ラグビー部
2017.06.12
関東大学春季大会 対帝京大 6月11日 帝京大百草グラウンド
ミスからの失点重く 王者帝京大に敗北
関東大学春季大会4試合目は、敵地で帝京大と対戦した。気合十分で臨んだ一戦であったが、FW戦で苦戦を強いられるとミスから失点を重ね、14-35で敗北。実力の差を見せつけられた試合となった。
細かいミスが、失点につながった。早大は試合開始早々スクラムでターンオーバーされるなど、苦しい立ち上がり。それでもCTB中野将伍(スポ2=福岡・東筑)やWTB中野厳(社4=東京・早大学院)らがゲインし、ゴール前まで侵攻する。しかし、惜しくもここでボールをこぼす。好機を生かし切れないだけではなく、相手のカウンターを受けて最後はWTB竹山晃暉(3年)に先制トライを献上してしまった。スクラムのペナルティーなどからさらに2トライを許した後、早大ボールのキックオフボールを押さえ攻勢に転じようとする。しかし、またもラックでボールをこぼしたことをきっかけにトライを奪われ、0-28で前半を終えた。
厳しくマークされていた中野将
後半もスクラムで苦戦を強いられる。13分、相手のパスを奪ったフランカー加藤広人主将(スポ4=秋田工)が独走トライを決め、やっと1トライを返した早大。しかし、この日3度目となるスクラムターンオーバーを許すと、ディフェンスラインが整っていないところを中央突破され、すぐさま点を返されてしまう。加えて、後半はラインアウトでのミスが足を引っ張る。28分にスクラムから右に展開し、FB桑山聖生(スポ3=鹿児島実)がトライを奪ったものの、その後はゴール前でのここぞというラインアウトをミスするなど、得点のチャンスを自らのミスで逃してしまう。最後は早大のノットストレートであっけなくノーサイド。14-35で黒星を喫した。
桑山聖のトライシーン。この日はビックゲインする場面も目立った
21点差。たしかにスコアだけを見れば、昨年の関東大学対抗戦での帝京大戦(●3-75)に比べて善戦したと言えるかもしれない。しかし、アンストラクチャーな場面でのもろさ、セットプレーの精度の低さが目立っており、「強みを生かして勝つ」という観点からみると決して善戦とは言えない内容なのではないだろうか。次週は15人制最後の試合となる明大戦に臨む。「勝ちにこだわる」とスタートした春シーズン、最終戦は勝利で飾りたいところだ。
(記事 本田理奈、写真 大庭開、栗村智弘)
関東大学春季大会 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | スコア | 帝京大 | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
0 | 2 | T | 4 | 1 |
0 | 2 | G | 4 | 1 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
0 | 14 | 計 | 28 | 7 |
14 | 合計 | 35 | ||
【得点】▽トライ 加藤広、桑山聖 ▽ゴール 齋藤直(2G) | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大メンバー | |||
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背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 井上 大二郎 | スポ3 | 愛知・千種 |
後半22分交代→16久保 | |||
2 | 鷲野 孝成 | 基理3 | 神奈川・桐蔭学園 |
後半14分交代→17宮里 | |||
3 | 鶴川 達彦 | 文構4 | 神奈川・桐蔭学園中教校 |
4 | 三浦 駿平 | スポ2 | 秋田中央 |
5 | 松井 丈典 | スポ3 | 愛知・旭野 |
6 | ◎加藤 広人 | スポ4 | 秋田工 |
7 | 幸重 天 | 文構2 | 大分舞鶴 |
8 | 下川 甲嗣 | スポ1 | 福岡・修猷館 |
9 | 齋藤 直人 | スポ2 | 神奈川・桐蔭学園 |
10 | 岸岡 智樹 | 教2 | 大阪・東海大仰星 |
11 | 古賀 由教 | スポ1 | 東福岡 |
12 | 中野 将伍 | スポ2 | 福岡・東筑 |
13 | 黒木 健人 | 教4 | 宮崎・高鍋 |
14 | 中野 厳 | 社4 | 東京・早大学院 |
後半35分交代→21吉岡 | |||
15 | 桑山 聖生 | スポ3 | 鹿児島実 |
リザーブ | |||
16 | 久保 優 | スポ1 | 福岡・筑紫 |
17 | 宮里 侑樹 | スポ3 | 沖縄・名護商工 |
18 | 柴田 雄基 | 文4 | 愛知・千種 |
19 | 中山 匠 | 教2 | 東京・成城学園 |
20 | 中野 幸英 | 文構2 | 東京・本郷 |
21 | 吉岡 航太郎 | スポ4 | 国学院栃木 |
22 | 高橋 吾郎 | スポ4 | 福岡・修猷館 |
23 | 野口 祐樹 | 人4 | 群馬・太田 |
※◎は主将、監督は山下大悟(平15人卒=神奈川・桐蔭学園) |
コメント
フランカー加藤広人主将(スポ4=秋田工)
――きょうのこの点差と内容をどのように受け止めていますか
前半は僕らのミスから取られすぎました。しっかり戦える部分もたくさんあったので、そこは収穫だと思います。
――戦えていた部分というのは、具体的にはどのような部分ですか
ブレイクダウンや、何本かターンオーバーされてはしまったのですがスクラムは完全にやられているわけではなかったと思います。ブレイクダウンではかけれるところはかけれていたのですが、ちょっとしたペナルティーを取られてしまうこともあったので、そこの精度の部分や規律の部分をもっと高めていきたいと思います。
――スクラムでは何度もターンオーバーされていましたが、感触はそこまで悪くなかったということでしょうか
そうですね。めちゃめちゃ負けているわけではなかったので。僕らは試合を制圧できるようなスクラムを目指しているので、まだまだだなとあらためて思いました。
――ディフェンスに関しては、きょうの試合をどのように評価されますか
しっかり守れているところは守れているのですが、こちらがボールを落としたところで竹山選手や尾崎選手(晟也、4年)などの足の速い選手にいっきにカウンターでトライされてしまったり、ビックゲインをされた後に崩れてしまったりしたので、ミス後の反応や戻ってしっかりディフェンスできるように修正したいなと思います。
――アンストラクチャーな場面でのディフェンスが課題ということですか
そうですね。僕らがミスしないで取り切れればよかったという部分も多かったのですが、たとえミスしたとしてもその後をしっかり修正していきたいなと思います。
――次の明大戦に向けての意気込みをお願いします
春の最終戦というのもあって、慶大戦帝京大戦で僕らがやれるって部分もたくさん出てきたと思うので、そこを前面に出して精度高いものとして、春の集大成として明大に勝ちたいと思います。
プロップ鶴川達彦(文構4=神奈川・桐蔭学園中教校)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
セットプレーで大事な場面でミスをしたのが痛かったと思います。
――マイボールスクラムからターンオーバーされてトライを取られた時はどう感じましたか
完全にFWの責任だと思います。
――セットプレーでターンオーバーされるなどのミスが見受けられましたが、どう修正していくおつもりですか
自分たちが高くなってしまったり我慢できなかったりと自分たちに問題があったので、そこを修正していこうと話しました。
――スクラムで負ける相手ではないとおっしゃっていましたが、実際に組んでみていかがでしたか
負けるような相手ではなかったのですが、スクラムに関して言えば今回組んだ感触だと、このままでいくと押せないと思っています。帝京大は押しにくるというよりは我慢して、ボールを確保するというスクラムだったのでそれを破壊できるように自分たちが前に推進力を持ってスクラムを組まないといけないと思いました。
――パワーがイーブンというよりは相手のキープする力があるということですか
相手はどちらかというと脚を伸ばしてロッキングして、こっちは脚を曲げて前に押そうとしているのですが、押していく段階で自分たちが浮いてしまうのが良くなかったスクラムの原因だと思います。
――モールで押されていたように感じましたがいかがでしたか
サックをしないといけないところで、1人で引き倒しをしたり、1人1人ディフェンスに入った選手が責任を果たせなかったりというところがトライを取られた原因だと思います。
――後半になって善戦していましたが、何か変えたのですか
前半からFWの周辺のブレイクダウンについては結構戦えているということだったのでそこは継続して、あとはBKがスコアするところまで取り切るというところまで意識しようと話がありました。
――ディフェンスの際に意識したことはありますか
まず2人でしっかりダブルタックルに入って、2人でしっかり足をかいて前に運ぶということを意識しました。
――次回明大戦がありますが、それへの意気込みをお願いします
まずスクラムがこのままだと絶対に押されてしまうし、そこで負けてしまうので、スクラムをしっかり改善していくということと、早明戦ということで理屈ではないところがあるので、自分たちがやってきたことを100%出せるようにしっかりやっていきたいです。
フッカー鷲野孝成(基理3=神奈川・桐蔭学園)
――14-35というスコアですが、率直にどう受け止めますか
やはり自分たちのミスから失点する場面が多くて、差はそこまでなかったと思います。
――試合の内容に関しては具体的にいかがですか
やはりスクラムなど、自分たちが強みにしているところで勝ち切れなくて、それがスコアにつながってしまったと思います。
――スクラムはこだわりを持って取り組んできていると思いますが、振り返っていかがですか
ヒットスピードでは勝っていると思うのですが、その後の我慢という部分でロックの押しを前に伝えられていないというのが課題だと思うので、今週しっかり振り返って、来週の明大戦はもう少しスクラムをしっかりやれるようにしたいです。
――モールも含めFWの力勝負が一つのカギだったと思います
モールを組ませないという取り組みをしてきていますけど、きょうは簡単に組ませてしまって、それが押される原因になっていると思いますし、帝京と押し合いになればあっちの方が強いので、組ませないというのを徹底していきたいです。
――ラインアウトに関してはいかがでしたか
加藤さん(広人主将)のチョイスとかサイン出しはすごくいいと思うので、あとは僕がそこに合わせるだけですし、もう少し精度を上げて、来週は100%出し切れるようにしたいです。
――1週間後は明大戦です。意気込みをお願いします
最後の試合なので絶対勝ちたいですし、明大はスクラムが強いと聞いているので、ワセダの強みであるスクラムを全力でぶつけて、まずはそこで勝つということを意識して、試合にも勝ちたいと思います。
SO岸岡智樹(教2=大阪・東海大仰星)
――きょうのゲームプランについてお聞かせください
FWはFWで、キックはキックで相手がやってくることは明確だったので、自分たちがFWではまず8対8で引かないということですかね。何をやるということではなくまず自分たちがこだわっている部分を前面に出すということを意識しました。
――試合を振り返っていかがですか
最初に自分たちのアタックでゲインする場面だったり、FWが当たる場面だったり、局面局面では勝負出来ていましたが、そこでの自分たちのアタックの甘さであったりミスであったりからトライを取られて点数に結びつけられてしまったのが今回の敗因だったと思います。
――ご自身のプレーについてはいかがですか
最後の最後で1本走ることができましたが、前半の最後の方だったり、相手が疲れてきたところでもっと自分が走ることができたらよかったです。やはり11番や14番や15番などのBKにキーマンがいる中で、そこを使いつつ自分も走るというプレーを要所要所で出すことができたらもう少しいい試合になったかなと思います。
――キックはいかがでしたか
きょうはハイパントが多かったですが、キックの精度は自分のなかでは結構よかったのではないかなと思います。でもその後の処理で2人で競ったりしてしまったりしたので、きちんとその処理までやるということが課題ですね。
――蹴り合いが多かったですが、純粋なエリアの取り合い以外にも何か意図はありましたか
確かに色々な部分で負けているとは思いますが、もう少し勝負してもよかったかなと思います。
――効率よくFWに持たせて当てるシーンが目立ちました
自分たちの中でアタックの仕方を決めて臨みました。負けてはいませんでしたが、もっと前に出て相手にプレッシャーをかけることができたらなと思います。
――ディフェンスについてはいかがでしたか
チームの中ではFWがファイトする場面ではありましたが、BKとしては15番の尾崎選手であったり、11番の竹山選手であったりをしっかり押さえようと臨みました。FWがしっかり止めてくれていて、BKはBKの責任としてきちんと止めなければならないと思っていました。逆にBKでボールを取ってターンオーバーするぐらいの気持ちで外のブレイクダウンを意識して臨みましたが、逆にBKがあおられる場面もあったので、もっと相手より上回ることができるように頑張りたいです。
――セットプレーでミスが目立ちましたが、そのフォローについてはいかがでしたか
自分たちの強みの中の1つとしてスクラムですが、FWがミスをしたら自分たちが取り返すくらいの気持ちで大胆に攻めようとしてやりました。その部分でBKがカバーするぐらいの気持ちで、アタックもディフェンスもアグレッシブにもう少しできたらと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
慶大戦では我慢することで自分たちのいいものが出て勝ちに繋がったと思います。今回はそこまで貫くことができなかったので、次回は最終戦ということで、しっかり結末にこだわって、ディフェンスではひたむきに我慢し続けること、相手の戦術に対してどうこうするのではなく、自分たちのできることを1つきちんと見定めて徹底していこうと思います。
CTB中野将伍(スポ2=福岡・筑紫)
――この試合を振り返っていかがでしたか
いいところまで行っても自分たちのミスで得点に結び付かなかったので、そこは修正点です。
――相手のCTB陣からのマークがかなり厳しい印象を受けました
最初からマークされるのは分かっていて、ゲームの入りはそこを利用して味方にパスを出してゲインを取れたりしたのですが、やはりマークされていても自分がボールを持ってブレイクしなければならない場面もありますし、マークがあるからといって止められてしまっていてはだめなので、流れをしっかり変えれるようなプレーができるように突破するということが課題です。
――攻守が激しく入れ替わりました。ディフェンスへの切り替えについてはいかがでしたか
ターンオーバーされて止めれたところもあったのですが、簡単に抜かれてしまった場面も多かったのでチームとしてもっとターンオーバーされた時の反応を高めてトライをとられないようにしないといけないと思います。
――ブレイクダウンでは激しい競り合いとなりました
チームとしてはブレイクダウン、そしてターンオーバーへの意識を強く持って練習していたのでそこが出せたかなと思います。
――尾崎選手や竹山選手など相手のキーマンに対するディフェンスは準備していましたか
フェーズのなかでしっかりと相手をチェックしたり、キックゲームでボールを持ったときにスペースを潰すなど、相手の出足を止めていました。
――次戦への意気込みをお願いします
アタック面ではきょうのように自分に相手を引き付けて味方を上手く使うこと。自分で突破する場面は突破した後にトライまで取りきること。ディフェンス面ではターンオーバーへの意識をもっと高めていきたいです。
FB桑山聖生(スポ3=鹿児島実)
――きょうの試合を振り返っての感想を聞かせてください
80分間ファイトして僕たちの形で勝ち切りたかったのですが、僕たちのミスや反則で帝京大にボールを取られてしまったり、ゴール前で攻め切れなかったと感じました。
――セットプレーからボールを奪われる場面も目立ちました。アタックからディフェンスの切り替えについてはいかがでしたか
帝京大はアンストラクチャーが得意ということは分かっていたので、切り替えは今回特に僕が意識したことの1つでもありました。切り替えるところは意識してできたんですけど、そこでのいいディフェンスのポジショニングであったりいい声掛けがまだまだだと思うので、これから詰めていきたいです。
――桑山選手はボールを持った際に果敢に前に攻めるプレーが多く見られました
トライにつながったシーンとかカウンターで一発持って行けたシーンがあったのですが、取り切れたところと相手に奪われてしまったシーンで精度がまちまちだったので、一発大きく決めるよりかは1つ1つのフェーズのところでもっと前に出て行けるようにしていきたいです。
――後半にトライを決めましたね
ゴール前だったので敵が攻めてくることは分かっていたのですが被せては来ないと思って、思い切ってフラットに仕上げてうまく相手の読みと入れ替わりでできたので、自分が意識したことができたのは良かったです。
――14ー35という結果についてはどのように捉えていらっしゃいますか
点差が21点差ということであと3トライ以上自分たちがトライを決めないと勝てないので、そこの差をディフェンスをもっと上げたりアタックの精度を上げたりして相手にトライをさせないように勝つことを意識してやっていきたいと思います。
――来週の明大戦に向けての意気込みをお願いします
自分は九州が地元なので、かなり意気込んでいます。去年は九州でやった時に自分は出られなかったのですがチームは勝ったので、ことしも引き続き九州で、明大に勝てるようにきょう出た課題を修正して行きたいと思います。