野球部

2017.05.17

東京六大学春季リーグ戦 5月16日 神宮球場

先制許し主導権を握れず…自力優勝が消滅/立大3回戦

立大3回戦
立 大
早 大
(早)●小島、北濱、早川-岸本
◇(本塁打)檜村1号ソロ、加藤4号ソロ、熊田1号2ラン

 9回2死、打席には代打・福岡高輝(スポ2=埼玉・川越東)。1ボール2ストライクから立大・中川颯(1年)が外角いっぱいに投げ込んだ130キロの直球に、球審の右腕が上がる。この瞬間、早大の自力優勝は消滅した。賜杯を奪還するためには絶対に落とすことのできない一戦。それだけに、この敗戦はあまりにも痛い。この結果、リーグ優勝の可能性が限りなく低い状況で2週間後の早慶戦に臨むこととなった。

 背番号『19』が、真っさらなマウンドへと向かう。リーグ優勝の行方を大きく左右する大一番、早大の命運は小島和哉(スポ3=埼玉・浦和学院)の左腕に託された。初回、先頭打者に中前打を許すと好機は広がり2死二塁のピンチで4番・笠松悠哉(4年)を打席に迎える。ここで137キロ直球を中前へ運ばれ、あっさり先制点を奪われた。その後の小島は毎回得点圏に走者を背負いながら粘りの投球を見せたが、追加点を失ったのは6回。2死一塁から真ん中に入った変化球を立大・熊谷敬宥主将(4年)に弾き返され、中越え適時二塁打で2点目を献上してしまう。次打者には浮いた直球を左前へ弾き返され、3点を失ったところで無念の降板。小島の後を受けた北濱竣介(人4=金沢桜丘)早川隆久(スポ1=千葉・木更津総合)も勢いづく立大打線を止めることができなかった。

踏ん張っていた小島も6回についに捕まった

 5回まで立大先発・田中誠也(2年)に抑え込まれていた打線は、5点を追う6回にようやく目を覚ました。この回先頭の2番・檜村篤史(スポ2=千葉・木更津総合)が132キロの直球を迷いなく強振。快音を響かせた打球は左翼スタンドへ飛び込み、守備の男のリーグ戦初本塁打でまずは1点を返した。この直後に代わった立大の2番手・手塚周(2年)からは4番・加藤雅樹(社2=東京・早実)が「狙っていた」という110キロのチェンジアップを右翼スタンドへ運ぶ4号ソロ本塁打。加藤を警戒した立大バッテリーは厳しい内角攻めの後に手塚の得意とするチェンジアップで打ち気を誘うプランを立てていたが、それを逆手に取り見事に狙い打ってみせた。4点差で迎えた9回には、代打・熊田睦(教4=東京・早実)が右越えに豪快な2点本塁打を放ち2点差に詰め寄ったが、反撃もここまで。点差が離れる前の序盤にことごとく好機を逸し、自分たちのペースに持ち込めなかったことが最後まで響いた。

2点差に詰め寄るリーグ戦初アーチを放った熊田

 3季ぶりの優勝を目指す早大にとって、この試合で勝つか負けるかは雲泥の差。勝ち点を落としたことにより、優勝争いからは一歩も二歩も後退した。春季リーグ戦で残すは早慶戦のみ。リーグ優勝の有無にかかわらず、慶大は倒さなければならない宿敵だ。第7週の結果次第でリーグ優勝の可能性は復活するが、結果がどう転んだとしても早慶戦では絶対に負けられない。昨秋は敗れて終戦を迎えた伝統の一戦。その雪辱を果たし、最後の最後に『ワセダの宿命』を全うしてみせる。

(記事 郡司幸耀、写真 三浦遥、平松史帆)

★髙橋監督が嘆く「中途半端」

失点し、悔しげにベンチへ戻る小島

 「歩かせて塁を詰めろ」。この試合はもちろん、これまでの実戦の中でも髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)がバッテリーに口酸っぱく言い続けてきたことだ。重要な局面、自軍の投手や相手打者に応じてそれができなければ例え試合の序盤でも捕手を交代させるほど。具体的にはこの試合でいう2死二塁、立大4番・笠松悠哉(4年)に先制打を浴びた場面だ。早大の投手は左投手の小島和哉(スポ3=埼玉・浦和学院)、一塁は空いている。セオリーとして、次打者の5番・飯迫恵士(3年)が左打者であることを考えれば、無理に右の強打者・笠松と勝負する必要はない。しかし、その指示とは裏腹に、1-1の並行カウントからバットの届く外角に直球を投じ、痛打された。
 「中途半端。徹底していない」。試合後、髙橋監督はバッテリーに苦言を呈した。笠松への3球目は外角にボール1個分ほどは外れていたかもしれないが、打たれた以上は不徹底だったと言わざるを得ない。負け投手となった小島も「先制点が痛かった」とポツリ。早大にとって与えてはいけない、それでいて防ぎようのある1点を簡単に献上したことで流れを立大に渡してしまった。最終的なスコアを抜きにして、初回に許した1点が早大にとってあまりにも重すぎたのだ。
 次なる早慶戦でリーグ随一の攻撃力を誇る慶大打線を抑えるためには、単純な投手の出来だけでなく、『バッテリーとして』いかに打ち取るかがカギとなる。早慶戦での勝利、そして奇跡の逆転優勝へ向け、バッテリーの攻め方には修正を図る必要がありそうだ。

(記事 郡司幸耀、写真 平松史帆)

黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前
(右) 八木健太郎 .250 遊ゴ    三振    中飛       左飛   
(遊) 檜村篤史 .242 三ゴ    二飛       左本    右飛   
(一) 佐藤晋甫 .273 左安    三振       三振    中安   
(左) 加藤雅樹 .448 四球       二ゴ    右本    一ゴ   
(二) 宇都口滉 .308 遊飛       三振    三ゴ       四球
(三) 織原葵 .240    左安    三振    三ゴ         
  三倉進 .333                         二飛
(中) 長谷川寛 .286    捕犠       右安    中飛    三飛
(捕) 岸本朋也 .296    遊ゴ       一犠    三ゴ      
  熊田睦 .500                         右本
(投) 小島和哉 .000    三振       投ゴ            
  北濱竣介                           
  早川隆久 .000                   三振      
  福岡高輝 .333                         三振
早大投手成績
名前
小島和哉 5 2/3 3.24
北濱竣介 1/3 6.75
早川隆久 2.60
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コメント

髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)

――今のお気持ちを聞かせてください

これで優勝がなくなったわけですから、あとは早慶戦を頑張るだけですね。

――先発の小島和哉投手は中1日の登板で粘り強く投げていたと思います

おとといは最高のピッチングしてるわけですから、その再現をしてくれるという願いはあったけどまず肉体的に無理ですね。でもそれからしたらよく粘ってたと思いますね。彼は彼なりの技術で1点に抑えてくれていたんですけど。でも相手のピッチャーも同じですよね。相手のピッチャーも点を取れないということがあったので、私は4番は絶対に歩かせろというような指示はしてたんですけどね。中途半端になって先制点を取られて。あそこで4番を歩かせてたら次は左の5番でショートゴロに打ち取って点は入ってないわけですから。最後は点差が開いてるんですけど、そこの1点の重みという先制点の比重が大きかったですね。

――先制点はバッテリーのミスだと

徹底してないですよね。きのうも「塁を埋めろ」と言ってあるのにきょうも詰めてない。その後もあったんですよ。結局2-3からフォアボール出すんだったら8、9球は投げさせられてるわけですから、それを4球で歩かせたら投球数少なくなるわけですから。そういうことをきのうから言ってあるんだけどね。

――防戦一方で守りの時間が非常に長かったと思います

そうです。きょうなんか勝ち目のない試合ですよね。ホームランで最後よく取ったと言えば取りましたけど。きのうの前半なんかもそうですよね。ピッチャーがガンガン打たれて防戦になってると点取れないですよ。リズムですからね。

――5点ビハインドの6回には2年生二人の本塁打で追い上げムードをつくりました

打った方をほめるべきだと思いますね。でも結局4点はホームランでしか点取れてないわけですからね。

――きのうもきょうも粘りを見せながら最後に勝ち切れませんでした

そうなんですよ。きのうも勝ち越せば9回は小島だったんですけどね。同点だったんで小島いけなかったんで。

――残すは早慶戦のみですが、そこに向けてお願いします

早慶戦に勝たなければ意地が立たないですから。それに向けて全力でやらないと。これはワセダの宿命ですから。

佐藤晋甫主将(教4=広島・瀬戸内)

――最後は粘りましたが、勝ち点は取れず自力優勝は無くなりました。今のお気持ちはいかがですか

正直勝たなきゃいけなかったなということをすごく思っていますし、悔しいです。ただ、自力での優勝はないのですが、来週の結果次第で慶大に早慶戦で2連勝すればまだチャンスはあるのかなと思っています。自分たちができる最善が早慶戦2連勝だと思うので、1週間空きますがチーム一丸となって戦っていこうかなと思っています。

――先制を許してからも毎回出塁を許し、守りの時間も長く相手ペースで試合が進みました

向こうは先頭打者を出してつないでつないでといういいかたちで攻撃していて、こっちはホームランしか点が取れていなかったので打線のつながりという面では向こうにペースをつかまれたかなと。正直悔しいですね。

――変化球に苦しみましたか

そうですね。外のフォーク、チェンジアップ、あれに右バッターが追っていって空振りというのが多かったので、そこを修正し切れなかったのは課題ですね。

――6回には檜村篤史選手(スポ2=千葉・木更津総合)の本塁打の後に打席が回ってきましたが、あそこは打ちたかった場面でしたか

やはりあそこで流れをこっちに持ってくるために、まず出塁したかったなというのは今思うとありますね。

――試合中ベンチから何度も「ここからだぞ」と声が上がっていました

みんなしっかり声を出してくれましたし、最後までベンチは元気を出していたので、そこはみんなのおかげかなと思っています。

――最後は2点返して粘りましたが

追いつけない、勝ち切れないところは少し弱いところだとは思います。

――試合後のチームの雰囲気は

正直、少し暗い雰囲気にはなっています。当然だと思いますが、ここからどう持っていくか次第で、チームはまた変われると思います。

――切り替えるしかないと

そうですね。

――早慶戦に向けて意気込みをお願いします

絶対に優勝します。

小島和哉(スポ3=埼玉・浦和学院)

――1、3回戦で先発というのは初めてでした。どういった心持ちで臨みましたか

高校の時は連投することもあったし、疲労もあまりなかったので普段通り臨みました。

――毎回得点圏に走者を背負う苦しい投球でした

やはり初回に取られた先取点が痛かったです。打たれた後も抑えられればよかったんですけど、1点取られたのがよくなかったです。

――調子は悪くなかったように見えましたが

良くもなく悪くもなく普通でした。

――6回に2死取った後から連打で失点しました。やはりあのあたりから疲れが出たのでしょうか

終盤になってきて球が甘くなったり、高くなってきてしまったのが原因かなと思います。そこは反省して次までに修正できるようにしたいです。

――残すは早慶戦のみですが、そこへの意気込みをお願いします

優勝がなくなったわけではないので、とりあえず今できる準備をして必ず勝ちたいと思います。

加藤雅樹(社2=東京・早実)

――大事な試合で勝ち点を落としてしまいました。本日の試合を振り返って

序盤に先制されてしまって、追加点も奪われて、苦しい展開というかワセダのペースで試合を運べなかったのが最後まで続いてしまったなと思います。

――6回にはソロ本塁打がありました。あの場面では本塁打を狙っていたのでしょうか

本塁打は狙ってなかったのですが、前日(2回戦)に手塚(周、立大)にはチェンジアップで抑えられていて、入りも最後もチェンジアップ中心で来ていた。最後もチェンジアップで来ると思ったので、チェンジアップを狙っていきました。

――前日に手塚投手に抑えられたことを踏まえて、修正した点があれば教えてください

きのうは少し振り回すというか、無駄な打席が多かったので、しっかりボールを見て、無駄な打席は作らないという意識を持つようにしました。

――劣勢の場面で会場がどよめく本塁打だったが、当たりはいかがでしたか

少し上がりすぎたかなと思って、風も少し逆から吹いていたので、あんまり伸びないなとも思っていて、入るかなといった感じだったんですが、入ってくれたので素直に嬉しかったです。

――試合には敗れたが、自身の4番としての働きはどう思いますが

立大戦でチャンスで凡退する場面が自分でも多かったと思うので、ここぞの一本というのをもっともっと増やさないと、今回みたいにやっぱりチームの勝利は遠のくと思うので、早慶戦では同じミスをしないようにしたいと思います。

――残り1カード。首位打者を狙える位置にいますが、個人成績に関してはどう思いますか

まぁ気にしたら良くなるかと言われたらそういうわけではないと思うので、4番としてのチームの勝利だけを意識したいなと思います。

――残すは早慶戦のみとなりました

やはり慶大には負けられないので、早慶戦ではしっかり自分の仕事をして、勝ちきりたいなと思っています。

檜村篤史(スポ2=千葉・木更津総合)

――1勝1敗できょうを迎えましたが、どんな意気込みで臨みましたか

優勝したいという気持ちがあって。きょう勝たなくてはいけないので、きのう負けた時点から「勝つんだ」という気持ちがありました。

――大事な勝ち点を落としてしまいました

ピッチャーが最初粘ってくれていたんですけど、バッター陣がなかなか打てなくて。流れが立大のままで、追加点を取られてしまったのでそこが原因かなと思います。

――6回裏、4点を取られた直後の攻撃で本塁打を放ちました。どんな気持ちで打席に入りましたか

その回の先頭だったので、とりあえず塁に出るという気持ちでいました。逆方向へ、という意識をして打った結果、レフトにホームランが打ててよかったです。

――初球は狙っていましたか

はい、真っすぐを狙っていました。

――塁を回る時にはどんなことを考えていましたか

自分のこのホームランが、反撃の始めになればいいなと思っていました。

――ホームインする際には大きな声が出ていましたね

元気を出していくことによってチームも盛り上がると思ったので、声を出しました。

――次の早慶戦に向けて意気込みをお願いします

絶対に負けないという気持ちをもって臨んで、勝ち点を取りたいと思います。