自転車部

2017.07.05

全日本学生選手権トラック 7月1・2日 静岡・伊豆ベロドローム

中井・安倍がタンデムスプリント初優勝! 

 7月1・2日全日本学生選手権が伊豆ベロドロームで開催された。タンデムスプリントで中井琢(スポ4=宮城・仙台二)・安倍大成(スポ1=岩手・紫波総合)が優勝、スプリントでは田中克尚(スポ2=岡山工)が3位となり表彰台に上った。他の種目でも入賞者を出し、現在のチーム状況の良さを確認した大会となった。

(記事 喜柳純平)

中井・安倍、早大初のタンデムスプリント優勝!結成わずか1カ月の快挙

バックストレートで加速する中井・安倍

 「正直、予想外でした」(中井)。結成1カ月、公式戦初出場にして中井・安倍組が栄冠に輝いた。早大ペアがこの種目を制したのは、1982年(昭57)の第23回大会で導入されて以来初めてのことだ。
 中井は2年時からタンデムスプリントに出場していたが、昨夏ペアの森浩輔前主将が引退。以来個人種目での出場が続いていた。一方、ルーキー安倍は本来スプリントが主戦場。昨年の国民総合体育大会では少年男子で大会新記録の10秒799を出している。しかし、5月の東日本学生選手権トラックは11秒213、その後も調子が上がらなかった。「このままじゃ戦えない」(安倍)。個人種目をスプリントの約2倍距離があるケイリンに移し、代わりにタンデムスプリントに挑戦することを決めた。
 「走ってみたら息が合った」(中井)。予選を2位通過し1/2決勝でも2本先取。まさに快進撃だった。決勝で待ち受けていたのは鈴木陸来・高橋綜一郎組(法大)。昨年の全日本大学対抗選手権(インカレ)優勝ペアで、森・中井組が敗れた相手だったが「どこの大学だろうとやることをこなしていくだけ」(中井)と割り切った。1本目を差して勝利し、迎えた2本目。最終周回、先に仕掛けた法大が先行していたが、第2コーナーを抜けたところで一段と踏み込んだ。並ぶがまくり切れず、勝負はホームストレートに持ち込まれた。差すか、逃げ切られるか――。わずか数十センチ、先着したのは中井・安倍組だった。
 しかし、優勝という快挙にも二人が拳を突き上げることはなかった。「他大学からワセダは差しで来るだろうと思われる」(中井)と2本とも同じ展開だったため、インカレでは同じ戦法が使えない懸念もある。また、今回は強豪・鹿屋体大が欠場している。手放しで喜ぶのは、インカレを制してから。負けず嫌いという二人が、松本の地で校歌を響かせてくれるはずだ。

(記事 曽祢真衣、写真 大庭開)

田中「行くしかない」不調脱しスプリント初表彰台

先着する田中

 

 田中がついにスプリントで表彰台に立った。JOCジュニア五輪王者として鳴り物入りで入学したが、昨年は不振。予選の200メートルフライングラップでもなかなか11秒台を切れない。調子を落とし、くすぶっていた。
 しかし、今季の田中は違う。予選で10秒915の自己新記録を出し、順調に勝ち進む。1/2決勝で実力者・堀航輝(鹿屋体大)に敗れたが、選手権大会で初めての1/2決勝進出だった。そして、表彰台を懸けた3・4位決定戦。相手は同じ2年生で2016年世界選手権ジュニア日本代表の中島詩音(日大)だ。相手のブルーバンド走行の反則により1本目は逆転勝利となったが、2本目は先に仕掛けた中島を差し切れず落としてしまう。勝敗を決する3本目、1、2本目と同じく後ろから様子をうかがう。「1本取られて次は行くしかない」と先に仕掛けた。残り1周のバックストレートで一気に加速し、まくった。「やっとこげるようになってきたので、3位に入賞できてうれしい」と顔をほころばせた。
 復調を印象付けた田中。バンクの外では穏やかだが、インカレでも存在感ある対戦を見せてくれることだろう。眠れる獅子はもういない。

(記事 曽祢真衣 写真 大庭開)

スクラッチ、レースの流れをつかみ6位入賞

集団から飛び出す山本

 250メートルバンクを60周回し、順位を競うスクラッチ決勝。序盤から逃げが散発する中で、「単独の逃げは決まらない」と判断した山本真寛(社1=青森・八戸工大一)は、有力選手をチェックしつつ落ち着いてレースを進める。好機をうかがっていた山本が動いたのは中盤。スピードを上げる3人の逃げ集団を追随すべくメイン集団から2選手が飛び出すと、ここですかさず反応。しっかりと4位集団に加わり一気に後続を引き離した。先頭集団と4位集団はその後、周回差でメイン集団に合流。集団は再び一つとなって終盤に向けて徐々にペースをあげていく。ラップ走行となった山本はゴールスプリントに絡むことこそできなかったものの、集団に食らいつき、振り落とされることなくフィニッシュ。勝負所での判断が功を奏し、見事6位入賞に輝いた。

(記事 大庭開、写真 喜柳純平)

孫崎、中川表彰台に届かず4位

引継ぎをする孫崎、中川

 

 マディソンは2人一組で競うポイントレース。一人がバンクの内側で走行している間もう一人はバンクの外側に待機し走っている選手が疲れたりしたときに外側にいる選手と交代することができ、チームプレーがカギとなってくる競技である。「安全に走ってあわよくば表彰台にあがれれば」(中川拳、スポ1=北海道・帯広三条)。2人での連携ががあまりできていなかったこともあり、安全第一で臨んだ今回のレース。最初からからマディソンの走行経験がある孫崎大樹(スポ3=京都・北桑田)先頭集団に食らいつき、ポイントを重ねていく。だが序盤から中盤にかけて先頭集団から離れ、ポイントをとれない苦しい状態が続く。「先頭を見失った」(中川)。マディソンを走ったことがない中川が戸惑う場面もあり、少し先頭からは後退する。だが、後半にかけて中川がレース展開に徐々に慣れてくると、早大は再び先頭集団に追いつき後半のポイント周回でもポイントとることに成功。最終順位を4位に押し上げゴールした。「初めてにしては良かった」(孫崎)。中川が未経験、練習不足ということもあったが4位となり個々の選手がそれぞれ力をつけていることを証明したワセダ。約2カ月後に迫った夏のインカレでの躍進にも期待がかかる。

(記事 喜柳純平、写真 曽祢真衣)

結果

▽タンデム・スプリント

中井琢・安倍大成 1位

▽男子スプリント

後藤悠 1/4決勝敗退 

田中克尚 3位

▽女子スプリント

池田ゆめこ 10位

小泉夢菜 5位

▽男子4キロメートルインディビジュアル・パーシュート予選

孫崎大樹 5位

中川拳 予選敗退

▽男子ポイントレース予選

小野寛斗 18位

▽ケイリン

佐藤啓斗 1/4決勝敗退

安倍大成 9位

▽スクラッチ

塩田航平 予選敗退

納家一樹 予選敗退

山本真寛 6位

片野陸 19位

▽男子1キロメートルTT

中井琢 16位

▽女子500メートルTT

池田ゆめこ 16位

小泉夢菜奈 4位

▽マディソン

孫崎大樹・中川拳 4位

コメント

中井琢(スポ4=宮城・仙台二)・安倍大成(スポ1=岩手・紫波総合)

――優勝おめでとうございます。今の率直な気持ちを教えてください

安倍まだまだ成長できるので、課題を克服してタイムを出したいと思います。

中井割と展開が全部一緒だったので、インカレでは他の大学からワセダは差しで来るだろうと思われます。今回したような走りはなかなかさせてくれないと思うので、戦略の幅を広げていきたいと思います。

――中井選手にとっては決勝で対戦した法大ペアは昨年度インカレで敗れた相手でしたが

中井勝つには必ず当たらなければならない相手なので、どこの大学だろうとしっかりやることをこなしていくだけですね。

――お二人が組み始めたのはいつですか

中井・安倍1カ月前ですね

――なぜタンデムを組むことになったのですか

安倍自分がなかなか個人種目のスプリントでタイムが出なかったので、このままでは戦えないなと思い個人種目をケイリンに変えました。それで(スプリントの代わりに)タンデムに乗ることになりました。

――どれくらい練習しましたか

中井・安倍これまでで4、5回です。

――その回数に対して今回の結果は想像していましたか

中井正直、予想外でした(笑)。走ってみたら息が合った感じですね。ペダリングが合ってました。

安倍(ペダリングが)ばっちりでした。

――相性が良いのですね

中井二人とも負けず嫌いなので。性格的にも、ペダリング的にもマッチしていますね。

――勝因は何だと考えていますか

安倍自分は後ろに乗っていたので、中井さんに合わせてがんがん踏んでいけば行けるなと思って。自分の脳みそをだまし続けて全力で踏んでいました。

中井勝因は、やることをしっかりやったことです。試合の中で展開を読みつつ、あまり余計なことを考えずに決めたことをしっかりできました。こうなったらこうという戦略を3つくらい立てて、その中で取捨選択していきました。

――タンデムスプリントはじめ好成績を残した今大会ですが、部全体ではいかがですか

中井

今シーズンは仕上がりがそれぞれ遅れていて他大学に置いていかれる中、5月、6月はしっかりバンクで練習できて少しずつ調子が上がってきている状態です。それが成果にもつながってきたなという感じです。正直、(部員たちは)まだまだ7、80パーセントしか出してないと思うので、ここからどんどん上げていければいいと思います。

孫崎大樹(スポ3=京都・北桑田)

――マディソンでの事前の作戦などはありましたか

まあ特になくて中川が初めてだったので、転ばないように、でも経験と今の力を出し切れるようにしていました。

――レースを振り返って

そうですね。最初のごちゃごちゃした展開で優勝した京産大のチームが抜け出してポイントを稼いでいました。それは他のチームも分かっていましたが、やっぱりそこができていなくてそこができないと勝てないと思います。ことししっかりと中川が経験できたと思うので、次からはそこを意識して戦えたらなとって思います。

――他の大学と一度接触した場面がありましたが

そうですね。マディソンは落車がどうしても多発します。慣れてない種目でもあるので、接触した場面はそんなにスピードが出ていた場面でもなく、思いっきりぶつかった訳ではありせんでした。中川も危ない場面があったみたいですが、落車もなくて日頃の行いが良いということではないでしょうか。

――4位という結果については

そうですね。序盤取れる場面でしっかりとポイントが取れていたので、終盤に集団がバラバラになった時にどのチームも取れていなかったこともあり、序盤にしっかりと取れたことが良かったです。さらに終盤一回ちぎれてしまったのですがまた集団に戻って我慢できたのが、結局表彰台にはのれませんでしたが、4位までは維持はできていたのであと一歩集団からちきれずにいければ表彰台争いができると思います。

――次戦に向けて

次の大きい大会はもうインカレで、もう1ヶ月と少ししかありませんが十分成長できる期間だと思っています。チームとしても全体でもい雰囲気ですので、全員しっかりとレベルが上がっていますのでインカレではもうひと段階あげて優勝争いを全員ができればなと思います。

中川拳(スポ2=北海道・帯広三条)

――マディソンでの事前の作戦などはありましたか

きょうは結構即席で練習もできていなくて今週、先週も先週まで全日本選手権のロードがあったりしまして、ロードの重要なレースが続いたのでトラックに入ることができなくて2人で練習したのは本当に1回ぐらいでした。1回練習した後はきょう当日に練習したぐらいでしたので正直優勝を狙うというよりは転ばないように安全に走ってあわよくば表彰台に上がれればなという感じでした。転ぶのだけは絶対避けようという感じで走っていましたが、始まってみて孫崎さんはきょねんも走っていますけど、自分は初めてだったので自分は孫崎さんにすごいカバーしてもらいました。。

――レースを振り返って

そうですね。初めてのマディソンということもあり、結構最初から人がいるのでばらけていて先頭を捉えきれていなくて孫崎さんは捉えきれていたのですが自分は少し先頭を見失ったりしていました。交代の時に孫崎さんにポイントって教えてもらって、ブザーがなったのでその時はちょうどポイントが取れるところにいると思ってもがいたのですが孫崎さんの場所を把握するので自分は精一杯でした。

――他の大学と一度接触した場面がありましたが

そうですね。僕が前側で後ろから突っ込まれた形になったので、正直ビックリしたというかよけようがなかったのですがなんとかもちこたえられましたので、相手も落車しなかったのでそこは良かったですね。

――4位という結果については

孫崎さんが周りも見えてて展開も上手くて上手ですので孫崎さんにフォローしてもらって自分はなんとか走りきった感じでした。ただ少し最後タイミングがうまく合わなくて自分が3週ぐらい走る形となった時に前から落ちてしまってそこで、前の鹿屋体育大学との差が開いてしまったので最後に踏ん張りきれなかったところが課題ですね。

――次戦に向けて

次は北海道の国体予選があるので国体を決めて、再来週はインターナショナルカップもありますのでそれに向けて頑張っていきたいと思います。。

田中克尚(スポ2=岡山工)

――初めて表彰台に上ります。お気持ちを聞かせてください

去年はずっと結果が出なかったというか、調子が良くなく結果も出なくて。最近少しずつ調子が上がってきて、やっとこげるようになってきたので、大会で3位に入賞できてうれしいと思っています。

――決勝の3本目はどのように臨みましたか

1本取られて次は行くしかないとなったので、早めに仕掛けました。まくれたので良かったなという感じですね。

――対戦技術は向上したと感じていますか

いや、それはあまり感じませんね。タイムが単純に上がってきたのだと思います。

山本真寛(社学1=青森・八戸工大一)

――スクラッチ6位という結果を率直にどのように評価していますか

レポートや試験などであまり練習できていなくて、その状態で予選通れればいいかなという気持ちで初日走ったら通って、決勝はできれば感想はしたいなという気持ちで走ったら流れに乗って6位に入ることができました。1年目で全国大会のトラックで入賞できたのは本当にうれしく思います。

――決勝のレース内容を振り返っていかがですか

ちょこまかと最初から逃げはあったんですけど、単独の逃げは決まらないということがわかっていたので、それにはあまり動かされないようにしていました。有力選手の逃げはちゃんとチェックをしてそこに入って一緒に回してラップをすることができて、終盤はゴールスプリントに絡むだけの脚は残っていなかったんですけど、落車することも降ろされることもなく安定した走りができたと思います。

――今大会は落車が非常に多い印象でしたが、何か注意していたことはありますか

この競技場はけっこう遠心力が働いて、頻繁に後ろを見ると前の状態が分からなくなってしまうので、集団の中で後ろを見るということはあまりしないようにはしていました。

――レースの中で収穫はありましたか

ほかの強い選手をマークするというのがうまくなったと思いますし、流れをつかんで自分も一緒に逃げる展開にもちこんでしっかりそれをやりきるということができました。

――レースの流れに応じた試合展開をすることができたということですね

そうですね。技術力がだいぶついたと思うので、あとは力で押し切れるようになりたいと思います。

――次戦の予定とそこでの目標をお願いします

次の大きな大会はインカレになると思います。今回の大会は250メートルバンクで苦手な競技場だったんですけど6位という結果を残せて、終盤に脚を残すことだったり位置取りだったりとたくさん課題も見つかったので、インカレではそれを意識してあわよくば優勝したいと思います。