ホッケー部

2017.05.03

春季関東学生リーグ 4月29日 埼玉・駿河台大ホッケー場

『我慢』の70分。格上相手に価値あるスコアレスドロー

 試合終了を迎えた選手の表情が見せたのは、嬉しさ、悔しさ、様々あれども、一番に『安堵』だったように思う。春季関東学生リーグ予選1位通過を賭けた駿河台大との戦いは、長く自陣でのプレーを強いられる苦しい展開の中で0-0のスコアレスドロー。幾度となく連なる敵の攻撃を最後まで受けきり、引き分けを『勝ち取った』。早大と駿河台大はともに予選を2勝1分で終え、得失点差で早大は2位通過。勝てなかった悔しさは残るものの、駿河台大に負けなかったことが大きな収穫だ。

 引き分けに殊勲賞を与えるなら、それはFB瀧澤璃菜(スポ3=岩手・沼宮内)とFB片倉優季(スポ2=山形・米沢商)のものだ。駿河台大との公式戦は2010年以降で14戦11敗3分。『格上』の相手は試合開始早々、速いパスワークで次々と早大ゴールへ間を詰める。それを防ぎ続けたのが底に位置する片倉、そして中央のFB片柳陽加主将(スポ4=栃木・今市)だった。2人がサークルの前で敵に当たり、ボールを奪う。片柳を中心とした粘り強いプレーで、守備から流れを呼ぼうと模索した。しかし前半14分、敵とマッチアップした片柳の顔面に打球が直撃。そのまま負傷退場となり、思いがけずDFの一角が崩れる。前半も半分を残しての事態にその影響が懸念されたが、ここから片倉と、左サイドから代わって片柳の位置に入った瀧澤が獅子奮迅の働きを見せた。手薄になった両サイドから敵の攻撃を許すも、それぞれに片倉、瀧澤が顔を出しサークルへの侵入を許さない。リーグ屈指のGK南有紗(スポ4=埼玉・飯能)も含め自陣に強固な壁を築いた。一方で、なかなか攻勢に転じることはできない。前半22分にFW福井更彩(法3=東京・早実)が1本目のシュートを放つが、ゴールの上。敵の素早いプレスにボールを奪われて前線までつなぐことができず、以降はシュートすら打つことができなかった。

攻守でチームに貢献した片倉

 こう着状態のまま試合が終盤へ差し掛かると、駿河台大が早大サークル内へ入る機会が増える。MF南家未来(教1=京都・立命館)が足をつる素振りを見せるなど、高い集中力を保ってきた選手に心身の疲労が見えてきた。駿河台大はサークル内に縦へ繋ぐ強いパスで好機を演出。何度防いでも襲い掛かる敵のプレッシャーから、あわやというシーンも生まれた。残り5分からは攻守が目まぐるしく入れ替わる中で、駿河台大に5度目のPC(ペナルティーコーナー)。さらに続けて6度目のPCとピンチが続くが、全てを守り切って試合終了。長く苦しい70分間だったが、早大は負けなかった。

無失点に抑えた南

 得点の気配は遠かったこの試合。しかし、駿河台大を完封したことに大きな意味がある。これまでほぼ毎年リーグ戦で顔を合わせ、近年は無失点で切り抜けた試合が無かった。その中で片倉、瀧澤ら選手が一丸となってスコアに0を刻んだことは、このチームの長所を示す結果となる。ここでディフェンスはひとつの結果を出した。あとは、少ない好機をものにする決定力。総合力で劣る相手に対しても、守って、しのいで、ワンチャンスをものにしたい。3週間後の順位決定戦では、リーグ45連覇中の山梨学院大を迎えることになる。その圧倒的な攻撃力にどれだけ我慢し、一瞬の隙を逃さず攻め入ることができるか。ついに『4強』(山梨学院大、天理大、立命館大、東海学院大)との邂逅(かいこう)。現時点での真価が問われる一戦となる。

(記事 安本捷人、写真 榎本透子)

春季関東学生リーグ
早大 0-0
0-0
駿河台大
コメント

FW稲田くるみ(スポ4=佐賀・東明館)

――今試合を振り返って

DFが頑張ってくれた印象がありました。朱音(的場、教2=滋賀・伊吹)が練習でけがをして、抜けていることもありちゃんとしたメンバーで挑んだ訳ではなかったんですけど、その分代わりに入った人もすごく頑張ってくれて、みんなでDFしている感じでした。でも攻めが逆に、みんなで攻めることができたかと言われると難しいところだなと思います。

――サークル内に攻め入るのが難しいように感じられましたが、FWから見て駿河台大のDFはいかがでしたか

ボールを持ってきたらすぐチェック、みたいな感じで結構ガツガツきていたと私的には思っていたので(サークル内に)入りにくかったし、自分で持っていくには難しいかなと思いました。パスで崩すとか、そういう感じじゃないと厳しかったですね。

――前半、片柳主将が負傷で退場しましたが、副将としてチームをどのように立て直しましたか

みんな1人1人が自分に責任を持たなきゃという感じで、私が特にすることはなかったんですけど、後半始まる前に「陽加は途中で抜けて悔しい思いをしていると思うから、自分たちが頑張ってしっかり点を決めて、しっかり守り切ろう」という話はしました。

――無失点に抑えたことについてはいかがですか

今まで立ち上がりの5分に点を決められて、悪い流れのまま試合が続いたことも結構あったので、そういう点に関してはみんなの士気が保てたのかなという印象ですね。

――駿河台大戦に向けて特別に対策はしましたか

駿河台大戦に向けて、というよりは今の自分たちの課題というほうが大きくて、FWは点が決められない、とかそういう感じでした。DFは安定していたから、マークにつくときの声掛けとかをしっかり練習していました。

――順位決定予選で山梨学院大と対戦になりますが、意気込みをお願いします

駿河台大とは比べ物にならないくらいきつい試合になってくるし、FWも攻め切るのが難しくなって、DFメインになるとは思うんですけど、DFが守ってくれる分、FWは1本通してくれたボールを決めきりたいです。

GK南有紗(スポ4=埼玉・飯能)

――今日の試合を振り返っていかがですか

いままで公式戦で、駿河台大と戦って無失点で引き分けだったことがなかったので、きょねんより成長したかなというのと、ことしからトレーニングなどでトレーナーさんを呼んでいただいてやってきたので、その成果が出てみんなが頑張れていたと思います。

――きょねんと比べてプレーの変化はありましたか

きょねんまでは勝たなくちゃいけないというプレッシャーが強くて、あまり自分の本当にしたいことができていなかったのですが、ことしは安定してプレーも出来て、声かけも前向きなことや具体的なことを増やして指示できて、ディフェンスも全員で守ってくれたので、それがすごく大きいかなと思います。

――宿敵・駿河台大に向けて対策されたことは

きょねんとは人もポジションも変わって、ミーティングやビデオを見て分析していたので、それぞれの特徴をつかんでみんなで共通理解を深めて今日は対応できたかなと思います。

――前半に片柳主将が負傷退場してしまいましたが

後ろからなので、チームを安定させるということと、安心させるようなことができればいいなと思っていたので、抜けてしまった主将の分も勝ちきる気持ちでいったことが、無失点に繋がったと思います。

――次戦の意気込みをお願いします

山梨学院は、いままで勝てたことがない相手で、自分たちの目標を達成するには勝たなくてはならない相手なので、自分の目標としては無失点にすることで、チームとしては勝って歴史を変えたいと思います。

FB片倉優季(スポ2=山形・米沢商)

――0-0というスコアについて、どう考えますか

先輩方に聞いたら、あまり失点無しでっていう試合が駿河台大戦ではなかったということなので、無失点に抑えられてよかったなとは思います。ただ勝ちたい試合だったので、得点に繋げられなかったのは残念でした。

――ディフェンス面の目標は何かありましたか

ディフェンスの目標が無失点、点を入れられないという目標でした。

――GKの南選手から「サークル外で勝負しろ」という声が飛んでいました

普段から気をつけていることので、サークル外で勝負というのは気をつけていて、今回もフェアディフェンスというか、追ってくれていて、ちゃんと勝負できている場面もあったので、良かったです。

――相手がボールを持っている時間の長い割にはPCの数はそこまで多くなかった

そうですね、でもできればPCも0にしたかったので。自分たちのミスでっていうのとか、予測しきれなくて、というのが多かったし、相手がPCを連続取りに来て取られているわけじゃなくて、ごちゃごちゃという中で取られている場面が多くて、改善していけるところです。

――片柳選手の途中交代でポジションの変更があったと思うのですが、そのあたりの対応はいかがでしたか

そこもGKの有紗さん(南)と話をして、こういうふうにポジションを組んでというのを話して、でも基本はやることを変えずにマークとかも設定して、という感じでした。

――攻撃の起点として前にパスを出す場面が多かったと思うのですが、振り返っていかがですか

自分自身パスをつなごうという意思機があまりなくて、前線を狙ってパスというよりは、自分たちが楽になるようにクリアという判断しかできていなかったので、もう少し2列目、MFとかと組んでチャンスのきっかけづくりが出来たら良かったかなと思います。

――次戦は山梨学院大との対戦が予想されます。どういった戦いをしたいですか

山学(山梨学院大)も1回も勝ったことのない相手だし、全国1位のチームなので、絶対厳しい試合になると思うのですが、まず自分たちがディフェンスをしっかりしてこれからの練習でもっと得点力を上げて、いい試合ができればいいなと思います。