準硬式野球部

2017.06.03

木村杯新人戦 6月3日 法大多摩グラウンド  

劇的な幕切れ!終盤に意地見せ、サヨナラ勝利で連覇の夢つなぐ

 

                  

明大戦 10 11
明大

早大
(早)◯久郷、前田、福島、大津、江藤―中村
♢(二塁打)石田、加藤、高山

 2点のリードを許したまま9回、2死二塁。昨年、6年ぶりに新人戦のタイトルを奪還し、連覇を目指す早大だったが逆転は風前の灯火かと思われた。しかしここから若き早大ナインは意地を見せる。1番・加藤大(人2=大分上野丘)が適時二塁打を放ち1点差に詰め寄ると、続く公式戦初出場の代打・高山幸汰(商1=佐賀西)も左中間へ適時二塁打を放ち、延長戦へ持ち込む。そして11回、2死満塁からゲームキャプテン竹下直輝(スポ2=東京・小山台)がサヨナラ遊撃適時内野安打を放ち、熱戦に終止符を打った。

 東京六大学春季リーグ戦(リーグ戦)で中継ぎとして好投し、この日は先発を任された久郷太雅(創理2=静岡・沼津東)だったが制球に苦しむマウンドとなった。初回、3つの四死球でいきなり1死満塁のピンチを背負うと5番打者に左前適時打を浴び、先制を許す。すぐさま立て直し、2回から5回までは安打を許さず無失点で切り抜けたが、6回に再び乱調。先頭打者に左翼線二塁打を浴びると、続く打者に死球を与えピンチを拡大してしまう。さらに犠打を決められ、1死二・三塁となり、再び5番打者に同点打となる左前適時打を許した。犠飛と押し出しでさらに2失点を喫したところで久郷は降板。ピンチは続いたが、救援の前田直輝(スポ2=熊本)が後続を断った。7回から9回は前田、福島英之(教1=埼玉・早大本庄)、大津杜都(文構1=東京・宝仙理数インター)がそれぞれ1回を3者凡退に抑え、打線の反撃につなげた。同点に追い付き、延長戦で起用されたのが江藤健太(教2=早稲田佐賀)。先頭打者に四球を与え、得点圏に走者を背負う緊迫したマウンドとなったが要所をきっちり締め、チームを勝利へ導いた。

持ち味を遺憾なく発揮した加藤

 打線は苦しんだが最後の最後に底力を見せた。初回、リードオフマン加藤が死球で出塁すると、次打者の池澤一真(教1=栃木・大田原)への初球で盗塁に成功。池澤が犠打で好機を広げ、この日ゲームキャプテンを任された3番・竹下直輝(スポ2=東京・小山台)が一塁強襲の適時内野安打と、理想的なかたちで同点に追いついた。そのまま制球の定まらない相手先発を攻め立てたい稲穂打線だったが、大量点には結び付けられない。それでも4回に石田直惇(人2=広島城北)が左中間二塁打を放ち逆転に成功。しかし、5回から登板した2番手の救援投手の縦に落ちるスライダーに手を焼き、3回を無得点に封じ込められる。8回も3番手の救援投手から得点を奪えず、2-4とビハインドのまま最終回の攻撃に懸けることとなった。先頭の石田がフルカウントから四球を選ぶも、続く2人が倒れ、窮地に立たされた早大。それでもナインは全く諦めていなかった。「とにかくつなげば後ろがなんとかしてくれる」と加藤が放った打球は中堅手のグラブの横を抜け適時二塁打となり、1点差に詰め寄る。ここで打席に入ったのはこれが公式戦初出場となる代打・高山。「初球を打とうと思って、そこだけに絞っていきました」と初球の直球を振り抜き、同点打となる適時左中間二塁打を放った。続く竹下は倒れ、試合は延長戦へ突入。11回、1死から代打の市川空(教1=東京・早実)が粘りを見せ、四球で出塁。2死一塁となり、加藤がこの試合3安打目となる左前安打を放ち、さらに代打の竹本周平(人2=鳥取・米子東)の打球が二塁手の失策を誘い2死満塁で竹下に打順が回る。「9回に好機で凡退してるので、ここは打たなきゃと思って打席に立ちました」(竹下)。6球目を捉えた三遊間深くの打球に遊撃手が追いつくも一塁は間に合わず、激闘に幕を下ろした。

制球に苦しむものの試合は作った久郷

 
 

 勝利の瞬間、ナインはベンチを飛び出し、喜びを分かち合った。リーグ戦が終わったばかりで準備期間は短かったが、この劇的な勝利を通じてチームの結束は一層深まるだろう。救援登板や代打で出場した選手も結果を残しており、チームの雰囲気は良い。あすの決勝戦のカギはやはり先発投手の好投と打線のさらなる奮起だろう。きょう5出塁の加藤から打線の流れをつくっていきたい。「個々の持ってる力がうまくかみ合えば優勝できるかなと思います」(池田訓久監督(昭60教卒=静岡・浜松商)。決勝は早慶戦。全員野球で宿敵を倒し、ことしも賜杯を掲げたい。

(記事、皆川真仁 写真 藤本壮汰)

 
 

コメント

池田訓久監督(昭60教卒=静岡・浜松商)

――準備期間が少ない中できょうの試合を勝ちきることができましたが勝利の要因は

1年生の力ですね。正直、私にとってはまだみんな未知数なのですが、その未知数の力が良い形で出たのかなという思いですね。

――きょう先発は春のリーグ戦では主に中継ぎで活躍した久郷太雅選手(創理2=静岡・沼津東)を先発で起用しましたがその意図は

彼はリーグ戦の時のインタビューでも語った記憶があるんですけど、将来に可能性のある投手なので、そういう意味でも先発として試合をしっかり作るという役割をこの新人戦でやってほしいなという思いがあったので、彼を新人戦で先発させるというのは、割と早い時から決めてましたね。立ち上がりと6回にちょっと四球等で多少心配になりましたし、失点もしましたけどよくやったと思います。

――先ほど話にも上がりましたが、6回に四球から崩れましたが理由としてはどういうことが挙げられると思いますか

大学に入ってからまだそこまで長いイニングを投げていない経験不足というところ。あとは調整の仕方がうまくできなかったのではないかなと。そういうところが6回に出たのかなという感じはしますけど。

――1年生を含む多くの投手が好投を見せ、ワセダ自慢の投手力を見せつけましたね

この前のケイオー戦で言ったように一年生の福島と大津を使いたかったんですよ。きょうは1回ずつだったんですけど、期待通りの投球をしてくれて、秋のリーグ戦でも非常に楽しみですし、またその先の来年、再来年とこの準硬式野球部が良い形で伝統を引き継いでいくには良い投手が入ってくれたなと感じましたね、きょうの投球を見て。

――明日の決勝戦に向けてコメントお願いします

本当に練習をそんなにできているわけではありませんし、組織的なプレーもまだできる段階ではないんで、きょうのような個々の持ってる力がうまくかみ合えば優勝できるかなと思います。前提には投手の好投がありますけど。

 

竹下直輝(スポ2=東京・小山台)

――先制打の場面を振り返ってください

決して良い当たりではなかったんですけど、振り切って、硬くてはねるグラウンドだったので振り切った結果が良い結果になってよかったです。大(加藤大、人2=大分・大分上野丘)もよく出塁してくれ、盗塁も決めてくれましたし、池澤(一真、スポ1=栃木・太田原)も1年生ながらつないでくれたので、点を取られた後の回なので取り返さないといけないという思いで打ちました。

――試合を通じて1年生の活躍が目立ちましたが、1年生の活躍についてはどのように思ってますか

僕らの代は野手が少ない状況なので、代打とかの野手の交代で1年生に頼る場面が増えてくると思うんですけど、それぞれが代打の役割を自覚して打席に入って、1年生の代打が最後つないでくれて、きょう勝てたと思うんで、これからも頼ることが多くあると思うんですけど、先輩として引っ張りながら一年生にも活躍してほしいと思います。

――サヨナラの場面はどうでしたか

7番からの攻撃で打順が回ってくるとは正直考えてなかったんですけど、また大になるんですけど三遊間に打ってつないでくれて、代打の竹本(周平、人1=鳥取・米子東)も振り切って失策という形で自分に回ってきたので、さすがに僕9回に好機で凡退してるので、ここは打たなきゃと思って打席に立ちました。

――決勝へ意気込みお願いします

今年は秋も新人戦があるんですけど、2連覇かかってるので、プレッシャーをプラスの力に変えて楽しみながら、僕たちは決して個人的な能力が高い選手がいっぱいいるわけではないと思うので、チームで盛り上がりながら勝っていきたいと思います。

 

加藤大(スポ2=大分上野丘)

――最初の2打席は死球でバットを振らせてもらえない状況でしたがどういう気持ちでいましたか

1番なので、塁に出たいという気持ちだったのでむしろラッキーくらいの気持ちでいました。マイナスの気持ちはなかったです。

――4盗塁でしたが走れるなという感じはありましたか

捕手を見て、投手もあまり(クイックが)早くなかったので行けるなというのは最初から思ったので積極的に行きたいなという風に思っていました。

――3安打でしたが打撃の調子はいかがですか

結構つなぐ意識というのを持ってたので、運が良かったという感じですかね(笑)

――9回追い込まれた場面で打席に立ちましたが、どのような気持ちで打席に入りましたか

つなげば後ろがどうにかしてくれるかなと思ったので、とりあえずつなぐ意識だけを持って打席に立ちました。

――1番打者としてはつなぐことを心がけているということでしょうか

そうですね。後ろにもいい打者がいるので、自分が出て、チャンスメイク出来ればいいかなという意識でやってますね。

――延長戦の打席はどのような気持ちで入りましたか

走者一塁で自分がもう一回つないでチャンス作って、後ろも代打とか控えてたので本当につなげればいいなという意識で上手くレフト前打てて自分でも良かったなと思います。

――チームとしての雰囲気は

リーグ戦最後までやって、正直まだ練習が全然できない状態だったんですけど、思ったよりきょうミスも全然なくて、すごいベンチの雰囲気が良かったです。1年生もまだまだ分かんない状態なんですけど2年が頑張って声出してて、すごい雰囲気でやれてていいなというのはありますね。

――次戦に向けての意気込みは

まだ明日慶大か法大か分からないんですけど(相手は慶大に決定)、きょうみたいにまた点取られると思うんですけど粘ることができれば優勝も見えてくるんじゃないかなと。一応2連覇も懸かってますし、実際したいものなのでそこを目指してあしたも頑張りたいと思います。

 

高山幸汰(商1=佐賀西)

――9回1点差の場面でどのような気持ちで打席に立ちましたか

初球を打とうと思って、そこだけに絞っていきました。

――大学では初の公式戦でしたか

はい。そうです。

――緊張はありましたか

あったんですけどネクストの竹下さん(直輝、スポ2=東京・小山台)が「何も考えずにフルスイングで行け」って言ってくれてその言葉でだいぶリラックスもできて打つことができました。

――監督からいくぞと言われたのは何回ごろですか

9回の表の守りのときに、2点差返さなきゃいけないから2番の池澤(一真、スポ1=群馬・大田原)のところでいくぞと言われてそこから準備しました。

――打った球は

真ん中低めの直球です

――直球を狙ってましたか

そうですね。ドンピシャでした(笑)

――逆方向への打球でしたがああいった打球は普段から良く打ちますか

そうですね。逆方向を常に心掛けてて、いつも通りの打球が打てて良かったなと思います。

――あすに向けての意気込みをお願いします

あしたも1年生らしくフレッシュさを前面に出して、絶対優勝したいと思います。

――チームの雰囲気はいかがですか

最初どうかなと思ったんですけど、こういう試合でだんだん良くなってきたのでこの雰囲気のままあしたもいけたらなと思います。