漕艇部

2017.05.29

第39回全日本軽量級選手権 5月26~28日 埼玉・戸田ボートコース

課題と収穫の軽量級 2年ぶりメダル獲得、4艇が入賞と上々の結果に

 全日本軽量級選手権(軽量級)最終日。前日までの結果により準決勝進出を果たした6艇が登場し、うち男子舵手なしペアと、女子ダブルスカルの2艇が決勝に進出。優勝を目指し出漕したものの、結果は及ばずともに3位に終わる。それでも早大から2年ぶりの同大会メダル獲得となり、上々の結果を得て軽量級を終えた。

 午前中の準決勝、まず登場した舵手なしペアが2着で決勝進出を決めた。続く女子シングルスカルには3人の1年生が登場。同組での出場となった安井咲智(スポ1=東京・小松川)と藤田彩也香(スポ1=東京・小松川)の同校出身対決は、中盤から徐々に艇を伸ばし2着に入った安井に軍配が上がった。安井は大学生で唯一、順位決定戦に駒を進める。その後の組で出場した宇都宮沙紀(商1=愛媛・今治西)は、高校時代から阻まれてきた準決勝の壁を越えるべくレースに臨むが、社会人2艇の鋭いスタートスパートに出足を抑えられ、3着。目標達成はかなわなかった。続いて登場したのが、予選を1着で抜け優勝候補の一角とされる女子ダブルスカル。予選ではずれがあったというスタートをうまく決め、勢いに乗るかと思われたが、このレースではコンスタントを伸ばすことができず、2着での決勝進出となった。最後に出場した男子エイトは、3番・尾崎光(スポ3=愛媛・今治西)の「前半から攻めていかないと勝てないということを共有していた」との言葉通り、序盤は他校の対校クルー相手に一歩も退かないスタートを見せる。しかし中盤から後半にかけてじりじりと後退し、4着。順位決定戦へと回った。

東・石橋広陸(スポ4=愛知・豊田北)の男子舵手なしペアは優勝候補に挙げられていた

 午後、順位決定戦に臨んだのは女子シングルスカルの安井と男子エイトの2艇。安井は社会人3艇に囲まれながら善戦する。予選、準決勝と同じように苦しいところで艇速を落とさず、2着。総合6位入賞と1年生ながら大健闘の大会となった。男子エイトは再びスタートから攻めたレースを展開しトップに立つが、中盤で他艇にかわされ3着、総合7位入賞という結果に終わった。それでも、全員の意見をまとめクルーの統一感を高めてきたというこのクルーは、見事にブレードワークを一致させるユニホーミティーの高さを見せ、今大会を終えた。一方、決勝に進んだ2艇は苦戦した。男子舵手付きペアは、予選で高速のスタートを見せた慶大をとらえるべく、1000メートルまで高いレートで攻撃的なプランをとる。しかし「その分だけオーバーペースになってしまった」(東駿佑副将、政経4=東京・早大学院)と、その代償は大きく、後半で失速。優勝を大きく期待されながらの3位に肩を落とした。もう一つの優勝候補・女子ダブルスカルもまた、スタートで鋭い飛び出しを狙う明治安田生命、筑波大の2艇を警戒。レートを1枚上げてのチャレンジで粘り強く漕ぎ続けたが、最後の500メートルで耐え切れず失速する。3位に入りメダル獲得とはなったものの、「(最後の失速で)相手との格差を感じた」(木下美奈女子副将、スポ4=山梨・富士河口湖)と、悔しいレース展開となり、バウに座る南菜月(教2=新潟南)が悔し涙を浮かべる場面も見られた。

木下美・南の女子ダブルスカルが3位に輝いた

 優勝、あるいは1着でのゴールを逃す結果に、多くの選手たちから反省の言葉が聞かれた。しかし、チームとしてメダル獲得が2艇、入賞が4艇という結果はここ数年でも優れた成績だ。特に例年より多く出場した1年生の活躍は目覚ましかった。この日のレースで今後の課題がはっきりしたと語る選手も多く、夏の全日本大学選手権(インカレ)に向けて、まさに『課題と収穫』のレースとなる軽量級だった。

(記事、写真 喜田村廉人)

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結果

【準決勝】

▽男子部

【舵手なしペア】

S:東駿佑(政経4=東京・早大学院)

B:石橋広陸(スポ4=愛知・豊田北)

6分56秒03 【2着 決勝へ】

【エイト】

C:徐銘辰(政経2=カナダ・St.Andrew‘s highschool)

S:藤井拓弥(社2=山梨・吉田)

7:飯尾健太郎(教3=愛媛・今治西)

6:金子怜生(社3=東京・早大学院)

5:川田翔吾(基理2=東京・早大学院)

4:伊藤光(文構3=東京・神代)

3:尾崎光(スポ3=愛媛・今治西)

2:川田諒(社3=愛媛・松山東)

B:山中裕一郎(スポ2=埼玉・本庄第一)

6分17秒53【4着 順位決定戦へ】

▽女子部

【シングルスカル】

宇都宮沙紀(商1=愛媛・今治西)

8分29秒35 【3着 敗退】

安井咲智(スポ1=東京・小松川)

8分17秒26 【2着 順位決定戦へ】

藤田彩也香(スポ1=東京・小松川)

8分27秒33 【3着 敗退】

【ダブルスカル】

S:木下美奈(スポ4=山梨・富士河口湖)

B:南菜月(教2=新潟南)

7分43秒76 【2着 決勝へ】

【順位決定戦】

▽男子部

【エイト】

C:徐銘辰(政経2=カナダ・St.Andrew‘s highschool)

S:藤井拓弥(社2=山梨・吉田)

7:飯尾健太郎(教3=愛媛・今治西)

6:金子怜生(社3=東京・早大学院)

5:川田翔悟(基理2=東京・早大学院)

4:伊藤光(文構3=東京・神代)

3:尾崎光(スポ3=愛媛・今治西)

2:川田諒(社3=愛媛・松山東)

B:山中裕一郎(スポ2=埼玉・本庄第一)

6分28秒14【3着 全体7位】

▽女子部

【シングルスカル】

安井咲智(スポ1=東京・小松川)

8分33秒07 【2着 全体6位】

【決勝】

▽男子部

【舵手なしペア】

S:東駿佑(政経4=東京・早大学院)

B:石橋広陸(スポ4=愛知・豊田北)

7分14秒90 【3着 全体3位】

▽女子部

【ダブルスカル】

S:木下美奈(スポ4=山梨・富士河口湖)

B:南菜月(教2=新潟南)

7分36秒82 【3着 全体3位】

コメント

【男子舵手なしペア】
S:東駿佑副将(政経4=東京・早大学院)

――きょうのレースを振り返っていかがでしたか

悔しさの残るレースだったかなと思います。スタート1000メートルに関しては慶大とも並ぶことができたんですけど、そこからは個人的に体力が持たなくて。そこで勝つことが出来なかったなと。まあ課題も収穫もあるレースだったかなと思います。一つ皮をむけられたなと思います。

――後半伸びなかったことに要因などはありますか

いつもに比べてスタートの1000メートルでしっかりトップ集団を横にとらえるということを意識してやっていたので、その分だけオーバーペースになってしまったのかなと思います。

――準決勝では前半先行されるレースでしたが

大阪府立大にあそこまで出られるというのが予想外だったので。でも出られてもしっかり落ち着いてラストスパートをいれれば大丈夫かなと、レース中もそうですし、レース前も話していたのでそこは想定内かなとは思います。なかなか準決勝というのは難しいレースだなと思いました。

――最終順位は3位ですが、その結果については

まあ悔しいです。おととしも3位だったんですけどその時の3位とは全然違うのかと思います。やっぱり優勝を目指してここまでやってきたので、悔しい3位です。まあでも自分の皮を一つむけたのでそれは良かったです。

――夏に向けての意気込みをお願いします

夏に向けてしっかり課題がわかったので、早慶戦(早慶レガッタ)、軽量級を踏まえてもう一回しっかり練習を積んで夏の最後のインカレで優勝できるよう練習していきたいと思います。

【男子エイト】
3:尾崎光(スポ3=愛媛・今治西)

――今日の2レースを振り返って

この3日間なかなか思い通りの漕ぎができなくて、色々試行錯誤しながら、課題見つけては改善する、というかたちでやってきて、最後に一番いい漕ぎができたのではないかなと思います。結果は組内3位だったんですけど、自分たちが狙ってきたのに一番近いかたちで漕ぐことができたのかなと。でももっとできたかなというところもあるので、そこは夏への課題です。

――きょうはスタートにこだわっているように見えました

最初のレース(予選)で、スタート出られなくて、そこからずっと相手を追い掛けて、最後まで追いつけずに終わるというかたちがありました。そういう
レースを反省して、僕らは前半から攻めていかないと勝てないということを共有していました。最初の1000メートルで出し切ってそこから、というかたちを全員が体現したのが、いい立ち上がりにつながりました。そこはプラン通りに攻めた結果だったのかなと思います。

――「見つけては改善してきた課題」をいくつか挙げてください

久しぶりのレースということもあって、漕ぎが硬くなって短くなってしまった、というところがまず見つかって、そこをしっかり大きく漕ごうという風に改善しました。後は、先ほども述べたように前半でなかなか流れに乗り切れず、自分たちの漕ぎができなかったので、そこをしっかり前半で攻めて、余裕を持って漕ぐという風に改善していきました。

――クルーを見てどう感じるか

先ほどのミートでクルーキャプテンの金子(怜生、社3=東京・早大学院)も述べていたんですけど、一人一人がリーダーとなって意見を言って、それを議論してより良く改善していったいいクルーだったなと感じます。全体的に雰囲気も良くて、お互いを支えあうことがレースでもできてよかったんじゃないかと思います。

――早慶レガッタの第二エイトに通じるものがありますか

そうですね、早慶戦の第二エイトは先輩がベースをつくってくれて僕たちがそれを支えていくという感じだったんですけど、今回は先輩がおらず2、3年生のクルーとなりました。なので、より自分から、早慶戦の第二エイトで学んだことを還元していこうというかたちになりました、なのでベースはその第二エイトが、今回のクルーメークに役立ったのではないかなと思います。

――尾崎さんご自身の課題は

引き続きの課題なんですけど、自分はやっぱり力不足だなと。(レースで)最初せめてはいけたんですけど、中盤粘り切れなかったというのが、昨日きょうレースに表れてしまいました。最初でいい入りをしても続ける体力がないときょうみたいに負けてしまうと思うので、そこを攻めていける体力が必要かなと思います。

――夏の練習にむけて一言お願いします

夏にインカレ、全日本(全日本選手権)で結果を出すということ今の部全体の目標でもあるので、今回を通過点として、夏により良い結果を出せるように努力していきたいと思います。

【女子シングルスカル】
安井咲智(スポ1=東京・小松川)

――きょうレースを振り返っていかがですか

きょうは2試合やって初めて2000メートルレースを2回やるということを体験したんですけど、1レース目では香港の方がすごく早くて。スタートの250メートルの時点ですごく早いなと思ったんですけど、それでも(いい)順位はつけたいと思って最後まで漕ぎ切って、2着だったんですけど、午後につなげられたのが良かったかなと思います。2レース目は企業の方ばっかりで自分が相手を差すことが出来ても最後粘ってきて。差され返されたりしてしまったので、もっと自分の粘り強さを鍛えていきたいと思いました。

――初めて2000メートルレースを2本漕ぐにあたって不安などはありましたか

正直2000メートル高いレートで漕ぎ切れるか練習し始めの時は心配でした。

――レースの前はどうでしたか

レースの前は緊張はあまりすることなく1年生らしくフレッシュな感じで自分のやりたいように、自分が楽しめてかつ自分でもいいなと思えるようなレースをしようと高い意志で、気おくれすることなく出来ました。

――きょうの結果をご自身としてはどうとらえていますか

私の中では順位決定戦までいけるとは思っていなかったので、うれしい気持ちはあるのですが、でもせっかくこういう機会だったのでもうちょっと上を目指せたらよかったと思いました。

――夏のインカレにむけて意気込みをお願いします

インカレは部内で選考があるのでそこでしっかり先輩たちとも戦っていかなくてはならなくて少し不安はあるんですけど、もしインカレに出ることができたら、部の代表として部を背負ってしっかり優勝できるように頑張りたいと思います。

【女子ダブルスカル】
S:木下美奈女子副将(スポ4=山梨・富士河口湖)

――3位という結果はいかがですか

狙っていたのは優勝なんですけど、最後は今までで一番いい漕ぎができたなと感じています。

――どんなクルーでしたか

乗り始め、まずバランスがいいなというところから始まって、徐々に乗っていくと水中の押しとか課題が見つかって、ゴールデンウィークの追い込み練習の後から(艇が)進むようになってきたという感じですね。

――クルーを組んでどのくらいですか

3週間くらいです。

――どんな練習をされてきましたか

水中の押しのタイミングを合わせる。そこに私たちのクルーは重点を置いていました。水中にブレードが入っている時の、パワーカーブというものがあるんですけど、そこをエルゴで合わせたり、水上でも二人ですり合わせて理想のかたちにしていきました。

――予選の漕ぎを振り返って

予選は、私たちは結構スタートが弱くて、そこで行かれてしまうというパターンが多かったんですけど、コンスタントに関しては準決勝よりも淡々と漕げたというところが良かったかなと。準決勝は逆に淡々と漕げなかったんですけど、予選はそこがうまく表現できました。それと、スタートのずれが目立ってしまっていたので、そこは次の日に直していこうと話していました。

――きょうのレースはいかがでしたか

決勝に関しては私たちも「覚悟を決めよう」と話していて、ライバルの筑波大、明治安田生命とスタートが速いクルーで、私たちの漕ぎは中盤から伸びていくというところではあるんですけど、やはり行かせすぎてしまうと怖いというところがありました。きょうは攻めようと決めて、34のレートを35で通しました。予選はスタートが決まらなかったんですけど、きょうはそこが決まって、粘って、粘って、4クオーター目が…。そこが相手との格差を感じたので、夏に向けてそこを詰めていけないと、勝っていけないと思いました。

――陸に上がった後バウの南選手(菜月、教3=新潟南)が涙を流していました

悔し泣きですね。南菜月、ほんとにいい子で(笑)。素直に前向きに、自分の意見も持っていますし、やろうとしたこともちゃんとやってくれますし、そういった意味では私自身も刺激をもらいつつ成長できたかなと思います。最後はやっぱり優勝を目指そうと言っていたこともあって、来るものがあったんだと思います。

――今後への意気込みを一言お願いします

もちろん、軽量級、目標をもって取り組んできたんですけど、私たちが目指しているのは夏(インカレで)優勝するということなので、そういう意味では通過点として、良かった部分は自信につなげて、あとは課題も今回見つかって、後半いかにスプリントで出していけるかというところです。そういうところをこれから私たちだけじゃなくて周りを巻き込んで全員でレベルアップしていければなと思います。