ア式蹴球部

2017.05.08

関東大学リーグ戦 5月7日 千葉・東金アリーナ陸上競技場 

逃げ切りで熱戦を制し連勝!

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)は第4節を迎え、東京学芸大と対戦した。前節は大勝した早大だったが、この日は序盤に先制を許す。それでも、前半のうちにFW武颯(スポ4=横浜F・マリノスユース)の4戦連続となるゴールで同点とすると、後半に試合をひっくり返した。終盤は受けに回る時間帯が続いたものの、なんとかリードを保ったまま試合を終え、勝ち点3を積み重ねた。

 慌ただしい立ち上がりだった。4分に東京学芸大FW岸寛太(4年)が、ペナルティエリア内右で抜け出して決定機を迎えるも、シュートは枠外。いきなり肝を冷やしたが、早大も10分、DF安田壱成(スポ4=ベガルタ仙台ユース)が最終ラインからロングボールを送ると、武が相手の守備の背後を突いて抜け出す。相手GKと1対1の絶好機に、ループシュートを選択したが、枠の右に外れた。すると、決定機を逸したその5分後、「みんなで気を付けようと言って試合に入っていた」(鈴木準弥主将、スポ4=清水エスパルスユース)はずのロングスローから失点。ニアサイドでボールの軌道を変えられ、ゴール前で合わせられた。今リーグ戦では初めての追いかける展開。それでも、ボールを支配しながら、サイド攻撃を中心にじっくりと好機への糸口をうかがった。これが実ったのは41分。セカンドボールを回収しての波状攻撃で、左サイドからDF木下諒(社4=JFAアカデミー福島)がクロスを上げる。ファーサイドでMF柳沢拓弥(社4=清水エスパルスユース)が頭で合わせて折り返すと、ゴール前に飛び込んできたのは武だった。前半のうちに同点とし、1-1で試合を折り返した。

開幕から4戦連発の武

 後半の立ち上がりも、両者ともに決定機をつくった。開始から40秒、早大は鈴木準のロングフィードから、武がDFの裏を取ってこれをワンタッチで捌くと、FW石川大貴(スポ4=名古屋グランパスU-18)がGKとの1対1を制してネットを揺らす。エンジのシャツをまとった選手たちは歓喜に湧いたが、副審の旗が上がっており、武の抜け出しがオフサイドの判定。ノーゴールとなった。するとその直後、左からのクロスボールに東京学芸大FW半谷陽介(1年)が頭で合わせるも、右ポストをかすめ枠外へ。一進一退の攻防が続いたが、ついに55分に早大が逆転に成功した。左サイド深くからMF相馬勇紀(スポ3=三菱養和SCユース)が低弾道のボールをゴール前へ折り返す。中央で武が潰れると、ファーサイドの柳沢がフリーとなり、右足で決めた。リードを奪った早大は、64分にも相馬が左サイドで仕掛け、シュート性のボールを放つと、これにニアサイドへ勢いよく走り込んできた武が合わせて追加点。しかし、その3分後には木下の不用意なボールロストから色摩雄貴(2年)に決められ1点差に。71分には武の決定的なシュートを相手GK木村真(3年)が好反応で阻むと、流れは一変して受け身の展開となった。ロングボールへの対応に追われる苦しい時間帯。それでも、「チームとしてその状況に対してひとつになって戦えた」(鈴木準)と割り切って耐えた。アディショナルタイムにはセットプレーの守備が続いたが、なんとか跳ね返してタイムアップ。その笛と同時にピッチ上に倒れ込む東京学芸大の選手の姿が、熱戦だったことを証明していた。

2試合連続ゴールを決めた柳沢

 ゴールデンウィークの3連戦を白星で締めくくった。開幕からの無敗も維持しており、選手たちも結果をポジティブに捉えるが、一方で「まだまだ成長できる部分はある」(相馬)と内容に満足する素振りはない。それでも、「いいコンビネーションも増やせている」(武)という2トップを起点とした攻撃や、素早い攻守の切り替え、さらに守勢の時間帯に集中力を高めて耐えしのぐ姿は、今後もベースとなっていくだろう。「1得点と1失点にこだわる取り組みをしていきたい」(鈴木準)。どこまでも勝ち続けるため、堅実さを貪欲に追い求めたい。

スターティングイレブン

 

(記事=守屋郁宏 写真=栗村智弘)

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関東大学リーグ戦
早大 1-1
2-1
東京学芸大
【早大得点者】41.64武,55柳沢
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 16 笠原駿之介 法2 埼玉・早大本庄
RB 安田壱成 スポ4 ベガルタ仙台ユース
CB ◎鈴木準弥 スポ4 清水エスパルスユース
CB 18 大桃海斗 スポ2 新潟・帝京長岡
LB 12 木下諒 社4 JFAアカデミー福島
CMF 今来俊介 商4 神奈川・桐光学園
CMF 10 秋山陽介 スポ4 千葉・流通経大柏
RMF 11 柳沢拓弥 社4 清水エスパルスユース
LMF 相馬勇紀 スポ3 三菱養和SCユース
MF →75分 飯原健斗 文3 東京・国学院久我山
CF 14 石川大貴 スポ4 名古屋グランパスU-18
CF 19 武颯 スポ4 横浜F・マリノスユース
FW →81分 飯泉涼矢 スポ4 三菱養和SCユース
◎=ゲームキャプテン
監督:古賀聡(平4教卒=東京・早実)
関東大学リーグ戦2部リーグ順位表
順位 校名 勝点 試合数 得点 失点 得失差
国士舘大 12 +7
早大 10 14 +10
中大 10 +3
東農大 +3
拓大
神奈川大 +1
東海大 +1
立正大 -2
東京学芸大 -3
10 日大 -3
11 青学大 -8
12 朝鮮大 11 -9
※第3節終了時点
※上位2チームが自動昇格

DF鈴木準弥主将(スポ4=清水エスパルスユース)

――試合を振り返って

前半に先制点を取られて、自分たちとしてはそんなに悪い内容ではなかった中で失点してしまって、それでも前半のうちに1点返すことができました。ただ逆転までとは言わないですけど、チャンスを決め切るであったり、そういう質を上げていくという部分はもっともっと必要かなというのは感じたことです。後半に入って、いいタイミングで2点取れて、それは良かったんですけど、自分たちのミスから1失点しまって、3-2になってしまったという中で、結構苦しい状態が残り20分くらい続いて、まあそこはよくチームとして守れたし、苦しい状況になったときに、チームとしてどういうような戦い方をするのか、背後にボールを落としていって、そこに対して厚みを加えていこうであるとか、途中から出てきた飯泉をうまく使ってボールを集めてそこを起点にしていこうであるとか、最近にないチームの一体感というのはあったと思います。でも、ああいうときにどれだけ自分たちの流れに持ってくるか、やっぱり二十何分も攻められていたらきついですし、どこかでひとつ失点してしまったら同点になって勝ち点を落とすことになっていたので、苦しくなったときでも自分たちのサッカーにどうやって持っていくのかというのは、きょうの試合で出た課題だと思います。

――先制点を奪われたロングスローのシーンでは、かなり声がけをされていました。やはり警戒していたプレーでしたか

スカウティングとかで相手の試合を前もって見ていたときに、ロングスローが結構飛ぶということはみんな理解していましたし、相手も狙っていたと思うので、そこでひとつやられてしまったら相手が勢いに乗ってくると思うから、そこはやらせないようにと。あれひとつでやられたらそれも1点ですし、そこはみんなで気を付けようと言って試合に入った中で、(ロングスローで)失点してしまったというところは、もっと一人ひとりがアラートしなければいけなかったかなと思います。

――ボールを支配できていたと思いますが、後方から攻撃をどう見ていましたか

ボールが持ててなかったわけではないですけど、最後にシュートまでいけないとか、クロスは上がるけど中でなかなか合わせられないとか、そういうところはさっき言ったように、クロス自体もそうですし、入っていく動きもそうですし、質を上げていかなければならない部分かなと思います。あとは、やっぱりシュートを打たなければ入らないので、遠くからでも積極的に打っていくとか、そういう意識はチームとして、もう少し持った方がいいのかなと思っているのと、結構最近の試合で(攻撃を)やり切れずにボールを失ってしまってカウンターを食らうとかそういうシーンがあって、当然相手に奪われたら相手のボールになってしまうので、攻撃をやり切るというところは、もうちょっとチームとしてやった方がいいのかなと思います。

――終盤は大きなボールが飛び交うような状況が続きました。あの時間帯を振り返って

3-1のままだったら、もう少しある程度は自分たちがボールを持ってという感じだったと思うんですけど、3-2になってしまって、相手もあと1点取れば引き分けに持っていけるということで、どんどん前に人数をかけてきました。ロングボールを入れてきて、自分たちがそれを跳ね返すというかたちになったと思うんですけど、さっきも言ったように、そこで少し落ち着けて、もう少しボールを動かせたら良かったかなと思います。ただ、みんなでやることを共有して、前に蹴って、涼矢(飯泉)とか、ビエラ(石川)とかが頑張って競り合って、それをラインを押し上げて拾っていこうと、全員がそういうプレーをやろうということを共有できていたので、もっと違うやり方はあったかなと思います。ただ、チームとしてはその状況に対してひとつになって戦えたのは良かったかなと思います。

――3連戦を2勝1分で終えました。この結果については

この3連戦の結果としては、ベストだったとは言えないと思いますけど、良かったのかなと思います。もちろん3勝できるのがベストだったんですけど、前々回(中大戦、△2-2)引き分けてしまって、3連戦を最高のかたちで終えるには2勝1分けというところで、できる限りの中での最高のかたちで終われたとは思います。ただ、国士舘大とか見てみれば連勝していますし、中大見てみても、引き分けだったりはしますけど、勝ち点はなかなか落としていない。そういったところで、上位のチームは勝ち点(のわずかな差)が大事になってくると思いますし、自分たちは国士舘大と勝ち点で2の差があるので、もし次で負けてしまったらそれが5になるだろうし、国士舘大との直接対決(前期最終節)までしっかり勝ち続けて、直接対決で叩いて、勝ち点で1でも上回れればいいかなと思っています。

――上位であり続けるためには落とせない試合が続きます。次へ向けて、どんな準備をしていきますか

勝つためにチームとしてやることは変わらないですけど、きょうの試合でも、クロスが一本通っていれば得点できたとか、そういう部分はあったので、これからもしかするとチャンスが少なくなってくるかもしれない中で、その少ないチャンスを得点につなげていけるような取り組み、逆に少ないピンチでもひとつ失点してしまえばそれは1失点だし、1得点と1失点にこだわる取り組みをしていきたいと思います。

FW武颯(スポ4=横浜F・マリノスユース)

――試合を振り返って

まずは、序盤に自分がループシュートを外してしまった場面があって、あそこは反省点として捉えています。先制された場面も自分がマークで迷ってしまったのが原因だと思うので、やはり反省点が多い試合になったと思います。ただ、先制されてからも慌てずみんなで「まずは1点取りにいこう」を声をかけ合って、前半のうちに取り戻せたのがよかったと思います。

――フォワードとして意識していたことは

フォワードは点を取ってなんぼなので、毎試合点を決めるのが当たり前という意識を持って試合に臨んでいます。前半に1点決められたのはよかったですし、後半も得点できたことは、自分にとってもプラスになるかなと思います。得点王というのも目標にしているので、そこを目指して頑張っていきたいです。

――開幕から4試合で7ゴールと好調を維持しています

自分の中でも4年間で今が一番体もいい状態ですし、運もあるのかなと思います(笑)。調子としてはいいと思いますけど、きょうももっと決められる場面がありましたし、苦しい状況でも自分がキープしたりだとか、後半ああいった押し込まれる場面でワイドで追いかけたりだとか、攻守両面で自分がもっとチームに関われれば、もっと楽な試合運びにできたのではないかとも思っています。

――2トップを組む石川選手との関係性については

これまでのワセダとは少し違うかたちになっていると思っていて、自分はどちらかというと前でアクションを起こすタイプですけど、石川はテクニックがあって足元で受けれる選手なので、関係性としてはすごくいいですし、普段からこういったプレーをしていこう、こういったパターンを増やしていこうという会話をしているので、一試合一試合ちょっとずつですけど、いいコンビネーションとかも増やせているかなと思います。

――次節の東海大戦に向けて

やることは何も変わらず、練習の中からチャレンジをしていって、少しでも成長していきたいですし、そうやって次の試合にも備えていきたいです。

MF相馬勇紀(スポ3=三菱養和SCユース)

――試合を振り返って

大勝した前の試合とは違って緊迫した展開になりましたけど、とにかく勝ててよかったです。

――ご自身のプレーを振り返って

最近の試合で自分の特徴であるスピードが出せていなかったので、きょうは試合の最初からドリブルで積極的に仕掛けようと意識していましたし、その意識がアシストにもつながったと思います。

――3点目は相馬選手のシュートに武選手が触れてのゴールでした

自分のシュートが少しファーにいって、コースも甘かったんですけど、そこにちょうど颯君が走ってきて決まりました。確実に決まったという意味ではよかったですけど、自分としてはことしは得点を取るというのを目標にしているので、自分の得点にならなかったのは少し悔しい気持ちもありますね(笑)。

――試合前のチームとしての狙いは

相手は集中力のかけるシーンが多いというのが弱点だとわかっていて、一瞬の隙を狙うというか、自分がアシストした場面もボールを完全に取られそうになったところを、内側から奪い返してアシストにつなげたかたちでしたし、個人的にもそういった球際で勝負しようということは狙っていました。

――終盤押し込まれる場面もありました。ベンチから戦況を見守っていたときの心境は

ピッチの外に出たら自分にできることは声をかけることしかないので、それに集中していました。あとは、相手の原山選手(2年=青森山田)が選手権(全国高校サッカー選手権大会)に出ていたときからロングスローが得意な選手だというのはわかっていましたし、学芸の狙いとしては奥に通して折り返して決めるというのと、ニアに出してフリックして決めるという2パターンがあって、終盤は特に折り返しのほうを狙っていたと思うので、特に「セカンドボールに気をつけろ」という声がけをしていました。

――あのロングスローはやはり脅威でしたか

そうですね。普通のロングスローと違って、ピッチの真ん中くらいからでもセットプレーと同じようなことになるので、結構脅威でしたね。

――開幕4戦で3勝1分けですが、チームの状態に関しては

結果としてはいいですけど、まだまだ成長できる部分はありますし、きょうであれば後半の失点の場面とか、そういう押し込まれる時間帯を改善していければもっと成長できると思います。

――次節の東海大戦に向けて

きょうも大勝(青学大に◯5−0)していましたし、見ていた感じだとフィジカルが強かったので、その辺りも含めて弱点を分析して、そこを突いていけるようにしたいです。