バレーボール部
2017.05.03
黒鷲旗全日本男女選抜 5月2日 大阪市中央体育館
格上相手に健闘!敗戦するも多くの収穫を得る
黒鷲旗全日本男女選抜がことしも開幕を迎えた。高校・大学・V・プレミアリーグ・Vチャレンジリーグの4つのカテゴリからそれぞれ選出された計16チームで行われる大会だ。4つのグループに分かれての総当たり戦を3日間行い、上位2チームがトーナメント戦へと進む。早大は、ジェイテクトSTINGS・堺ブレイザーズ・富士通カワサキレッドスピリッツと同じ組となり、大会初日のきょうはジェイテクトSTINGSと対戦。格上相手に健闘を見せるがあと一歩及ばず、セットカウント1−3(25−21、16ー25、14−25、23−25)で敗戦となった。
「気持ちよく打たせてあげられていないと感じかなり悩んでいた」。今季から正セッターとして定着した小林光輝(スポ3=長野・創造学園)は人知れず葛藤を抱えていた。春季関東大学リーグ戦はここまで6勝2敗。敗れた2戦はいずれもサイドの決定率が上がらず攻撃の決め手を欠いたものだった。それぞれが思うような戦いができないもどかしさを感じながら迎えた今大会。第1セットはまさに早大が今季目指してきたバレーを体現するかのようなセットとなった。試合序盤からサーブで攻めて相手を崩し連続得点を奪う。リベロの堀江友裕(スポ2=和歌山・開智)をはじめ、喜入祥充主将(スポ4=大阪・大塚)、藤中優斗(スポ3=山口・宇部商)のレシーブ陣が安定したパスをセッターに返し攻撃を展開。相手の高いブロックに対しても、小林のトスをサイドの選手が上手くブロックを利用して打ち切り確実にサイドアウトを取る。一つ一つのプレーがかみ合い1セットを先取した。
攻撃を組み立てる小林
しかし相手はVプレミアリーグのチーム。そう簡単にはいかなかった。相手に先行を許すとサーブで攻められ苦しい戦いを強いられる。16—25で第2セットを落とすと第3セットも、じわりじわりと差を広げられる展開に。それでも目の前のプレーに全力を尽くし、一点を取るたびに笑顔で喜ぶ選手たち。4セット目は序盤早大OBである福山汰一(平28スポ卒)のサーブでいきなり4連続失点を喫するが、諦めることなく食らいつく。堀江の再三の好レシーブや、加賀優太(商4=東京・早実)の活躍で23−22と逆転に成功。なんとかフルセットまで持ち込みたいところだったが、最後は福山にサービスエースを決められ試合終了。善戦するも大金星とはならなかった。
好守備を連発した堀江
結果として敗れはしたものの、内容としては決して悪くはなかった。レシーブ陣の再三にわたる粘り強いスパイクレシーブや、高いブロックを前にしてもスパイクを決め切ったサイド陣の活躍など今後に向けて収穫も多い試合となったことだろう。あすは堺ブレーザーズと対戦する。格上のチームと対戦できる貴重な機会に一つでも多くの課題と収穫を得たいところだ。
(記事 杉山睦美、写真 藤原映乃)
セットカウント | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 1 |
25-21 16-25 14-25 23-25 | 3 | ジェイテクトSTINGS |
スタメン | ||||
レフト 加賀優太(商4=東京・早実) レフト 藤中優斗(スポ3=山口・宇部商) センター 武藤鉄也(スポ2=東京・東亜学園) センター 村山豪(スポ1=東京・駿台学園) ライト 喜入祥充(スポ4=大阪・大塚) セッター 小林光輝(スポ3=長野・創造学園) リベロ 堀江友裕(スポ2=和歌山・開智) |
コメント
喜入祥充主将(スポ4=大阪・大塚)
――きょうの試合にはどのような位置付けで臨みましたか
Vリーグの方たちに胸を借りるということで、自分たちの向っていく姿勢をみせようと思っていました。Vリーグの方と試合をしたり、試合を見て学んだものをリーグ戦に生かすことができるいい機会だと思っています。
――チームとして何か具体的な目標は設定していますか
サーブでしっかりせめて、サイドアウトを取るということと、相手のサーブが強い時でもしっかりキャッチを返してコンビを組むということを3日間やっていこうという話はしています。
――楽しんでやりたいというお話もありましたが、きょうは試合を通してコートの雰囲気が良かったです
格上の相手なので向かっていくことが大事だと思います。「うわー、ミスった」とかうじうじやっていても仕方ないと思うので、楽しんで向っていく気持ちを忘れずにやっていこうという話はしています。
――1セット目は早大のやりたいバレーを存分に発揮できたセットとなったと思います
出だしでうまく点数が取れたのでそのまま序盤のリードを保っていけたという感じがします。
――東海大戦よりもブロックやディグが格段に良くなっていました
そこもそうなのですが、東海大よりも強いスパイクを拾えているということは今後のリーグ戦への自信にしたいと思います。
――2セット目以降は相手の強いサーブに押されました
その強いサーブをしっかり上げてコンビが組めたら大学リーグに帰った時に自信がついていると思います。成長できるように頑張りたいです。
――早大のOBとの対決もこの大会の醍醐味だと思いますが福山汰一選手(平28年スポ卒)と何かお話などはしましたか
試合前に話をしたりだとか、試合中も汰一さん(福山)が前衛に来た時は打つトスの種類を言ったりして圧はかけていました(笑)。楽しむというか、度が過ぎない程度に、アイコンタクトや声掛けをしていました。
――サイド陣は工夫しないといけないというお話もありましたがきょうはブロックに付かれていても決め切る場面が見られました
特に加賀(優太)がとても調子が良くて、高いブロックに対しても抜いたりだとか当てて外に飛ばすことができていたので、今後のリーグ戦でも継続してやっていければと思います。
――あすへ向けて
きょうの1セット目のようなプレーが3セット通してできるようにしっかり準備していきたいと思います。
加賀優太(商4=東京・早実)
――この大会はどのような位置づけで臨んでいますか
リーグ戦と違って格上相手なので、やりたいバレーをプレッシャーがない中でできる貴重な大会だと思います。サーブで攻めて、キャッチで一本で切るという今のチームが始まった時に掲げたテーマをしっかりやっていこうという意気込みで臨みました。
――1セット目はそのテーマ通りの試合運びができたのではないですか
相手のスパイクに対しても粘って、2段トスになったものを決め切るという早大らしいバレーができたと思います。
――加賀選手自身相手の高さのあるブロックに対してもしっかりスパイクで得点していました
自分自身リーグ戦では気負って打つ場面が多かったですが、きょうは止められても仕方がないという感じで思い切って打てていたので、うまく噛み合ったと思います。
――試合全体を振り返って
相手に先行されてしまうと、やはり実力が上なのでサーブで攻められてこっちがなかなかサイドアウトが取れない問いう展開になってしまっていました。1セット目のようにこっちが先行したり4セット目のように食らいついていければ、相手も逆にプレッシャーを感じるのでこっち(早大)の方が優位に運べるなということは、春や夏の企業合宿を通してみんなわかっていると思います。あと2戦あるのでそういう試合の運び方ができればいいかなと思います。
――試合全体を通してブロックでワンタッチが取れ、ディグも上がっていました
相手の外人選手だと、ブロックについても打たれてしまうのですが、それ以外のセンターやオポジットの選手には高さではそれほど負けていないと思っていたのでそっちのマークを少し厚めにしました。コースもデータで出ていたので、対策がはまった時はいい展開に持っていけたと思います。
――ことしの早大はサーブで攻めることをチームカラーとしているだけに、相手の強いサーブに対して収穫も多かったのでは
単純にパワーの違いも感じましたが、勝負をかける場面というところを福山先輩(福山汰一)のサーブを見て感じました(笑)。
――その福山さんにサーブで連続得点を奪われてしまいました
大学時代から自分がサーブで攻めるということは言っていましたが、やはりプレミアに進んで変わったのかなということは感じました。
――あすへ向けて
あしたもプレミア相手ですが臆することなく、自分たちで果敢に挑戦にていけば通用する部分もあったと思うので決めきって、できれば勝て自信をつけたいです。
藤中優斗(スポ3=山口・宇部商)
――きょうの試合にはどのような目標を持って臨みましたか
春季リーグ戦でみんな思うようなプレーができていない中で、この大会が始まりました。とにかく思い切って、何か一つでも自信を取り戻せるようにやっていこうという声掛けや向っていく姿勢を出すことを意識して臨みました。
――1セット目は早大のやりたいバレーができていたように思います
格上相手ということで変なプレッシャーがない分思い切ってできるので、自分たちのバレーができれば通用します。リーグ戦だったり難しい時には僕たちは自分たちの力が出せないことが多いので、今日の1セット目のような試合をやっていければいいなと思いました。
――ここ数試合思うようなプレーができていませんでしたが何か要因などはありますか
セッターとしっかり練習で合わせてきていたのですが、トスが合わなかったと言うより僕がしっかり打ち込めていませんでした。気持ちの面で僕が打ち込んでいけなかったことが、スパイクが決まらなかった原因だと思っています。きょうのように気楽にやっていけたら決まるということが実感できたのでよかったです。
――相手の強いスパイクに対してディグもよく上がっていました
1セット目が終わった後にカジースキ選手をはじめ相手選手のコースが具体的にデータとして出ていたので、そこにはしっかり入っていこうという声掛けをみんなでしていました。
――2セット目以降相手の強いサーブに少し乱される場面がありました
大学生にはないパワーのあるサーブが飛んでくる中で、僕が2セット目以降我慢ができなかったのが課題だと思います。ああいう強いサーブが来た時に僕をはじめサーブレシーブをする選手はしっかり我慢していけないと戦っていけないなと感じました。
――あすへ向けて
きょうの1セット目のように自分たちのしたいバレーができれば、結果としてついてくると思います。向っていく姿勢を忘れずに戦っていきたいと思います。
小林光輝(スポ3=長野・創造学園)
――ジェイテクトSTINGSとの試合いかがでしたか
カジースキを中心に向こうの方が高さも速さも全部上なんですけど、そこに自分たちワセダのバレーをぶつけようと思って試合をしました。結果として(セットカウント)3-1で負けてしまいましたが手応えはありました。逆にセットも取れるところで最後終盤取れなかったという反省点あったのでそこがまだ甘い部分なのかなって自分の中で思っています。
――苦しい場面でもチームとして思い切り楽しんでプレーする姿が見られました
そうですね、僕たちは挑戦者なので何もプレッシャーはありません。普通のリーグと違って自分たちの力をぶつけるだけなので1試合全部通して楽しかったです。
――笑顔でのプレーが印象的でした
最近、自分の中でゲームをつくっていく上で迷いとか色々あって悩んでた部分が多かったです。セッターというポジションは前にいて2本目を受けるのでみんなから見られるポジションなので自分の表情とかも意識しながらやっていかなければなりません。どちらかというときょうは冷静にいこうかなと思いました。
――サーブで攻めるという目標は達成できていたと思います
1セット目はほぼミスなしで、攻めたサーブで向こうを崩してというふうにサーブでリズムをつかめて、それでセットを取れていました。自分としても終盤負けてる場面でも攻めてサービスエース取れたりだとか自信につなげることもできました。セッターですけどサーブやブロックで点数に絡めていけたらなと思います。
――きょうはどんなゲームメイクを心がけられましたか
自分としてはリーグでウイングの選手たちが決定率も上がらずに苦しい場面でした。ミドルを中心にということは変わらないのですが、サイドに関しては向こうはトップレベルのチームで、ブロックも高いのでブロックアウトを取れるようにストレートまでしっかり伸ばして相手のブロックを使わせるトスというのを心がけてゲームをつくっていました。
――藤中選手のきょうの決定率の高さはその工夫がうまくはまったからでしょうか
(藤中)優斗とは全然(トスが)合わなくて、自分としてもどのトスが欲しいのかなどお互いにわからなかったので模索しながらやっていたんですけどここにきてしっかり合って、藤中だけじゃなくて加賀さん喜入さんの3人がブロック利用したり決定率を上げれるトスというのがなんとなくわかってきたのでそこをもうちょっと精度を上げていけたらと思います。
――リーグ中はサイドとトスのリズムが合わない時期どう感じていましたか
リーグの中ではミドルを中心につくってきたのでサイドは重きを置いてなかったというか、合わないのはあれなんですけどその中でゲームを通して合わせていこうということでコミュニーケーションを取りました。自分の中で気持ち良く打たせてあげられてないというのをすごく感じていたのでかなり悩んでいました。
――きょうは村山選手がサーブ後に後衛に入っている時バックアタックを打っていましたが今後使っていくつもりで何か練習されていたのですか
いや、そんな練習してないですけど(笑)。彼はなんでもできる選手で、いろんなことが幅広くできるのでその良さを生かしていけたらなと。
――小林選手が1本目に絡み2段トスになる攻撃も多く決まっていました
きょうは自分がレシーブが結構上がっていて、そこからの2段トスもサイドの選手がしっかりとブロックアウトを狙っていてすごく良いかたちだったと思います。僕だけじゃなくて全員がレシーブ上がっていたので全員がトスっていうかたちができていたんじゃないかと思います。
――あすは山口頌平選手(平29スポ卒=現堺ブレイザーズ)とのセッター対決となりますが意気込みを
自分はセッター対決ということで先輩に負けないように自分たちは自分たちのバレーをしていきたいなと思います。
武藤鉄也(スポ2=東京・東亜学園)
――ジェイテクトSTINGSはどんな印象でしたか
Vリーグのチームだったのでやっぱり強かったんですけど、自分たちのやることができてれば競ることもできるし、1セット目のように取ることもできるんだなと思いました。
――どんな場面でもチームとして思い切り楽しんでプレーすることができていたと思います
自分らよりも全然上の相手なので暗くなってもしょうがないし、思い切ってプレーするというのが、きょうの一番の目的でも合ったのでそれができてよかったと思います。
――ブロックについて
早い攻撃に対してもしっかりついていけていたのでそういう部分では良かったと思います。相手も高くて強いのでもう少し動きを早くしたりなど修正する部分はあると思います。
――相手のブロックに対して感じたこと
大学生相手とは全然違って、マークも厳しいし、一対一でも強いし、ほとんど一対二くらいに感じていました。でもVリーグ相手にそれをしっかり打ち抜ければ大学とやるときはそんなに怖くないと思います。あしたも堺ブレイザーズさんとやらせていただくのでそういう部分で向かうっていけたらと思います。
――ご自身のプレーを振り返って
リーグでやっているよりは決まらなかったり、ブロックも出づらかったりしたと思うんですけど、初めてVリーグの人たちとやらせていただく中ではいいプレーも出ていたのかなと思います。あとはサーブが体育館変わったりしてあまり良くなかったのでそれをあした修正できればいいなと思います。
――堺ブレイザーズ戦に向けての意気込み
相手は強いですけど向かっていって、1セットでも多く取れるように頑張りたいと思います。
堀江友裕(スポ2=和歌山・開智)
――地元大阪で大活躍を見せました
地元っていうのは関係ないと思いたいんですけど(笑)。自分の中では最近練習してるつもりなので、大会関係なくいいプレーができたので自信になったかなと思います。でも、継続できないと意味ないのであと2試合あるので継続するってことを意識して頑張りたいです。
――リーグ戦でもディグが多く上がるようになってきていましたが練習の成果ですか
自分では上がってないと思っているので何も言えないですけど。リーグは常に自分の中で反省して4、50点やなと思っています。リベロは守備専門なので求められるものは常に高いと思います。スパイカーに打ってもらうぶん自分はもっと仕事しないといけないなと思います。
――ジェイテクトSTINGSと対戦してみていかがでしたか
合宿とかでお世話になっているので攻撃のパターンとかも自分の中で覚えていたのでやりやすかったです。
――ディグもよく皆さんからの信頼を感じました
みんなも変に僕のことを信頼してくれているので「そこ頼むぞ!」って(笑)。それは1年前はなかった話なのでことしになって「頼むぞ!」って言われて自身はあまりないんですけどそのぶん「やってやろう!」という気になるので言ってくれるのはありがたいです。
――堀江選手のプレーが要所での得点につながりました
上げて決めてくれたら僕の中では盛り上がるので、上げた時は特に「打て!」とか声出して決めて欲しいとは思いますね。
――相手の強いサーブに対しサーブレシーブにで何を意識しましたか
サーブレシーブ毎日練習してるんですけど、ただ強いだけじゃなくてコースを狙ってきてサービスエースを取られても仕方ない部分はありました。それよりも、Aパスにするべきところでできなかったりがあったのでそこは修正しなければいけないなと思いました。逆にキャッチが返ったらもっといい勝負できたと思うので、キャッチの意識は常に持ってスパイクレシーブだけにならずに両方練習したいなと思います。
――2段トスについて
セッターが(1本目を)取ったからと言ってコンビにできないというのは今の日本のバレーには求められていません。(小林)光輝さんが取って僕が上げるのは一応毎日練習しています。練習しても試合ではできないという場面が多かったので、こういう場面でやってできたので、失敗は仕方ないと思うのでこれからもやっていきたいなと思います。
――チームとして思い切り楽しんでプレーしている姿が見られました
相手のチームが実力は上なので相手に流れがいってしまうのは自然だと思うんですけど、相手問わずできたらいいなと僕は思います。
――堺ブレイザーズ戦への意気込み
僕、出身が堺で地元で、色々な思いがあってちょっと緊張するんですけどやるからにはセット取るとか勝利を目指して!それも恩返しになるかなと思うので本当に明日も頑張りたいと思います。
村山豪(スポ1=東京・駿台学園)
――この大会に出場するのは初めてだと思いますがどのような意気込みで臨みましたか
格上が相手なので自分たちがもっているものを全て出し切るという気持ちで臨みました。
――スパイク面ではマークもされていましたが、振り返って
格上相手だとブロックに付かれた時に、かわす能力がまだないと感じました。あと2日格上とやるチャンスが残っているので経験を積んでいきたいと思います。
――バックアタックを打つ場面がありましたが、普段から練習されているのですか
特に練習はしていないのですが、上がってきたので打ったら決まったという感じです(笑)。
――相手のスパイクが強い中でのブロックを振り返って
思った以上にブロックでワンタッチが取れたり、ポイントが取れたりしたので、敵わないという感じではないと思いました。
――あすへ向けて
あしたも格上相手ですが自分たちのバレーをしっかりやって、勝ちたいと思います。