競走部

2017.06.10

2017日本学生個人選手権 6月9日 神奈川・Shonan BMW スタジアム平塚

野本が13秒63で接戦を制す!ユニバ代表へ大きく前進(日本学生個人選手権1日目)

 日本学生個人選手権が平塚の地で開催された。今大会はことしの8月に開催されるユニバーシアードの選考会を兼ねており、記録そして順位を狙い全国から猛者たちが集まった。女子走高跳の仲野春花(スポ3=福岡・中村学園女)は優勝したものの、シーズン初めから目指していた参加標準記録である1メートル84には手が届かず、悔しさが残った。一方今季絶好調の110メートル障害の野本周成(スポ4=愛媛・八幡浜)は準決勝から13秒62という高水準なタイムをマーク。勢いそのままに決勝も制し、ユニバーシアード代表へ大きく近づいた。

(記事 鎌田理沙)

★『自分の歩き』でつかんだ表彰台。高橋和が準優勝!

表彰台に上がり、目標を達成した高橋和

 男子1万メートル競歩には、関東学生対校選手権(関カレ)に続き高橋和生(社3=岩手・花巻北)、高橋雄太(スポ3=千葉・佐原)が出場。スタートラインに立った選手の中で最も良い持ちタイムを有していた高橋和は、優勝を目標に歩を進める。比較的落ち着いたペースでレースは展開され、5000メートルを20人ほどの集団のまま20分52秒で通過した。中間点を超えると徐々に動きが出始める。東洋大の河岸良祐を先頭にペースを上げると、6000メートルまでに先頭集団は11人にまで絞られた。関カレ同様ラスト3000メートルを勝負のポイントと位置づけていた高橋和は、今レースでも予定通り7000メートルを過ぎるとペースアップ。4分12~13秒を刻んでいた1キロ当たりのラップタイムを4分1ケ桁まで上げ、集団から抜け出して先頭に立った。先頭集団は3人。目標の優勝に向け、高橋和は9000メートル手前でもう一度スパートをかける。1人は振り落としたものの、競歩の強豪校である東洋大を簡単に引き離すことはできない。2人の勝負は最後の1周までもつれ込んだ。ラスト200メートルで先頭の座を明け渡すと、最後まで差は埋めきれずそのまま2位でフィニッシュ。関カレに続いて東洋大に王座を譲る結果に「めちゃくちゃ悔しい」と唇を噛んだ。しかし、『警告を受けない正確な歩き』という自身の競歩へのこだわりを貫き通し、見事表彰台に立ったことで確かな自信を得たはずだ。真摯に競歩と向き合う姿勢、その芯の強さを武器にさらに高いレベルを目指す。

(記事 太田萌枝 写真 鎌田理沙)

★優勝したものの、ユニバーシアードには届かず

1メートル81は惜しくもクリアとはならなかった

 女子走高跳に出場したのは先日の関東学生対校選手権(関カレ)で連覇を果たした仲野春花(スポ3=福岡・中村学園女)。この大会は8月に行われるユニバーシアード参加標準記録の1メートル84に挑戦する最後の機会であった。最初の1メートル65をパスし、1メートル70を1回で決め余裕を見せる。しかし、風の影響もありなかなか踏み切りを合わせることができない。次の1メートル75は1回で飛ぶことができず2回目での成功、その後の1メートル78はバーに触れてしまったがなんとか白旗があがり、ここで優勝を決めた。そして迎えた1メートル81。この高さは仲野の自己ベストということもあり一筋縄ではいかない。1回目、2回目と踏み切りの修正ができず、バーに直撃してしまった。「みんなが近いと言ってくれて離すことができたが、もう少しの修正ができずに終わってしまった」(仲野)と3回目はあと少しのところで足が触れてしまい失敗。優勝となったがユニバーシアード標準記録には届かず悔しい結果となった。次の大会は2週間後の日本選手権。ここでは日本最高峰のタイトル獲得に挑戦する。

(記事 平松史帆 写真 鎌田理沙)

★野本が強さを証明し、13秒63で見事優勝!日本代表に名乗りを上げる

野本は金井(法大)との大接戦を制した

 男子110メートル障害には野本周成(スポ4=愛媛・八幡浜)、古谷拓夢(スポ3=神奈川・相洋)が出場。両名ともに予選は着順で通過し、準決勝に駒を進めた。同組でのレースとなった準決勝。予選でも若干の動きの硬さが見られた古谷は後半の伸びを欠く。13秒95の4着に沈み、惜しくも準決勝敗退となった。一方の野本。その快進撃は準決勝から始まる。スタートで他選手に先行されても、焦らず、力まず、自身の動きを崩さない。まるで己のレーンしか見えていないかのような集中力で、後半にぐんぐん追い上げ1着でフィニッシュ。タイマーに光った13秒62の数字にスタンドからは驚嘆の声が響く。自己記録を大幅に更新し、準決勝全体1位のタイムで決勝進出を決めた。迎えた決勝。「チャレンジャーという気持ちでやっていこう」(野本)。関東学生対校選手権覇者の金井大旺(法大)ら実力者ばかりの舞台で野本は一切のおごりを捨て、再び目の前に立ちはだかるハードルだけに集中した。スタートから逃げ切るという自身のプランには反し、前半は金井を追いかける展開に。しかし冷静さを失わなかった野本はスムーズなハードリングで加速していき、7台目を超えたあたりでトップに並ぶ。勝負を決めたのは、最後のハードルを越えてからゴールまでの約14メートルだった。高い集中力を保った野本が100分の1秒の争いを制し、13秒63の好記録で見事優勝。念願だったユニバーシアードへの出場権を自らの力で手繰り寄せた。13秒6台の記録を立て続けにマークし、揺るぎない強さを証明した野本。2週間後に迫る日本選手権での活躍にも大いに期待がかかる。障害ブロックが目指す『日本一のハードルブロック』へ、早大はまた一段階段を上ったようだ。

(記事 太田萌枝 写真 平松史帆)

結果

1日目

▽男子110メートル障害予選

古谷 14秒12(+1.2)(3組1着)

野本 13秒94(±0.0)(4組1着)

金井直(スポ2=神奈川・橘) DNS


▽男子1500メートル予選

齋藤雅英(スポ2=東京・早実) DNS


▽男子400メートル予選

伊東利来也(スポ1=千葉・成田) 47秒75(1組4着)

折田歩夢(スポ1=鹿児島・甲南) 49秒84(3組6着)

村木渉真(スポ1=愛知・千種)  48秒62(5組5着)

加藤修也(スポ4=静岡・浜名)  DNS

小久保友裕(スポ1=愛知・桜丘) DNS


▽男子110メートル障害準決勝

野本 13秒62(3組1着)(+1.3)

古谷 13秒95(3組4着)(+1.3)


▽男子1万メートル競歩決勝

高橋和 41分16秒82(2位)

高橋雄 DQ


▽男子400メートル準決勝

伊東 48秒51(1組6着)

▽男子110メートル障害準決勝

野本 13秒63(+1.6)(1位)

▽女子走高跳決勝

仲野  1メートル78(1位)

コメント

野本周成(スポ4=愛媛・八幡浜)

――優勝ということで率直な感想をお願いします

 タイムと順位もすごく嬉しいんですけど、このような大会で勝てるようになって、たくさんの方に恩返しができるようになってすごくうれしく感じています。

――アップや予選の段階で調子がいいことを感じていましたか

 アップのときあまり動きが良くなかったので駄目かなと思っていたのですが、予選走ってみて意外と動いていたので準決勝ではタイムを狙ってみようかなと思って、狙いにいって走ったらタイムが出たという感じです。

――関東学生対校選手権(関カレ)から2週間ほどでしたが、なにか変えたことや意識していたことはありますか

 今まで通り練習はしていて、織田記念(織田幹雄記念国際大会)で自分の中でおごりのようなものがあって気持ち的に油断していた部分があったので、そのような気持ちは無くしてチャレンジャーという気持ちでやっていこうと思っていました。

――準決勝のレースでは自己記録を大幅に更新されましたが振り返っていかがですが

 自分でレースを作ろうと思っていたので、1台目から自分で前に出てレースを作ろうと思っていたんですけど、前に出られてしまって。いつもならそれで焦って(ハードルに)ぶつけて倒してしまうところだったんですけど、それが今回無く焦らずにレースができたのでそこは良かったのかなと思います。後半しっかりと追うことができたのでよかったと思います。

――準決勝の前の組で金井大旺選手(法大)が13秒64というタイムを出して、プレッシャーにはなりませんでしたか

 今回の目標がユニバーシアードを決めることだったんですけど、その上で金井には勝たなければいけないと思っていて。ただ、金井はレベルとしては自分より上にいると思っていたので、チャレンジャーの気持ちで臨みました。金井がどんないいタイムを出そうと自分はあまり気にしていなかったです。

――決勝のレースを振り返っていかがですか

 準決勝と同じなんですけど前に出てどれだけ逃げ切れるかと予想したんですけど、前に出られてしまい、そこから多少の力みはあったんですけど慎重になれたというのがよかったと思います。

――後半、伸びたように見えました

 そうですね、そこがよかったと思います。磯先生(繁雄監督、昭58教卒=栃木・大田原)に後半勝負になると言われていて、レース中にその言葉が頭によぎって慎重に動きを作れたというところがよかったと思います。

――先程、金井選手の話がありましたがレース中意識はされていましたか

 すごく意識していました。金井は右に寄るクセがあるんですけど、自分は左に寄ってしまうのでぶつかってしまうと思って。結局、ぶつかってしまったのかは分からないんですけどそこは意識していました。あとは、自分のレーンに集中することを考えていました。

――レース後、どちらが勝ったのか把握されていましたか

 自分は勝ったと思っていました。

――今大会、二度も13秒6台を出せた要因などありますか

 動きが定着してきたというのはあります。去年と比べて踏み切りのところと着地のところがすごくスムーズになったのでそこが定着してきて意識せずに動きができるようになったのでタイムが出たのかなと思います。

――今大会でユニバーシアードの出場がかなり近づきましたが、心境はいかがですか

 まだ決まってはいないのですが、目標にしていたので達成できたらすごくうれしいです。

――日本選手権に向けて目標などお願いします

 目標は優勝です。

高橋和生(社3=岩手・花巻北)

――レースへの意気込み、プランは

持ちタイム1位の選手が出ないのが分かっていましたし、(出場選手の中で)持ちタイムが1番良かったので優勝は目標にしていました。プランとしてはラスト3000で勝負を仕掛けられればなと思っていました。前半結構スローペースだったので予定通りラスト3000から出られて、後ろの選手を引き離せたので良かったと思います。

――レース中盤まで集団がばらけず大人数で進んでいましたが、あの場面は振り返っていかがでしたか

前の選手の足がぶつかったり、後ろの選手に踏まれたりということが起こるので、リズムを崩されたところもありましたね。

――ラストは東洋大の河岸良祐選手との競合いとなりましたが、振り返っていかがですか

呼吸がずっと聞こえていて、僕の方が余裕があるなと思っていたのでラスト1000メートルで一気に離せると思ったのですが、ずっと食らいついて来ていて。ラスト200で出られたのですが、僕のポリシーとして警告0で歩ききりたいというのがあったので、警告が2個ついてゴールしてもあんまりうれしくないというか、やっぱり正確に歩いてこその競歩だと思っていたので。去年の全カレ(日本学生対校選手権)で失格をしたこともよぎりました。きつさももちろんあったのですが、やっぱり最後までしっかり歩ききりたいという思いがありました。でも結局気持ちで負けたかなというのもありますね。

――関東学生対校選手権(関カレ)、今大会と、二大会結果として東洋大の選手にのみ負けるものになりましたが、やはり悔しいですか

もうめちゃくちゃ悔しいですね。きょうの方が悔しいですね。

――ラスト1周などは応援もたくさん聞こえていましたが、耳には入っていましたか

マネージャーの方が200メートルごとにいてくれたり、選手にも応援していただいてすごく力になりました。

――関カレ後に、「次は表彰台に上がりたい」というお話を伺いました。2位という結果への率直な感想は

1位の選手とは持ちタイムの差があったので、優勝はしたかったなというのはありますが、初めてトラックレースで表彰台に上がることができたので多少は自信になりました。次の大きい大会である全カレに向けても夏の練習をしっかり乗り越えて、持ちタイムが上の選手としっかり戦えるようにやっていきたいですね。

――では次戦は全カレでしょうか

来月に国体(国民体育大会)の選考も兼ねて岩手県の試合に5000メートルでは出るのですが、次の大きな目標は9月の全カレです。

――最後に今後への意気込みをお願いします

年々スピードが上がってきて、競歩のレベルが高くなってきていて。学年が下の選手にも強い選手がいっぱいいるので、その中で1キロ4分ペースというのが自分の中で1つ課題だと思っています。表彰台に上るには40分台、また40分台前半が必要になってくると思うので、1キロ4分で押していくという力がまだ無いので、夏の3カ月間の時間がある時期にじっくり練習を積んで、全カレでは表彰台に上りたいなと思っています。

仲野春花(スポ3=福岡・中村学園女)

――きょうの試合を迎えるにあたって調子はいかがでしたか

 今シーズンの大きな目標であったユニバーシアードの参加標準記録を取るための最後のチャンスで、自分の中では調子を合わせてくることができたと思うのでこういう不甲斐ない結果に終わってしまって悔しいです。

――1メートル75の試技以外すべて1回で成功されていますが、そちらに関してはいかがですか

 風が本当に強くて向かっていたので踏み切り位置が近いのか遠いのか分からなくて。感覚的にということになってしまったのですが、そこがあまり分からないまま終わってしまいました。

――1メートル81での試技を振り返っていかがですか

 1、2回目の試技では踏み切り位置が近かったようなんですが気付けず。3回目の前にみんなが近いと言ってくれて離すことができたのですが、もう少しの修正ができずに終わってしまいました。

――今大会で見えた課題はありますか

 助走の安定と1メートル75を落としてしまったので1回で成功できるようにしたいと思います。

――次の大会は日本選手権だと思いますが意気込みをお願いします

 一番大きい大会で勝ったことがまだないのでしっかり勝ち切れるように頑張りたいと思います。