相撲部

2017.06.13

第96回東日本学生選手権 6月11日 両国国技館

国技館を沸かせた!9年ぶりの東日本ベスト8

 快進撃に国技館が沸いた。両国で行われた、東日本学生選手権。早大は団体戦Bクラストーナメントを3位で通過し、Aクラス予選へ進出。中大には敗れたものの、強豪・拓大から勝ち点をもぎ取った。さらには、準優勝した日大からも2勝。決勝トーナメントに進む8チームを決める明大戦も、熱戦の末に勝利した。選手たちが上げた、勝利の雄叫び。実に9年ぶりという、東日本でのベスト8。監督、選手、チーム関係者の、笑顔の花が咲いた。

 開会式が終わり、まずはBクラストーナメントに臨んだ早大。初戦は実力差のある防衛大戦だった。1年生ながら先鋒として出場した長谷川聖記(スポ1=愛知・愛工大名電)が押し倒しで白星を挙げると、続く選手も順当に勝ち、5戦全勝で勝ち上がる。第2戦の相手は、専大。二陣・鬼谷智之主将(スポ4=愛知・愛工大名電)と、中堅・本田煕誉志(社4=大分・楊志館)が白星を挙げたものの、惜しくも2ー3で敗れた。Bクラス優勝は果たせず、第3位でAクラス予選へ。その1回戦も、中大を相手に鬼谷の1勝にとどまり1ー4で敗戦。ここまでは、決して良い流れではなかった。やはり強豪を相手にすると戦えないのか。そんな空気も流れかけた第2戦の拓大戦。先鋒・長谷川の相撲が、チームの悪い流れを断ち切った。相手に左の差し手を手繰られたが、粘り強く攻めて、土俵際での微妙な勝負に。審判団協議の結果、取り直し。「取り直しだけはやめてと思った」というが、「気持ちを切り替えて前に出る相撲を」と、2番目に臨んだ長谷川。左で上手をつかみ、組み止めて、最後は西土俵へ寄り倒した。

新人ながらチームを勢いづけた長谷川

 新人の長谷川が挙げた白星が、チームを奮い立たせる。二陣・鬼谷は、目の覚めるような立ち合いの当たりで相手を圧倒。主将の意地を見せた。中堅・本田、副将・谷本将也(スポ4=鳥取城北)が敗れてしまい、2ー2となって迎えた大将戦。橋本侑京(スポ2=東京・足立新田)は、相手にもろ差しを許し、苦しい体勢に。しかし、土俵際で投げの打ち合い。ここでわずかに橋本が上回った。雄叫びをあげ、ガッツポーズ。3ー2で拓大に勝利したのであった。3回戦も、強豪中の強豪、最終的には準優勝した日大が相手だったが、早大は勢いそのままに大健闘。低い体勢で攻めた鬼谷が白星を挙げると、続く本田も、相手の突きに下がらず、押し出しで勝利。勝ち点はならなかったが、日大から2点を奪い、国技館の観衆を大いに沸かせた。全12チームが3回戦までを終え、6位で4チームが並ぶ展開となり、ベスト8トーナメントへの進出決定戦に進んだ早大。相手は明大だ。まずは先鋒の長谷川。相手の右のノド輪が入り、苦しい体勢に。しかしここをこらえ、最後は相手の下に潜り込んで一気に寄り立てた。寄り倒しで白星を挙げ、またもチームに良い流れを持ち込む。続く鬼谷も奮起。下からの激しい攻めを見せ、引きに乗じて一気に前に出た。これで2ー0。しかし、明大もさすがに手強い。中堅・本田、副将・佐藤太一(社2=大分・楊志館)が続けて敗れ、勝負はまたも大将・橋本に託された。塩をまき、土俵に上がる。立ち合い、相手は左に変化した。なんとか残す橋本。右をねじ込み、右四つに渡り合う。相手の寄りで土俵際に追い込まれたが、うまく体を入れ替える。今度は橋本の寄りに、相手の右足が土俵を割った。橋本は再び勝利の雄叫び。鬼谷主将、本田、長谷川ら、土俵下の選手たちも拳を突き上げて喜んだ。実に9年ぶり、東日本のベスト8入り決定の瞬間だった。

橋本が大将戦を制し、訪れた9年ぶりの歓喜の瞬間

 優秀8団体決勝トーナメントでは、東洋大に対し全敗に終わってしまった。しかし、ワセダの相撲部の躍進は、観客に鮮烈な印象を残したに違いない。ベスト8に入ったことにより、7月の選抜金沢大会だけでなく、8月の選抜十和田大会への出場も決定。経験が、自信となり、さらなる強さを生む。鬼谷主将も、「ベスト8のカベは破れたので、ベスト4や優勝を狙う」と意気込んだ。この勢いは本物だ。創部100周年の今年、相撲部の戦いはまだまだこれから。新戦力を加え、ワセダはさらに上を見据える。

(記事 元田蒼、写真 吉岡拓哉、元田蒼)

結果

団体戦 Bクラストーナメント

準々決勝 対防衛大 5勝

先鋒 ○長谷川参段(押し倒し)トゥルグーン

二陣 ○鬼谷参段(押し出し)平山初段

中堅 ○本田参段(突き出し)米島初段

副将 ○谷本参段(上手出し投げ)南宮初段

大将 ○若林参段(突き出し)廣瀬


準決勝 対専大 2勝3敗

先鋒 ●長谷川参段(押し出し)谷元弐段

二陣 ○鬼谷参段(押し出し)森田参段

中堅 ○本田参段(小手投げ)村山弐段

副将 ●谷本参段(上手投げ)中島参段

大将 ●若林参段(突き出し)戸田参段

※Bクラストーナメント3位


Aクラス予選

1回戦 対中大 1勝4敗

先鋒 ●長谷川参段(上手出し投げ)近平参段

二陣 ○鬼谷参段(すくい投げ)西川初段

中堅 ●本田参段(送り引き落とし)菅野弐段

副将 ●谷本参段(寄り切り)田中大参段

大将 ●橋本弐段(引き落とし)中村参段


2回戦 対拓大 3勝2敗

先鋒 ○長谷川参段(寄り倒し)志村参段

二陣 ○鬼谷参段(押し出し)勝呂弐段

中堅 ●本田参段(寄り切り)黒川参段

副将 ●谷本参段(寄り切り)松原弐段

大将 ○橋本弐段(小手投げ)寺沢参段


3回戦 対日大 2勝3敗

先鋒 ●長谷川参段(押し出し)榎波参段

二陣 ○鬼谷参段(寄り切り)古川晴参段

中堅 ○本田参段(押し出し)佐藤参段

副将 ●谷本参段(寄り倒し)廣尾参段

大将 ●橋本弐段(寄り切り)古川貴参段


決勝トーナメント進出決定戦 対明大 3勝2敗

先鋒 ○長谷川参段(寄り倒し)藤原弐段

二陣 ○鬼谷参段(押し出し)田原参段

中堅 ●本田参段(すくい投げ)北川参段

副将 ●佐藤初段(引き落とし)東弐段

大将 ○橋本弐段(寄り切り)前田参段

※Aクラス予選6位


Aクラス優秀8校決勝トーナメント

1回戦 対東洋大 5敗

先鋒 ●長谷川参段(小手投げ)城山四段

二陣 ●鬼谷参段(はたき込み)西野参段

中堅 ●本田参段(寄り切り)寺沢参段

副将 ●佐藤初段(はたき込み)深井参段

大将 ●橋本弐段(引き落とし)白石参段


個人戦

鬼谷智之参段(スポ4=愛知・愛工大名電)

一回戦 ●対山内参段(東農大)首投げ



本田煕誉志参段(社4=大分・楊志館)

一回戦 ○対寺沢参段(拓大)小手投げ

二回戦 ●対深井参段(東洋大)はたき込み



谷本将也参段(スポ4=鳥取城北)

一回戦 ○対石川弐段(駒大)上手投げ

二回戦 ○対吉原参段(千葉大)押し倒し

三回戦 ●対鈴木参段(日体大)突き落とし



市川拓弥参段(社4=長野・更級農)

一回戦 ●対勝呂弐段(拓大)突き出し



若林魁参段(スポ3=岐阜農林)

一回戦 ○対石川初段(東農大)突き出し

二回戦 ○対松永参段(日体大)突き落とし

三回戦 ●対黒川参段(拓大)上手投げ


室伏渉監督(平6人卒=東京・明大中野)

――団体戦の目標はどこに置いていましたか

目標は、ベスト8に進出して、あわよくば上位進出を狙おうというものでした。最低限、ベスト8に残ったというのは本当に褒めてあげたいと思います。

――ベスト8に残ったのは何年ぶりになりますか

9年ぶりですね。

――拓大に3ー2で勝利し、日大にも2点をとる結果になりました

本来ならば中大に対して2点以上は勝ちたいところでしたが、Bクラストーナメントで専大に負けて、気持ちの切り替えがうまくいかなかったというところがありました。専大、中大に負けて、スイッチが切り替わったのが良かったのではないかと、それは成長だと思いました。

――強豪を相手に互角に戦えているという印象です

日大戦は2点取って、あわよくば取れるのではという期待を見ている人に感じてもらえたのではないかと思うので、それは本当に良かったと思います。

――鬼谷主将は明大戦までは6戦全勝と、好調でした

本当にエースですよね。主将として絶対勝たなきゃというプレッシャーが相当あったと思うので、それを感じさせなかったです。前が1年生だったので、思い切って行けと言って、あいつが負けても俺が取るというような、そういう意気込みがすごく伝わったと思います。

――その1年生の長谷川も、白星がありました

拓大戦などで、ここ一番で勝つようになりました。持っているものはあるのですが、緊張もあり、どうしたらいいかな、という、まだ慣れていない部分はあったと思います。でも、それがだんだん解けてきて、ああいう形で結果が出たので、非常に良かったなと思います。

――改めて、ベスト8の要因はどこになりますか

選手の頑張り、それだけですね。市川が控えに入っていたのですが、教育実習等であまり稽古ができていなかったので、前日に「監督、僕を外してください」と言ってきて、予備登録だった2年生の橋本をあげました。その時に、すごくいいチームだな、と。普通4年生だったら試合に出たいのに、「絶対に勝ちたいので」ということを言ってくれたので。僕はその時点でちょっと勝てるなというのは思っていました。

――選抜大会への出場も決まりました

7月の金沢大会、またベスト8に入ったので8月の十和田大会にも出場できます。大きいですね。選抜大会を2回やって、インカレに向けて自信をつけて、ベスト8に入れるのが当たり前のようになればベスト4が見えてきます。そこまで行きたいと思っています。

鬼谷智之主将(スポ4=愛知・愛工大名電)

――今日の団体戦の結果については、いかがでしたか

最低限の目標は達成できたので、とりあえずホッとしています。

――ご自身で、明大戦までは6戦6勝と好調でした。気持ちがのっているように見えましたが、いかがでしたか

最上級生で、主将ですし、この東日本大会も最後になるので、チームを引っ張っていくのは自分だという気持ちで一番一番に取り組みました。

――1年生も含めて、チームのまとまりはいかがですか

先鋒が1年生の長谷川だったのですが、彼がすごく流れを持ってきてくれて、1年生が頑張っているからと自分たちも勢いがついて、本当に今日は先鋒の長谷川に助けられましたね。

――今日のベスト8の要因は

やはり先鋒の長谷川が頑張ったことが、今日のベスト8につながったと思います。

――最後に今後の大会に向けて意識したいことをお願いします

ベスト8のカベは破れたので、ベスト4や優勝を狙っていけるように頑張っていきたいと思います。

橋本侑京(スポ2=東京・足立新田)

――団体戦の結果についてはいかがですか

ひと安心というところですね。9年ぶりに昇格できたので。もう1つ上を狙っていたので、悔しい気持ちもありますが、最低限はクリアできたというところです。

――大将戦が2ー2の場面で2度まわってきました。重圧はなかったですか

そんなに緊張せずにリラックスして取れたので良かったと思います。日大戦は少し緊張しちゃったのですが、それ以外は自分の相撲を取れたので勝てたのではないかなと思います。

――拓大戦は投げの打ち合いになりました

中に入られた時はまずいと思ったのですが、あれで負けていたらおそらく予選落ちだったので、気合いで残すしかないという感じでした。

――明大戦は土俵際の粘りが見られました

組んだら強い相手に対して組んでしまったので、相手に体勢を作られる前に攻めようと思って、攻められたので良かったです。

――金沢大会に向けて意識したいことは

東日本はいい感じで1部に昇格できたので、金沢大会でもベスト8以上を狙って頑張っていきたいです。

長谷川聖記(スポ1=愛知・愛工大名電)

――今日は初めての団体戦の出場でした。どういった気持ちで臨みましたか

1年生なので、思い切りのいい相撲を取って流れを作れればいいかなと。思い切りいきました。

――拓大戦は取り直しの熱戦でした。どういう気分でしたか

正直、取り直しだけはやめてと思っていたのですが、取り直しということで、気持ちを切り替えて、前に出る相撲を心がけて取った結果がああいう結果になったので、良かったと思います。

――あの1勝が、チームを勢い付けたようにも見えました

自分にとっても自信になりましたし、チームにとっても大きな1勝になったので、良かったと思います。

――きょう1番印象に残った相撲は、どの相撲ですか

たくさんありますね。勝った相撲だと取り直しの拓大戦です。負けた相撲だと、東洋大戦が、負けてしまったんですけど自分としては内容が良かったと思っています。

――今後の大会で意識していきたいことは

自分の弱点、悪いところはいっぱいあると思うので、稽古で直していき、また試合で使ってもらえるように頑張っていきたいです。