ラグビー部
2017.06.18
新人戦 対新人明大 6月17日 明大八幡山グラウンド
セットプレーの安定感を欠き、新人明大に完封負け
新人早大の2戦目は明大八幡山グラウンドでの新人明大との試合となった。フッカー芦刈太政ゲームキャプテン(スポ1=福岡・東筑)が「早明戦という大事な試合」と言うように早明戦は早大にとっては絶対に負けてはいけない試合。そのため、きょうの試合では序盤からキックを使い試合の主導権を握ろうという意図が見られた。しかし、敵陣にいる時間は長かったものの、セットプレーが安定せず、試合の流れを新人明大につかまれたまま、完封負けを喫してしまった。
先制したのは新人明大だった。4分、ラックサイドをFWにゲインされると、フェーズを重ねられ、いきなり得点を許してしまう。前半13分にはマイボールのスクラムを押し込まれてターンオーバーされると、ブラインドサイドでビッグゲインされる。最後は大外に展開され、インゴールを明け渡してしまう。その後も、新人早大のディフェンスの甘さから相手のアタックを止めきれず、コンスタントに得点を許してしまう。一方、アタックではキックや相手のミスなどによって敵陣ゴール前まで攻め込む場面はあるものの、得点を奪うことができない。38分に相手のノックオンからフランカー高木樹(法1=大阪・早稲田摂陵)が自陣10メートルラインから敵陣22メートルライン付近までの独走を見せたが、インゴールをこじ開けることはできず。前半は終始明大ペースのまま得点を奪われ続け、早大無得点のまま0-29で前半を終えた。
前半、ビッグゲインを見せた高木
後半、開始早々から新人明大に攻め込まれる展開となる。3分、自陣ゴール前の相手ボールスクラムから、相手SOにディフェンスラインのギャップを突かれ、失トライ。その後もラックサイドを新人明大FWにゲインされる場面が散見され、そこを起点に失点を重ねてしまう。一方、アタックでは相手のペナルティーから敵陣深くに攻め込み、マイボールラインアウトの場面が何度もあったものの、自らのミスによってターンオーバーされてしまい、ボールを保持することができない。結局、早大新人は1トライも挙げられずに0-55の完封負けを喫してしまった。
セットプレーに課題を残した
きょうの試合での課題はタックルの2人目の寄りとセットプレーの安定にあるだろう。SO島本雄太(創理1=神奈川・桐蔭学園)が「1人目のところで入れていなかった部分が多く、2人目が入り切れない部分が多かった」と振り返るように、強いキャリアーには2人目のタックラーがどれだけ早く寄れるかが、カギになってくるだろう。また、マイボールのラインアウトは14本あったが、半分の7本しかキープすることができなかった。さらに、スクラムは7本のうち3本しかマイボールをキープすることができず、セットピースにおいて課題が現れる結果となった。この夏、基礎的な部分から着実に積み重ねていき、安定したセットプレーで、確実な球出しができるようになりたいところだ。ひいては、夏を越えたルーキーたちの飛躍に期待したい。
(記事 小田真史、写真 伊東穂高、萩原大勝)
新人戦 | ||||
---|---|---|---|---|
新人早大 | スコア | 新人明大 | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
0 | 0 | T | 5 | 4 |
0 | 0 | G | 2 | 3 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
0 | 0 | 計 | 29 | 26 |
0 | 合計 | 55 |
早大メンバー | |||
---|---|---|---|
背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 木下 隆介 | 文構1 | 東京・本郷 |
2 | ◎芦刈 太政 | スポ1 | 福岡・東筑 |
3 | 土田 彬洋 | スポ1 | 茨城・茗渓学園 |
4 | 黒田 瑛大 | 社1 | 埼玉・早大本庄 |
後半0分交代→17森島 | |||
5 | 星谷 俊輔 | スポ1 | 東京・国学院久我山 |
6 | 高吉 将也 | 教1 | 神奈川・桐蔭学園 |
7 | 高木 樹 | 法1 | 大阪・早稲田摂陵 |
8 | 山野 浩暉 | 文構1 | 東京・早実 |
9 | 矢野 翼 | スポ1 | 愛知・明和 |
10 | 島本 雄太 | 創理1 | 神奈川・桐蔭学園 |
後半24分交代→20亀井 | |||
11 | 島田 雄大 | 商1 | 東京・早大学院 |
後半32分交代→23宮内 | |||
12 | 平井 亮佑 | スポ1 | 福岡・修猷館 |
13 | 平田 瑞貴 | 教1 | 大阪・早稲田摂陵 |
後半32分交代→21坪郷 | |||
14 | 安部 勇佑 | スポ1 | 東京・国学院久我山 |
後半32分交代→23田所 | |||
15 | 千年原 倭 | 文構1 | 東京・早実 |
後半19分交代→24南 | |||
リザーブ | |||
16 | 大平 純造 | 文2 | 東京・早実 |
17 | 森島 大智 | 教2 | 東京・早実 |
18 | 武田 雄多 | 文2 | 東京・早実 |
19 | 辺津 勘太 | 法3 | 東京・早実 |
20 | 亀井 亮介 | スポ1 | 長野・飯田 |
21 | 坪郷 智輝 | 法1 | 埼玉・川越東 |
22 | 田所 賢汰 | 社1 | 埼玉・早大本庄 |
23 | 宮内 隆貢 | 人1 | 東京・国学院久我山 |
24 | 南 徹哉 | 文1 | 福岡・修猷館 |
※◎はゲームキャプテン、監督は山下大悟(平15人卒=神奈川・桐蔭学園) |
コメント
大峯功三ジュニアコーチ(平27スポ卒=福岡・東筑)
――新人戦2試合を振り返っていかがでしたか
まだまだチームとして練習せずにファンダメンタル、個人の練習のところの成果を出すということで臨んだのですが、まだまだフィジカルの部分であったり、スキルの部分で足りないところはあったので、これから4年間早明戦という形でやっていくのでしっかりとやるように試合後に伝えました。
―チームの基本方針は入部後の2、3ヵ月で新入生にも浸透してきたと思いますか
1年生はフィジカルの部分を鍛えている期間が長く、スキルに入った期間が短いので、これからしっかりとやっていきますし、ファンダメンタルの部分も3つの基本方針に基づいた基礎的なスキル、スクラムで言えば1対1の部分であったり、チームディフェンスであればシステムの理解、そういったところに取り組んでいるので結果を残していければと思います。
――夏に向けてどのようなことに取り組んでいきたいと思いますか
まずはもう1回体づくりの時間があるので、そこに対して全員が取り組むことと、菅平合宿でも試合があると思うので、そこに向けてチームとして仕上がっていければと思います。
フッカー芦刈太政ゲームキャプテン(スポ1=福岡・東筑)
――新人早明戦全体を振り返っていかがでしたか
攻撃の部分では合わせていなかったので、ディフェンスの1対1で勝負するはずだったのですが、ファーストタックラーが外されてしまい、セカンドが着く前にラインブレイクされてしまいました。自分たちは基本ダブルタックルを意識しているのですが、そこがしっかりできていなかったことがきょうの敗戦の原因だと思います。
――チームとして意識したことはどこでしょうか
ディフェンスではダブルタックルで止めること、アタックでは1対1で勝つようにしました。
――アタックのミスが多かったですが、どのように感じていらっしゃいますか
FWのセットプレーから安定しなかったので、BKにいいボールが回せなかったです。FWのセットプレーを安定させてBKにいいボールが回せるよう心掛けていきたいです。
――ミスも散見されましたが、ラインアウトはいかがでしたか
練習があまりできていない中、何本かいい部分もありましたが、やはりごちゃごちゃしてしまいミスが多くなってしまいました。新人早明戦という大事な試合だったこともあり、もっとプライドを持ってやっていきたいと思います。
――スクラムに関してはどうでしたか
やはり明大側が全員重く、何本かは低くいって止めることができた部分もありましたが、セットのインパクトで押されてしまったのでそこを修正したいです。
――早明新人戦で春シーズンの15人制は最後となりますが、夏に向けての意気込みをお願いします
体を大きくして1対1で絶対に負けないようにしようと思います。FWはセットプレー、特に自分たちのスローガンであるドミネートできるスクラムを夏に向けてがんばりたいと思います。
ロック黒田瑛大(社1=埼玉・早大本庄)
――前回の試合の反省点ふまえて、今回の試合はいかがでしたか
前回の試合よりもタックルの部分で体を当てることはできたと思います。
――全体としてラックサイドを抜かれる場面が目立ったのですが、原因はなんだと考えていますか
明大のスイープに捕まってしまい、抜け出すことができなかったからだと思います。
――ラインアウトでは、どのような意図でボールを確保するつもりでしたか
相手は背が高かったのでセットを早くしたりして、タイミングをずらすことでボール取りたかったのですが、できませんでした。
――スクラムではどのようなところを意識されていましたか
低く耐える意識ですね。
――スクラムでの反省点はなんですか
明大のフロントローが強くて、押されたときに低く耐えることができなかったところです。ロックとしてプロップをもっと助けることができれば、と思います。
――ファーストスクラムでは何を意識されていましたか
チームとしてセットプレーの安定を大事にしているので、絶対に負けないという気持ちで臨みました。
――前回の慶大・今回の明大の新人戦2試合戦ってみていかがでしたか
どちらも伝統の一戦なのですが、きょうの新人明大戦は全体として新人慶大戦の時よりも士気が下がってしまっていたので、ずっとプライドを持ったまま戦わなければならないと思いました。
――これで15人制の春シーズンは終了となりますが、夏合宿について意気込みを聞かせてください
自分のウィークポイントはタックルなので、タックルの精度の向上と、フィットネスの向上を目指して頑張っていきます。
フランカー高吉将也(教1=神奈川・桐蔭学園)
――新人早慶戦を振り返っての反省点はどこでしょうか。
前回の試合では慶應の選手に当たり負けてしまうことが多く、今回の明治の選手は大きさもパワーも一回り上ですが、当たり負けないように意識しました。
――ラインアウトやスクラムを振り返って、反省点などはありますか
1年生のチームであまりセットプレーに慣れていないという問題はありましたが、それを踏まえてももっと基礎的なプレーを意識してできればよかったなと感じています。
――キックチャージを成功させる場面がありましたが、その時の気持ちを聞かせてください
ゴール前だったので、「やってやろう」という気持ちで、思い切り走っていってキックチャージをしました。
――春シーズンを振り返って、何か思うところはありますか
初めて出た試合はリザーブとしての出場でした。その時に高校と大学のラグビーの実力差というものを本当に自覚し、それ以降の試合では「自分ができる事はなんだろう」という事を毎試合毎試合考えながらプレーをしていました。次のシーズンに向けては自分の強みというものを探していき、試合でそれを発揮出来るようにしていきたいです。
――夏へ向けての課題は何ですか
ディフェンス面においては、強いインパクトを与えて相手を倒す、アタックに関してはすぐ倒れないでレッグドライブし、ゲインするという点をしっかりと出来るよう心掛けて行きたいです。
SO島本雄太(創理1=神奈川・桐蔭学園)
――きょうはどのようなゲームプランで臨みましたか
敵陣でプレーをしてタックルしてブレイクダウンをかけてマイボールにしていくという戦い方で、ディフェンスのところで勝とうというプランでした。
――きょうの試合を振り返っていかがですか
1対1で受けてしまって外に振られてトライという場面が多かったです。2人で入っているときは止めることができていたと思います。1人目のところで入れなかった部分が多く、2人目が入り切れない部分が多かったです。
――内側にも抜かれてしまう場面が見られました
起き上がりのスピードが全員遅かったですね。タックルを受けて向こうに返せばすぐに立ち上がれたんですけど、タックルを受けてしまって起きるのが遅くなってその寝ているところを突かれたという感じだったと思います。まずはタックルで勝たないとその素早い起き上がりはできないので、まずは1対1をやっていきたいと思います。
――個人としての課題は見つかりましたか
個人としてはディフェンスを1対1で受けていることが多かったというのと、体力的に疲れが出てしまったのでそこが課題です。
――チームの課題を挙げるとすれば何ですか
もう一回ディフェンスの部分を改めてやっていきたいと思います
――きょうで春シーズンが終了となりましたが、ここまでの大学ラグビーを振り返っていかがですか
フィジカルの部分で差を感じるので、まずは体づくり、体力づくり、それに技術面も加わっていけばいいかなと思います。
FB南徹哉(文1=福岡・修猷館)
――前回までの試合で出た課題などがあれば、具体的に教えてください
アタックとディフェンスの難しい部分を練習していなかったので、アタックだったら1人1人レッグドライブして、ボールをしっかり出すということ、ディフェンスはライフラインをたどって前に出て体をはじかないということが課題としてありました。
――きょうは途中出場でしたが、どのような気持ちで試合に臨みましたか
出場時間も短くて限られた時間しかないので、とにかく相手に挑んでアピールしようと思いました。チームの流れもずっと悪かったので、流れを変えようという思いで臨みました。
――今回の試合においてディフェンスで意識したことは何ですか
FBなので、外に回られないようにできるだけ早く前に上がりました。
――実際にうまくいきましたか
意識していたところはできたと思います。
――今回で15人制の試合が最後でしたが、春全体を振り返ってどのように感じますか
慶大にも明大にも負けてしまったので、頑張っていかなければいけないと思いました。
――最後に、夏に向けての抱負をお願いします
体を強くして、上のレベルで試合できるように頑張りたいです。