ソフトボール部

2017.08.06

第32回東日本大学選手権 8月5日 福島・郡山市西部スポーツ広場

耐えてつかんだビッグイニング。11得点快勝で初戦突破

2回戦
日大工学部      
早 大 10X       11
(4回コールド)
○杖子-山本
◇(二塁打)吉田 ◇(三塁打)石井

 昨秋、現体制として初の公式戦を迎えてから約10カ月。始動以降、常に目標として見据えてきた夏がついにやってきた。東日本大学選手権(東日本)の初戦として、早大は日大工学部と対戦。初回に1点ずつを取り合い、1-1の同点で迎えた4回に打線が爆発した。萩野谷知大(人4=茨城・水戸一)の適時打でリードを奪うと、その後も攻勢を弱めることなく、打者12人の猛攻で10得点。あす以降に向けて弾みもつける大勝で、3回戦へ駒を進めた。

 思い描いたような立ち上がりではなかった。後攻の早大は1回表、先発の杖子量哉(スポ3=岡山・新見)が、先頭打者にフルカウントから投じた6球目を捉えられ、ライナー性の打球で一・二塁間を破られた。これでいきなり走者を背負うと、盗塁で走者を進められた後、同じような軌道の打球を再び右前へ運ばれた。返球も逸れ、あっさりと1点を失ってしまう。それでも気落ちすることはなく、その裏の攻撃で塩沼泰成主将(スポ4=福島・安積)の適時打ですぐさま同点とする。「取られた後にしっかり追いつけたというのはすごい大きかった」(塩沼)。これでイーブンな流れとなった試合は、こう着状態が続くことになる。「もっと丁寧に投げようと思ったら、結果的にきれいに抑えられた」と、2回以降の杖子は一度も走者を出さない完璧な投球。しかし、相手先発・菅野和輝(3年)を前に、打線がなかなか活路を見出せない。それでも、焦れずに相手の隙を待った早大に、好機は転がり込んできた。

2番でスタメン出場した石井。先制のホームを踏み、4回には適時三塁打を放つ活躍を見せた

 4回裏、先頭の塩沼が放った緩い当たりの打球に対して、相手遊撃手が待って処理。これで内野安打となり出塁に成功すると、続く鳥岡健(スポ3=岡山・高梁)、代打・坂本大樹(法4=愛知・名古屋)はそれぞれ見極めて四球を選び、無死満塁の好機をつくる。代打攻勢に出る中で、続いて打席に送られたのは萩野谷。「技術というよりは気持ちでなんとか持っていこうと打席に入った」。声を上げて構えた直後、初球を迷わず振り抜くと、二遊間を転がった打球はそのまま外野へと抜けていった。勢いづいた早大は、その後も制球を乱す相手投手に対し、確実に走者をためながら畳み掛ける。1死満塁から石井智尋(スポ1=千葉敬愛)が走者一掃の三塁打、1死二、三塁から塩沼が適時右前打をそれぞれ放って点差を広げると、最後は代打・吉田尚央(人4=長崎・佐世保西)が相手左翼手の頭上を超える適時二塁打を見舞って勝負あり。この瞬間、4回10点差の規定を満たし、コールド勝ちを収めた。

最後は吉田の長打で勝負を決めた

 「チームが一体となって戦っていかないと勝てない」(塩沼)と再徹底して臨む今大会。その初戦は、チーム・スピリットの片鱗を示した試合だったといえるだろう。焦れてしまいそうな展開にも耐え、そうしてつかんだ好機を生かし、すかさず畳み掛けた。あすは3回戦で仙台大と対戦。勝ち進めば、続けて行われる準決勝で、このチームの前に幾度となく立ちはだかってきた国士舘大との再戦の可能性がある。このチームの集大成の場と位置づける全日本大学選手権(インカレ)も含め、「国士舘に勝たないと上には行けない」(塩沼)と選手たちも意識する因縁の相手。より結果を追求する姿勢を色濃くした夏の早大は、今までとの違いを結果で示すことはできるか。

★雰囲気からも相手に圧を。『紺碧隊』も始動!

「(4回裏は)ベンチの雰囲気も継続できた」と塩沼主将も雰囲気づくりに手応えを示した

 チームの盛り上げ役『紺碧隊』が、例年同様に今大会から活動を開始。伝統を踏襲して7月中旬に結成され、ことしは井口聡(法2=東京・早大学院)が中心となってグラウンドに声を届ける。この日も、試合開始直後からチームを鼓舞。攻撃時の応援歌に乗せた声出しは、チームに一体感を生み出し、ベンチからも流れを早大に呼び込んだ。雰囲気が良い時はもちろん、少し気落ちしてしまうような時でも、「盛り上がりを止めないように」(井口)と意識を高め、声を出し続ける『紺碧隊』の存在は、試合を優位に進める要因にもなりうる。厳しい試合が増えることが予想される勝負の夏において、頼もしい要素の一つとなる。

(記事 守屋郁宏、写真 三浦遥)

コメント

塩沼泰成主将(スポ4=福島・安積)

――この夏を目標にやってこられていたと思います。改めてこの大会の位置付けを教えてください

もうインカレの前はこの大会が最後になるので、内容というよりは結果が求められると思うので、しっかり負けないように、一人一人が結果を出して、というようにやっていくことが大事だと思うので、そこ(結果)を重視して頑張っていきたいなという思いがあります。

――春からだいぶメンバーも変わっていますが、チーム内の競争についてはどうですか

5月に全日本総合の東京都予選が終わってから、1年生も含めて競争していこうということで、やってきた結果がこういう選手の起用であったり、みんなが出場できる状況になってきているのかなというのはあると思うので、そこは良いと思います。

――この大会を迎えるチームの雰囲気はいかがでしたか

この東日本もインカレも含めて、チームが一体となって戦っていかないと勝てないというのはみんなもわかっていると思いますし、そこはもう一回僕の方からも再確認したので、一体感が良い雰囲気につながったかなと思います。

――初回の守備で相手に先に点を取られて、その後すぐに追い付きました。塩沼選手の適時打もありましたが、序盤はいかがでしたか

1点取られたっていうのはちょっと予想外だったとみんなも思っているところだったと思うんですけど、あそこでしっかりチャンスをつくって、僕まで回してくれたので、なんとか1本打ちたいなという思いがあって、そんなに当たりは良くなかったですけど、結果としてはヒットになって、取られた後にしっかり追いつけたというのはすごい大きかったかなと思います。

――その後はなかなか点が入らず、焦れてしまうような展開だったと思いますが

守備に関しては杖子もだいぶ落ち着いて2回以降投げてくれたと思うんで、その面に関しては点を取られる心配はしていなかったので、あとはバッティングでどうやって点を取るかというのが大事だなとすごく感じていました。初戦ということもあって、みんなも若干気負ったり緊張したりというのがあって、思ったように結果が出ない人も多かったと思うんですけど、そんなに負けそうだなという心配はなかったです。

――普段通りにやれば大丈夫だなという感覚だったということですか

そうですね。

――そんな中で4回裏に一気に勝負を決めましたね

僕から始まって、なんとか塁に出ることができて、そこから相手のデッドボールとかフォアボールにつけこんで、ランナーを溜めた状態で簡単にアウトにならず点数を重ねられたというのがビッグイニングにつながったと思うので、その中でベンチの雰囲気も継続して、いい状態を保ってできたと思います。ああいうイニングを最初からつくれれば、もっと優位に試合を進めることができると思いますけど、あすに向けていい流れができたのかなと思います。

――少し触れていただきましたが、あすに向けて

まずは3回戦の長岡大学か仙台大学というところですけど(※仙台大に決定)、きょうも結局コールドで勝つことはできたんですけど、(あすは)初回からいい流れで試合を進めていけたら良いと思います。(そこで勝てれば)その次は恐らく国士舘と準決勝で当たることになると思うんですけど、そこが大きな山だと思うので、そこに向けてここまで練習してきたともいえるので、そこで自分たちのやりたいことであるとか、やりたいことを表現して、結果につなげられたらなと思います。

――やはり国士舘大は意識しますか

そうですね。インカレ(全日本大学選手権)の組み合わせも出ていて、2回戦に進めば国士舘(と当たるかもしれない)というのが決まって、国士舘に勝たないと上には行けないというのは、もう僕らみんなもわかっていることだと思うので、この東日本でどうやって国士舘に勝つかというのが重要になってくるということは、みんなが思っているところだと思います。

萩野谷知大(人4=茨城・水戸一)

――出場機会が来るまで、どのように戦況を見つめていましたか

東日本で自分たちがやりたい戦い方というものが、初回からあの回まではできていなかったと思うので、その中で僕としては、今までやってきた通りに、ゴロで間を抜いたり、相手のエラーを誘ったりという打球を打てたらという風に思ってベンチの中にいました。

――同点で無死満塁という良い場面で出番が来ましたね

そうですね。1対1でずっと均衡していたので、ここで僕が打破できたらという気持ちが強くて、打席に行く前にもピッチャーの杖子(量哉、スポ3=岡山・新見)に「お願いします」みたいなことを言われて。後輩が頑張っていたので、それでいっそう気持ちも高まって、強い気持ちで行こうという風に思いました。

――打席に入られて構えようという時に声も出されていましたね

(今までも)国士舘だったり日体だったり、強い相手とやる時に1番バッターとして(打席に入る時も)声を出して気合いを入れていたんですけど、ここはそういう場面ではなかったですけど、自分としてはチームを勢いづかせたいという気持ちも込めて、技術というよりは気持ちでなんとか持っていこうというつもりで声を出して、打席に入りました。

――初球を振り抜いた結果、適時打となりましたね

当たり自体はそんなに良くはなかったですけど、自分自身がずっと1年間、去年の金子さん(金子祐也氏、平29スポ卒)の代の時から続けてきたプレースタイルというのがしっかりとチャンスの場面で出せたので、いい状態に上がってきていると思っています。

――良い雰囲気があると思うんですけど、あすに向けていかがですか

あすは2試合やると思いますけど、その中で国士舘というところで、この前も練習試合で負けて、ことしの代に入ってから1勝しかしていない相手なので、基本的に(ここまで)やってきた技術的なことっていうのをしっかりやることはもちろんですけど、とにかく相手以上に強い気持ちで臨んで、相手を圧倒できるくらいの気迫で向かっていきたいと思っています。

杖子量哉(スポ3=岡山・新見)

――きょうの試合を振り返って

先発を任されている中で、初回で先頭にヒットを打たれて点を取られたというところは深く反省しなければいけないなと思います。

――初回の失点について。初戦なので硬くなっていた、などでしょうか

いえ、硬くはなってないです。言い訳になっちゃうんですけど、新球と汗と、あとロジンが入っていなかったので、もっと対応すれば良かったかなと。

――2回以降は調子を取り戻されたように見えました

ボールにも慣れたというのもあるし、初回が悪かったので、もっと丁寧に投げようと思ったら、結果的にきれいに抑えられたので良かったです。

――前回の取材で、「夏に向けて新しい変化球を覚えたい」とおっしゃっていましたが、調子はいかがでしょうか

正直、微妙ですけど…。その時「低めに伸びるライズを投げたい」という話をして、その練習に取り組んだ結果、低めにはそれなりに投げられるようになりました。それにプラスで、胸元からバッターを釣るようなボールがレベルアップしたかなと自分の中では思います。

――他に意識して練習されていたことは

とりあえず、フォームをもっと安定させること。あと、アウトコースへのコントロールを意識して練習してきたのですが、まだ右バッターのアウトコースにあまり投げられなくて、(インカレまで)あと3週間ほどあるのでそこで修正していきたいと思っています。

――あす、順調に勝ち上がれば同じリーグである国士舘大との対戦となる可能性があります

絶対に勝ちたいです。インカレでも国士舘大と2回戦で当たるということは分かっているので。ここまで(国士舘大には)負け越しているので、この東日本とインカレで勝てれば全てチャラになると思っています。

――改めて、あす以降の試合への意気込みをお願いします

任せられた試合は完全に抑えられるようにして、チームを優勝に導けるようにしたいです。

井口聡(法2=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返って

きょうは最初の方、あまり流れが良くなかったので盛り上げようとはしていたのですが、あまりいい感じではなくて。けど4回に爆発して、っていう感じで。自分としては反省点も結構多かったのですが、4回のような攻撃ができたのはいいなと思いました。

――紺碧隊はいつごろ結成されたのですか

7月の第2週あたりに(愛知への)トヨタ遠征があって、そこで結成されました。

――いろいろな応援歌がありますが、選手によって変えているのですか

選手によって、というか場面によって変えています。

――紺碧隊として意識されていることは

盛り上がりを止めないようにすることと、相手のピッチャーがセットポジションに入ったら声を止めなければならないので、そこを工夫して応援を短くしたりしています。

――きょうの4回の攻撃も、紺碧隊によっていい雰囲気をつくれていたと思います

そうですね。確かに4回は自分でもむらなくいけて、いい雰囲気がつくれていたと思っています。

――あすの試合への意気込みをお願いします

あしたは2試合あって、1試合目が長岡大と仙台大の勝者(※仙台大に決定)で、2試合目は恐らく国士舘大だと思います。1試合目も2試合目も全部勝つつもりで、初回から先制できるように盛り上げていきたいと思います。