ア式蹴球部

2017.06.24

第91回関東大学リーグ戦 6月24日 東京・国士舘大町田キャンパスサッカー場

天王山に敗れ涙をのむ、悔しさ糧にアミノ杯へ

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)は前期最終節を迎え、首位の早大は勝ち点23で並ぶ2位・国士舘大(得失点差で早大が上回っている)との大一番に臨んだ。29分に先制を許した早大は、後半も追いかける展開となり、67分にはCKから追加点を献上。82分に途中出場のFW岡田優希(スポ3=川崎フロンターレU−18)の得点で1点を返し、その後も懸命にゴールを目指したが、国士舘大に逃げ切りを許した。

 球際の強さに自信を持つチームどうしの対戦は、互いの意地がぶつかり合う激闘となった。4分、右サイドからのクロスをフリーで受けた大石竜平(3年)がゴール前でGK小島亨介(スポ3=名古屋グランパスU−18)との1対1となり、早大はいきなり絶体絶命のピンチを迎えることに。しかし、至近距離からのシュートを小島がビッグセーブで弾き返し、ここはゴールを割らせなかった。序盤から激しいコンタクトが続く中迎えた13分、相手との接触で腰を痛めたエースFW武颯(スポ4=横浜F・マリノスユース)がプレー続行不可能となり無念の途中交代。代わって前節AT弾を決めたFW飯泉涼矢(スポ4=三菱養和SCユース)が投入された。迎えた29分、先にスコアを動かしたのは国士舘大だった。GKからのロングボールに抜け出した荒木翔(4年)が完全にフリーの状態でボールを受けると、今度は冷静に小島との1対1を制し、早大は先制を許すかたちとなった。反撃はその1分後。FKからMF相馬勇紀(スポ3=三菱養和SCユース)が直接狙うも、これは相手GKに弾かれ同点とはならない。続く32分、前日の練習で負傷したMF秋山陽介(スポ4=千葉・流通経大柏)に代わってスタメン起用されたMF金田拓海(社2=ヴィッセル神戸U−18)が絶妙なスルーパス。相手DFの裏に抜け出した抜け出した相馬が、左サイドをえぐり狭い角度からシュート性のクロスを上げるも、得点に結び付けることはできない。43分には、MF柳沢拓弥(社4=清水エスパルスユース)からの速いクロスに金田拓が飛び込むもわずかに合わず。結局前半は、0−1と1点ビハインドでの折り返しとなった。

リーグ戦初先発に「やっとチャンスが来た」と意気込み臨んだ金田

 まずはスコアを振り出しに戻したい早大。しかし、積極的な仕掛けとスピードを武器にゴールへと襲いかかる国士舘大の勢いを止めることができない。53分、鋭いドリブル突破から田場ディエゴ(3年)が放ったシュートはゴールの右ポストを直撃。こぼれ球を小島がキャッチしなんとかこと無きを得たが、あわや追加点という場面だった。押し返したい早大は62分、DF木下諒(社4=JFAアカデミー福島)が左サイドを突破し鋭いクロスを供給。柳沢の折り返しを受けたFW石川大貴(スポ4=名古屋グランパスU−18)が右足を振り抜く。しかし、シュートは相手のブロックに合いゴールネットを揺らすことはできない。するとその5分後だった。CKから相手のキャプテン平野佑一(4年)に打点の高いヘディングシュートを決められ、痛恨の2失点目を喫してしまう。このままでは終われない早大は、けがから復帰しこれが今季リーグ戦初出場となるMF鈴木裕也副将(スポ4=埼玉・武南)、そして決定力の高い岡田を立て続きに投入し、反撃を試みる。82分、相馬の見事なスルーパスに抜け出した岡田がそのままゴール前までボールを運ぶと、最後は落ち着いてゴール左隅にボールを流し込み、ようやく1点を返すことに成功。反撃ののろしを上げた。さらに86分、鈴木裕が力強いドリブルで左サイドをえぐり、ゴール前に折り返す。相手のクリアボールを後方から勢いよく走り込んで来たMF今来俊介(商4=神奈川・桐光学園)がダイレクトボレーで狙うも、わずかに右に逸れてしまった。その後も懸命な追い上げを見せたが、最後までしたたかに試合を進める国士舘大に追い付くことはできず。2位で後期を迎えることとなった。

鈴木準は「後半の戦いぶりを前半からできていれば…」と唇をかんだ

 試合終了のホイッスルが鳴ると同時に膝から崩れ落ちたエンジイレブン。「絶対負けたくない相手だった」(DF安田壱成、スポ4=ベガルタ仙台ユース)だっただけに、選手たちの足取りは重かった。「プレーではなくて気持ちの部分。一人ひとりの背負う気持ちが絶対に足りていない。もっと責任感を持たなきゃいけない」。声を震わせチームメイトに訴えた鈴木裕を始め、何人かの選手たちが目に悔し涙を浮かべていた。それほど負けたくない一戦だったのだ。同じ相手に二度敗れた屈辱はそう簡単に拭い切れるものではない。それでも、この悔しさを糧にして、この先さらに困難を極めるであろう戦いの数々に挑んでいかなければならない。だからこそ「どんな相手にも自信を持って、絶対負けないという思いでやらなければならない」と(DF鈴木準弥主将、スポ4=清水エスパルスユース)選手たちは前を向く。7月1日からは日本一を目指す戦い・アミノバイタルカップが開幕する。この悔しさから何を学び、どれだけ強くなれるのか。新たな局面を迎える今後の戦いで、その成果を見せつけたい。

スターティングイレブン

 

(記事=栗村智弘 写真=田中佑茉/守屋郁宏)

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関東大学リーグ戦
早大 0-1
1-1
国士舘大
【早大得点者】82岡田
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 小島亨介 スポ3 名古屋グランパスU−18
RB 安田壱成 スポ4 ベガルタ仙台ユース
CB ◎鈴木準弥 スポ4 清水エスパルスユース
CB 18 大桃海斗 スポ2 新潟・帝京長岡
LB 12 木下諒 社4 JFAアカデミー福島
CMF 今来俊介 商4 神奈川・桐光学園
CMF 10 秋山陽介 スポ4 千葉・流通経大柏
RMF 11 柳沢拓弥 社4 清水エスパルスユース
MF →67分 鈴木裕也 スポ4 埼玉・武南
LMF 相馬勇紀 スポ3 三菱養和SCユース
CF 14 石川大貴 スポ4 名古屋グランパスU-18
FW →71分 岡田優希 スポ3 川崎フロンターレU−18
CF 19 武颯 スポ4 横浜F・マリノスユース
FW →13分 飯泉涼矢 スポ4 三菱養和SCユース
◎=キャプテン
監督:古賀聡(平4教卒=東京・早実)
関東大学リーグ戦2部リーグ順位表
順位 校名 勝点 試合数 得点 失点 得失差
国士舘大 26 11 21 12 +6
早大 23 11 30 14 +16
拓大 20 11 22 +13
東農大 15 11 18 14 +4
中大 15 10 19 18 +1
神奈川大 13 11 19 18 +1
東京学芸大 13 10 16 17 −1
東海大 12 11 13 19 -6
青学大 11 10 13 20 -7
10 立正大 11 11 14 25 -11
11 日大 11 10 17 -7
12 朝鮮大 10 22 -13
※第11節終了時点
※上位2チームが自動昇格
※順位は暫定
コメント

DF鈴木準弥主将(スポ4=清水エスパルスユース)

――白熱した好ゲームでした。振り返っていかがですか

後半の戦いぶりを前半からできていれば、展開はもっと変わったかもしれないですし、どうしても簡単な失点というか、どちらも防げた失点だったので、本当にもったいない試合だったなと思います。

――前半は前がかりにくる相手に対して押し込まれる場面も多くなってしまったかと思います

相手の強みと自分たちの強みが同じともいえる試合だったと思うんですけど、前半は相手の方が勢いが強かった、そこの強みの部分で自分たちは負けていたところはあったと思います。

――具体的にどういった部分が両者共通していると思いますか

前からボールを奪いにいくということや、球際の部分や競り合いもそうですけど、戦術的なことではなくて根本的なところ、ア式がこれまでずっと大事にしてきたところで国士に負けてしまったと思います。

――3月に苦杯を喫した相手との試合でした。試合に挑むチームの姿勢は主将から見ていかがでしたか

意識としては悪くなかったと思いますし、みんなやってやるぞという気持ちが強かったと思うんですけど、試合の中でそれが出せたかというとそうではないと思います。全員気持ちは確かにあったと思うんですけど、それを結果につなげることができませんでした。

――この先再び国士舘大と対戦する機会もありますが、勝つために必要なのはどういったことでしょうか

相手も強く来る中で、最初から相手を上回らなければいけないですし、相手を受け身にさせるぐらいの勢いを出せるようにならなければいけないと思います。だから攻撃も守備ももっともっとアグレッシブにやっていかなければいけないですし、そこをもっと意識してやっていけばきょうの後半みたいにしっかり戦えると思うので、自分たちから能動的にプレーできるようにしたいです。

――来週からは日本一を懸けた戦いが始まります。アミノ杯に向けて意気込みをお願いします

まずは絶対に全国出場をする、それを目指して戦わなければいけないですし、チームとしてタイトルを奪いにいく中で、1部の強豪とも戦うことになると思います。ことし自分たちは2部でやってますけど、自信持って絶対負けないという思いでやっていかなければいけないし、ここで勝てないようでは日本一にはなれないので、どんな相手が来ても自分たちの強みが出せるような戦いをしたいです。

MF鈴木裕也副将(スポ4=埼玉・武南)

――きょうの試合はいかがでしたか

天皇杯予選でも負けている相手に二度負けるというのはありえないというか、本当にこの試合に勝つためにやってきたと言っても過言ではないので、悔しいです。

――試合後は涙をこらえ切れませんでした。それほど悔しい敗戦だったということでしょうか

もっともっとできたという思いがあるから悔しいですし、久々にピッチに入って、下級生のときから試合に出させてもらってきた中で、チームを背負う責任感とか、もっとみんな分も戦うんだっていう熱が例年よりもチームとして薄いのではないかと感じました。その思いがあれば、もっといいゲームもできたと思うし、勝つこともできたと思います。

――リーグ戦は今季初出場、公式戦も約3ヶ月ぶりとなりました。どういう気持ちでピッチに入りましたか

これまで首位で来れたのはみんなの力のおかげで、自分はまだ何も貢献できていなかったので、自分の力でチームが勝てるような活躍をしていこう、そういう意気込みがあってきょうはそのスタートだったのですが、逆転まで導くことができなくて、自分の力不足を感じました。

――国士舘大のようなライバルに勝つためには、どういったことが必要になってくると思いますか

個の力が相手より劣っているからこういう結果になっているわけで、ドリブルで相手を剥がしたり、シュートを決め切るであったり、11人全員の個の力が上がっていかなければ勝てないと思うので、そこをやっていきたいです。

――来週からはアミノ杯が始まります。日本一に向けて、どういった準備をしていきたいですか

きょう負けたことで見えた課題もありますし、やらなければいけないことも明確になったので、それを一週間で修正できれば結果は付いてくると思いますし、よかったところもしっかり共有して準備していきたいと思います。

DF安田壱成(スポ4=ベガルタ仙台ユース)

――試合を終えた今のお気持ちを聞かせてください

率直に悔しいです。前期首位で折り返したかったし、3ヶ月前の天皇杯予選で国士にはこの地で負けていて、絶対負けたくない相手だったんで、今はもう悔しい気持ちでいっぱいです。

――この試合に向けた特別な対策はあったんでしょうか

そこ(負けた試合)から3ヶ月間、自分たちが出した課題を克服するようなトレーニングをやってきたので、ある程度自分たちも自信を持って試合に入れたと思うんですけど、まだ差があるのかなというのを正直感じました。

――相手は背後のスペースをかなり狙ってきていた印象がありますが、その点については

自分たちが先に失点して、点を取りにいかなければいけない状況で、自分たちの前に攻める意識が強くなったので、後ろを狙われているという意識はあったんですけど、それでも自分たちは点を取らなきゃいけないので、後ろでリスク管理をしながら前にいく姿勢を貫いたという感じですかね。

――先制を許した場面は、その背後を突かれての失点でしたが

オフサイドを取りにいってはないんですけど、それは正直自分たちのリスク管理のミスで起きた失点なんで、ディフェンス陣の責任だと思っています。

――今後に向けてはどんな準備をしていきますか

自分たちが能動的に守備をしてボールを奪ってゴールに早く迫るというサッカーを目指しているので、それはぶれずにこれからも練習して、近くアミノ、また早慶戦とあるので、それに向けてチームみんなでしっかり準備していきたいと思います。

――来週からは一発勝負の試合が続きます。意気込みをお願いします

きょうみたいに負けてしまえば4年生に残された公式戦はもう後期のリーグ戦しかなくなるので、しっかりアミノで勝てるように、時間は短いですけどしっかり準備して勝てるように取り組んでいきたいと思います。

MF相馬勇紀(スポ3=三菱養和SCユース)

――試合を終えた今のお気持ちをお願いします

悔しいですね。前期優勝をしようと思っていたので悔しいです。

――きょうの試合を振り返って

やることができた時間帯とできなかった時間帯があるというのもそうですし、(失点は)2点目はセットプレーですし、1点目は連携ミスというか簡単な失点になってしまったので、悔しい部分はありますね。

――きょうの試合の狙いとしては具体的なプランはあったのでしょうか

自分たちが部としてやっているサッカーの本質の部分で、相手のゴールになるべく早く攻めるというのをやる中で、ことしはしっかり相手を見ながら、相手がもし下がっているなら、つなぐべきところはしっかりつなぎながら、ゴールに速く攻めていこうというサッカーで、後半の最後の方であるとか、狙っていることができた部分はあったのかなと思います。

――サイドアタッカーとしてきょうのご自身の役割とその出来についてはいかがでしょう

自分はドリブルなどで個人ではがさなければいけないので、前半のえぐったシーンとかも、やはりクロスまでいったりシュートまでいくような意識を持っていました。もうひとつ、プレスキックを務めているので、そこはきょうはいい精度で蹴れなかったと思います。

――きょうの試合でうまくいかなかった部分はどういったところだと思われますか

相手のレベルが上がっていくにつれて、守備の部分で1対1になってしまう局面が多かったときに、(周りが)助けることもそうですけど、個人個人がどれだけ戦えるかというところが大切になると思います。結構相手ははがしてきていたので。

――来週からはアミノ杯も始まりますが、今後に向けて意気込みをお願いします

ことしは1部昇格と日本一という目標があるわけで、2部にいるわけなのでことしはアミノ杯に勝たなければ全国大会には出れずに日本一の夢は終わってしまうというのもありますし、試合後のミーティングで主将も言っていたんですけど、国士舘より強い相手はもっといるわけで、自分たちのレベルがもっと上げなければいけないので、毎日、一日一日を積み重ねていかないとレベルというのは上がっていかないと思うので、そこは戻ってやっていかなきゃいけないと思います。

MF金田拓海(社2=ヴィッセル神戸Uー18)

――MF秋山陽介(スポ4=千葉・流通経大柏)選手に代わっての出場となりました

きのうの練習で陽介くんがケガをして、その時点では出るっていうのはまだ分からなかったんですけど、きのう監督から電話がかかってきて、行くかもしれないって言われたときに、やっとチャンスが来たと思いました。前に天皇杯の予選でも自分が出て国士舘に負けていたので、借りを返すっていう意味でも強い気持ちで試合に臨みました。

――どういった狙いできょうの試合に臨みましたか

相手が最初の時間帯とかはガンガン前から来るっていうのは分かっていたので、自分はセカンドボールをとりあえず意識していました。

――ご自身の調子はいかがでしたか

いや、もう全然ですね。チームとしてボールを保持するっていうことをやっていて、自分はボランチなんですけど、ボランチが一番逃げ場というかゲームを組み立てるポジションなのに、前から相手が来る中で何もできなかったなと思います。

――以前も負けている相手ということで、勝ちたい気持ちが強かったと思いますが負けてしまいました

悔しいですね。同じ相手に2回負けるっていうのは本当にやってはいけないことだと思います。でもその中でも最後の時間帯とかは、逆転する力がなかった、追い付く力がなかったというのはありますけど、攻め込める部分だったりがあって。まだ対戦するチャンスはあると思うので、次は絶対勝てるようにこれからやっていきたいなと思います。

――来週からはアミノバイタルが始まります

自分が出るかはまだ分からないですけど、厳しい日程で総力戦になると思いますし、自分にも絶対チャンスは来ると思うので、次こそは自分がチームを勝たせるっていう気持ちでやっていきたいと思います。