野球部

2017.05.14

東京六大学春季リーグ 5月14日 神宮球場

エース小島が復帰 自身初の完封で先勝/立大1回戦

立大1回戦
立 大
早 大 ×
(早)○小島-岸本
◇(二塁打)加藤、織原

 スコアボードには9つの『0』が並んだ。土曜日の試合が雨で流れ日曜日のきょう、立大との1回戦を迎えた早大。先発・小島和哉(スポ3=埼玉・浦和学院)は安定した投球を披露し立大打線を封じ込める。4回、好機をつくり、8番に入った佐藤晋甫主将(教4=広島・瀬戸内)の適時打で先制に成功。その後は立大の先発・田中誠也(2年)を打ち崩すことができず、得点を挙げることはできなかった。しかし、小島の直球の勢いは最後まで衰えず、自身初となる2安打完封。1−0で立大に先勝し優勝に向け一歩前進した。

  「言い訳をせずに、マウンドに上がればしっかり投げるのがエースの使命」(小島)。頼れる男がマウンドに戻ってきた。明大1回戦以来の登板となった小島だ。ケガの不安は一切感じさせず、キレのある直球と変化球を低めに集め、テンポよくアウトを積み重ねていく。打線は4回に加藤雅樹(社2=東京・早実)の二塁打から1死三塁の好機をつくる。すると6番・織原葵(社4=東京・早実)の2球目、ベンチはスクイズを選択。だがこれは、立大バッテリーに読まれており、ウエストされ加藤はタッチアウトとなった。ここで好機はついえたかと思われたが、織原が左翼フェンス直撃の二塁打を放つ。その後1死三塁となり打席に立ったのは、5番から8番に打順が下がった佐藤晋。不振に苦しんでいた主将が先制点をもたらす。「自分が1点取れればと食らいついた」(佐藤晋)。2球目を捉え左前適時打。打順の組み替えが功を奏した。

先制打を放ち塁上で笑みを浮かべる佐藤晋

 追加点を挙げ、さらに小島を援護したい早大打線。しかし、立大のエース田中誠の投球に翻弄(ほんろう)され1点が精いっぱいだった。低めの変化球にバットは空を切り、力のある直球に押された。8回裏無死から俊足の八木健太郎(スポ4=東京・早実)が四球で出塁するが、犠打の失敗も響き得点は奪えない。だが小島は中盤以降も立大打線を寄せ付けず、1点のリードを守り続ける。ヒヤリとさせられたのが8回表。8番打者に左翼ポール際への大飛球を打たれる。しかし判定はファウルとなり、スタンドからはどよめきが上がった。この場面以外は失点の気配を感じさせず、二塁すら踏ませない。許した走者は9回でわずかに3人。最後の打者は外角への速球で空振り三振に仕留め試合を締めた。

リーグ戦初完封を果たした小島

 復帰したエースの快投で1点を守りきる見事な完封勝利。『守り勝つ野球』を体現する理想的な展開に髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)は「最高の勝ち方だった」と目を細めた。勝ち点2で5チームが並ぶ大混戦の中、立大に先勝した価値は大きい。救援投手を温存できたことも好材料だ。連勝し勝ち点を挙げれば、最終カードの早慶戦まで確実に優勝の可能性が残る。「この勢いを大事に一戦必勝で連勝できるよう全員で頑張る」と佐藤晋主将。目の前の一戦を確実に取り、3季ぶりの覇権奪還へと突き進む。

(記事 新津利征、写真 皆川真仁、廣田妃蘭、岡田静穂)

黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前
(右) 八木健太郎 .296 二飛    三振    中飛       四球   
(中) 長谷川寛 .217 遊ゴ    四球    右飛       二ゴ   
(捕) 岸本朋也 .320 三振    三振    左飛       三振   
(左) 加藤雅樹 .500    遊ゴ    右2    遊ゴ    二飛   
  小太刀緒飛                           
(二) 宇都口滉 .350    三振    投犠    二飛         
(三) 織原葵 .250    三失    左2    三振         
(遊) 檜村篤史 .250    三振    左安       二ゴ      
(一) 佐藤晋甫 .269       右安 左安       遊ゴ      
(投) 小島和哉 .000       三犠 三振       遊ゴ      
早大投手成績
名前
小島和哉 2.33
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コメント

髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)

――『守り勝つ野球』を最高のかたちで体現する勝利でした

いやもう、1ー0で勝つというのは最高の勝ち方でしたね。

――ケガの影響で今季は厳しいと見ていた小島和哉投手(スポ3=埼玉・浦和学院)を先発マウンドに送りました

早川(隆久、スポ1=千葉・木更津総合)という選択肢もあったんですけど、今シーズンは小島が主戦ということです。本人もアクシデントによる故障で不調ではなかったのでね。もう一度チャンスをやりました

――明大戦からの回復具合、状態を見てということでしょうか

そうですね。よく治したし、よく調整してくれたと思います。

――初完封でした

中盤くらいから完投だなと。そういう感じのことは私も思ってましたね。よっほどじゃない限り継投は考えませんでした。

――2回戦のことを考えても完投は大きいですね

いやもうこれは楽ですよ。私にしてもピッチングスタッフにしてもいろんな面で楽ですね。

――投手ですと、1回戦が中止になり試合がずれ込んだ影響もありましたか

ありますね。でもローテーションはスライドするんで。緊張感が続くというよりは、中止になった時点でリラックスしますから。仕切り直しという感じで臨めたんじゃないですかね。

ーー決勝打は不振に陥っていた佐藤晋甫主将(教4=広島・瀬戸内)から生まれました

きょうは8番打たせましたけど、左ピッチャーに強いんでね。東大戦でも最後に一本出てたんで、どうかなと思いましたけど、万全を期してという感じで入れ替えてみましたね。

――打順の組み替えについて、それぞれの狙いは

八木(健太郎、スポ4=東京・早実)が出たら左ピッチャーでスチールの可能性あって2番は左バッターの方がいいかなと。宇都口(滉、人4=兵庫・滝川)より長谷川(寛、社4=宮城・仙台育英)かなというチョイスですね。5番は、3番から岸本(朋也、スポ3=大阪・関大北陽)を下げるより打率のいい宇都口かなと。あとは打率順に並べました。

――周りの打者との兼ね合いもあったということですね

まあでも、試合が回り出したらオーダーは関係ないのでね。違うのは最初だけで。

――その巡り合わせで生まれた適時打でもありました

そうそう。あそこで晋甫を上に置いていたら点が入ってないわけですから。

――その前には1死三塁からスクイズを仕掛けました(失敗)

向こうのピッチャーの好投から考えると1点勝負だと思ったんで。出す時は出すんですけど、バントが決まってないですからね。

――第6週、早慶戦前のカードで先勝できました

大きいですよ。とにかく一戦必勝でワセダは負けられないんでね。他のチームも同じですが、負けられない。負けたらダメですね。

――勝ち点を懸けた2回戦に向けてお願いします

今日と同じように粘り切ってとにかく勝つ。負けられないです。

佐藤晋甫主将(教4=広島・瀬戸内)

――1点を守り切るという理想的な展開の試合でした。本日の試合を振り返っていかがですか

そうですね。これまでの試合とはまた打って変わってチャンスがつくれず、点数も最終的には1点と打線がつながらなかったんですが、そのような展開の中でもミスなく守って粘りきるというのが大事になってくると思うのですが、そういったプレーができたので、非常に内容の良い試合だったと思います。最高のかたちで、流れも良く、良い勢いで試合を終えることができました。

――打席に入る前に意識していたことはありましたか

ここ数試合良いところで一本打ててなかったので、監督さん(髙橋広、昭52教卒=愛媛・西条)からもとにかく逆方向にいけと言われました。仲間からも消極的な部分が目立つと言われていたので、初球から積極的に振っていこうという意識はしていました。

――立大の先発・田中誠也投手(2年)は変化球、直球ともにキレがありました。相手のどういう点を狙って打っていこうと思いましたか

変化球になかなかついていけないかなと思ってて。変化球で来るかなと思っていたんですけど、意外と直球で押してこられたので、そこに打ち負けずにしっかり自分のスイングができたと思います。そこがきょう一番良かった点です。

――スクイズを失敗し、チャンスをつぶしてしまったあとに織原葵選手(社4=東京・早実)の二塁打が飛び出し、その後の先制打となったわけですが、打席での心境はいかがでしたか

ミスはあったのですが、そのミスをカバーしてみんながつないでくれたので、しっかりここで自分が1点取れればと食らいついていきました。調子が良くはなく、その影響で打順も8番に下げられてしまったのですが、その悔しさも持って打席に立ちました。

――復調の兆しも見えてきています。長打も狙いにいっているとお聞きしましたが、どのようなバッティングしようと思って打席に入りましたか

ここ最近は調子が戻ってきていると思います。長打も狙っていたのですが、それでなかなか結果が出ないといけないので、今はとにかくつなぐバッティングを意識しています。

――ボールを芯で捉えられていたように見えましたが、修正の成果が出たのでしょうか

そうですね。打ちたい打ちたいと思って前に突っ込んでしまうケースが多かったので、いかに軸足の右に体重を乗せて、球を自分のポイントまで呼び込むかということをやっています。

――先制打を放った際にはガッツポーズが出ましたが、どのような気持ちだったのですが

「あぁ、やっと一本出たな」という感じです。安心感と、やってやったぞという達成感ですかね。

――今週末の結果次第で優勝が大きく近づくということで、チームの様子にも変化はありましたか

変化というよりは、2連勝で早慶戦に向かうのが最高のかたちなので、僕らの最善の試合ができるように、絶対に勝ちにいこうという気持ちでみんなやっていました。

――2回戦への意気込みを教えてください

この勢いを大事にして一戦必勝で2連勝できるよう、全員で頑張っていきます。

小島和哉(スポ3=埼玉・浦和学院)

――初完封でした。終わったときはどのような気持ちでしたか

内容は気にせず、まずは勝てたことにほっとしました。

――きょうの自分の投球を振り返ってどこが良かったですか

無駄な四死球を出さずにテンポ良く投げられたことかなと思います。

――立大の先発・田中誠也投手も好投でしたが意識していましたか

そうですね。テンポが良かったので自分も負けないように頑張って投げました。

――右足首を痛めたのはいつ頃ですか

法大戦の前の週にひねってしまって思うように投げられませんでした。ただそれを言い訳にせずマウンドに上がったらしっかり投げることがエースの使命だと思うので、勝ててよかったです。

――痛めたのは練習中ですか

そうですね。トレーニング中です。

――試合中はどのように考えて投げていましたか

リーグ戦は今混戦で、どうにか初戦を勝たなくてはいけないなと思っていました。ケガをしたのに一戦目で投げさせてくれた監督の期待に結果で応えることでいっぱいでした。

――立大には好調の笠松選手(悠哉、4年)などがいましたが、心掛けた点はありますか

とりあえず先頭バッターを抑えることだけを意識して、あとは強気に攻めることを心掛けました。

――足首の痛みの影響はまだありますか

もうないです。