなぎ目の部分が切れてしまったことがありましたね。

――順目にディフェンスの人数が足りなくなってしまう場面がありました。その原因は何でしょうか

FWが走れていなかったですね。ビデオを見て検証したいと思います。特に最初の接点の部分がゆるかったです。空間を埋めるプレッシャーも弱かったですし、際でのスピードも遅かったですね。

――次戦の東海大戦はどのような戦略で戦いますか

変わらずチームの武器にしていく部分をベースにして、個人のファンダメンタルなスキルや7月に見直したこと、網走でやったことを出して、果敢にチャレンジしたいと思います。アタックに関しては現時点でアップデートしていません。後は雰囲気にのまれてしまう部分ですね。例えばトライを取られてしまうと選手はすごい落ち込んでしまいますし、トライを取った後は活力に満ちあふれています。当たり前のことですが、うまくいかなかった時にビッグプレーではなくて自分たちの心の持ちようで、どこまで立て直せるかが重要となってきます。選手たち自身が個人やユニットの部分でレビューしてもらい、それを踏まえた上で同じ轍を踏まないようにやってほしいと思います。

ロック加藤広人主将(スポ4=秋田工)

――きょうの試合はどのような目標を設定して臨んだのですか

7月と網走合宿でやってきたことをしっかり結果として出そうということにフォーカスして臨みました。

――前半はラックでファイトしている印象を受けましたが、いかがでしたか

そこは僕らが強みとするブレイクダウンのところでファイトし続けることはできたのですが、ペナルティーを取られてしまうことが多かったので、そこは修正しなければいけないなと思いました。

――その一方でハンドリングミスが目立ちました

大東大戦前からずっと続いていて、しっかりここを直さないとスコアにつながらないので、しっかり修正しなければいけないと思いました。

――スクラムの手応えはいかがでしたか

あまり良くはないですね。レフリーのコールが少しいつもより早かったので、しっかり対応しなければいけなかったというのと、8人がになって全員で前に出る意識を持たなくてはいけないと思いました。

――後半はディフェンスラインが流れている印象を受けました

外に振られた返しのところなどでプレッシャーをかけることができなかったのと、ブレイクダウンでペナルティーを取られる場面が多かったです。相手の思うように振られて、ペナルティーを取られて、どんどんこちらもストレスが溜まってしまって、相手が陣地を取っていいアタックができたのかなと思います。

――色々と反省点が挙がりましたが、次の東海大戦に向けて特に修正したい点はどこでしょうか

東海大はFWが強いのでセットプレーの部分と、ハンドリングエラーを少なくしなくてはいけないということ、そしてしっかりディフェンスで体を当ててブレイクダウンで圧力をかけてもっとターンオーバーを狙っていきたいと思います。

CTB黒木健人(教4=宮崎・高鍋)

――きょうはどのような話し合いをして試合に臨みましたか

網走を経てやってきたことを結果的に出すということで、大東大、帝京大と上がっていくイメージでやっていこうという感じでした。

――先日の大東大戦では勝利しましたが、上がっていくという点で難しかったですか

相手が変わって自分たちのやりたいことをしっかりできなかったということです。

――具体的にはどういった点ですか

ブレイクダウンでファイトできている部分もあれば、キャリアーを受けてしまって相手の出てくるディフェンスに引っかかってしまうことが多かったです。すぐ寝てしまってファイトされてしまうという感じでした。そこが一番大きかったと思います。

――コンスタントに得点され続ける展開でしたが、流れを変えられそうな瞬間はありましたか

ブレイクダウンのルールが少し変わったのですが、僕はタックルしてブレイクダウンのところでしっかり越えていくイメージを持っていたんですけど、レフリーとかみ合わない部分がありペナルティーを犯してしまいました。ミスしてしまってチャンスを自分たちでつかむことができず、なかなか流れを戻せなかったと思っています。

――ルールはどのように変更されたのですか

ゲートが厳しくなったと言いますか、タックラーがすぐ働きかけて越えていくのがなかなか難しいルールになってしまったので、2人目、3人目がより重要になってきます。

――ご自身のタックルも普段より良くなかったと思いますか

いや、僕自身は相手が春より外に回してくると前の明大戦やきのうのC戦を見て思っていたので、出ようと思っていたんですけど、内側との連携ができていなくて。外にいい具合に外に振られてしまって、僕で止めたかったんですけど、上手くかわされてしまって。そこが反省点です。

――網走合宿ではアンストラクチャーな場面を想定した練習をしたと聞きました

そこを強みにやっていきたかったんですけど、きれいにターンオーバーすることや、思った場面でターンオーバーすることが慌ててしまってあまりできませんでした。自分たちの形に持ってい行けなかったので、まだまだそこは課題かなと感じています。

――東海大戦に向けてどのように取り組んでいきますか

きょうの試合をしっかり反省して、また自分たちのやるべきことを確認して、もちろん勝つために準備していきたいと思います。

プロップ鶴川達彦(文構4=神奈川・桐蔭学園中教校)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

帝京大はFWでしっかり戦わないとこのような結果になるのだと思いました。FWの接点の部分で引いてしまったのが原因だと思います。

――スクラムは組んでみていかがでしたか

そこまでやられている印象はなかったのですが、まだまだ細かいところを修正していかないとだめだと思いました。

――きょうは左のプロップに入っていましたが、これからはそのつもりですか

はい。もともと1番でやってきて、春はチームの状況によって3番をやってきたのですが、こっちの方がうまく組めるので。

――ラインアウトはいかがでしたか

網走合宿から取り組んできたことで、基本的なスキル、リフト、スロー、ジャンプの部分でまだまだ精度は低かったかなと思います。

――相手のディフェンスはいかがでしたか

プレッシャーもあったのですが、サインとかでずらすことも重要ですが、どちらかというと自分たちに問題がありました。ボールが低いだとか。自分たちが100%できていれば取れたので、自分たちのスキルを反省したいと思います。普段練習でできていることが帝京大のプレッシャーでできなかったので、そこをもっと練習したいです。

――次戦への意気込みをお願いします

帝京大で出た課題をしっかり反省して、帝京大の借りは対抗戦まで返せないので一回気持ちを切り替えてしっかり自分たちの悪い流れを断ち切れるようにやっていきたいです。

NO・8下川甲嗣(スポ1=福岡・修猷館)

――きょうの試合を終えての感想を聞かせていただけますか

早大としては7月に上井草と網走で『日本一』になるためにどこの大学よりもキツい練習をしてきて、自信を持った状態できょうの試合に臨んだにも関わらずあの結果だったので、自分たちとしてもあぜんとするところもあったんですけど、試合後に冷静になって考えてみたら自分たちの努力が足りなかったのだと感じました。

――スクラムに関してはいかがでしたか

スクラムに関しては、最初は少し押されていたのですが、春に対戦した時よりは練習したことが試合でも出せたので、ある程度手応えは感じました。

――前半から押される展開でしたが、ハーフタイムでチームとして何か共有したりお話されたことはありましたか

相手が大学選手権を連覇している帝京大ということで、その部分を気負いすぎてプレーに出てしまっていたから、自信を持って自分たちがやってきたことをしっかり出そうという話がありました。

――きょうのご自身のプレーについてはどう感じていらっしゃいますか

帝京大の戦い方が春とは変わっていて。外にどんどん振って行くので自分たちは走らなければならず、その試合展開に前半は付いていけませんでした。自分の課題としてはキツい中で冷静に判断して激しくブレイクダウンに入ったりしてトライにつなげるところがきょうはできなかったので、そこが課題だと思います。

――ご自身がきょうの試合で感じた帝京大との差を1つ挙げるとしたらどのようなところだと思いますか

自分としては、早大はきょうの試合を個人で戦っていた印象で、それに対して帝京大は1人がボールを持ち込んだりタックルした際に2、3人目の入りが早くて、その部分で帝京大の方が仕事量やハードワークの部分で上だったと思います。

――最後に、次戦の東海大戦に向けて一言お願い致します

きょう出た結果は変わらないですが、かと言ってあしたはリカバリーなので練習時間は2日しかないですけど、そこで新しいことを身に付けることはできないので、もう一回早大がやってきたことを整理して自分たちが試合で出せるように調整してから試合に臨みたいと思います。

SH吉岡航太郎(スポ4=国学院栃木)

――オフェンスは無得点に終わりましたが要因はなんだと考えていますか

序盤はブレイクダウンのところで昨年と比べて質が高まって、少人数でもボールを供給できたし長い間継続できたと思うんですけど、そこでチャンスが来る前に僕らの方が攻めあぐねてしまいました。我慢できなくてキックを蹴ってしまって、もう少し我慢して継続していればチャンスはめぐってきたのかなと思います。

――帝京大のディフェンスの出方などはどうでしたか

大東大はいきなり出てきたりする場面があったんですけど、帝京大は基本的に組織的で、各ブレイクダウンや接点で後手に回ったかなと思います。

――接点で受け身になったりレッグドライブができていなかったと思います

タックルとブレイクダウンは春一番力を入れてきたといってもいいくらいこだわってやってきたので、そこで負けたというのは悔しいというか大きく反省するところだと思います。はっきりそこで負けた部分が大きな敗因だと思っているので、修正する点は明確だと思います。

――スクラムもあまり押せていませんでしたが、接点でプレッシャーはかかりましたか

スクラムはルールが変わって出せるんだったら出すというかたちだったので、出そうと思えば出せました。ブレイクダウンではキャリアーが気持ちよく前に出るというよりは返されるようなこともあったので、そういう場面が続くとさばきにくいというのはありましたね。

――FWのコントロールはどのように意識していましたか

大東大戦の反省で自分が狭いサイドとか逆目のコントロールができていないというのがありました。帝京大戦では逆目を多めに見て、逆目のコントロールは全部SHの責任だと思ってやれと言われていました。きょうは逆目を全体的に見たんですけどFWの順目のまくりがなくて、本来ならポイントサイドで順目に声をかけるところを逆目を意識しすぎて全体の声掛けができていなかったと思います。

――ハイパントをチャージされましたがどのようにコミュニケーションを取っていましたか

あれはいつものラインアウトからSHがハイパン蹴るというサインでした。あのチャージに関してはFWの人間がデリバリーした後に壁をつくってくれるともう少し蹴りやすかったんですけど、目の前ががら空きできれいにチャージをかけられる状態でした。僕自身も誰もいないところに立っていたので、供給する真後ろのチャージされにくい場所から蹴るという工夫もできたと思います。僕のせいでもありますけど、改善できる点もあるんじゃないかと思いました。

――次の東海大戦に向けての意気込みをお願いします

大東大もきょうの試合も僕のパスミスがあって、きょうも僕のパスミスから流れが変わってしまいました。試合で必ずミスをしていてはスタッフの方々の信頼というのも獲得できないと思いますし、選手の信頼も得られないと思うので、ミスなく監督や選手たちを安心させられるようなパフォーマンスを目指していきたいです。

WTB佐々木尚(社3=神奈川・桐蔭学園)

――この試合を振り返っていかがでしたか

スコア通り完封負けでした。

――得点を取りきれなかった要因はどこにありますか

1回、1回の攻撃で前に出れなかったということと、フェーズを重ねることができなかったという2点だと思います。

――アタックに関しては突破した後の2人目のランナーがいない場面が目立ちました

相手のディフェンスに合わせてアタックをしていました。練習では相手の引きディフェンスに対してしっかりとためて突っ込むということができていたのですが、試合で出せなかったということは反省点です。アタックラインが浅くなってしまいました。

――キックでギャップを突かれる場面が目立ちました。バックスリーの連携という点ではどうでしたか

コミュニケーションが取れていませんでした。

――ハンドリングエラーが散見されました

パスを放る人間とパスを受ける人間との意志疎通ができていませんでした。

――次戦に向けた意気込みをお願いします

この試合でやれたこと、できなかったことが見えてきたので、できていることはそのまま続けて、できなかったことを残り少ない時間でしっかりと修正して臨みたいです。