ヨット部

2017.06.27

関東学生個人選手権470級 6月24・25日 神奈川・江ノ島沖

3艇が全国へ進むも、課題残る

 梅雨の季節を迎えたこの日、関東学生個人選手権(関東個選)470級のレースが行われた。上位18艇までに8月の全日本学生個人選手権への出場権が与えられる今大会。早大からは5艇が出場した。2日間合計6レースで順位が決定。岡田奎樹(スポ4=佐賀・唐津西)・秦和也(基理2=東京・早大学院)組、田中美紗樹(スポ2=大阪・関大第一)・岩井俊樹(基理4=東京・早大学院)組、元津志緒(スポ3=長崎工)・永島慶也(政経3=神奈川・逗子開成)組の3艇が全国への切符を手にした。

 軽風のコンディションの中で行われた初日。明海大、慶大の艇が前を走る展開の中、早大勢も良い位置につける。岡田奎・秦組は3位、田中・岩井組は5位で初日を終えた。はじめての関東個選となった仲美南(スポ1=茨城・霞ヶ浦)・古橋捷太(先理3=東京・早大学院)組、佐香将太(スポ1=岩手・宮古)・深田龍介(政経4=東京・早大学院)組も共に全日本個選出場ラインとの差はわずか。2日目の結果次第で関東突破は十分狙える位置につけた。

安定感を増している岡田奎(右)・秦組

 2日目は雨の中でのレースとなった。この日最初のレースが運営側の不手際で中止になるなどアクシデントもあったが、最終的には2レースを消化。岡田奎・秦組は前日に続き全レースでシングル(※1)を獲得するなど安定感抜群の走りを見せた。「一歩一歩小さな成長を確実に続けられている」(秦)。関東学生春季選手権から組んできた1番艇は、今後もより一層の成熟した姿を見せてくれるだろう。田中・岩井組は20位台を2回取るもカットレース(※2)が適用され、4位。この結果に岩井は、「役割分担がまだできていないので、そこを夏の練習で極めていきたい」と課題を口にした。今季からレギュラーに定着した元津・永島組は二桁順位を取るレースが続いたが、なんとか16位で元津にとっては2年ぶり、永島にとっては初めての全日本個選へ駒を進めた。「死ぬほど練習して、いま関東で負けた人たちを抜きたい」(永島)。全日本個選での巻き返しに期待したい。一方で悔しい結果となったのが、一年生スキッパーで臨んだ2艇。仲・古橋組は第5レースで他の艇と衝突し船が壊れるアクシデントにも見舞われ、22位に終わる。佐香・深田組も実力を発揮できず、27位と佐香にとってはほろ苦の大学デビュー戦となった。今大会で得た反省を生かし、470級チーム全体の底上げを図りたい。

仲・古橋(左)組は惜しくも全日本個選出場を逃した

 5艇全艇の全日本個選出場を目標にしていた早大470級チーム。団体戦でレギュラーとして出場している3艇は順当に関東を抜けたが、1年生スキッパーで出場した2艇は惜しくも全国行きを逃した。この結果に岡田奎主将は、「自分が順位を取れなかったことよりもダメージは大きい」と悔しさをあらわにした。慶大、日大といったライバル校も3艇ずつを全国に送り出した今大会。全日本個選では一段とレベルの高いレースが予想されるだろう。全国で勝つためにはより一層個々のレベルアップが求められるが、あくまで「団体戦を意識した個人戦」(岡田奎)をモットーに、エンジのセーラーたちは鍛錬の夏を迎える。

(記事、写真 松澤勇人)

(※1)10位以内の順位を取ること。

(※2)大会の規定レース数を消化すると、最も悪いレースの点数を除くことができるというルール。

結果

岡田奎・秦組 24点 3位

田中・岩井組 40点 4位

元津・永島組 76点 16位

仲・古橋組 97.5点 22位

佐香・深田組 107点 27位

コメント

470級スキッパー岡田奎樹主将(スポ4=佐賀・唐津西)

――今大会は個人的にはどのような目標で臨みましたか

個人的にはタイトルを獲りたいと思っていたのですが、どんなに悪くとも全日本学生個人選手権(全日本個選)には進まないといけないので、昨年のように英語で失格などということがないように気を付けました。正直どっちを大事にするかで葛藤していましたね。自分の艇だけを重視すれば、たとえ一度リコールしてもカットすることができれば好きなように戦えます。でも、『団体戦を意識した個人戦』というのを大事にしてきているので、個人戦の各艇の順位を集計して足した点を考えると、絶対に英語は取ってはいけないと思いました。

――470級チーム全体としての目標は

全員を(全日本個選に)通すことだったので、正直ショックですね。1年生2人のうちどちらかはは行けると思っていて、実際に初日の段階では狙える位置にいたので、自分が順位を取れなかったことよりもダメージは大きいです。きょうの朝(レース前)からトラブルがあったり、(レース中)海の上でもぶつかってしまったりしていたので、準備から出来ていなかったのかなと思います。気が緩みすぎていたと思いますね。

――ここからはレースについてお聞きします。まず、初日を振り返っていかがですか

(自分の調子は)まずまずだったんですが、クルーがまだ乗り込んでいない選手なので、リーチングだったりランニングだったりの部分で思うようにいかず、差を広げられてしまう部分が大きかったので、苦しい展開になったと思います。自分自身もスタートが全然できていなかったので、スタートを失敗してから挽回(ばんかい)するというレース展開が多かったです。良かったところとしては、レースを通して常にコミュニケーションがとれていたということですかね。自分が2年生の時に比べて確実に進歩していると思います。

――2日目を振り返って

はじめは北風で、最初のレースは良い成績だったんですけど、レース委員側の不手際でレースが中止になってしまって。まあそこは運なので仕方ないですね。南風に変わると海風になるのであまり風が振れなくて、軽いセーラーやサイドに大きくスタートに成功した人が速かったですね。

――今大会を通して見つかった課題などがあれば

課題は山積みです。個人的には、振りですね。スピンを上げてからの速さというのが自分の課題だと思います。全体的には、一つ一つのレースを大切にするということができていないので、そこは徹底しないといけませんね。

――関東学生春季選手権(春関東インカレ)から秦和也(基理2=東京・早大学院)選手と組んでいますが、連携面などで成長は感じますか

まだまだだと思います。実際には春関東インカレの直前から2カ月くらいしか乗ってないんですよ。2カ月しか乗っていない割には、この成績が取れているということにはすごく満足しています。この時期という点では満足していますが、結果自体や自分の理想にはまだ全然満足していないので、これからもっともっとネジを回していきたいと思います。

――全日本個選ではどういったレースがしたいですか

優勝したいです。見せびらかすようなレースではなく、確実に、手堅いレースをコツコツ続けていきたいですね。1位を狙う必要はないので、5位付近を安定して取れていけるようなセーリングをすれば大丈夫だと思います。それで優勝できなかったら他の艇が上だったというだけなので。安定感のあるレースをすれば優勝できると思っていますし、主将が不安定な代は全日本学生選手権(全日本インカレ)でも勝てないと思います。自分の結果にこだわるというよりは、部員たちへのメッセージも含めて、背中で引っ張っていきたいです。

――最後に、2週間後に控える早慶定期戦(早慶戦)に向けて、意気込みをお願いします

勝たないといけないですね。勝ちたい、ではなく、勝たないといけない、です。勝たないといけないというプレッシャーをどう乗り越えられるかがポイントだと思います。もし圧倒的に負けるということがあれば、一から練習内容や考え方を変えていかないといけません。全日本インカレでも、勝ちたいプラス勝たないといけないというのがありますし、早慶戦で乗り越えることができれば全日本インカレにもつなげることができるはずなので、とにかく頑張ります。田中(美紗樹、スポ2=大阪・関大第一)が遠征に参加するので出場できないのですが、その中でも良い勝負ができればいいかなと思います。

470級クルー岩井俊樹(基理4=東京・早大学院)

――今大会を振り返って

まずは関東個人選手権が終わって、全日本個人選手権の出場が決まったと思うので、とりあえずホッとしています。

――いいレース、悪いレースがくっきり分かれましたが、その差は

細かいミスですかね。今思えば「ああするべきだったな」、「もう1回やればああいうミスはしないだろうな」というミスがあったのが悪いレースでしたね。良いレースも、他の大学にスピードで負けていたりもしたんですけど、そういうミスはなかったかなと。

――具体的には

具体的に言えば、焦りでミスしてしまうことが多くて、他の艇に対するポジションとかですね。後はきょうの1レース目でプロテストに吹かれてしまって(罰則の)2回転を回ったんですけど、今思えば、惜しいミスで一気に順位を落としてしまったなと感じます。

――海上のコンディションは

完全に微風シリーズで、最後の1レースだけは吹きました。僕はかなり体重が重い方で、他の女子ペアにはかなり苦労させられました。スピードですね。僕は71キロなんですけど、向こうは50キロとかで。微風だと軽さが直結してしまうので、かなり苦戦を強いられました。バランスもとりにくくなるので。最後のレースは風速が6、7メートルはあったので、船を起こして他の女子ペアとは差をつけられたとは思うんですけど、やっぱりまだスピードが足りないかなと思います。

――春から田中美紗樹(スポ2=大阪・関大第一)選手と組んでいますが、コンビネーションの方はいかがですか

コンビネーション自体は上がっていますね。春の時点での課題はコンビネーションで、細かいところを詰められると話していたんですけど、それは結構解消されてきました。あとは、より応用的に、ペアで分担してコースを考えるだとか、役割分担がまだできていないので、そこを夏の練習で極めていきたいなと思います。

――全日本個人選手権への意気込みを

絶対入賞ですね。昨年は色々あって入賞できなかったので。ことしこそ入賞して、できれば3位以内で有終の美を飾りたいと思います。

470級クルー永島慶也(政経3=神奈川・逗子開成)

――今大会を振り返って

いいところも悪いところも出ました。春先からの課題がどのくらい改善されているのかなという一つの指標として臨んだんですけど、改善されているところもあって、まだまだだなと思うところもあって、いい点悪い点はっきりした大会だったなと思います。

――春から元津志緒(スポ3=長崎工)選手と組んでいますが、コンビネーションはいかがですか

春先よりは仕上がっているかなと思いますけど、まだまだ乗り込む時間が足りていないので、もっと良くなると思います。

――ペアとして技術的に意識して臨んだことは

技術的に意識して臨んだところは、スタートと走りの部分ですね。

――具体的には

スタートは、空いているところから第一線でフルスピードで出るっていうことを意識していたんですけど、どうしても本番の長いスタートラインだと見きれなくて、かつフライングへの恐怖を天秤にかけたときに、思い通りにスタートができなかったので、そこは反省点でした。走りは基本的には悪くなかったと思いますが、もっと良くなると思うので、そこに時間をかけていきたいと思います。

――課題は

今大会通しての課題はやっぱりスタートが良くなかったなと思います。

――スナイプ級スキッパーから470級のクルーに転向していかがですか

5カ月くらいなんですけど、思った以上にクルーとしてやれているなと思う反面、もっと練習して、考えていけば、クルーとして1つ2つ上のレベルに行けるんじゃないかと思います。

――全日本個人選手権への意気込みを

あと1カ月弱あるんですけど、死ぬほど練習して、いま関東で負けた人たちを抜きたいと思います。

470級クルー秦和也(基理2=東京・早大学院)

――今大会はどういった目標で臨みましたか

タイトル獲得です。

――初日のレースを振り返って

軽風のなかで明海大や慶大の艇が前を走っている展開で、自分たちの船も良いポジションをとれていたと思います。

――2日目を振り返って

得意な8ノット以上の風の中でのレースではあったんですが、その中であまり前を走れなかったのは自分の技量不足かなと思います。もっと前を走るべき、走らないといけないコンディションだったので、そこでこの艇が走らなかったのは悔いが残ります。

――今大会を通して見つかった課題などがあれば

まずは縦(の位置に並んだ艇)と競った状況の中での確実なボートコントロールですかね。ダントツ1位のときはプレッシャーもなく練習と同じような走りができるんですが、実際のレースではそのようなことは多くないので、競った状況の中で普段通りの実力を出せるようにしないといけないと思います。

――今大会は出艇数の多いレースとなりましたが、なにか影響はありましたか

多い方がやりにくいのですが、それは全日本学生選手権(全日本インカレ)でも同じなので、言い訳にはできないかなと思います。

――関東学生春季選手権(春関東インカレ)から岡田奎樹主将(スポ4=佐賀・唐津西)と組んでいますが、連携面での成長を感じる点はありますか

大きな成長ではないですが、毎日の練習やレースで一歩一歩小さな成長を確実に続けられているかなと思っています。それでもまだまだ全日本インカレ優勝に必要なレベルには程遠いので、さらに努力していきたいです。

――岡田奎主将に引っ張ってもらっているということでしょうか

今は、そうですね。これからは主将をサポートできるようになりたいと思います。

――主将と組むことにプレッシャーは感じますか

いや、そういうのは全くないです。(岡田奎主将を)選手としてだけではなく、人間として本当に尊敬しているので、組めていることは幸せです。

――全日本学生個人選手権(全日本個選)ではどのようなレースをしたいですか

今大会では途中まで良い順位でも最後に抜かれるということが多かったので、そういった場面で逆に抜いていけるようなレースをしたいです。もちろんタイトル獲得を目標に頑張ります。

――最後に、2週間後に控える早慶定期戦(早慶戦)へ向けて意気込みをお願いします

早慶戦は絶対に負けてはいけない戦いだと思っているので、残された時間は短いですが、今大会で得た反省を生かして臨みたいと思います。