相撲部

2017.05.04

第57回全国大学選抜宇佐大会 5月3日 大分・宇佐市総合運動場宇佐相撲場

早大相撲部、ここにあり!成長感じる団体戦ベスト8

 4月29日の宇和島大会では悔しい結果に終わり、涙を呑んだ早大相撲部。雪辱を期すべく臨んだ宇佐大会では一転、強豪がひしめく中で存在感を見せた。団体戦では、金沢学院大戦での5戦全勝をはじめ7勝を上げ、予選8位に。上位8校のみ出場できる決勝トーナメントに滑り込んだ。個人戦でも、鬼谷智之主将(スポ4=愛知・愛工大名電)と本田煕誉志(社4=大分・楊志館)の2人が躍動。100周年の記念の年、悲願の上位進出へ、この結果を足がかりとしたいところだ。

 昭和の大横綱、双葉山。その出身地、大分県宇佐市で、先月末の宇和島大会に続き、全国の強豪12校が集う選抜大会が行われた。開会式を終え、まずは団体予選。早大の最初の相手は、宇和島で対戦し5戦全敗に終わった東洋大だ。先鋒・本田煕誉志、二陣・谷本将也(スポ4=鳥取城北)が続けて敗れ、宇和島の悪夢が蘇りかける。中堅戦に臨んだのは若林魁(スポ3=岐阜農林)。立ち合いからのど輪で攻め続け、左でまわしをつかむと、右のはず押しで相手の上体を起こし、土俵際まで寄り立てる。最後は体を左に開き、鮮やかな出し投げ。体重差が20キロ以上ある対戦だったが、スピードと気迫で圧倒した。東洋大戦はこの1勝のみに終わったが、宇和島で全敗に終わった屈辱を晴らす、価値ある若林の勝利だった。そして迎えた金沢学院大戦、早大は力の違いを見せつけるかのように、馬力で圧倒する相撲を続ける。本田、谷本、若林と3連勝で早々に勝利を決めると、鬼谷も一瞬の勝負で相手を押し出した。全勝をかける大将戦は、宇和島で足の指を負傷した橋本侑京(スポ2=東京・足立新田)に変わって出場した市川拓弥(社4=長野・更級農)。立ち合いから左をおっつけると、相手はそのまま勢いよく土俵を割った。金沢学院大戦は、見事5戦全勝を飾ったのだった。続く3回戦、東農大戦は鬼谷の1勝のみだったが、金沢学院大戦での5勝が効き、予選8位につけた。これで、決勝トーナメントへの進出が決定。日大、東洋大、近大などの強豪の中に分け入っていく。早大相撲部が長年目標にしてきたことの、1つの形が、宇佐の地で結実したのだった。

東洋大を相手に気迫の相撲を見せた若林

 個人戦には6人が出場。中でも声援がひときわ大きかったのが、本田だ。大分県出身で、まさにご当所。場内にそのことが説明されると、会場は大歓声に包まれた。郷土の応援を背に、1回戦、2回戦と圧倒する相撲で勝ち上がっていった。また、鬼谷も好調ぶりを見せる。初戦、同大選手に対し頭からの激しい当たりで勝利をつかむと、第2戦、東農大選手との一戦も、低い姿勢で相手を攻め続ける。最後は、相手の引きに落ちずについていき、渡し込み気味の押し出し。粘り強さが生んだ白星だった。しかし、両者ともに、また室伏渉監督(平6人卒=東京・明大中野)も、個人戦の結果には十分に満足はしていないようだった。いつまでも上を見据える、そのことが成長を生む。4年生になった2人、また、今回は2回戦敗退に終わったが熱戦を見せた谷本も含め、これからの早大の個人戦での活躍にも大いに期待が持てる。

地元の声援を受け敢闘した本田

 ついにつかんだ大舞台、優秀8団体決勝トーナメントでは、残念ながら東洋大を前に全敗に終わった。しかし、前に攻めることを忘れない、その姿勢は常に見られた。宇和島で苦しんだ分、この宇佐での結果は大きな意味を持つ。強豪を相手にしても物怖じしない姿勢、どんな時でも仲間を信じて声を出すチームワーク。創部100周年の記念の年は、必ずや良いものになる、そう信じられるだけの勢いが、相撲部にはある。早大相撲部、ここにあり。6月の国技館での東日本大会からも、目が離せない。

(記事、写真 元田蒼)

結果

団体予選

第1回戦 対東洋大 1勝4敗

先鋒 ●本田参段(寄り倒し)城山四段

二陣 ●谷本参段(上手投げ)深井参段

中堅 ○若林参段(下手出し投げ)多田弐段

副将 ●鬼谷参段(はたき込み)白石参段

大将 ●市川参段(引き落とし)寺沢参段

第2回戦 対金沢学院大 5勝

先鋒 ○本田参段(押し出し)伊藤

二陣 ○谷本参段(押し倒し)槻参段

中堅 ○若林参段(押し出し)小原参段

副将 ○鬼谷参段(押し出し)川田参段

大将 ○市川参段(押し出し)山崎参段

第3回戦 対東農大 1勝4敗

先鋒 ●本田参段(突き落とし)齋藤参段

二陣 ●谷本参段(上手投げ)山内参段

中堅 ●若林参段(寄り切り)冨栄参段

副将 ○鬼谷参段(押し出し)境参段

大将 ●市川参段(押し出し)松原参段

決勝トーナメント1回戦 対東洋大 5敗

先鋒 ●本田参段(突き落とし)城山四段

二陣 ●谷本参段(小手投げ)深井参段

中堅 ●若林参段(押し出し)西野参段

副将 ●鬼谷参段(引き落とし)白石参段

大将 ●市川参段(上手投げ)寺沢参段

個人戦

鬼谷智之参段(スポ4=愛知・愛工大名電)

一回戦 ○対北村参段(同大)押し出し

二回戦 ○対山内参段(東農大)押し出し

二回戦 ●対渡辺参段(近大)引き落とし

本田煕誉志参段(社4=大分・楊志館)

一回戦 ○対槻参段(金沢学院大)突き出し

二回戦 ○対清水参段(同大)押し出し

三回戦 ●対木﨑参段(日大)押し倒し

谷本将也参段(スポ4=鳥取城北)

一回戦 ○対大原弐段(九州情報大)下手投げ

二回戦 ●対櫻井参段(日体大)切り返し

堀越豊輝参段(スポ4=東京・足立新田)

二回戦 棄権

市川拓弥参段(社4=長野・更級農)

二回戦 ●対高橋参段(同大)引き落とし

若林魁参段(スポ3=岐阜農林)

一回戦 ●対松永参段(日体大)引き落とし

佐藤太一初段(社2=大分・楊志館)

一回戦 ●対西野参段(東洋大)寄り切り

橋本侑京弐段(スポ2=東京・足立新田)

二回戦 棄権

コメント

室伏渉監督(平6人卒=東京・明大中野)

――宇和島大会と比べると、団体戦の戦いぶりはいかがでしたか

団体戦はおかげさまで決勝トーナメントに残れたので、これは本当に良しとしなければいけないなというのが率直な気持ちです。宇佐大会でベスト8に残るというのは、おそらく何十年ぶりだと思います。非常に嬉しいです。

――ベスト8に残れた要因は

対戦相手もあると思いますが、そこできっちり点数を取れたことですね。東洋大に1点取れたり、金沢学院大に5ー0でしっかり勝てたりというところです。欲を言えば、東農大からもう1点ぐらい取りたかったのですが、そこは、詰めていきたいところですね。

――個人戦では、鬼谷と本田の健闘が見られました

そうですね、ただ本来であれば、ベスト16のトーナメント表に載ってもらいたいところではあります。

――今日のチームの反省点は

ケガ人が多かったので、ケガ人を出さないような体づくりをしっかり取り組んでいきたいですね。

――6月の東日本大会に向けて

東日本は絶対にベスト8に入って、上位進出を狙う、あるいは夏の選抜大会は全部出られるように、100周年にふさわしい結果を残したいなという、それだけです。

鬼谷智之主将(スポ4=愛知・愛工大名電)

――宇和島大会と比べて団体戦はいかがでしたか

全体的にメンバーの体が動いていて、宇和島大会の反省を少しは活かせたのではないかと思います。

――トーナメントに残ったという部分では

そうですね、ただ、残って当たり前にならなければいけません。段階を一つ越えられたのはいいんですが、そこで勝ちきれないのが課題です。決勝トーナメントに残れたのは大きな経験になったと思います。

――個人戦では、3回戦まで進まれました

今日は、体が動いていたのですが、自分の弱点の、突かれた時に伸び上がってしまうところを克服できませんでした。しっかり稽古して東日本に繋げたいです。

――今日のチームで良かったことはなんでしょうか

声も出ていて、体もしょっぱなから動いていたので、次の東日本につながる試合になったと思います。

――最後に、東日本に向けて抱負をお願いします

この春の2大会の反省を活かして、また6月まで少し時間があるので、しっかりと稽古して、決勝トーナメントに残って、上位に残ってやっていきたいと思います。

本田煕誉志(社4=大分・楊志館)

――地元、大分県での開催でした。声援はいかがでしたか

高校の後輩や、知り合い、親も来ていたので、力になりました。びっくりしたのが、「早稲田頑張れよ!」と地元のおじいちゃんおばあちゃんが、ユーチューブで校歌を流して応援してくれていて、それも力になりましたね。

――個人戦は3回戦まで勝ち進みました

そうですね、2回戦までは勝つべくして勝ったという感じなのですが、3回戦で、準優勝した木崎(日大)に、圧力負けする形で負けてしまいました。そこは課題ですね。ああいう選手にもっと自分の力を伝えられるように稽古していきたいです。

――団体戦は、宇和島大会と比べて結果が出たように思います

そうですね。宇和島と比べて予選でみんな体が動いていて、いい勝ち方はしたと思います。ただ、もう少し上を目指した時に、東洋大や東農大に対して1点しか取れないというのは、痛いなと思っています。これからはそういったチームから2点、3点奪えるようにしていかなければというのが正直な感想ですね。

――次の東日本に向けて意識したいことはなんでしょうか

春先から稽古をしてきていて、調子が良くなく、自分の持ち味の立ち合いが噛み合わないというところがありました。今日も、不安がある状態で出たので、これから東日本に向けて、もう少し精度を上げたり、自分の圧力を相手に伝えられるような稽古をしていきたいと思います。