漕艇部

2017.05.26

第39回全日本軽量級選手権 5月26~28日 埼玉・戸田ボートコース

軽量級開幕、各レースで好材料が続々

 年間を通しても数少ない全国クラスの大会の一つ、全日本軽量級選手権が開幕した。初日となるこの日は、午前中の降雨に加え、終始逆風が吹くなど決して良くないコンディション。そんな中、早大からは男女合わせて9艇が出場し、うち女子の3艇が1着で準決勝進出を決めた。

 男子部で注目を集めるのは、先日の早慶レガッタで対校エイトに乗り、勝利の立役者となったストロークペア東駿佑副将(政経4=東京・早大学院)と石橋広陸(スポ4=愛知・豊田北)が組む舵手なしペア。昨年末から既に練習を重ねていたこのクルーは、優勝候補の一つと目されている。予選のレースで社会人の関西電力美浜と当たるが、これを意識したレースプランを組み中盤にかけて先行。しかし5レーンの慶大が爆発的なスタートを見せ、2位でレースを進めることになる。同じく早慶レガッタの対校エイトメンバーを擁するこのクルーを、ラスト500メートルで猛追するが捉え切れず。2着に終わりまさかの敗者復活戦に回ることとなった。しかし、タイムは全体の3番手。ストロークの東は気落ちした様子を見せず「まず課題をしっかり潰していくということに集中していく」と、次戦を見据えた。午後には、昨年この大会で史上初の男子ダブルスカル高校生優勝を飾った中川大誠(スポ1=東京・小松川)を擁する男子舵手なしクォドルプルが出漕。実力者4人が乗るこのクルーは、わずか1週間ほどの練習期間ながら、しっかりとブレードワークを合わせた漕ぎを披露。スタートでのミスが響き3着に終わったものの、以後のレースに期待が掛かる内容となった。

タイムの伸びしろを示した男子舵手なしクォドルプル

 女子部は収穫の多い初日となった。先陣を切ったシングルスカルの宇都宮沙紀(商1=愛媛・今治西)が、スタートスパートで他艇を大きく突き放す。1000メートル地点で2位と5秒以上の差をつけ独走態勢に入ると、余裕のある漕ぎでゴール。1年生らしからぬ堂々とした漕ぎで、準決勝進出を決めた。自身3度目となるこの大会、目標とする準決勝突破に向けて上々の滑り出しを見せた。さらに続くレース、同じく1年生の安井咲智(スポ1=東京・小松川)が登場。荒れる水面を冷静に見た安井は、スタートスパートを抑える慎重策を選択し、序盤は2位につける。自身が得意と語る後半で、最大5秒の差を覆しトップに立つと、その後も差を広げゴールした。1年生クルーの活躍が光った女子部は計3艇が予選を通過し、こちらもさらなる活躍が期待される。

スタミナを武器に1着を勝ち取った安井

 初日の予選通過クルーは女子部の3艇のみにとどまったが、敗者復活戦に回った艇もポジティブな内容を多く見せ、収穫をはっきりとさせている。早慶レガッタから1ヶ月、国際大会への参加などもあり満足な練習期間を取れなかったクルーもある。しかし、伸びしろを示したこの日の1戦を糧に、今大会でさらなる収穫を得たい。

(記事 喜田村廉人、写真 喜田村廉人、加藤佑紀乃)

結果

【予選】

▽男子部

【ダブルスカル】

S:鈴木利駆(スポ1=静岡・浜松西)

B:舩越湧太郎(スポ1=滋賀・膳所)

7分38秒76 【4着 敗者復活戦へ】

【舵手なしペア】

S:東駿佑(政経4=東京・早大学院)

B:石橋広陸(スポ4=愛知・豊田北)

7分22秒93 【2着 敗者復活戦へ】

【舵手なしクォドルプル】

S:得居亮太(法4=東京・早大学院)

3:伊藤大生(スポ3=埼玉・南陵)

2:中川大誠(スポ1=東京・小松川)

B:有田雄太郎(法4=東京・早大学院)

6分36秒20 【3着 敗者復活戦へ】

【エイト】

C:徐銘辰(政経2=カナダ・St.Andrew‘s highschool)

S:藤井拓弥(社2=山梨・吉田)

7:飯尾健太郎(教3=愛媛・今治西)

6:金子怜生(社3=東京・早大学院)

5:川田翔悟(基理2=東京・早大学院)

4:伊藤光(文構3=東京・神代)

3:尾崎光(スポ3=愛媛・今治西)

2:川田諒(社3=愛媛・松山東)

B:山中裕一郎(スポ2=埼玉・本庄第一)

6分26秒93 【3着 敗者復活戦へ】

▽女子部

【シングルスカル】

宇都宮沙紀(商1=愛媛・今治西)

9分01秒75 【1着 準決勝へ】

安井咲智(スポ1=東京・小松川)

8分47秒94 【1着 準決勝へ】

藤田彩也香(スポ1=東京・小松川)

9分02秒05 【4着 敗者復活戦へ】

【ダブルスカル】

S:木下美奈(スポ4=山梨・富士河口湖)

B:南菜月(教2=新潟南)

7分41秒03 【1着 準決勝へ】

【舵手なしクォドルプル】

S:田口えり花(商4=埼玉・浦和一女)

3:尾嶋歩美(スポ1=埼玉・南陵)

2:松井友理乃(スポ1=愛媛・今治西)

B:奈良岡寛子(教1=青森)

7分26秒72 【3着 敗者復活戦へ】

コメント

【男子舵手なしペア】
S:東駿佑副将(政経4=東京・早大学院)

――レースを振り返っていかがですか

スタートで出られて、そこが一番の敗因だったかなと。それ以外は、コンスタントも良くて、全体的に自分たちのやりたいレースをしたんですけど、予選をやってみて、課題が分かったので、そこを潰していかないとなと思います。

――スタートは失敗というわけではなかったのですか

そうですね…良くなかったというわけではないんですけど、相手と比較したときに、課題があるなという感じですね。

――石橋選手(広陸、スポ4=愛知・豊田北)と組んでどのくらいですか

時期的には去年の全日本選手権が終わってから乗っていて、早慶レガッタも含めて約半年くらいですね。

――息はしっかり合っていますか

早慶レガッタを経て、勝って自信をつけて、ここまでいい準備ができているんじゃないかと思います。色んなことがあったんですけど、それもしっかり乗り越えて、ここまで来られたんじゃないかと。冬の時点よりもスキルはレベルアップしていて、かなりいいんじゃないかと思います。

――やはり目標は優勝ですか

そうですね。優勝もそうですし、やはり自分たちが目指してきたタイムと、テクニカルの面で立てた目標をしっかり出して、優勝できればいいと思います。

――実力的に、優勝が今までで一番現実的になりますが、メンタルの持っていき方はどのように考えていますか

予選終わってみて、タイムが出て全体で3番目のタイムということで、きょうは負けてしまったんですけど、課題も分かったし収穫もあったので、気持ちを落とすことなく、まず課題をしっかり潰していくということに集中していければなと。あした課題を潰して、準決勝、決勝を意識していければいいなと思っています。

――慶大に負けてしまったことについては

普通に悔しいですね。ただ1レーンと5レーンで離れていたので、そこは難しかったかなと思います。レースプラン的にも関西電力美浜を意識していたので、そこが思った以上に来なかったのですが、慶大を意識するという部分は欠けていたのかなと思います。悔しいですけど、次は絶対負けないので、そこはしっかりやっていきます。

――あしたへの意気込みを一言お願いします

あしたはしっかり課題を潰すということですね。1番で上がるのは当然だし、準決勝、決勝に向けていいレースができればいいと思っています。

【男子舵手なしクォドルプル】
B:有田雄太郎(法4=東京・早大学院)

――きょうのレースを振り返っていかがですか

きょうの試合はいい意味でも悪い意味でも予想通りだったかなと思っています。いろいろあって練習期間が1週間くらいしかなかったのですが、その中でもコンスタントは非常に伸びるクルーだったので、練習からそこはうまくいくだろうと。そこで伸ばして行きたいなと思っていたのですが、やはりスタートでもう少し伸ばさないといけないねと言っていた部分が、きょうは顕著に出てしまいました。スタートで曲がってしまったりとか、いろんなことが重なってちょっときょうは最初に出られる展開だったのですが…。そう言った意味でも予想通りかなと思います。明日は課題をしっかりつぶて行きたいかなと思います。

――今大会の目標は、どう設定されていましたか

目標はしっかりと決勝に出て、表彰台を狙うという目標ではあるのですが、現在全体タイムで十数番目で、まだまだ射程圏内だと自分たちでは思っているので、まずは目標通りしっかりと決勝に出たいと思います。

――ユニフォーミティについては

非常に良かったと思います。みんなが終始冷静に状況を見て淡々と漕げていたので、ユニフォーミティ自体は全然悪くなかった思います。

――その分スタートが悔やまれますか

そうですね。スタートでもう少し出れていれば、やはり相手を見ながら漕げたら、もっと有利だったのかなと思いつつも、きょう明日で修正していきたいと思います。

――明日に向けて修正していくのもそのあたりのことになるのでしょうか

そうですね。あと終盤ちょっと上り切れなかったところがあったので、最初と最後しっかりと上げていきたいと思っています。

――明日に向けて意気込みをお願いします

課題がきょうは見つかったのですが、それをポジティブに捉えて、課題をつぶして、まずしっかりと敗者復活戦を勝ちにいきたいなと思っています。

【女子シングルスカル】
宇都宮沙紀(商1=愛媛・今治西)

――本日のレースを振り返って

きょうのレースは500メートルを過ぎたところからかなり艇差をつけることが出来たので、冷静に自分のペースで漕ぐことが出来ました。

――艇差をつけることが出来たという話がありましたが、後半はどのような意識で漕いでいましたか

他の艇を気にせずに、自分の出せる最高のスピードを出そうと思って、ずっと漕ぎ続けていました。

――この大会に向けて、技術的な面で重点的に練習したのはどういった部分でしょうか

ずっと監督さんにキャッチの部分でエントリーでコンパクトに入れるということを言われていたのでそこの部分と、出来るだけ大きく漕ぐということを意識して練習してきました。

――きょうのレースの勝因はどこにあると思いますか

精神的にも結構落ち着いて漕ぐことが出来たので、そういうのも関係していると思うんですけど、今までの練習で積み重ねて来たことを強い思いを持って、落ち着いて漕ぐことが出来たところにあるのかなと思います。

――今大会の具体的な目標は

高校時代から含めてこの大会に出場するのが3回目なのですが、今までは準決勝で敗れてしまっていて、順位決定戦に進めなかったので、ことしは順位決定戦以上に進むことが目標です。

――あすへの意気込みを教えて下さい

あすは準決勝で、いままでそこで悔しい思いをしてきたので、ことしこそはさらに次のレースに進めるように頑張りたいと思います。

安井咲智(スポ1=東京・小松川)

――レースを振り返っていかがですか

きょうのレースは、スタートであまり出ることができなくて、1位を狙うことは厳しいかな、と最初の方は思ったんですけど、それでも1年生として自分らしいレースをしようと切り替えて、自分の漕ぎやすいペースで漕いでいました。最終的に1位になれて、自分のペースで漕げたいいレースだったかなと思います。

――シングルスカルの練習を始めてどのくらいですか

練習を始めたのは4月の後半くらいからです。

――どんなことを意識して練習されていましたか

個人的にはキャッチ周り、オールが入るところを意識してやっていました。

――スタートでミスがありましたか

ミスではなかったんですけど、アップの段階で風が吹いていて、スタートの練習をしたときに、これは本番で出られるスタートはできないかなと思いました。そこでそう考えるのがいけないのではなくて、自分の得意分野である後半にかけて、自分のレース展開ができればいいと思ったので、今回はスタートで出られないかなという予想通りでいきました。

――慎重に入ったという感じでしょうか

そうですね、はい。

――後半が得意ですか

後半で落ちる選手が多い中で、私は上がるというほどではないんですけど、キープすることが得意です。

――初の1位についてはどう感じていますか

シングルで初めて2000メートルを戸田で漕いで、1位も取れて、安心したのとすごく嬉しいなという気持ちがありました。

――今大会の目標は

今回1位になって、きょう考えてみて、やっぱり順位のつく結果で終わりたいなと感じました。

――準決勝への意気込みを一言お願いします

もっとレベルの高いレースになるので、スタートから思い切り自分の力を出して、1年生だからこそできるチャレンジャー精神で挑んでいきたいなと思っています。