ラグビー部
2017.05.22
定期戦 対同大 5月21日 愛知・パロマ瑞穂スタジアム
FWは奮闘。しかし、サイドを突かれ同大に敗北
ことしも、同大との定期戦が愛知・パロマ瑞穂スタジアムで行われた。プロップ井上大二郎(スポ3=愛知・千種)、ロック松井丈典(スポ3=愛知・旭野)、FB伊藤大貴(スポ3=愛知・春日丘)にとっては凱旋試合となったこの試合。先制トライを挙げ、勢いに乗るかに思われた早大だったが、相手の外に切ってくるアタックに対応し切れず4トライを献上。19-28で敗北し、昨年の定期戦で完封負けを喫した雪辱を果たすことはできなかった。
前半は一進一退の攻防が繰り広げられた。相手のラインアウトミスからターンオーバーすると、WTB桑山聖生(スポ3=鹿児島実)がラインブレイク。最後はCTB野口祐樹(人4=群馬・太田)にボールが渡り、先制点を挙げた。しかし、相手もすぐさま反撃に出る。スクラムから右に展開すると、すばやく逆目に。早大は対応し切れず、空いた大外を走られてトライされてしまう。30分にも追加点を許した。すると前半終盤、早大は相手のペナルティーからゴール前5メートルでのスクラムという好機を得る。相手のコラプシングがあり何度も組み直すと、最後は認定トライ。12-14とする。加えて、このスクラムで相手の1番がペナルティーを繰り返したことによりシンビンとなり、数的優位に立つ。追加点を奪いたい状況だったが、惜しくもここで前半が終了した。
スクラムの前に円陣を組むFW陣。この後認定トライを奪った
「一次攻撃から相手の速い球出しに(ディフェンスが)遅れてしまった」とSO横山陽介(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が振り返るように、後半も同大のワイドな攻撃に苦しめられる。16分、自らのペナルティーで自陣まで攻め込まれると、FWの連続攻撃を受け、最後は左端にトライを許す。続けて19分、カウンターの形でまたも左サイドを突かれると、そのまま独走のノーホイッスルトライ。同大の左のWTB鶴田桂樹(4年)に、これでこの試合3つ目のトライを許してしまった。対する早大は、ゴール前のラインアウトモールで、下川甲嗣(スポ1=福岡・修猷館)がインゴールに押さえて7点を返したが、逆転には及ばず。19-28でノーサイドとなった。
モールで押し込み、最後は下川がグラウンディングした
「ディフェンスの部分で強みを出していこうとやっていった」とCTB黒木健人副将(教4=宮崎・高鍋)が言うように、ディフェンスにフォーカスして臨んだこの試合。ブレイクダウンでは優位に立っており、一定の成果は出たものの、サイドを突かれての失点が痛手となった。一方で、この試合はU20代表合宿のためにメンバーを大きく変えて臨んだ試合でもあった。そのような状況でも大敗しなかったことは、選手層の厚みが増している証拠だと考えられる。ディフェンスの改善とチーム力のさらなる底上げを図り、次戦以降の勝利に期待したい。
(記事 本田理奈、写真 曽祢真衣、矢野聖太郎)
定期戦 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | スコア | 同大 | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
2 | 1 | T | 2 | 2 |
1 | 1 | G | 2 | 2 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
12 | 7 | 計 | 14 | 14 |
19 | 合計 | 28 | ||
【得点】▽トライ 野口、下川、認定トライ ▽ゴール 横山、高橋 | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大メンバー | |||
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背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 井上 大二郎 | スポ3 | 愛知・千種 |
後半28分交代→18柴田雄 | |||
2 | 鷲野 孝成 | 基理3 | 神奈川・桐蔭学園 |
後半28分交代→17三隅 | |||
3 | 久保 優 | スポ1 | 福岡・筑紫 |
後半11分交代→16鶴川 | |||
4 | 三浦 駿平 | スポ2 | 秋田中央 |
5 | 松井 丈典 | スポ3 | 愛知・旭野 |
6 | 幸重 天 | 文構2 | 大分舞鶴 |
7 | 増原 龍之介 | 教2 | 広島・崇徳 |
8 | 丸尾 崇真 | 文構1 | 東京・早実 |
前半32分交代→20下川 | |||
9 | 吉岡 航太郎 | スポ4 | 国学院栃木 |
後半31分交代→21杉本 | |||
10 | 横山 陽介 | スポ4 | 神奈川・桐蔭学園 |
後半28分交代→22高橋 | |||
11 | 桑山 聖生 | スポ3 | 鹿児島実 |
12 | 野口 祐樹 | 人4 | 群馬・太田 |
13 | ◎黒木 健人 | 教4 | 宮崎・高鍋 |
14 | 作田 蓮太郎 | 教4 | 東京・早実 |
後半14分交代→23水谷 | |||
15 | 伊藤 大貴 | スポ3 | 愛知・春日丘 |
リザーブ | |||
16 | 鶴川 達彦 | 文構4 | 神奈川・桐蔭学園中教校 |
17 | 三隅 寛己 | 法3 | 東京・早実 |
18 | 柴田 雄基 | 文4 | 愛知・千種 |
19 | 中野 幸英 | 文構2 | 東京・本郷 |
20 | 下川 甲嗣 | スポ1 | 福岡・修猶館 |
21 | 杉本 頼亮 | スポ4 | 京都・桂 |
22 | 高橋 吾郎 | スポ4 | 福岡・修猶館 |
23 | 水谷 彰裕 | 商3 | 埼玉・早大本庄 |
※◎はゲームキャプテン、監督は山下大悟(平15人卒=神奈川・桐蔭学園) |
コメント
CTB黒木健人副将(教4=宮崎・高鍋)
――CTB中野将伍(スポ2=福岡・東筑)の不在などメンバーが大きく変わった試合でした
やろうとしている部分は変わらないので、しっかりみんなで主にディフェンスの部分で強みを出していこうとやっていきました。
――きょうはハンドリングエラーが多く見られました
FWがせっかくファイトしてくれたのに、そこでBKがミスしてしまって申し訳ないです。もったいない場面が多くあったのでそこはしっかり修正していきたいです。
――同じ所を同大に抜かれることがありました
相手の邪魔の仕方がうまくてこっちが対応しきれなかった部分はあるんですけど、しっかり前で止めなければいけませんでした。
――同大はパスでつなぐアタックが特徴ですがディフェンスの反省はありますか
去年も戦った相手なので予測はしていたんですけど、距離感が広くなってしまって外に振られてしまうという部分です。そこはもっと試合の中で修正していきたかったなと思います。
プロップ井上大二郎(スポ3=愛知・千種)
――地元での試合となりましたが、試合を振り返っていかがでしたか
特にスクラムなのですが、自分の責任でやるところで耐えきれないところがありました。取れたところもあったのですが、後半のところで取り切れなかったのが反省です。
――スクラムの感触はいかがでしたか
自分の組み方が変わっていることもあるのですが、それで相手が変えてきたところに対応しきれなかったところで負けてしまいました。そこがコーチと話して修正していくところだと思います。
――ペナルティーもありましたが、スクラムは優勢だったと思いますか
負けていたとは思いませんが、完全に勝ちきれたかと言われたらまだ勝ちきれていないところが多かったので修正していきたいと思います。
フランカー幸重天(文構2=大分・大分舞鶴)
――きょうの試合はどのような気持ちで臨みましたか
チームがやっているディフェンスでファイトする、アグレシッブに相手にタックルするというのを意識しました。
――実際にその点を振り返っていかがですか
全てがいいタックルではなかったのですが、自分的には前に出ていいタックルができたので良かったです。
――スクラムの出来はいかがでしたか
前半よかったのですが、後半になって相手とうまく合わなくて押し倒し切れなかったです。
――ラインアウトはいかがでしょうか
まだまだ精度は低いですがゴール前のラインアウトモールを取れたのは自信になりました。
――試合終盤体力がなくなってきたように見えました
この暑い環境の中で最後まで走りきれなくてだんだん運動量が落ちてきてしまいました。それはやはり変えていかないといけないので、日頃のフィットネスの練習から意識したいです。
――次戦への意気込みをお願いします
メンバーに入れるかは分からないですが、入ったらしっかりタックルできるように意識してやっていきたいです。
SH吉岡航太郎(スポ4=国学院栃木)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
本来ならU20代表が出ていたところに巡ってきたチャンスだったので、この試合で結果を残そうという気持ちで臨みました。
――ご自身のプレーを振り返ってみていかがですか
いいプレーもあれば悪いプレーもありました。自分のことに精一杯だったことを感じていました。ディフェンスのコントロールであったり、SHとして全体をコントロールすることができていなかったと感じています。
――具体的にどの部分に対してコントロールできていなかったと感じていますか
ディフェンスの時にFWに対して、順目に行くのか逆目に行くのか指示を出せませんでした。全体を見渡す力や声出しが足りていなかったですね。
――大外で抜かれる場面がありました
逆目で抜かれる場面があったと思いますが、SHとしてうまくコントロールできていませんでした。順目に行く選手を逆目に残さないといけませんし、左右の人数バランスを考えるべきでした。
――次戦に向けて意気込みをお願いします
きょうの課題が全体をコントロールすることと声を出すことでしたので、次戦はチームでのリーダーシップを発揮して自信を高めていきたいです。
SO横山陽介(スポ4=神奈川・桐蔭学園)
――この試合を振り返っていかがでしたか
ディフェンスにフォーカスして臨んだ試合で、ディフェンスができているところとできていないところがまだあり、足りない部分を修正したいです。
――ブレイクダウンは終始優勢でした。要因はどこにありますか
ディフェンスにフォーカスした試合だったということが大きかったと思います。ただ、取り切れなかった場面もあり、次の試合ではしっかりプレスをかけたら絶対取りきるということを意識したいです。
――要所でのハンドリングエラーやキックミスについては何が原因でしょうか
キックミスに関しては個人のミスです。ハンドリングに関しては外側の受け手からのコールや相互でのコミュニケーションが足りなかったということが原因だと思います。
――左サイドをかなり突かれてしまいました
左右関係なく、一次攻撃から相手の速い球出しに遅れてしまったことが原因だと思います。
――久しぶりのSOはどうでしたか
外側から先にコールがあるとやりやすいですし、このことはFBとなっても生かせると思います。また、SOとしてのミスも多かったのでそこはしっかりと修正したいです。
FB伊藤大貴(スポ3=愛知・春日丘)
――地元愛知での試合となりましたが、いかがでしたか
色々な人が応援に来てくれていて、自分のプレーが少しできたと思っているのですが、成長した姿を見せられたと思います。
――同大の鶴田選手に大外を抜かれる場面が目立ちましたが、そこのディフェンスを振り返っていかがですか
相手が絶対に外に切ってくると思ったので、そこは思い切ってディフェンスしようとしていました。