ヨット部

2017.07.12

早慶定期戦 7月8・9日 神奈川・葉山沖

猛追虚しく連覇を逃す

 海開きを迎えて賑わいをみせる町、神奈川県・逗子。葉山の沖では応援部が船上で『紺碧の空』を高らかに歌い上げ、ことしで77回を数えるセーラーたちの早慶定期戦(早慶戦)を盛り上げる。早大が連覇を懸け臨んだ伝統の一戦は、2日間を通して苦汁をなめる結果となった。「満足はもちろんいっていない」(永松)。主力である田中美紗樹(スポ2=大阪・関大第一)がギリシャ・テッサロニキで行われる470級世界選手権に出場するため不在という状況であるも、岡田奎樹主将(スポ4=佐賀・唐津西)は「シンプルに4番艇以降の実力が慶大より劣っている」と、部の力量不足を指摘。4連覇の懸かる全日本学生選手権(全日本インカレ)を11月に控え、大学日本一のセーラーたちが目の色を変えた。

 初日は8レース中5レースが行われた。第1レースで慶大に4点の差をつけられるも、第2レースではスナイプ級で永松礼(スポ4=大分・別府青山)・川上健太(創理4=東京・早大学院)組と松尾虎太郎(スポ1=山口・光)・坂上宗輝(政経4=東京・早大学院)組のワンツーフィニッシュが決まり、2点のリードを奪い返す。しかしその後の3レースでは470級が苦戦を強いられ、逆に大きく差をつけられてしまう。「はじめのプランニングはできていてもそれ以降のプランニングができていなかった」(岡田奎)。186-176と慶大に10点のリードを許して初日を終えた。

レースの合間に意見を交わす470級チーム

 2日目は出場メンバーを組み直し、早大が反撃に出る。「1日では実力は変わらないので、だったらもう少しよくなる方法はないかと」(岡田奎)、470級2番艇のクルーを交替。また、初日より風が弱まったことを受け、第6レースでは軽風クルーである須賀偉大(教4=大阪・高槻)、松岡嶺実(先理3=東京・国学院久我山)を両クラスにそれぞれ投入した。スナイプ級ではこの策が功を奏し、第6レースは1位から3位を独占して8点をリード。総合での差を6点に縮め、逆転勝利へ望みをつないだ。しかし、好調のスナイプ級とは裏腹に、470級は初日に引き続き2日目も順位が伸び悩む。奮戦するも残りの2レースでこれ以上の巻き返しをすることは叶わず、全てのレースが終了。293ー285で慶大に勝利を譲る形となった。1、2番艇はほぼ互角に渡り合ったものの、3、4番艇で慶大との実力差が浮き彫りとなった今年の早慶戦。不調に終わった470級、善戦したスナイプ級共に、チーム全体の底上げが夏に向けての課題となるだろう。

スナイプ級は慶大相手にも終始リードを保った

 関東学生個人選手権、早慶戦と3週にわたる連戦が一段落ついた。部を見つめ、最高学年である永松は「選手としてレギュラーメンバーを部員全員が目指していけるような環境作り」という目標を掲げる。これは強豪校に名を連ねる早大にとって、1つの挑戦だろう。他の追随を許さない精鋭たちの椅子を選手全員で奪い合うというのだ。夏を越え、切磋琢磨(せっさたくま)の末にレギュラーの座を掴むのはいったいどの選手だろうか。締まりきった葉山の空気が、全日本インカレでの大願成就を予感させる。

(記事 滝沢凛、写真 松澤勇人、平松史帆)


閉会式でのエール交換

結果

▽470級

●早大(岡田奎・秦和也(基理2=東京・早大学院)組、佐香将太(スポ1=岩手・宮古)・深田龍介(政経4=東京・早大学院)/須賀組、元津志緒(スポ3=長崎工)・永島慶也(政経3=神奈川・逗子開成)/岩井俊樹(基理4=東京・早大学院)組、仲美南(スポ1=茨城・霞ヶ浦)・古橋捷太(先理3=東京・早大学院)組/海老塚啓太(政経1=神奈川・鎌倉学園)・嶋田篤哉(文構2=神奈川・鎌倉学園)組)157-132慶大

▽スナイプ級

〇早大(永松・川上組、松尾・坂上組、入江裕太(スポ2=神奈川・逗子開成)・三宅功輔(商3=東京・早大学院)組、岩月大空(スポ3=愛知・碧南工)・神宮泰祐(政経3=東京・早大学院)/松岡組)136-153慶大

▽総合

●早大293-285慶大

コメント

470級スキッパー岡田奎樹主将(スポ4=佐賀・唐津西)

――最後の早慶定期戦が終わりました。いまの率直な感想は

勝ちたかったですね、、、でもこれが実力なのかなと思います。全日本学生選手権に向けてなにをしないといけないかをもう一度明確にして、出直して来たいと思います。

――田中美紗樹(スポ2=大阪・関大第一)選手を欠く中でのレースとなりましたが

(田中が)いなかったとしても、470級では五分五分をキープして、スナイプ級でコツコツとリードを広げていければ勝てると思ってました。そこまで(田中の不在を)気にする必要はないと話したと思います。(田中が)いなかったから負けたという言い訳はしたくないので。シンプルに4番艇以降の実力が慶大より劣っているということですね。

――470級は終始慶大にリードされてしまったと思いますが、2日間のレースを振り返っていかがですか

最初の上マークでは勝っている状況も多かったのですが、それ以降でずるずると負けてしまうということがありました。はじめのプランニングはできていてもそれ以降のプランニングができていなかったのだと思います。

――2日間通して見つかった課題は

シンプルに艇同士が近いときのボートスピードが遅いということと、あとは計画性がないということですね。自分がなにがしたいのかというのがはっきりさせられていないので、そこは解決しないといけない課題だと思います。

――2番艇は初日と2日目でクルーを入れ替えましたが

初日(元津志緒(スポ3=長崎工)・永島慶也(政経3=神奈川・逗子開成)組が)全然走れていなかったので、変えてもいいんじゃないかということで変えました。初日の段階で実力差があって負けているということは分かって、1日では実力は変わらないので、だったらもう少しよくなる方法はないかと考えて、普段田中と組んでいる岩井(俊樹、基理4=東京・早大学院)を乗せてみようということになりました。まああんまり変わんなかったかな。

――1年生も出場しましたが、どう評価しますか

まだ乗り慣れていないということもあるんですけど、それを言い訳にはできないですね。応援してくれている人がいるので、出ている限りは勝たないといけません。負けたのではその人たちに顔向けできないので、それは1年生だろうと2年生だろうと3、4年生であろうと変わらないです。それでも1年生はよく頑張ってくれていて、負けながらも1レースごとに成長していったのではないかと思います。

――夏に向けて強化していきたいことは

動作とレーシングスピードですね。レーシングスピードというのは早大の中での練習だけではどうしても限界があるので、難しいところですが。動作練習をして、他の艇と近くても動作で負けないという自信を持たせるようにしたいです。

――最後に、大学生活最後の夏に向けて意気込みをお願いします

僕は夏合宿が一番嫌いなんです(笑)。その嫌いな合宿を乗り切るためにも、楽しいことを見出したいというのが個人的な目標です。自分が成長していくために何をしないといけないか、課題もいろいろあります。安定して勝てるはずのレースでも余裕を持ち過ぎて負けてしまうということがあるので、そこをなくすにはどうしたらいいかを一つ一つ見つけていきたいです。チームとしては、(夏合宿は)辛いからこそ、そこにいかに楽しさを見出せるかだと思います。こうすれば上手くなれるんだという発見に楽しさを感じていけるような考え方を浸透していける夏にしたいと思います。

スナイプ級スキッパー永松礼(スポ4=大分・別府青山)

――2日間を振り返って、ご自身の成績はいかがでしょうか

満足はもちろんいっていないです。自分から順位を落としたレースが2レース、初日と2日目のどちらにもあったので。そういうところで風をしっかりと見てなかったりだとか、相手に対して自分がどう打つのかというところだったり、風に対する判断がまだまだ甘いなっていうところを改めて感じました。それが順位に出ているのだと思います。

――チーム全体について、早慶戦で感じたことを教えてください

全日本インカレでは3艇・3艇の12人で戦うことになりますが、まだその12人全員が本当に自分が日本一になりたいのかという思いを持って果たしてやっているのだろうか、というところだったり、スナイプ艇でいえば3番艇、4番艇でかなり争っている状況にはあるんですけど、その中で1番艇、2番艇に追い付こうという強い思いがあるのかというところが、すごく今は気持ち的な面で足りていないと思っています。それは結果的にヨットレースの考え方だったりとか、コースの考え方だったりとか、普段の練習の取り組み方にすごく出ているように最近は思います。なのでまだまだ努力は必要ですし、今回そういう課題が見えたので、時間はないですが1つ1つ潰していきたいと思っています。

――3番艇、4番艇の争いとありましたが、今回は岩月選手と入江選手のどちらに軍配が上がったと思いますか

お互い様だと思います(笑)。お互いずっと7番、8番を走っているケースが多かったので。どっちも同じように見えますね。どっちも同じようなミスがきのうもきょうもあったので。どちらが、ということはないです。どっちも悪かったです。

――最後に夏に向けて一言お願いします

選手それぞれが、自分が全日本インカレで戦うためには、自分が全日本インカレに選手として出て日本一をとるためには何ができるのか、改めて個人個人の目標を見定めてそれに向かって突き進む。もちろん、選手としてレギュラーメンバーを部員全員が目指していけるような環境作りというのも必要ですし、レギュラーを勝ち取った人は必ずいい結果を持ち帰れるような強いチームになっていきたいと思っています。

スナイプ級スキッパー松尾虎太郎(スポ1=山口・光)

――はじめての早慶定期戦(早慶戦)でしたが、どのような意気込みで臨みましたか

早慶戦がどんなものなのか全然分かっていなくて、早慶戦にかける思いは先輩方と比べては低かったとは思うんですが、それでも自分なりに絶対負けないという気持ちで臨みました。先輩方もプレッシャーを感じている中で僕をサポートしてくれたので、来年は勝ちたいという思いが強まりましたね。

――終わってみての率直な感想は

疲れました。めちゃくちゃしんどかったですね(笑)。8艇すべてレベルが高くて、お互いが相手を抑え合いながら走っているということで、ずっと頭を使いながら、体も激しく使っていたので。しかも暑くて。今までで一番疲れたレースだったかもしれないです。

――応援艇に笑顔を向ける場面も多くありましたが

あんな応援を海の上で受けるのは初めてだったので(笑)。みんなが応援してくれているんだと思って見ていました。

――初日の5レースを振り返って

僕にできることは前を走ることだと思って、初日は入江さん(裕太、スポ2=神奈川・逗子開成)も岩月さん(大空、スポ3=愛知・碧南工)も調子が悪かったので、僕と礼さん(永松、スポ4=大分・別府青山)で前を走るしかないと思っていました。とにかく前で走って僕と礼さんで1、2位を取ることだけを考えて、入江さん、岩月さんには少しでも前を走ってもらえればと思っていたんですが、そう上手くはいかなかったですね。

――2日目の3レースを振り返って

きのうよりは風が上がって、入江さんも岩月さんも結構走ってきていて、僕自身も良い走りができたと思うんですが、結果的にチームが勝てなかったというのはすごく悔しいです。あのときああしておけばよかったというのがいくつか浮かんできたので、来年は必ず勝てるように、その前にまずは全日本学生選手権で勝てるように頑張りたいです。また、スナイプ級は4艇でレギュラーを争っているので、どの艇が出ても勝てるようなチームになれるように夏の期間で成長していきたいと思います。

――最後に、大学生になって初めて迎える夏に向けて、意気込みをお願いします

夏は色々な大会に出るので、吸収できることはたくさんあると思うので、自分自身が成長して、チームも成長していけたらいいなと思っています。また、4艇でのレギュラー争いをもっともっとヒートアップしていって、誰が出ても優勝できるようなレベルになっていきたいです。