軟式庭球部

2017.08.08

全日本大学対抗選手権 8月6日 石川・能都健民テニスコート

溢れる悔しさ、大きなカベの3連覇達成ならず

 「悔しい」、「申し訳ない」。選手たちは揃って何度も何度もそう繰り返した。ワセダの『真価』を見せて日本一の景色を臨むことだけを目標として、1年間懸命に鍛錬を積んできた女子部。今期幾度となく苦しめられてきた日体大と準決勝で対戦し、追い詰められて勝負は三次戦にまでもつれ込む。下級生ペアの奮闘むなしく、ワセダ女子部史上初の全日本大学対抗選手権(インカレ)3連覇への夢ははかなく散った。

 準々決勝では明大を圧倒しベスト4入りを果たした。2面展開で幕を開けた準決勝の相手は日体大。ことし団体戦で唯一黒星をつけられた強敵だ。「絶対に負けたくない」。そう強く気持ちを持って登場した小山舞(スポ2=和歌山信愛)・上原由佳(社3=群馬・高崎健康福祉大高崎)組。きのうの思い切ったプレーはきょうも健在だった。インカレ前哨戦の東日本学生大学対抗選手権では敗れ、その後早大を三次戦まで追い詰めたダブル後衛、井田・橋本組を1で抑え先勝をあげた。隣コートでは木村理沙(スポ4=徳島・脇町)・平久保安純(社4=和歌山信愛)組も躍動。果敢に前に詰めて、スマッシュやボレーで攻撃的な並行陣を披露し、テンポ良く3-0に。勝利は目前だった。しかし、海風に煽られたのかサイドアウトが目立つように。些細なミスが積み重なり、いつの間にか勝負はファイナルにまでもつれ込んでいた。1度波に乗せてしまった相手の勢いは止められず、逆転負けを喫した。「自分たちが負ける時は、チームが負ける時」と試合前に口を揃えた杉脇麻侑子女子主将(スポ4=東京・文化学園大杉並)・佐々木聖花(スポ4=東京・文化学園大杉並)組。ここで踏ん張り、大将、そして4年生として意地を見せたい。表情はやや固かったが、「楽しんで」というチームからの声にしっかりと頷いた。序盤から相手のミスにも助けられ、一気に3-1とする。しかし向かってくる日体大の勢いに一瞬の隙を突かれ、後手に回ってしまう。次ゲームを1ポイントしか取れずに落とし3-2とすると、そこからは相手の猛攻になす術なく敗れ、杉脇は強く唇を噛んだ。

今大会通して大きく成長を遂げた小山

  3連覇という夢に挑戦するための切符は、唯一の下級生ペアの小山・上原組に託された。「大丈夫できるできる!」、「みんながいるよ」、「思い切ってやるぞ」。レギュラーの4年生2ペアを含めたチーム全員からの声援を背に受けてコートに入った。春に課題となった精神面での脆さなどもはや微塵も感じさせない頼もしい背中だった。二次戦では、小山が思い切りラケットを振り切って力強いシュートボールを深く打ち込み、上原が浮いた球を仕留める。4年生を勝たせたい。2-3と追い込まれたが、2人はサーブから強気に攻めた。サービスエースで主導権を握り、ファイナルへと持ち込む。「簡単には負けないペアが私たちの理想」という試合前の言葉通り、粘りを見せた。ファイナルは相手に2ポイントしか与えず、三次戦へと望みをつないだ。三次戦では小山が相手後衛のライバル、笠井と激しいラリーを展開。前日の試合終了時の「あしたは死ぬ気で戦う」という言葉通り、一球一球打点を落とさずに気持ちを乗せて打ち込む。しかし、なかなか上原が得点に絡めず1-2とリードされる。絶対に取らなくてはならない第4ゲーム目だったが、真夏の暑さや連戦で酷使した小山の足には相当な疲れがあった。依然として強気に攻め込むも、その隙をついて相手も小山を左右に振ってくる。ジュースをものにできず1-3とされ、続く第5ゲームも3ポイントを連取される。相手が勝利に王手をかけた。全員が祈るように二人の姿を見守る。相手のセカンドサーブから、じりじりとラリーが続く。笠井が思い切って仕掛けた力強いシュートボールはミドルへ突き刺さる。時が一瞬止まったかのように、一拍あけて日体大のベンチが歓喜の声を上げた。連覇の系譜が途絶えた瞬間だった。

誰よりも深く長く、応援席へ頭を下げる杉脇と木村日奈主務(社4=群馬・高崎健康福祉大高崎)

 

  流したかった涙ではない、大粒の悔し涙を選手たちは目に浮かべていた。3連覇というカベは大きく目の前に立ちふさがった。「後輩にあのポジションは荷が重すぎた」(杉脇)、「今までの団体戦も苦しい場面で勝ちきってこれたけれど、(インカレでは)プレッシャーに勝てなかった」(平久保)、「4年生が後輩を引っ張ることができなかった」(木村)、「後輩たちに申し訳ない」(佐々木)。レギュラーの4年生たちは不完全燃焼に終わったからこそ、脳裏に強い悔しさが焼き付き離れない。この借りは必ず個人戦で返す。団体戦優勝こそ逃したが、個人戦で上位をワセダが独占することで、再びワセダの強さを証明してみせる。まだ、女子部の夏は終わっていない。

(記事、写真 吉澤奈生)

※3ペア出場の殲滅(せんめつ)戦形式で、第3試合までが一次戦、第4試合は二次戦、第5試合を三次戦と呼ぶ。

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【連載】 インカレ直前対談『CHALLENGER』(7/31)

結果

3位
▽準々決勝
〇早大 3-0 明大
〇小山・上原 4-2 宮下・鈴木
〇木村理・平久保 4-1 齋藤・上田
○杉脇・佐々木 4-1 望月・小谷
▽準決勝一次戦
●早大 2-3 日体大
〇小山・上原 4-2 井田・橋本
●木村理・平久保 3-4(F3-7) 坂井・北野
●杉脇・佐々木 4-1 望月・小谷
▽準決勝二次戦
〇小山・上原 4-3(F7-2) 坂井・北野
▽準決勝三次戦
●小山・上原 1-4 笠井・尾上

コメント

杉脇麻侑子(スポ4=東京・文化学園大杉並)

――今の率直なお気持ちは

4年生が2ペア出ていて、お互いにリードしながらも勝ちきれなかったことが今回の敗因だと本当に思います。4年生たちが東インカレからずっと小山上原には負担をかけてしまっていて、4年生が踏ん張って勝てたという試合は今までそこまでありませんでした。4年生がチームを勝たせることができなかったというのが今後悔していることです。リードしていた時に勝てると慢心していた訳ではもちろんありませんでした、でも相手の方がそこからの気持ちが強かったのかなと。ふとした時に相手の応援がすごく目について、受けてしまったのかなと思います。

――日体大のご自身の試合内容について振り返っていかがですか

リードはしていたのですが、自分が何かをしてリードした訳ではありませんでした。相手の(前衛がポーチに)出よう出ようとしているのが分かったのに、思い切ってサイドに打つことができませんでした。いつもの白子でやる時はもっと視野が広くて、コートが良く見えていたのですが、きょうは自分でも見えていないなと思って試合に入ってしまいました。その結果としてただ相手に返すだけになってしまい、実質2対1になってしまっていたのかなと思います。

――小山・上原組の試合はどのような気持ちでご覧になっていましたか

とにかく応援で勝たせようという気持ちでした。でもやはりその二人が二次戦で坂井・北野組とやっていて、その後にもまだ一本相手には残っている状態の時に、後輩にあのポジションは荷が重すぎると感じました。それでも二人は最後までファイナルになっても諦めなかったのて、1番かっこよかったと思います。最初から2面展開ではなく1面だったら、気持ちがふわふわしたまま試合に入ってしまったので、まだ分からなかったと思うこともあります。普段の三番勝負だったらきょうより気合が入って臨めたと思うのですが・・・気合が入りづらかったです。

――チームには試合後どのような言葉を言いましたか

応援してくれたみんなに、あとは下級生に、「自分たちを含めレギュラーには4年生が多く、チームとしても多くの割合を占めているのにも関わらず、下級生を勝たせてあげられなかったことが本当に悔しい」ということを伝えました。あとは「連覇は途絶えさせてしまったけれど、これからもずっと応援しているので、早関戦までは一緒に頑張っていこう」ということです。

――団体戦は終わってしまいましたが個人戦はどのように戦っていきたいですか

個人戦は3日間という長い期間ですし試合数も多いので、先のことは考えずに団体でのきょうの気持ちを思い出して初戦から絶対に勝つという気持ちでやっていきたいです。

佐々木聖花(スポ4=東京・文化学園大杉並)

――今の率直なお気持ちを教えてください

大将として、4年生として、最後リードしていたのに2ペアとも勝ちきれなくて。後輩にも申し訳ないし、応援してくれたみんなにも申し訳ないくて、こんなにも協力してくれる人たちがたくさんいるのに恩返しが出来なくて本当に悔しいです。

――試合内容、途中から苦しい場面が続きました

最初は相手が打てなかったんですけど、途中から相手に打ち切られてしまって自分から攻めることができませんでした。木村・平久保が負けていたのは分かっていたので自分たちがしっかり勝たなければいけないというのは分かっていたんですけど、最後までうまくいかずに終わってしまったので本当に悔しい気持ちでいっぱいです。

――小山・上原組が最後までコートで戦っていました。後輩の姿はどのように映りましたか

下級生から毎年メッセージをもらえるんですけど、上原がそこで「今まで先輩を勝たせてきた聖花さんは本当に強いと思ってる。今度は自分たちが4年生を勝たせます」って書いてくれました。本当は自分がみんなを引っ張らなくてはいけないのに、逆に引っ張ってくれて最後まで戦ってくれてありがとうって言いたいです。

――明日からも最後のインカレは個人戦として続きます。どう終えたいですか

この悔しさを糧にして19人全員で勝ちに行って、個人戦を独占できるよう頑張ります。

平久保安純(社4=和歌山信愛)

――団体戦お疲れさまでした。今の率直なお気持ちを教えてください

あまり調子悪くはなくて、結構自分に自信を持って試合をしていたんですけど、最後3ー0リードから油断してしまったのがすごくもったいなかったです。後輩の頑張りを見て悔しいというか、自分たちが頼りなかったなというのをすごく感じていて、この負けを生かして3年生以下には頑張って欲しいと思います。

――3ー0リードから取りきれなかった理由はありますか

3ー0までは自分たちから強気に攻めていけたんですけど、リードしてからは甘くなってしまって簡単な自分たちからのミスが多くなってしまったので本当にツメが甘かったと思います。

――2次戦を小山・上原が勝利しました。後輩の姿はいかがでしたか

大会前から本当に4年生のために頑張るってすごく伝えてくれていました。でも、4年生が負けてしまったのでたとえ勝っても負けても思い切りよく戦ってくれればいいと思って応援していました。本当によく頑張ってくれたなと思います。

――あすの個人戦も平久保選手にとっては最後のインカレ個人戦となります

もう団体戦負けてしまったので、受けるものは何も無いと思います。どんな相手でも向かっていって、ワセダで上位を占めたいです。

――最後に、最終学年としての団体戦を終えての感想をお願いします

そうですね、今までの団体戦も苦しい場面で勝ち切ってこれたんですけど、やっぱりプレッシャーに勝てなかったというか。今までも日本一を取ってきたけど、まだまだ弱い部分があって、ずっとそこを思い切れないというか、まだまだ足りない部分はあったんですけどそれなりに勝ってきた分甘いところがあったなと痛感しました。

木村理沙(スポ4=徳島・脇町)

――団体戦お疲れさまでした。今の率直なお気持ちを教えてください

やっぱり悔しいという思いがあって。2年3年の小山・上原があんなに頑張ってプレーしてくれたのに、自分たち4年生がチームの勝利に貢献できなかったというのが、4年生が勝ってしっかり後輩を引っ張っていくということをできなかったのがすごく悔しいです。

――3ー0リードから取りきれなかった理由はありますか

3ー0までは本当に自分たちのリズムが良かったんですけど、その後からは何気ない普通のミスが命取りになっていったかなと思っていて。その積み重ねでどんどん追いつかれる展開になってしまったかなと思います。

――小山・上原組の姿はいかがでしたか

小山もガンガンラケット振ってくれましたし、自分たちも負けてしまって後がない状況の中であれだけ二人で頑張ってくれたので。自分たちもすぐ応援に戻ってコートの後ろから声援を送ろうと考えていました。いや、本当に小山・上原に申し訳ない気持ちです。

――あすからは個人戦としてインカレは続きます。どのように終えたいですか

今は負けて悔しい気持ちでいっぱいなんですけど、まだ明日からもインカレは残っているので。切り替えるのはなかなか難しいかもしれないんですけど、やっぱりコートで負けたので次はコートで勝ってこの悔しさの借りを返したいです。

上原由佳(社3=群馬・高崎健康福祉大高崎)

――今の率直なお気持ちは

4年生の最後の夏を自分たちが終わらせてしまって・・・そうですね、自分が終わらせてしまったと思います。悔しいのもあるんですけどそれよりは申し訳ないという気持ちです。今振り返ったらもっとやれたなと思いますし、もっと何か他にも出来ることがあったんじゃないかなと思います。応援してくれている人から見て自分たちが代表として出ていることに対して納得出来ていたのかなと考えると首を傾げてしまう部分があるので、後悔が残ります。

――日体大の二次戦、三次戦を振り返っていかがですか

二次戦も三次戦でも後ろから保護者の方、OGの方から本当にたくさんの声援をいただきました。先輩たちも「みんなが後ろについているから楽しんでいこう」と自信を持たせてくれたのでそれは自分にとって大きな力になりましたし、そうやって応援してくれた人がいたからここまでやることができました。

――プレーに関して振り返っていかがでしたか

最後自分たちが終わらせてしまい、4年生がその前に負けてしまってはいたのですか、やはり学年は関係ないと思うので、自分たちが負けて終わらせてしまって4年生としても悔いが残ったんじゃないかなと思います。終わった後の雰囲気とかも見ていて、先輩たちはもちろん悔しがっているけれど、自分たちには「お疲れ様」という言葉をかけてくれるから・・・負けきれなかったのかなと思います。悔しさが残ります。

――一緒に今期戦ってきた2ペアに対してどのような気持ちがありますか

その2ペアと一緒に1年間戦わせてもらって、本当にきょうは最後でした。結果としては負けてしまってはいたのですが、一緒に戦って得るものはすごく大きかったです。どんな時も背中で見せてくれて、自分たちも1番として後ろに安心間を持ってできました。精神的に支えられることがたくさんありましたし、本当に感謝しています。

――団体戦は終わってしまいましたが個人戦はどのように戦っていきたいですか

個人戦は団体戦で勝てなかった分、みんなも頑張ってくれるとも思うので、ワセダに当たるまではしっかり自分たちも頑張ります。今日はたくさん応援してもらったので、他のチームに勝てるように、チームワセダとして上位を占められるようきちんと応援もしたいです。後は自分たちはまだ来年もあるので、このまま相手にナメられたままでは終われません。しっかり結果を出して次のシーズンに向かえたらと思います。

小山舞(スポ2=和歌山信愛)

――今の率直なお気持ちは

とにかく、本当に悔しいです。それだけです。

――ライバルと対戦する場面もありました、試合内容振り返っていかがですか

団体日本一の喜びを知っている分、今回の負けがすごく悔しいです。ライバルである日体大の笠井に負けてしまい、気持ちでは押していったつもりなのですが・・・仕留め切れなかったのだと思います。

――最初から気持ちが入っている印象を受けました

4年生を勝たせてあげたいという気持ちがあったので、絶対に負けないという気持ちがプレーに表れたのだと思います。でも・・・とにかく日本一の景色を見せてあげたかったです。

――日体大戦で二次戦、三次戦に入る前のお気持ちは

最後の夏なのでとにかく先輩を勝たせてあげたいという気持ちで、負けることなど一切考えずに試合に入りました。前だけ見て思い切ってやりました。

――レギュラー他の2ペアに対してはどのようなお気持ちがありますか

本当にワセダは日本一のチームです。ありがとうございます。

――団体戦は終わってしまいましたが個人戦はどのように戦っていきたいですか

この悔しさをバネにしてワセダが上位独占できるように頑張りたいです。