ア式蹴球部

2017.08.03

第23回関東女子リーグ戦 7月30日 早大東伏見グラウンド

大一番で見せた勝負強さ、9連覇達成に望みをつなぐ

 関東女子リーグ戦(関東リーグ)も後期第6節。9連覇を目指すア式蹴球部女子(ア女)は窮地に立たされていた。前節でア女から首位の座を奪ったジェフ市原・千葉レディースU−18(ジェフ)との直接対決。この試合に負ければア女の優勝はなくなる、まさに背水の陣。観客が固唾を飲んで見守る中、試合は開始早々からジェフペースで進む。しかし、前半16分にCKからMF大井美波(社3=大阪・大商学園)のヘディングで先制、そして43分にはMF中村みづき副将(スポ4=浦和レッズレディース)のロングシュートでさらに突き放すことに成功し、後半にもFW河野朱里(スポ3=静岡・藤枝順心)のゴールが決まって、勝利を決定づける。試合終了間際に失点を許したものの3-1で勝利。プレッシャーのかかる天王山で女王の力を見せつけ、首位へ返り咲いた。

 負ければ相手の優勝が決定するという大一番となってしまった今節。ついに9連覇を掛けた運命の90分間がスタートした。「いつも以上に緊張感があった」(河野)。気合十分で臨んだア女だったが、いきなりのジェフの猛攻に遭う。ア女のディフェンスラインの裏を狙ったパスの処理に手を焼き、CKを立て続けに3本与えてしまう。なんとかしのいだものの、11分、DF陣が次々に振り切られ相手は完全にフリーでシュート。しかしこれは守護神・GK木付優衣(スポ3=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)のファインセーブで事なきを得た。すると、最終ラインの奮闘ぶりに攻撃陣が応える。14分、DF三浦紗津紀(スポ3=浦和レッズレディースユース)からのロングパスにDF冨田実侑(スポ1=岡山・作陽)が飛び出しゴールに迫ると、直後の16分には中村のパスを受けた平國が果敢にドリブルを仕掛け、CKを獲得。これが待望の先制点を生んだ。キッカー・MF柳澤紗希(スポ3=浦和レッズレディースユース)のボールに大井が完璧に頭で合わせてゴール。「何よりも先制点が取れたことが良かった」(MF松原有紗主将、スポ4=大阪・大商学園)。相手のペースに飲まれかけていたチームを救う、とても大きな意味を持つ1点だった。息を吹き返したア女は反撃を開始。ハイプレスをかけて高い位置でボールを奪うと、素早い攻守の切り替えであっという間に相手ゴールに迫る。DF中田有紀(スポ2=兵庫・日ノ本学園)と冨田の両サイドからの仕掛けも目立った。30分、MF平國瑞希(スポ4=宮城・常盤木学園)のクロスに合わせた河野のシュートはGK正面。そしてその直後、中村のボールに頭で合わせた大井のシュートもクロスバーに阻まれるなど惜しい場面が続いた。そして迎えた43分、「こぼれがくると思っていた」という中村の狙い通りのロングシュートが鮮やかに決まり、2点のリードで前半を折り返した。

貴重な先制点をあげた大井

 後半も開始からジェフに攻め込まれる。しかし、木付やDF陣が体を張って守った。そして68分、ショートカウンターで一気に抜け出した中村が河野にパス。プレッシャーのかかる相手GKとの1対1だったが、しっかり決めてチームの勝利を大きく手繰り寄せた。ところがここからは相手に主導権を握られてしまう。終了間際になってもスピードが落ちないジェフに対して振り切られてしまうア女。再三のピンチを迎えた。木付のファインセーブや全員の粘り強い守備でなんとかしのいでいたが、ついに89分。完全に崩されて失点を許してしまった。しかし、試合は3-1で見事勝利。9連覇への可能性を自らの手で守りきった。

9連覇達成なるか

 どちらのチームにも優勝がかかった大事な一戦だったが、相手ペースで試合が進みそうになったところで、少ないチャンスを確実に決めたア女に軍配が上がった。今季クラブチーム相手に得点を量産できていなかったが、この大一番で結果3得点をあげた。女王の真価が発揮された試合だったのではないだろうか。しかし「最後の試合の締め方がまだ甘い」(河野)。3点目が決まってからは相手に押されてしまっていたのも受け止めなくてはならない事実。「90分通して主導権を握り続けることができるサッカーをしたい」(中村)。ア女には関東大学女子リーグ戦(関カレ)や、皇后杯全日本女子選手権(皇后杯)などこれからも厳しい戦いが待っている。昨季見た頂からの景色をもう一度見るために。進化を続けるエンジの戦士たちの活躍に期待だ。

(記事 篠原希沙、写真 栗村智弘・梶井夏葉)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

スターティングメンバー

関東女子リーグ戦 後期第6節
早大 2-0
1-1
ジェフ市原・千葉レディースU−18
【早大 得点者】16大井/43中村/68河野
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 木付優衣 スポ3 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
DF 15 中田有紀 スポ2 兵庫・日ノ本学園
DF 三浦紗津紀 スポ3 浦和レッズレディースユース
DF 奥川千沙 スポ4 静岡・藤枝順心
DF 29 冨田 実侑 スポ1 岡山・作陽
MF ◎5 松原有紗 スポ4 大阪・大商学園
MF 柳澤 紗希 スポ3 浦和レッズレディースユース
MF →68分 村上真帆 スポ1 東京・十文字
MF 平國瑞希 スポ4 宮城・常盤木学園
MF 10 中村みづき スポ4 浦和レッズレディース
MF 17 大井美波 社3 大阪・大商学園
MF →75分 熊谷汐華 スポ3 東京・十文字
FW 河野朱里 スポ3 静岡・藤枝順心
◎はゲームキャプテン
監督:福島廣樹(昭45教卒=東京・独協)
コメント

MF松原有紗主将(スポ4=大阪・大商学園)

――きょうの結果について

勝たないと優勝がなくなるという中で、勝つことができたというのは本当に良かったと思いますが、試合内容はまだまだ改善していかないといけない部分がたくさんあると思います。

――試合全体を振り返って

立ち上がりは相手に結構押されて、CKも3本くらい連続でとられたりしてしまって。でも集中してしっかり守れていたのでそこは良かったと思います。何よりも先制点を取れて、前半を2-0で折り返すことができたというのが良かったかと。後半スムーズに入ることができた要因だと思います。ただ、後半3点目も決めたあとは相手のペースに戻ってしまいましたし、失点もしたように結構いいかたちで崩されてしまったので、そこはもっと最後まで集中していかないといけないなと思いました。

――危ない場面を何度もしのいだ守備に関して

3失点くらいしてもおかしくなかったんですけど、木付(GK木付優衣、スポ3=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)とかDFの4人が体張ってくれていて、すごく救われたと思います。自分もボランチで低い位置にいるのでもっと関われたら良かったかなと思います。

――一方の攻撃陣については

1点目のCKからの得点で波に乗れたと思いますし、2点目のなかみ(MF中村みづき副将、スポ4=浦和レッズレディース)の素晴らしいロングシュートが決まって(笑)。3点目も朱里(FW河野朱里、スポ3=静岡・藤枝順心)がしっかり押し込んでくれましたし。きょうもいろんな人が得点できて良かったとは思うんですけど、もっとシュートを打てたり、崩せた場面もあったと思うので、まだ改善するべきことはあるなと思います。

――今後に向けて意気込みをお願いします

きょうなんとか自力優勝の可能性を残したので、最終節もしっかり勝って9連覇という結果を残したいです。あとはこれから関東大学女子リーグ(関カレ)や皇后杯全日本女子選手権関東予選(皇后杯予選)なども入ってきますが、それもしっかり自分たちのサッカーをできるようにがんばっていきたいなと思います。

MF中村みづき副将(スポ4=浦和レッズレディース)

――感想をお願いします

負けてしまうと相手の優勝が決まるということで、絶対に負けられない、結果にこだわっていた試合で勝てたのでそこは良かったかなと思います。

――3-1という結果について

3点取れたということに関しては良かったと思うんですけど、後半はかなり攻められてしまって、しかも失点もしてしまったので、まだまだ守備の部分で課題があるなと思いました。

――試合全体を振り返って

前半のうちに点を決めたいというのはチームとしてあって、それができたのは良かったんですけど、主導権を握れていた時間と、握られていた時間があったかなと思います。特に最後の方とかはワンツーとかで相手にどんどん崩されてしまっていたので、そこは相手の上手さもあると思うんですけど自分たちの集中力が欠けていたというのがあると思います。90分しっかり戦おうという意識はあったと思うんですけど、それをかたちにできていなかったかなと思います。

――きょうの作戦は

攻撃に関してはサイドをうまく使って、守備では相手のキーマンとなる選手のところをうまく抑えて、パスコースを消して前からはめていこうというのは話していました。

――きょうのご自身のプレーについて

ボールロストが多かったり、パスミスがあったりしたのであんまり良くなかったです。

――得点シーンを振り返って

こぼれが来るかなと思って詰めていました。きょうは監督からシュートを打っていけと言われていたので、しっかり足を振っていいコースに打てたので良かったかなと思います。

――いまのチームの課題は

後半の最後の方で相手についていけなかったり、ワンツーで崩されてしまったりなどがあったので、90分通して主導権を握り続けることができるサッカーをしたいなと思います。

――今後に向けて意気込みをお願いします

関東リーグを優勝するために絶対に12月勝つというのと、それまでに大事な試合があると思うので、夏休みの練習に個人としてもチームとしても課題意識を持って取り組んでいけたらいいなと思います。

FW河野朱里(スポ3=静岡・藤枝順心)

――きょうの試合はいかがでしたか

きょうの試合は絶対に勝ちたかったので、結果的には良かったと思います。ただ、最後の試合の締め方がまだ甘いと思います。

――試合前のチームの雰囲気は

今シーズンに入って初めての負けたら終わりという試合だったので、いつも以上に緊張感はありましたし、監督やコーチからも色々プレッシャーはかけられました(笑)。いつもの試合よりみんな緊張していたと思います。

――その中で勝ち切れたことにはホッとしていますか

自分もホッとしていますけど、4年生が一番ホッとしてるんじゃないかと思います。

――立ち上がり15分ほどは押し込まれる時間帯になりました

相手にとっても優勝が懸かった試合だったので、前期よりも迫力がありました。なんとか木付が抑えてくれたり、DF陣が抑えてくれてたところがあったと思います。やっぱり前半の5分とか10分とかは、圧倒しなければいけない時間帯なので、もうちょっと自分たちができたら良かったと思います。

――前半、あの時間帯にセットプレーから先制できたことは大きかったのでは

そうですね。最近はセットプレーが強みになっていますし、あそこで美波(MF大井美波、社3=大阪・大商学園)が決め切ってくれて良かったです。

――ご自身の得点を振り返っていかがですが

ショートカウンターからの得点で、相手のディフェンスラインが揃ってないのが見えたので、タイミング良くみっちゃん(MF中村みづき副将、スポ4=浦和レッズレディース)に出してもらって、キーパーとの一対一は結構苦手なんですけど、なんとか押し込めました。1、2点目をチームメイトが決めてくれて、自分もこの試合で何か残さないといけないと思っていたので、3点目を取れて良かったです。

――今季これまでは、クラブユースとの試合で点を奪って勝ち切るということができていなかったと思います。きょうこそはという意識はありましたか

前期のメニーナ(△0-0)もそうでしたし、前節(対日テレメニーナ:●0-1)もそうでしたけど、やっぱりクラブユースから点が取れないという状況が続いていて。戦い方として引いたりされると、自分たちが崩し切れないというのがあって、自分が抜け出したりカベになったり、色々試合中に試してきた中で、結局は自分が点を取らなければいけないなと。特にきょうは優勝が懸かった試合でしたし、クラブユースとやるときの得点力不足もそうですけど、こういうプレッシャーの大きい試合で点を取るという意識を持ってやるようにしました。

――今後に向けて一言お願いします

きょうの試合もそうですけど、失点がきょねんやおととしに比べても多いので、得点力不足もそうですけど、失点っていうところを減らしていきたいです。連携ミスや切り替えの遅さが目立ちますし、これから関カレとか皇后杯も始まって、自分たちよりも格上の相手や普段戦わないチームともやることになる中で、相手の分析ができない分、自分たちのサッカーにこだわってやっていかなければいけないと思うので、これから改善していきたいです。

 

DF冨田実侑(スポ1=岡山・作陽)

――お疲れ様です。まずは試合を振り返って率直な感想をお願いします

課題が残る試合になりました。

――課題というのは

判断スピードが遅くて、苦し紛れのパスを出してしまったり、自分が思っているところにパスが出せなかったり、パスミスの部分が多かったなと思います。

――きょうの試合は優勝争いに関わる大きな試合だったと思うのですが、勝利をどのように受け止めていますか

素直に嬉しいです。

――きょうの一戦に向けて、チームとしてはどのように臨まれましたか

勝つことを目標にというか、勝つことが第一優先で、自分達のサッカーをしたら勝てるだろうと。

――相手の印象はいかがでしたか

(ワセダの)FWの選手が相手の選手にプレーをさせないようにしてくれていたのでそこは、いい流れにつながったかなと思います。

――冨田選手のプレーから攻撃のチャンスにつながった場面も多く見られましたね

あんまりそういう印象はないです、すみません(笑)。

――インターセプトから攻撃の起点になることは狙っていましたか

はい。ただ、インターセプト自体は狙ったらできるんですけど、インターセプトに行くか行かないかっていうのが、まだつかめていないので、そこをもっと、この時は行けるって、自信を持って、プレーできるようにしていかなきゃいけないなと思います。

――今後の試合に向けて、一言お願いします

試合に出させてもらったら、自分のできることをして、勝利に貢献できたらいいなと思います。