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ラグビー部

2017.05.08

関東大学春季大会 対東海大 5月7日 早大上井草グラウンド

前半は互角。しかし後半に主導権を握られ連敗

 大東大に完封負けを喫してから2週間、早大は東海大と対戦した。フランカー丸尾崇真(文構1=東京・早実)、WTB古賀由教(スポ1=東福岡)ら5人の1年生が赤黒に袖を通したこの試合。前半はセットプレーで劣勢に立たされるが、ルーキーの活躍もあり22―22と同点で折り返す。しかし、後半は相手の強力なアタックに圧倒され、失点を続けてしまう。1トライを返したが、最後まで追いつけず29-69で敗北。大東大戦に続いての連敗となった。

 試合序盤から、早大は東海大にセットプレーの強さを見せつけられた。前半5分、自陣22mのラインアウトから東海大がモールを形成。一気にゴール前まで押し込まれると、ラック近辺でボールをつながれトライを決められた。しかし5分後には、相手陣内のラインアウトからボールを左右につないでいき、最後は今回の試合でデビューを果たした1年生古賀が大学初トライ。再び東海大にモールを組まれ失点を許したが、19分にトライを奪い返し、点差を広げさせない。だが、その後2度も東海大をインゴールに侵入させ、10-22と引き離されてしまう。それでも早大は必死にくらいつく。36分にSO岸岡智樹(教2=大阪・東海大仰星)が相手のディフェンス網を抜け出し、1トライを奪うと、終盤にはWTB古賀が再びインゴールを割る。キックも決まり、22-22と同点のまま前半を終えた。

俊足が自慢のルーキー古賀。自身大学初となるトライを挙げた

 後半は終始、東海大のペースで進んだ。後半1分のノーホイッスルトライを皮切りに、32分までで立て続けに5つのトライを献上。22-55と大きく突き放される。早大も攻撃をしかけるが、相手のセットプレーへの圧力によって得点機を活かせない。このまま得点できずに終わるかと思われた39分、相手陣内で得たペナルティからアタックを展開しFB桑山聖生(スポ3=鹿児島実)がトライ。東海大に一矢報いた。しかしこの後も2度インゴールを割られ、29-69でノーサイド。試合の主導権を奪い返せず、2連敗を喫した。

スクラムで圧倒されてしまった

 前半は東海大と互角の戦いを繰り広げていた。セットプレーの安定感は欠いていたものの、速いテンポでアタックを継続しトライを重ねている。ブレイクダウンでも相手にプレッシャーを与え、ターンオーバーする場面もあった。それだけに後半の大量失点が悔やまれる。「受け身の状態になったことが良くなかった」とCTB黒木健人(教4=宮崎・高鍋)が語るように、東海大の攻撃を受けてしまい、その猛攻を止めることができなかった。次戦を勝利で飾るためにも、試合を通して相手にペースを握らせないよう圧力をかけ続けることが重要だ。

(記事 服平周、写真 大庭開、曽祢真衣)

関東大学春季大会
早大 スコア 東海大
前半 後半 得点 前半 後半
22 22 45
29 合計 67
【得点】▽トライ 古賀2、緒形、岸岡、高吉 ▽ゴール 齋藤(2G)
※得点者は早大のみ記載

          

早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
井上 大二郎 スポ3 愛知・千種
  前半17分交代→16久保    
宮里 侑樹 スポ3 沖縄・名護商工
鶴川 達彦 文構4 神奈川・桐蔭学園中教校
沖野 玄 商2 北海道・函館ラサール
松井 丈典 スポ3 愛知・旭野
丸尾 崇真 文構1 東京・早実
  後半27分交代→19高吉    
柴田 徹 社2 神奈川・桐蔭学園
  後半9分交代→20三浦    
下川 甲嗣 スポ1 福岡・修猷館
齋藤 直人 スポ2 神奈川・桐蔭学園
10 岸岡 智樹 教2 大阪・東海大仰星
11 古賀 由教 スポ1 東福岡
12 中野 将伍 スポ2 福岡・東筑
  後半31分交代→23フリン    
13 ◎黒木 健人 教4 宮崎・高鍋
14 緒形 岳 スポ3 新潟・新発田
15 横山 陽介 スポ4 神奈川・桐蔭学園
  後半23分交代→22桑山聖    
リザーブ
16 久保 優 スポ1 福岡・筑紫
17 三隅 寛己 法3 東京・早実
18 入谷 怜 スポ3 愛知・南山
19 高吉 将也 スポ1 神奈川・桐蔭学園
20 三浦 駿平 スポ2 秋田中央
21 吉岡 航太郎 スポ4 国学院栃木
22 桑山 聖生 スポ3 鹿児島実
23 フリン 勝音 スポ3 福岡・筑紫丘
※◎はゲームキャプテン、監督は山下大悟(平15人卒=神奈川・桐蔭学園)
コメント

山下大悟監督(平15人卒=神奈川・桐蔭学園)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

勉強になりましたね。我々が掲げている早大の勝ち方は自分たちの強みをぶつけて勝つことです。東海大はその勝ち方を実行していました。

――前半は同点で試合を折り返しました

一年間やってきたので、ある程度の成果は出せました。ただセットピースは崩壊してしまいましたね。

――スクラムを押された原因は何でしょうか

我慢できない部分が問題ですね。今回の試合は早大の押され方ではなかったです。最初の2、3本のスクラムで白旗を上げてしまっています。

――後半は前半と比べて、相手にタックルに入れていない印象を受けました

まだ甘い部分がありますね。バインドしても外されてしまう場面がありました。

――1年生を起用した意図は

早めに試合を体感してほしいということもありますし、戦力としても期待しています。

――1年生の選手に対する評価を教えてください

丸尾(崇真)、下川(甲嗣、スポ1=福岡・修猷館)はサイズもあってFWに厚みを与えてくれるのではないかと思います。下川は淡々と力強く仕事をこなしてくれますね。古賀(由教)はスピードスターなので楽しみです。丸尾は早大の継続校、早実出身なので早大をつなぐ象徴的な選手になってもらいたいと思います。

――春季大会で達成したいことはありますか

チームディフェンスの部分ではターンオーバーですね。トライするためのシステムやチームにおけるルール、際の強さ、ディフェンスとブレイクダウンにおける義務、以上の要素をトライにつなげることで強みにしていきたいと思いますね。セットピースは去年の7~8割のレベルにいきたいと思ったのですが少し厳しい状況ですね。

CTB黒木健人副将(教4=宮崎・高鍋)

――ゲームキャプテンとして出場しましたが、どのようなプランでしたか

基本的には前回と変わらずみんなでハードワークしようというプランで臨みました。

――スタメンとして1年生も出場しました

練習から参加していて動きは悪くなかったので、試合前には引くなということだけ伝えて臨んでもらいました。

――実際に1年生がトライを決める場面も多くありましたが、ゲームキャプテンとしてどう見ていますか

すばらしいですし、ありがたかったです。

――ラインが下がりながらディフェンスすることが多かったです

もうちょっと僕から前に出ていれば良かったかなと後で話しました。ちょっと引きすぎたかなという部分はありました。

――加藤広人主将(スポ4=秋田工)不在の試合でしたがFWは誰が中心になっていましたか

基本は鶴川(達彦、文構4=神奈川・桐蔭学園中教校)がやってくれていました。全体的にはハーフ団の斎藤直人(スポ2=神奈川・桐蔭学園)や岸岡(智樹)が声を掛けてくれていたので助かりました。

――前半に比べ後半は攻撃の時間が減ってしまいましたが原因は何だと考えていますか

セットプレーがなかなか安定しなかったのが前半のミスだと分かっていたんですけど、BKにもミスがあってフォローしきれない部分があり、うまくマイボールを保持できなかったのが原因です。

――大きくゲインするシーンがありました

外にも振りたかったんですけど、前が空いていると思ったので自分で行きました、

――敗戦という結果をどう受け止めていますか

本当に勝つつもりでやっていましたが、前半22-22の引き分けで。後半は動けていたほうが勝つとみんなで話したので、動いてやっていこうと思っていたんですけど、後半の1本目を取られて受け身の状態になったことが良くなかったですね。

――ゲームキャプテンとしてまた出場する場合にはどのような点に努めたいですか

緊張はしないですけど、もっとうまく選手たちを鼓舞できるよう声を出していこうと思います。

――流経大戦に向けて意気込みを教えてください

前半戦えていた部分をしっかり見て、戦わなければいけない部分を反省して、またみんなでハードワークをして臨みたいと思います。

プロップ鶴川達彦(文構4=神奈川・桐蔭学園中教校)

――きょうの試合はどのような気持ちで臨みましたか

FWとして、前回の大東大戦でスクラムでやられてしまったのでセットプレーを意識するということと、ディフェンスのハードワーク、アタックのレッグドライブと、接点の強さを出していこうとしていました。

――実際に相手の接点はいかがでしたか

やはりこちらから仕掛けられた時はよかったですが、気持ちの緩みが出た時や向こうのスピードが速い時はやられたという感じでした。

――相手のスクラムはいかがでしたか

8人の重さがしっかり前に伝わってきて、相手の5番テトゥヒ・ロバーツの押しは特に伝わってきました。

――コラプシングの反則を取られていましたが、その具体的な原因は何ですか

完全にドミネートされてしまって自分たちがコンテストできない状況になってしまったので、それで押されました。

――左右どちら側からスクラムが崩された、バインドが弱かったなどの原因は考えられますか

押されて自分たちの方向がまっすぐではなくなって頭が抜けてしまったという感じです。

――スクラムを押されてもボールをキープするのは難しかったですか

基本的にフッキングしないでボールを出すというのをチームでやっているので、フッキングの練習をあまりしていないのでそこは仕方ないのかと思います。

――久保優選手(スポ1=福岡・筑紫)との相性はいかがでしたか

まだあまり組んでいないので、ビデオを観てみないと分からないです。

――3番をするのが2戦目になりますが、いかがでしたか

やはりチーム内で前回の課題を練習で実践して克服できたと思っていたのですが、さらに強い相手とやった時にまだまだ自分のレベルが足りていないと思いました。チーム内でやる時も東海大や帝京大などの強い相手を想定しなければいけないと思いました。

――具体的にどのような練習を考えていますか

Bチームを相手に練習した時に、押せることもあるのですが、力では東海大などには勝てないのでBチーム相手でもしっかり低く我慢するなどです

――全体的な反省をお願いします

とにかくセットプレーが安定しないことにはBKにいくらいい選手がいても意味がないので、セットプレーの部分です。

――次戦への意気込みをお願いします

次はスクラム、ラインアウト、モールというFWの最も大事なところを、しっかり想定して高い意識を持ってやっていきたいと思います。

フランカー丸尾崇真(文構1=東京・早実)

――A戦デビューとなりましたが、いかがでしたか

とても緊張しました。最後まで走りきれず、悔しいです。

――こぼれ球やハイボールへの反応について意識していることは何ですか

少し下がり目でボールの位置を予測してから、競るように心掛けています。

――相手の外国人選手に対するディフェンスに関してはいかがでしたか

上にタックルしたら逆にやられてしまうので、下に低く絶対にタックルしようと思っていましたが、倒しきれない場面も多く、修正したいと思います。

――バックローの連携についてはいかがでしたか

7番の徹さん(柴田、社2=神奈川・桐蔭学園)に率先して声をかけていただきました。試合中にアタックの時のリロードの遅さについて指摘していただいたのでこれから修正していきたいと思います。

――セットプレーの連携についてはどうでしたか

一応、水曜日からは練習に参加してサインを覚えていたのでラインアウトに関しては不安はありませんでした。スクラムに関しては押されてしまうとディフェンスがかなり難しくなってしまうので、セットプレーで圧倒しないといけないと改めて思いました。

――拮抗していた前半とはうって変わり、後半からは防戦一方となってしまいました。原因はどこにあると思いますか

敵陣に行くことができず、自陣からセットプレーなどであっさりとトライを取られることが多くなってしまいました。敵陣に早い段階から行くことができていれば、スコアはもう少し変わっていたかなと思います。

――次戦に向けた意気込みをお願いします

まずは80分間走り続ける体力を身につけるということと、自分からしっかり声を出してチームを引っ張っていけるようになりたいです。

NO・8下川甲嗣(スポ1=福岡・修猷館)※囲み取材より一部抜粋

――本日がデビュー戦となりましたが、試合を終えての感想を聞かせてください

高校とのレベルの違いや、コンタクトの激しさを体で感じることができました。

――具体的にどのようなところで感じられましたか

1人1人のフィジカルの強さだったり、ブレイクダウンでのコンタクトスピードの部分で感じました。

――タックルに入った時などに感じられたのですか

そうですね。体重も筋力も大学と高校ではすごく違うので、そこで感じましたね。

――試合時間が60分から80分になりましたが、スタミナの面はいかがでしたか

きょうの試合でのチームのキーワードが『ハードワーク』だったんですけど、前半が終わった時点で結構キツかったというか、思っていた以上にハードで。ハーフタイムにしっかりリカバリーをやって後半40分臨んで、それでもプレーの質はまだ低かったので、80分間走れる体力をつくって、それに加えてプレーの質も上げていけるようにこれからもっと頑張っていかないといけないと思いました。

――ご自身が考えるNO・8の役割とは

ワセダのNO・8に求められるものはチームで1番走って、ハードワークに勤しんで、コンタクトプレー、ブレイクダウンに参加する回数・質がチームで1番求められるポジションだと思います。

――その中でご自身はどのようなプレーを見せていきたいとお考えですか

自分の長所、得意としているプレーはハイボールの競りの部分なので、そこはもちろん伸ばしていきたいですし、タックルや低くブレイクダウンに入るところとかは自分の課題だと思っているので、これから練習を積んで頑張っていきたいです。

――相手のNO・8テビタ・タタフ選手との対戦はいかがでしたか

大学ラグビーでトップレベルの選手とデビュー戦で戦って、トップのレベルを体で感じられたことは貴重な経験になったと思いますし、今後の練習でもそのような選手をイメージしながらやっていきたいです。

――タタフ選手はまっすぐぶつかって行っても引きずられるような相手でしたか

そうですね。多分1対1で1発で倒せる可能性は低いので、1人目のタックラーに対して2人目、3人目のサポートがうまく入れるかがポイントだと思います。そうすると相手よりも多く走らなければいけないので、体格で劣っている分体力で上回らなければいけないと思いました。

――最後に、今後の目標や意気込みを聞かせていただけますか

ワセダのNO・8に求められているプレーがきょうはできなかったので、日々の練習を積み重ねて、秋にレギュラーを獲れるように頑張っていきます。

SH齋藤直人(スポ2=神奈川・桐蔭学園)

――前回よりアタックのテンポがよくなっていた印象でしたが、いかがですか

前半は、プレッシャーを受けたりしてあまり出せませんでしたが、自分たちのかたちにできているときはいいテンポでできていたと思います。特に意識していたことはありません。

――きょうのオフェンスはどのようなプランでしたか

攻め方というよりは、大外のブレイクダウンを意識してやっていました。

――スクラムも押されていて、ブレイクダウンは厳しい状況でしたが、いかがでしたか

東海大のFWが強かったというのもあるんですけど、それを想定して練習できていたかと言われると甘かった部分があると思います。そういうところは課題だと思います。

――外国人選手の突破が目立ちましたが、特別な対策などはされていましたか

特にはないです。

――ディフェンスはいかがでしたか

前に出ることなど、やろうとしていてできた部分はあったと思うんですけど、最後の一対一でのタックルミスなどが重なってこういう結果になりました。

――コンバージョンキックも蹴られていましたが、キックの出来はいかがでしたか

今週は結構蹴っていたんですけど、外しがちだったのでしっかり練習します。

――ハイパントからの攻撃シーンもよく見られました

これはワセダの攻め方のひとつです。そうにも関わらず前半にダイレクトタッチになってしまったので、そこは反省ですね。

――後半は攻め手に欠けた印象でしたが、振り返っていかがでしたか

大体全部、キックオフを捕れなくてミスしてラインアウトでモール組まれて、という悪循環でした。途中で流れを変えようという話もあったんですけど、キックオフからのミスで流れを持ってこられなかったです。

――1年生も出場していましたが、後輩の働きはいかがでしたか

すごく伸び伸びやっていて、足つるまで走ってましたし、よかったと思います。

――次の試合への意気込みをお願いします

セットプレーでボールを捕れないことはこれからあると思うので、しっかり想定して練習していきたいです。

WTB古賀由教(スポ1=東福岡)

――公式戦初スタメンということで、率直に今のお気持ちをお聞かせください

伝統校であるワセダで試合に出ることがができてとても嬉しい気持ちと、やはり負けてしまったのはとても悔しいです。

――その中で初トライをあげましたね

トライをとることが仕事なので。1発目のチャンスが来たときに、最初緊張していて落としてしまいました。このままだと相手にいかれてしまうと思ったので、トライをとることができてよかったです。

――大学の練習はいかがですか

高校生と身体の大きさが全然違うので毎日しんどいですね。そんな中でも周りの人たちが優しくしてくれているので、すごい身についてるなと思っています。

――きょう実際に大学生と当たってみていかがでしたか

自分の弱い部分がしっかりと分かりましたね。体の大きさがとても小さいので、そこの部分を筋トレだとか、試合を通して体が小さいぶん走ればいいだとか、よくわかったのでよかったなと思います。

――ディフェンスについてはいかがですか

ディフェンスは一番の課題だと思っています。コミュニケーションを取れていると思っていたのですが、練習で上手くいくところがやはり試合になると上手くいきませんでした。相手が大学選手権2位ということもあってスピード感が違ったりして課題がたくさん見つかりました。

――試合中に横山陽介選手(スポ4=神奈川・桐蔭学園)と会話されている場面が目立ちました

毎回セットになった時にここまで守るとかを教えてもらっていました。そこでコミュニケーションして連携をとっていました。

――ご自身のアピールポイントはどこですか

スピードと、あとは体を張る部分は自分のプレーの特徴だと思っているので、タックルとボールを持ったらトライを取り切るというのは自分の持ち味だと思っています。

――今後の抱負をお願いします

やはり大学日本一を目指しているので、今2戦連続で負けてしまっていますが、春にできるだけ勝ちたいです。あとはチームにもっと馴染めるように頑張りたいと思います。