航空部

2017.07.04

7月1日 埼玉・妻沼滑空場

新ウインチ導入 安全性と練習効率向上へ

 雨が降ったり止んだりと不安定な天候の中、グライダーを飛ばす際に必要な機械であるウインチのお披露目式が開催された。式には競技スポーツセンター所長の岩井方男氏を初めとした関係者が参加し、新ウインチの導入及び今後の航空部の発展を願う祝辞を述べた。また、ウインチを新しくするに際して安全祈願の意図を込めて、招かれた宮司が祝詞をあげる場面も見られた。

 そもそもグライダーは機体にエンジンを搭載せず、凧揚げのように紐をつなぎ、引っ張って飛ばす仕組みだ。この紐を高速で巻き取る機械こそ、今回新調したウインチである。老朽化の影響で練習に支障をきたすことから、2014年頃から採用が検討されていたが、この度導入することとなった。新ウインチの大きな変更点としては、マニュアル操作からオートマ操作に変わったことが挙げられる。マニュアル操作からオートマ操作になったことにより、大幅な育成時間の短縮と安全性の向上が実現した。

 安全性を考慮して購入された新ウインチ

 悪天候のため、式は屋内の格納庫で執り行われた。早大を支援する人々への感謝と、安全祈願という二つのコンセプトに基づいて開かれたこの式には、競技スポーツセンターの岩井方男所長らをはじめとする関係者らが多く参列。一堂に会した部員たちに激励の言葉を残した。また、妻沼地域を担当する長井神社の島田宮司を招き、お祓いを実施。その後は岩井所長ら自身が玉串を捧げる場面も見られた。安全を祈願として部長の音頭で乾杯し、式は無事終了した。

 新ウインチと参加者たち

 今回のイベントを区切りに航空部の活動は本格化していく。「学生グライダー界のパイオニアとして強いワセダを全国に見せていきたい」と主務の椙田秀斗(政経4=埼玉・早大本庄)は意気込んだ。事故を乗り越え、安全性の向上と良質な練習とを両立させていく早大の、さらなる活躍に期待がかかる。

(記事 坂巻晃乃介、写真 坂巻晃乃介、萩原大勝)

コメント

競技スポーツセンター岩井方男所長(昭44政経卒=東京・両国)

――きょうのイベントの感想は

よかったかなと。会議そのものもきちんとしていたし、10月の事故があったでしょ。そこからよくここまで立ち直ってくれたなというのが正直な感想です。練習こそ始まっていたけど、今回の式を区切りに本格的に始まると思うんだな。完全に以前のようにとはいかないとは思うけれども、いいことじゃないですか。私はそう思いますよ。

――きょうの航空部は見ていていかがでしたか

厳粛なところだから明るいっていうのは変なんだけど。事故の時は真っ暗という感じだったのに対して立て直してきてるなと思います。主務の椙田くん(秀斗、政経4=埼玉・早大本庄)とは練習の再開した3月以来部室で何度か会うんだけど、顔がどんどん明るくなっていくんだよ。それから今日になって。皆さんをみてると明るさというのはあまり感じないけど、しっかりしているというのは感じますね。下音が明るいというか、明るいことが見えてきたなというような印象を受けました。

――競技スポーツセンターは普段航空部とはどのような形でかかわっているのですか

ほとんど会わない。つまり東伏見にかなり多くの部があるでしょ。それから所沢キャンパスにもあるでしょ。それで(体育会系の)大半の部はあるんだね。だからここでやってる航空部には普段は会わないね。しかしね、航空部は部室というか、格納庫みたいなものが戸山キャンパスの下にあるのかな。で彼らはよくそこでミーティングをしてるらしいんですよ。だから彼らとよく会いますね。これがいいんだか悪いんだかわからないけど、ああいうことがあった後は彼らとは良く付き合うようになりました。

――航空部に向けてのメッセージをお願いします

安全第一っていうのと、いい成績を挙げてくださいというの。これにつきますね。

椙田秀斗(政経4=埼玉・早大本庄)

――今回のイベントを企画した経緯を教えてください

企画した経緯としては、2つあって。まず1つめとしては先ほどの式典でも話した通り本当に今回の新ウインチの導入にあたって競技スポーツセンターや早稲田大学の方々であったり、航空部のたくさんのOB、OGの方に多大なるご支援をいただいて、それに対する感謝の気持ちとして今回の式典を行いました。もう1つが、昨年の10月の事故を経て、本当に早稲田大学航空部全体が安全第一で訓練をやっていこうというなかで、宮司さんのお話にもあった通り安全祈願の意味を込めて企画しました。

――新しいウインチを買った経緯を教えてください

買った経緯としては、今まで使っていた旧ウインチが20年以上使ってきたなかで老朽化が激しくて、頻繁に故障してしまって訓練がどうしてもやれなくなってしまうことがあったり、今まで使っていたウインチが鉄の鋼索を使っていて、索が切れてしまって上昇中に危ないということがあったので、安全にそして効率的に訓練を行うためにも、新ウインチの導入をずっと希望してきました。

――おっしゃっていた前のウインチの不調とは老朽化ということですか

老朽化が一番大きいです。あと、旧ウインチはマニュアルで新ウインチはオートマなのですが、旧ウインチは扱いが難しくて不調を起こしてしまうことがありました。

――新しいウインチはどのようなものですか

新しいウインチを使っているメリットとしては、2つ挙げられるのかなと思っていて。1つめは、安全面が向上したということが挙げられます。今まで使っていた旧早稲田ウインチは、鉄の索を使っていて頻繁に索切れしてしまうことがあって危ないということがあったのですが、新ウインチはダイニーマ索を使っているので、索が切れる心配はほぼなくなりました。もう1つが、今まで使っていたウインチと違って、上昇して離脱した時の高度が大体50メートルから100メートル違うというメリットがあります。私たちはエンジンが無いので、逆に高度が私たちのエネルギーになっているので、50メートルや100メートル違うことによって、一発飛ぶときの練習量が格段に違ってきます。旋回を一周練習することもできるし、もっと二周することができるかもしれない。その中で上級生の下級生もみんな技量がアップできるし、安全に効率的に訓練を行えるようになったので、それが新ウインチを使うメリットかなと思います。

――普段OBやOGの方に言われていることはありますか

一番言われていることは、感謝の気持ちを持って活動しなさいということです。もちろん航空部は見ての通りお金がかかるスポーツなので、私たちの部費とかではなかなか活動できない部分もある中で、大学だったりOB、OGの方々が寄付であったり補助金を出してくれるおかげで私たちが活動できるので感謝の気持ちを持ちなさいということと、あともう1つ、この妻沼で私たちが活動するにあたって近所の人たちが理解してくれているおかげで私たちが活動できるということで、感謝して活動しなさいと言われます。本当に色んなことの支援があるから、私たちの活動ができるんだよということをよく言われます。

――航空部としての今後の意気込みをお願いします

昨年10月の先輩の悲しい事故を経て、チームとして安全を最も大事にしていこうという中で、安全を最も大事に練習して、覇者ワセダとして、そしてまた学生のグライダー界のパイオニアとして本当に再び強いワセダを全国に見せていきたいので、安全第一で今後も訓練を頑張っていきたいと思ってます。