野球部

2017.05.30

東京六大学春季リーグ戦 5月29日 神宮球場

拙攻と守乱に泣く…リーグ4位で春を終える/早慶3回戦

早慶3回戦
早 大
慶 大 ×
(早)●早川、大竹、小島、柳澤-小藤、岸本
(本塁打)佐藤晋4号ソロ(二塁打)長谷川、檜村

 勝ち切れなかったシーズンを象徴するような試合だった。1勝1敗で迎えた慶大3回戦。勝ち点を奪い上位でシーズンを終えたい早大は、先発に早川隆久(スポ1=千葉・木更津総合)を起用し試合に臨む。しかしその早川が序盤から崩れ慶大に先制されると、その後も犠打や守備のミスが響き、リズムをつかめない。終盤に1点差まで迫るものの、最後まで逆転の気配なく、3-4で敗戦。東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)を4位で終えた。

 先発マウンドに上がった早川は、立ち上がりから制球が定まらず苦しい投球となる。初回に迎えたピンチは切り抜けたが、2回に3つの四死球で2死満塁のピンチを背負う。変化球は大きくストライクゾーンから外れ、際どいコースに投じた直球も厳しい判定に泣かされた。迎えた慶大2番・瀬尾翼(4年)に粘られた末の直球を狙われ2点適時打を浴びると、ここで早くも降板となる。代わって登板した大竹耕太郎(スポ4=熊本・済々黌)は続くピンチを切り抜け、大量失点を防いだ。一方の打撃陣は、犠打の失敗などもあり、慶大先発・菊地恭志郎(3年)の投球に苦戦。それでも「なるべく振らずに決め球を決めて打つようにしていた」(長谷川寛、社4=宮城・仙台育英)と、菊地が武器とするフォークボールを冷静に見極め、反撃の機会をうかがう。

3回戦でようやく登板を果たした大竹。1点を失ったが、慶大打線を翻弄(ほんろう)した

 5回、慶大打線のタイミングをうまく外してきた大竹は、先頭打者に二塁打を浴びるなど無死一、三塁のピンチを迎えると、暴投で追加点を献上。しかしその後のピンチを3人で抑え最少失点で切り抜ける。すると6回、先頭で打席に入った佐藤晋甫主将(教4=広島・瀬戸内)が高めに抜けたフォークを快打すると、打球は伸びてバックスクリーンに弾むソロ本塁打に。3試合連続となる一発で、反撃を開始した。流れをつかむべく、早大はその裏からエース小島和哉(スポ3=埼玉・浦和学院)を救援に送り出す。2死を簡単に奪い、3人目の打者も平凡なフライに打ち取った小島だったが、野手の連携ミスで打球が右翼に落ち、一転して2死二塁のピンチに。続く打者の打球が二遊間に飛んでいくと、この打球にうまくバウンドを合わせることのできなかった檜村篤史(スポ2=千葉・木更津総合)が後逸(記録は安打)。二塁走者が生還し、守備の乱れで痛い失点を喫することとなった。その後、打線は疲れの見える菊地を攻め立て、檜村の適時二塁打と暴投で得点を挙げるが、あと一本が出ず。同点に向けて最大の好機を逃した。救援の投手を捉えることはできず、敗戦。伝統の一戦で意地を見せることはできなかった。

3戦連発となる本塁打をバックスクーンへ運んだ佐藤晋

 犠打の失敗、守備のミス、好機での凡退。いくつもの要素が重なり主導権を握れないゲーム展開は、まさに今季落としてきた試合を象徴するかのようだった。髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)も「1点差の試合が多かったので、なおさらやらなくていい点が痛かった」とシーズンを振り返る。ブレークを果たした4番・加藤雅樹(社2=東京・早実)を始め、個人の成績は決して他大に引けをとらない。しかし、個人の活躍のみで優勝を望むことはできない。目立ったミス、目立たないミス、一つ一つを夏の間に改善していき、秋季リーグ戦では強い早大野球部の姿を見せてくれることを期待したい。

(記事 喜田村廉人、写真 加藤佑紀乃、新津利征)

黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前
(右) 三倉進 .182 四球    四球    三振    中飛    三振
(遊) 檜村篤史 .250 投犠    投犠    三振    左2    二ゴ
(一) 佐藤晋甫 .289 遊ゴ    三飛       中本 死球      
(左) 加藤雅樹 .375 中飛    一ゴ       四球 中飛      
(二) 宇都口滉 .306    三ゴ    遊失    投犠    投ゴ   
(中) 長谷川寛 .293    右2    捕邪    左飛    中安   
(捕) 小藤翼 .200    一ゴ    遊ゴ               
  熊田睦 .500                三振         
  小島和哉 .000                           
  小野寺旭 .500                      三犠   
  柳澤一輝 .308                           
(三) 織原葵 .233 三ゴ    二ゴ                  
  福岡高輝 .333                   三振      
  吉澤一翔 .200                      中飛   
(投) 早川隆久 .000                           
  大竹耕太郎 .500       二安    中飛            
  岸本朋也 .258                   四球    三振
早大投手成績
名前
早川隆久 1 2/3 5.12
大竹耕太郎 3 1/3 3.12
小島和哉 3.63
柳澤一輝 3.56
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コメント

髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)

――今季の早慶戦は1勝2敗と負け越しました。振り返っていかがですか

きょうも結局1点差ですからね。今季は1点差のゲームが多かったですからなおさらやらなくていい点が痛かったですよ。悔いの残るシーズンでした。立大戦を取っておけばというのはありますね。

――やはりその立大戦が今季のキーだったと

というよりかは1点差で落としたゲームですよね。明大戦にしても早慶戦にしてもね。

――試合の方ですが、きょうは1回戦で満塁本塁打を浴びた早川隆久投手(スポ1=千葉・木更津総合)を先発に起用しました

きのうまで2戦やって、球数などを含めてコンディション的に良いということで先発にしました。

――その早川投手ですが早い段階で交代しました

まあきょうは全員投入ということで考えていましたからね。

――2番手の大竹耕太郎投手(スポ4=熊本・済々黌)ですが、打者のタイミングをうまくずらした投球が光りました

悪くはなかったですけどね。長打を打たれたのは良くないですね。

――きょうもそうでしたが、今季通じて投手陣の四死球が多かったですね

非常に多いですよね。攻撃のリズムが悪くなるんでね。フォアボールだとその分球数も増えますしね。

――打撃の方ですが、佐藤晋甫主将(教4=広島・瀬戸内)が早慶戦3試合3本塁打とチームを引っ張りました

(リーグ戦)前半は調子悪かったですけど、後半は頑張ってくれましたよね。ただきょうの1回のチャンスの場面は打ってほしかったですね。

――4番の加藤雅樹選手が今季首位打者を獲得しました。飛躍を遂げたシーズンでしたね

もちろんなりましたよね。後半はちょっと研究されたりで打てなかったですけど。相手も勝負を避けながらたまにストライク取ってくるから加藤も集中しにくいですよね。

――今季は犠打が全然決まりませんでした

決まらないですね。本当にバント下手ですよ。春から結構課題としてやってきてるんですけどね。

――夏以降の大優先課題になりますね

それはもちろんそうですよね。チーム打率なんかもそこまで悪くないでしょ。だから打てないことはないんだけど、こっちが点取ったら取られるの繰り返しで、投打がうまくかみあってないですよね。

――きょうも再三得点圏に走者を出しながら、決定打を欠きました

そうですね。きょうも二死で三塁にランナーいたのが2、3回ありましたね。あと一本が出ればいいんですけど、そう打てるもんでもないですよね。

――スターティングメンバーや打順の入れ替えもかなり多かったように思います

終盤八木(健太郎、スポ4=東京・早実)が落ちてきたこともあってね。試合の中で取っかえひっかえやりました。代打陣はよく活躍してくれましたけどね。

――来季へ向けての改善点はどのあたりにありそうですか

小島(和哉、スポ3=埼玉・浦和学院)に期待してるんですけど、大黒柱、エースの確立ですね。小島の投球自体は悪くはないんだけど、1,3回戦で投げて「勝てる」ような大黒柱になってもらわないと困りますよね。そこで勝てないと彼も30勝は厳しいのでね。

――攻撃の部分ではやはり犠打ですか

そうですね。バントと、終盤は宇都口(滉、人4=兵庫・滝川)が5番打ってよくつないでくれましたけど、スタメンで出てるメンバーの打率のアベレージがもう少し上がればいいかなと。

――最後に来季に向けてひとことお願いします

今季も5週目まで優勝のチャンスがあったわけですから、来季こそ優勝できるよう頑張ります。

佐藤晋甫主将(教4=広島・瀬戸内)

――1点差で敗れ勝ち点を落としましたが、今のお気持ちはいかがですか

早慶戦で勝ち点を取れなかったのが悔しいという気持ちが大きいです。

――得点圏に走者を進め、チャンスは何度かつくりましたが、昨日と変わって打線はつながりませんでした

チャンスは何個かあって、二、三塁の場面で一番取りたかったなというのはあるのですが・・・。3、4(番)で点を取れなかったので、流れをなかなかこっちに持ってこれなかったかなというのは反省点ですね。

――きょうは6回に本塁打を放ち、3日連続での本塁打となりましたが

いや、本塁打を打ったというよりは、得点圏に(走者を)置いた時に打てなかったことのほうが自分の中では大きいですね。

――勝ち点2で春季リーグ戦は4位に終わりましたが、この結果をどう受け止めていますか

勝ち点をなかなか取れなかった、勝ち切れなかったという点に関して、まだまだ突き詰めてやっていかなきゃいけない部分があるんだろうなと。結果に見えているので、この夏しっかり突き詰めて反省して、チームみんなでもっともっと強くなっていければいいかなと思っています。

――僅差で負けた試合が多かったですが

こちら側のミスも何個かあるので、そういったところをカバーできれば勝ち切れたんじゃないかなと思います。

――個人として今季を振り返っていかがですか

前半なかなか調子を上げることができなくて、チームに貢献できなかったかなという印象ですね。

――後半は調子を取り戻しつつありましたが

いろんな人のアドバイスもあって、自分のスイングが少しずつできるようになってきた結果、良かったというのはあるんですが、やっぱりもっと早い段階で調子を上げたかったなと思います。

――試合後のミーティングでは何を話しましたか

早慶戦で勝ち点を取れなかったのはとても残念なんですけど、まだまだこちらのミスもあったりして勝ち切れない部分があるので、夏しっかり突き詰めて全員で練習して、春勝てなかった分、秋に全員で勝ちに行こうというのを話しました。

――夏にご自身として強化したい部分はありますか

もっと打撃の正確性、率を残すことを意識してやっていこうと思います。

――最後に、秋に向けてお願いします

この夏しっかりチームの底上げを図って、秋に絶対優勝できるようにチーム一丸となって頑張ります。

大竹耕太郎(スポ4=熊本・済々黌)

――3回戦で今季の早慶戦で初登板となりましたが、ご自身の投球を振り返っていかがですか

土日も投げるつもりでいたんで、そこで任せてもらえないというところでフラストレーションも溜まっていたので、きょうは思い切り投げました

――投げるタイミングは早いと思っていましたか

早川(スポ1=千葉・木更津総合)が長いイニングは見込めない感じで。早い段階から準備しとくように言われてたんで、きょうは100パーセント投げるつもりでいきました。

――この試合でも不慣れなリリーフでの登板でした。2点を先制され、なおもピンチでしたがマウンドに上がった際の心境は

やっぱり最近リリーフで投げててどうしても上体に力が入って、いい球がいってなくて捉えられてるイメージがあるんで。きょうに関してはきのうのブルペンで力を抜いたほうがいいなと感じたんで、それを意識しました。抑えたいという気持ちよりも力を抜いていこうという気持ちでいました。

――力を抜いてもキレのある球が投げられていました

そうですね。力入れても入れなくても球の速さは変わらないなというのが分かったので、それをシーズンの最後につかめたのが良かったかなと思います

――打者の右左関係なく内角に攻めている印象を受けましたが、捕手の小藤翼選手(スポ2=東京・日大三)とは投球の組み立てについてどう話されていましたか

いい球を続けようということで。どうしても散らしすぎてまとまりすぎていたので、インでいくならインでというのと、スライダーが少なかったんで、きょうはスライダーを多く使って抑えるようにしました。

――緩急を使って相手打者のタイミングを外す投球が光りました

やっぱり余裕のある時は緩い球が使えると言ってきましたが、きょうに関してはそういう余裕があったし、ランナーを出しても余裕を持てました

――90キロ台のカーブも効果的に投じられていたのも余裕の部分が大きかったと

力を抜いてキレのある緩い球を投げられたので。はい。

――1点を失った5回は先頭打者に二塁打を許しました

バッターが引っ張りだったんで、打たれるならあそこしかなかったと思います。あそこはリスク管理というか、あそこしか打たれなかったんで、もう少し配球を考えなければならないと思いました。

――バッテリーミスでの失点でしたが、あの場面はどう振り返られますか

前の回に郡司(裕也、2年)にレフト前打たれて。キャッチャーも監督さんもワンバンでいいと言われていたので、自分としてはワンバン投げたんですけど、キャッチャーが悪いとは言えないんで、そこはブルペンから練習して信頼関係を得た上で秋はワンバンを投げられるようにしたいです。

――これをもって春季リーグ戦は終わりましたが、今季を振り返っていかがですか

うーん・・・。まず、登板の機会がすごく少なかったので、いざ出てきたときに投げるのが難しかったなとは一つあります。あとは、任されたときに抑えられなかった試合が2つあるんで、そこはしっかり重く受け止めて。まだ全然信頼してもらえている感じがしないので、秋は先発で投げるつもりでそこを勝ち取っていきたいと思います。

――夏はどういった目標を持って過ごしたいですか

まだ終わったばかりで全く明確ではないので、こっから全て反省して考えていきたいと思います。

――来秋はいよいよラストシーズンになります

今シーズンに関しては勝負どころで打つとか勝負どころで抑えるとか、そういうちょっとしたところで優勝を逃したなと思います。力としては優勝できないチームではないと思うので、ツメの甘さであったりそういうものを詰めていけるように、この夏の練習は充実したものにしていきたいと思います。

――個人としては先発でラストシーズン投げ抜きたいですね

そうですね。自分としては先発で投げないと良さが出ないと思うので、そのつもりで。いいピッチャー他にいるんで、負けないようにやっていきたいと思います。

長谷川寛(社4=宮城・仙台育英)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

また1点差で負けたなと。悔しいです。

――3日間の早慶戦を終えて、感想は

早慶戦を夢見てワセダに入学したので、1回戦はかなり緊張したのですが2回戦目からは地に足を着けてプレーできたと思います。

――2回戦は2安打、きょうも2安打とかなり好調のように見えました

やっぱりレベルが高いので、前半は食らいつくのに精いっぱいだったのですが、後半からやっと慣れてきて打てたので良かったです。

――慶大の投手陣との対戦はいかがでしたか

落ちるフォーク系のいい球を持ってる右投手がたくさんいたので、なるべく振らずに決め球を決めて打つようにしていました。

――好調の反面、バントの失敗などもありました

バントはメンタルが勝負なので、秋は自信を持ってバントを決められるように練習します。

――2割9分3厘という打率で春季リーグ戦を終えました

自分が想像していた打率よりは上だったかなと。最初の方はなかなか打てなくてチームに迷惑を掛けたのですが、後半は打てるようになってきて少しはチームに貢献できるようなプレーができたのかなと思っています。

――春季リーグ戦全体を振り返っていかがでしたか

スタメンとしてグラウンドに立ってみると、やっぱりレベルが高いなと思いますね。今シーズンが終わって課題もたくさん見えたので、その課題をつぶせるように夏のオープン戦や練習をしていきたいです。

――具体的に、今一番の課題は何だと思われますか

センターの守備もあまり慣れていなかったので、バッティングの向上もそうですけど守備の向上もしていきたいと思っています。

――先ほど「想像していたより打てた」とおっしゃっていたのですが、この春季リーグ戦でご自身に点をつけるなら何点でしょうか

まあ、75点とか、70点ぐらいじゃないですかね。秋は3割打てるようにしたいです。あと、やっぱり打点を稼ぎたいですね。チームの勝利に貢献できるようなバッターになりたいと思っています。

――夏、そして秋に向けて一言意気込みをお願いします

春は4位という結果でとても悔しい思いをしたので、秋は絶対に優勝できるよう頑張ります。