野球部

2017.04.29

東京六大学春季リーグ戦 4月29日 神宮球場

初先発の早川を打線が援護し先勝/東大1回戦

東大1回戦
早 大
東 大
(早)○早川、北濱-岸本
◇(本塁打)加藤2号3ラン(三塁打)織原(二塁打)宇都口、加藤

 好内容の1勝を得た。前週は明大に連敗を喫し、早くもつまずいた早大。優勝に向け、今週の東大戦では連勝での勝ち点奪取が至上命題となる。そんな中、エースの小島和哉(スポ3=埼玉・浦和学院)が故障により痛い離脱。空いた第一先発に早川隆久(スポ1=千葉・木更津総合)を立て、1回戦に臨んだ。早大は序盤から好機で中軸が走者を返し大量リードを奪うと、投手陣は早川、北濱竣介(人4=石川・金沢桜丘)の二投手をつなぎ、7-4で勝利を挙げた。

 1回表、早大は四球と犠打で1死二塁とすると、3番に入った岸本明也(スポ3=大阪・関大北陽)が右翼に安打を放つ。相手右翼手が処理をもたつく間に二塁走者が生還し、幸先良く1点を挙げた。さらに3回、無死一、二塁の好機から、絶好調の4番・加藤雅樹(社2=東京・早実)が、直球を力負けせず叩くと打球は風にも乗り、逆方向の左翼席へ飛び込む3点本塁打に。六大学屈指の左投手で、球威ある直球を持つ宮台康平(4年)からの一発は、点差以上の価値をチームにもたらした。一方先発マウンドに立った早川は、「前半から飛ばしていきました」とコメントしたように、初回から140キロの直球と緩いスライダーをコースに制球し、4回まで無安打無四球と完璧な内容で試合をつくる。打線は5回にも加藤と織原葵(社4=東京・早実)に適時打が生まれ、7点の大量リードを奪った。ここまで打率.100と結果を残せていなかった織原は、3回にもあわやランニング本塁打となる三塁打を放つなど、復調の兆しを見せた。

3回に今季2号となる本塁打を放つ加藤。左方向への価値ある一本だ

 5回裏、全力投球を続けていた早川が東大5番・楠田創(4年)に初安打となる二塁打を許す。続く打者にも、詰まらせながら打球を右前に落とされ初失点。徐々に球が高く浮き始めた早川は6回にも追加点を挙げられる。7回に2三振を奪い立ち直ったかに見えたが、球数が100球を越えた8回、3本の安打で2点を失ったところで降板となった。ここまで救援のみの登板で、長いイニングを投げるための調整が難しかった中、7回2/3を投げ8安打4失点11奪三振。収穫と課題の見えた初先発となった。後を継いだ北濱が後続を2球で切って取ると、9回も相手打線を3人で退け、東大に追撃を許さなかった。

上々の先発デビューとなった早川

 結果から見ると完勝とは言えない。しかし、内容の良さが光った。打率5割を越える加藤が主砲としての存在感を示したことを始め、打線は複数の選手が調子を上げ厚みを増している。この好調ぶりに髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)も「それぞれの役割を果たしていいバッティングをしている」と目を細めた。4失点の早川も、詰まらせながらの被安打が多かったことを振り返り、「投球術の変化で内野ゴロを打たせていく」と次戦への課題を明確に見据えている。まずはあすの2回戦を勝ち切り、勝ち点を奪取する。その先の優勝に向け、この日のような良い要素の多い試合を期待したい。

(記事 喜田村廉人、写真 大谷望桜、加藤佑紀乃)

黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前
(右) 八木健太郎 .350 四球 遊ゴ    中飛    四球    遊併   
(二) 宇都口滉 .389 投犠    中2    中安 投犠    中安   
  西岡寿祥                           
(捕) 岸本朋也 .389 右安    死球    捕邪 二直    二飛   
(左) 加藤雅樹 .529 四球    左本    右2 四球       三振
  小太刀緒飛                           
(一) 佐藤晋甫 .167 三振    一飛    四球 右飛       中安
(中) 長谷川寛 .250 四球    三振    投犠    三振    一ゴ
(三) 織原葵 .200 三振    中3    左安    一ゴ    遊飛
(遊) 檜村篤史 .176    三振    三ゴ 死球    三振      
(投) 早川隆久 .000    三振    中飛 中飛       三失   
  北濱竣介                           
早大投手成績
名前
早川隆久 7 2/3 11 2.38
北濱竣介 1 1/3 0.00
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コメント

髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)

――リードを一度も許すことなく先勝しました

宮台君(康平、東大4年)を打てたということは非常に良かったと思いますね。先制の岸本(朋也、スポ3=大阪・関大北陽)、その後の加藤(雅樹、社2=東京・早実)ですかね。非常にダメージ大きかったと思いますよ。こういう好投手を攻略できたということは良かったですね。それと、ピッチャーの早川(隆久、スポ1=千葉・木更津総合)が非常にいいピッチングしてくれたと思いますね。

――リーグ戦に入ってから打線の調子が非常にいいのではないですか

オープン戦よりコンスタントに打ててますよね。勝ち負けはあるけれどもつながりもいいし、それぞれ役割を果たしていいバッティングしてると思いますね。

――加藤選手の本塁打は左方向への一本でした

そう。そうなんですよ。レフトスタンドに、まして好投手から打ったというのは非常に値打ちがあると思いますね。それだけに、宮台投手のダメージが大きいんじゃないですかね。

――前週の明大戦で失敗が多かった犠打は修正できているのではないでしょうか

練習もしましたし、選手も自覚を持ってやっていたので、きょうはミスなくやれたと思いますね。

――早川投手は5回以降に捕まりましたが、そのあたりはいかがですか

うーん、アンラッキーもあったしね。そんなに悪いイメージはないですね。非常に良かったと思います。初先発ですからね、そんなに簡単に完封なんてできないですね。4回までパーフェクトに近かったですしね。初先発だったから、東大側にデータがなかったことも良かったかなと。上級生も考えたんですけど、データない方がいいだろうというので。

――ストライク先行でテンポ良く投げていたので、安心して見ていられたのではないですか

そうですね。良かったですね。

――この先の投手起用もきょうのようなかたちで行っていくのでしょうか

もちろん、こういう状態で続いていくと思いますね。

――1年生でこれだけの投球をしてくれるのはありがたいですね

それはもうありがたいですよ。特に今は小島(和哉、スポ3=埼玉・浦和学院)のハプニングもあったんで、助かります。

――快勝でしたが、課題を挙げるとしたら

ちょっとミスがありましたね。檜村(篤史、スポ2=千葉・木更津総合)の普段からは考えられないミスがありましたし。エラーも2つかな。そんなとこです。

――佐藤晋甫主将(教4=広島・瀬戸内)の不振が気になるところですが

まあ、きょう一本出たからまたそれはそれでね。そんなに気にはしてないですね。

――明日の2回戦へ向けて意気込みをお願いします

必ず勝って勝ち点を挙げたいと思います。

宇都口滉(人4=兵庫・滝川)

――前回の明大戦ではバントの失敗がありましたが、きょうはそのバントを成功させて得点につながりました。チームでは何か話し合ったりしましたか

監督さん(髙橋広、昭52教卒=愛媛・西条)からは「3球あるうちの1球決めればいいのだから固くならずにやろう」という話がありました。

――対宮台投手(康平、東大4年)対策というのはチームでは何かありましたか

(宮台は)真っすぐ中心で来るという予想だったので、真っすぐを狙っていくということと、かなり球が荒れていたので、ボール球に手を出さないようにということを話し合いました。

――自身も前回の2安打に引き続き、きょうは3安打の活躍でした。状態は良さそうですね

調子はかなりいいです。

――ファーストストライクから打っているのも好調の理由かと思います

そうですね。そこを意識して、初球から振っていこうと考えています。

――きょう打った3本のヒットはすべて直球ですか

そうですね。全部真っすぐです。

――次戦への意気込みをお願いします

東大だからといって気を抜かずに、この勢いのまま勝っていこうと思ってます。

織原葵(社4=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

東大戦とはいえ、絶対に負けられない戦いなので、そういう意味では先に点を取って主導権を握りながら試合を進められたので良かったです。

――織原選手自身もきょうは2安打と活躍されましたが、先週の明大戦まではなかなか一本が出ませんでした

だんだんと状態は良くなってきていたので、このまましっかりあしたも振っていきたいと思います。

――2打席目は中越えの当たりで一気に本塁を狙い、惜しくもアウトとなりましたが、ランニング本塁打を狙っていたのですか(記録は三塁打)

いや、あれは狙っていないです(笑)。コーチャーが回していたので・・・。足が遅かったです(笑)。

――春季リーグ戦前におっしゃっていた『守備の確実性』、今のところいかがですか

ピッチャーがしっかり打ち取っている打球は捕れているとは思うので、一つ一つ丁寧にやっていきたいなと思っています。

――チームの雰囲気はいかがですか

この間明大に負けてしまったのですが、そこまで雰囲気が悪くなることもなくやれているので、みんなで盛り上がってやっていきたいです。

――きょうは1年生の早川隆久投手(スポ1=千葉・木更津総合)が先発でしたが、何か声をかけられたりは

早川に限らず下級生が多いので、一人一人少しでも声を掛けて、できるだけ本来のパフォーマンスができるように心掛けていました。

――あす以降の試合に向けて一言お願いします

まだ優勝の可能性がなくなったわけではないので、必ず優勝できるよう頑張ります。

加藤雅樹(社2=東京・早実)※囲み取材より抜粋

――好投手・宮台康平投手(4年)が相手でしたが、何か考えて打席に入ったのでしょうか

球が強いので、真っすぐが多いというのは頭に入っていたんですけど、とにかく真っすぐをしっかりたたくというのだけを考えていました。

――(バットを)短く持っていましたが

初めてですね。

――やはり振り遅れないようにということでしょうか

そうですね。風も強くてちゃんと当たればスタンドに届くことはわかっていたので、それだけを考えていました。

――宮台選手はコントロールに苦しんでいましたが絞りづらいのもあったと思います。真っすぐ一本という感じですか

そうですね、手の届くところに真っすぐきたらしっかり打っていくということだけ考えていました。

――左方向への本塁打は高校時代までなかったのでは

2本くらいです。練習試合で1本くらいです。試合で打ったことはないです。

――左投手から左方向に持って行ったのは価値があるのでは

そうですね、自分の中ではすごく成長だなと思います。逆方向にあれだけ角度出せるということはなかったので。スライスして逃げていってしまうファーボールが多かったので、ばっちり強く打てたというのは自分の中では大きかったです。

――去年ケガもありましたがこれだけしっかり入れたのは何が良かったのでしょうか

オープン戦全然打てなくて、自分の中で何か変えないとということで、動きを小さくすることを意識しました。

――今まで動きをつけていたのは飛ばしたいという思いからなのか

飛ばしたいというのが大きかったので、それで今までやってきてきたのですが、身体も強くなってきて、そういう動きなしでも打てるようになってきたので、小さくしましたね。

――ここまでチームを勝ちに近づける一本が出ているのではないかと思いますがご自身のプレーを振り返っていかがですか

チームのために戦うというのをすごく意識しているので、きょうなどは結果に結びついて良かったと思います。

――あすの2回戦に向けて一言お願いします

連勝できるように、もう負けられないと思うので、しっかりあすもチームのために打席に立っていきたいと思います。

早川隆久(スポ1=千葉・木更津総合)※囲み取材から抜粋

――初先発でした

いくらヒットを打たれてもいいので無失点でいこうという気持ちで投げていました。そう簡単にはうまくいかなくて、これでもし東大の宮台投手(康平、4年)がいいピッチングをしたら勝てないと思うので、課題が残る試合だったかなと思います。

――具体的な課題としては

やはり前半が良かったので、後半での球の浮き具合だけ修正していければなと。打たれている球が全部高いので、打たれて仕方がないなという球でした。

――浮いてきた原因は何だと考えていますか

こっちに来てからロングイニングをあまり投げていなくて、いざ投げた時に後半でもしっかり低めに投げられるような対策をとっておくべきだったかなと思っています。

――スタミナ不足もあるのでしょうか

やはり投げ込みが足りないというか、(ここまで)ショートイニングが多かったのでショートイニング用の調整をしたというのが課題かなと。

――前半から飛ばしましたね

投手コーチ(脇健太朗、社4=早稲田佐賀)からは後ろを気にせず前半飛ばしていけと言われていたので、前半から飛ばしていきました。

――8回での降板となりました

完投一本だったのですが、8回裏にああいったかたちで打たれたので代えざるを得なかったのかなと。

――高校と大学では、同じ先発でも違うものでしょうか

金属(バット)の場合、振り抜かれると外野の定位置くらいまで飛んでいってくれるのですが、逆に木製だと振り抜かれて落ちるという安打が何本かありました。投球術の変化でちょっとずつ動かして、フライじゃなくて内野ゴロを多く取っていくのが次の課題かなと。

――きょうの球種は

まっすぐとスライダーだけですね。球種は2つだけです。

――打たれるのはショックですか

打ち取ったと思っても落ちるので、メンタル的にくるといえばくるのですが、仕方がないかなという気持ちの方が強いので、そこはすぐ切り替えて投げていけました。逆に内野ゴロを打たせるようなピッチングをしていかないといけないなと思います。

――この先に向けて

理想は、自分が高校からずっとやってきた27球で終わる投球です。大学でも100球以内で終わらせられればなと思います。